- 06-623 :世界に破滅を、貴女には絶望を 1 ◆kmbxgHC1NY :2010/02/26(金) 22:18:50
ID:j4uZa2jw
- パキィン!と澄んだ音を立てて、あたしが手にしていた剣が折れた。
……これでもう、武器は無い。仲間も皆一人残らず、『瞳』にされた。
魔法力も残り少なくって……つまりは、もう……!
「どうした、ダイ。もう抵抗は終わりか?」
クックッ、楽しそうに喉を鳴らして目の前の大魔王が笑う。
もう本当に、何も抵抗する手段が無いと悟ってしまったあたしの表情が、絶望に染まっていくのを楽しんでいるのだ。……中々悪趣味な奴である。
「こないのならこちらからゆくぞ?」
「……っ!」
笑みを崩さぬまま、大魔王バーンは一歩、また一歩と近づいてくる。
そしてその分だけ、あたしは後ろへと退がる。
一応折られた剣を構えてはいるものの、それではどうしようもないことはわかっている。
でも、これでも以前に剣を折られたときよりはずっとマシではあるのだけど。
「そら、どうした。もう後ろは壁だぞ?」
バーンが言うが早いか、あたしの背が壁にぶつかった。
もう逃げ場は無い。その事実に、脚から力が抜けて行く。
駄目、立たなきゃ……!最期まで戦わなきゃ!!
頭ではそう思ってるのに、脚には力が入らない……呆然と地面に座りこんだまま、動けない……!
「これでチエックメイト、だな」
言って、バーンがゆっくりと腕を振り上げて、カラミティエンドの構えをとる。
あたしは、それをただ呆然と眺めるしか出来なくて……瞳を閉じる。
頭の中では今までの思い出が駆け巡っていて……これが走馬灯ってやつなのかな?
最初に浮かんだのは、父さんと、あたしを拾って育ててくれたブラスじいちゃん。
それから、夢で一度だけ逢えた母さんに、いつも一緒だった小さな友人。
親友でもある兄弟子、自分を支え続けてくれた仲間たち。
それから、それから……胸の中で、仲間に。
自分を信じ支えてくれた人に、地上に住む全ての生物に、ごめんなさい、と呟いて瞳を閉じる。
……だけど、何時まで経っても最期の痛みはやってこない。
もしかして、自分でも気づかない内に死んでしまったんだろうか。そう考えながら恐る恐る瞳を開けた。
「ふ……む」
目の前には、相変わらずバーンが、居た。
一応自分の身体を確認するも、新たに加えられた傷などは見当たらない。
どうやら、あたしはまだ生きているらしい。でも、それなら何故早く止めを刺さないのか。
そんな疑問をよそに、バーンは顎に手を当て、なにやら楽しそうに考え事をしている。
「ダイ、お前に余の子を孕んでもらおうか」
沈黙を破ったのはバーンだった。
楽しそうに笑うのは大魔王一人で、あたしはは今の言葉をただ呆然と聞く。
カラカラに乾いた喉は言葉を発することを拒んでいるかのようで……
「ぇ……な、にを」
ようやく絞り出せたのは、これだけ。意味が、わからない。
そんなあたしの様子が面白いのか、バーンは楽しげに口の端を歪めた。
「何を?言葉の通りに決まっているだろう」
ゆっくりとバーンがしゃがみ込み、目線をあたしと合わせる。
バーンの金色の瞳に浮かんでいたのは、愉悦の色。
「余の力と、お前の竜(ドラゴン)の騎士の力を受け継ぐ子だ」
バーンの手が、あたしの髪に触れて、一房を摘み上げる。
そのまま、口元に持っていって口付けられた。
……なに。なんで、こんなに、こわい、んだろう。
「お前も楽しみであろう?」
言いながら、値踏みするようにあたしの顔を、覗き込んでくる。
「ふむ、少しばかり幼すぎる気もしないではないが、素材は悪くはない。これからの成長に期待させてもらおうか」
髪を撫でていた手が、頬に触れる。そしてそのまま顔が近づいてきて……
- 06-624 :世界に破滅を、貴女には絶望を 2 ◆kmbxgHC1NY :2010/02/26(金) 22:20:15
ID:j4uZa2jw
- 「っ!!嫌っ!!」
ようやくあたしは、我に返って頬に添えられたバーンの手を振り払う。
だけど、バーンはそれに気を悪くした風でもなく、それでいい、と笑った。
「大人しくされるがまま、ではつまらん。思う存分に抵抗して余を楽しませるのだ」
言いながら、バーンの手が服の襟を掴む。それを振り払う、その前に引き裂かれた。
ビリィッと、布の裂ける音と共に、あたしの身体が冷たい外気に晒される。
「ぃっ、あ……きゃああっ!!」
咄嗟に腕で胸を隠しながら、悲鳴をあげた。
目の前の男はそれを楽しむように、笑みを崩さぬまま、今度は下半身、スパッツへと手を伸ばしてくる。
あたしは性に関する知識なんてよくはわからない。でも、これから自分の身に起こることが決して「良いこと」ではないとわかっている。
だって、彼は言ったのだ。あたしに、『子を孕んでもらう』と。それは、つまり……
「いやぁっ!っ……ら、電撃呪文(ライデイン)!!!」
伸ばされた手が届く、寸前に咄嗟に呪文を唱えた。
ガァンッと、一条の稲妻がバーンの身体を焼く。
けれど、服が多少焦げたくらいでバーンに大したダメージは無かった。この程度の呪文が効くとは思ってはいなかったけど……
「あ……」
後ろに退がろうにも、既に後ろは壁。
残っていた魔法力も今ので本当に使い切ってしまった。
格闘できるような体力も残っていないし、武器も無い。
「どうした、もう抵抗はしないのか」
もう本当に、どうすることも出来ない。
床に引き倒されて、残る布地も全て引き裂かれる。
これでもう、あたしの身体を包む物は無くなってしまった。
……生憎と両の腕もバーンに押さえつけられていて隠すことも出来ない。
思わず反射的に足を振り上げた、けれどそれも、残る片手で受け止められて、そのまま脚を割り広げられてしまった。
「抵抗できないのならば、せめてイイ声で鳴くのだな」
何とか拘束を振りほどこうともがく、けれど腕を押さえつける手も、脚を押さえる手も、びくともしない。
そんなあたしの様子を楽しむように笑いながら、バーンが顔を近づけてくる。
彼の長い白銀の髪が、頬に触れて、そして
「ん、んーっ!!」
唇を塞がれた。
……ただ唇と唇が触れあうだけのキスならば、経験がる。
それは記憶を失っている間の事で、記憶を取り戻した今では自分でもうろ覚えなのだけれど、
『大好きな人』にされた事を思い出すと、少し胸が熱くなって一緒に頬まで熱くなる。
今のこの相手がその人だったなら、きっと幸せな気持ちになれたんだろうと思う。だけど、ちがう。違う。
バーンの舌が、あたしの口内を這い回る。
気持ち悪い。何とか逃げようとするけれど、あっさりと捕まって、舌を絡められて、そのまま吸い上げられて、歯列までもなぞられて……
息苦しいし、気持ち悪い。ただそれだけが、あたしの頭の中で繰り返される。
「ふ、……はぁ……は、ぅぅっ」
このまま窒息死するんじゃないか。そう思った頃に、ようやく唇が解放された。
あたしは空気を求めて喘ぐように呼吸をする。
……もしかしたら、ここで窒息死しといた方がよかったのかもしれない。
口の端からは、自分のモノかそれとも、相手のモノかもわからない唾液が垂れて、嫌悪感に肌がざわついた。
それを拭いたくとも、相変わらず腕は押さえつけられたままなので、それも叶わない。
悲しいのか、それとも悔しいのか。……両方か。
瞳からは大粒の涙が溢れて止まらない。
- 06-625 :世界に破滅を、貴女には絶望を 3 ◆kmbxgHC1NY :2010/02/26(金) 22:21:42
ID:j4uZa2jw
- バーンがそんなあたしを楽しそうに見ながら、あたしの長い髪を結い纏めているリボンへと手を伸す。
リボンには触れられたくなくて、今までよりも一層激しくもがく。けれども、相変わらず拘束を振り切ることはできない。
スルリ、リボンが解かれて、床にあたしの漆黒色の髪が広がった。
「!?いや……それは、返して!!お願い!!」
それは、大切な、大好きな人から初めて貰ったモノ。ずっとずっと、大切にしてきたモノ。
『君にあげるよ。……また、会えますようにってお呪い……かな?』
そう言った彼の頬は少しだけ赤く染まっていて……あたしも、嬉しくて、また会える日が楽しみで……
「心配するな。ただの拘束用だ」
叫ぶあたしを愉快そうに見やりながら、今まで自らの手で押さえつけていたあたしの腕をリボンで縛り上げる。
これで押さえつける必要もなくなったからなのか、バーンが改めてあたしの身体を値踏みするように眺める。
「ふん、貧相な胸だな」
「うっ、うるさいっ!!」
ポツリと呟いたバーンの言葉に、思わず言い返した。
よりによって一番気にしていることを!と眉を吊り上げ目の前の男を睨み付ける。
確かに今は真っ平ら、と言われても仕方ないかもしれないけど……でも、あたしだって、もう少したてばマァムみたいな巨乳になるかもしれないじゃない!
「そういえば、揉むと大きくなる、という俗説があったな。試してやろうか?」
「……結こ、ぅ、ぃっ」
バーンの軽口に、語気を荒めて言い返す。
けど、その言葉を遮るようにバーンの手が乱暴にあたしの胸を揉みしだいた。
それはただ、あたしに苦痛を味合わせたいだけのモノ。
赤く手形が残るほどの力で加えられる苦痛に、必死で声を押し殺す。
ここで声をあげてしまったら、ただこの男を楽しませるだけだとわかっていたから。
「ぅ……っ゛、っ……あ、く……!」
小さな膨らみの頂点に色づいた乳首が、おもいっきり捻りあげられた。
新たに加えられた痛みに思わず背をのけぞらせはしたものの、あげそうになった悲鳴は何とか呑み込む。
が、バーンは全く悔しそうな素振りなど見せない。それどころか満足気に笑っているのだ。
……あたしが泣き喚こうとも、必死に耐えようとも、彼にしてみればどちらでもいいのだ。……悔しい。
一先ず胸を弄ぶことには飽きたのか、、今度は先程から開かれたままの脚の中心へと手を伸ばしてくる。
咄嗟に脚を閉じようとしたけれど、間に合わず両の手で脚を押さえつけられて、しかも身体を滑り込まされた。
指が、自分でも触れたことのない場所に、触れた。ビクン、嫌悪感にあたしの身体が震える。
脚の間を覗き込まれる。その顔を蹴り飛ばしてやりたいが、生憎と脚を押さえつけられたまま。
指で、ソコを割り開かれる。気持ち悪い。気持ち悪い!心の底から浮かんでくるのは嫌悪感だけ。
「……濡れてはいないようだが、構わぬか」
顔を上げ、バーンが呟く。
何が構わないのかよくはわからないが、まぁどう考えてもいい意味での言葉のわけはない。
そうは思ってはいたけど、次の瞬間。目に入った光景に、あたしは言葉を失う。
「ぇ、な」
……バーンが、自らのズボンを下ろしているところだった。
言葉を失ったあたしの髪を引っ掴んで、身体を無理やり起こされる。
眼前にあったのは、バーンの、その……モノで。
「咥えろ」
短く、告げられる。
何を言って……!あたしは、当然思いっきり拒絶する。
「い……うぐっ!?」
けれど、拒絶のために開いた唇に無理矢理ソレを押し込まれた。
髪を掴まれたまま、頭を無理矢理前後に揺すられる。
その度に、口内で押し込まれた異物が大きく硬くなってゆく。
「う……ぐぅ、うっ……うぅ!」
大きさを増したソレは、あたしの口には大きすぎて、息苦しさと、顎が外れてしまいそうな恐怖に、瞳から大粒の涙が零れる。
そんなあたしの様子に、バーンは満足気に笑ってソレをあたしの口から引き抜いた。
- 06-626 :世界に破滅を、貴女には絶望を 4 ◆kmbxgHC1NY :2010/02/26(金) 22:22:56
ID:j4uZa2jw
- 「う……げほっ、げほっ……!」
息苦しさから解放され、咳き込みながら息を吸い込むあたしを、再び乱暴に床に組敷く。
あたしはまだ咳き込みながらも、精一杯の抵抗として彼を睨みつける。
けれど、バーンは意にも介さずあたしの脚を割り開き……!
「い、嫌ッ!!」
思わずあたしは悲鳴をあげてしまった。
だって、さっきの硬くなったソレが、あたしのソコに宛がわれたから。
ソレが何を意味するか。それくらいは知っている。だから、あたしは、悲鳴を上げずにはいられなかった。
……目の前の相手が、悲鳴を上げたくらいで止めてくれるわけが無い事くらいわかっている。
それでも、咄嗟に彼の顔を見てしまう。一抹の懇願を浮かべて。
……彼は、笑った。悪魔のような笑みで!
「せいぜい泣き叫ぶがいい……!」
「い……嫌あああああああああああああああッ!!!」
バーンの言葉と共に、激痛が襲ってきた。痛みの中心は、脚の間で……。
凄く、痛くて熱くて苦しくて!貫かれた痛みになのか、それとも処女を奪われてしまったことになのか。
あたしの瞳から、涙が零れる。次から次へと零れて、止まらない。
「ク、クククッ……なんだ、いい声で鳴けるではないかっ」
喉を鳴らし笑いながら、バーンが腰を打ち付ける。
その度に、まるで内臓を引きずり出されるような、灼熱の棒に掻き回されるような。
そんな痛みが熱さが、襲ってくる。
「痛い、痛いよぉ……!も、やめ……っ!!」
口から無駄だとわかっているのに懇願の言葉が零れる。
あたしのそんな様子が楽しくて堪らないのか、バーンが馬鹿笑いを上げる。非常に耳障りだ。
……こんな風に胸の奥では毒も吐けるのに、実際に唇から漏れるのは、嗚咽だけ。
「ぅ、ふ……うぅ……れお、な、……レオナぁ……」
もうどうすることも出来なくて、あたしの唇からは嗚咽と一緒に、彼の名前が。
あたしの、大好きな人の名前が零れていく。
その名前を呼んだってどうしようもないことくらいわかっているのに、涙と同じく、止まらない。
そんなあたしを嘲笑いながら、バーンは更に激しく腰を打ち付けてくる。
その度に、奥のほうにゴツリと固い肉がぶつかって、痛みに身体が跳ね上がる。
あたしは何度も痛い痛いと泣き叫ぶけれど、バーンはソレを気にもかけてくれない。
あたしが壊れてしまおうが、お構いなしということらしい。
何度も何度も、突き上げられる。その内にあたしの身体にも変化がやってきた。
痛みは大分治まって、代わりに何か、別の感覚があたしを襲う。
なん、だろう。嗚咽とも違う声が、あたしの唇から零れ始める。
「ぁ、う……はぁ、ん、んぅ!」
奥に向かって突き上げられる、その度に、バーンを咥え込まされたそこからグチュグチュ、と濡れた音が響いてくる。
身体が、熱くて。なんだか……ううん、違う違う。そんなはずない。
頭に浮かびかけたその言葉を、あたしは必死で振り払った。だって、そんなはずないのだ。
気持ちいい、だなんて、そんな、はず……ない。あるわけがない!
バーンが薄く笑みを浮かべながら、あたしの胸に手を伸ばしてくる。
その指が、さっきとは違って優しく……あくまでも、先ほどに比べれば、だけど、胸の突起を摘む。
「ひぁ、んっ」
瞬間、甘い痺れが背を、体中を走り抜けていって、あたしは思わず声をあげた。
一度零れちゃったら、もう戻らない。
さっきまでの涙も嘆きも、……いまの、甘い声も。
先ほどまでよりも、突き上げる勢いが激しくなる。なのに、あたしは痛みなんて感じていない。
肉と肉が擦れる度に、ゴツリ、と奥に硬いモノが当たる度に、体中が甘く痺れて、声が零れる。
駄目だ。こんなの、駄目。……ぃなんて、そんなこと、ない!
- 06-627 :世界に破滅を、貴女には絶望を 5 ◆kmbxgHC1NY :2010/02/26(金) 22:23:51
ID:j4uZa2jw
- 「あ、あん!は、ん……や、あぁっ」
なのに、声はどんどん大きくなっていく。それと同時に、振り払ったはずの言葉がまた、戻ってくる。
違う違う。……も……ぃい、なんて、違う!
「どうした、随分と気持ちよさそうな声を出すようになったな?」
喉を鳴らしながら、バーンが言う。
あたしは、それを否定しようと口を開く。
でも、奥に、硬いモノを思いっきり突き立てられて、否定の変わりに、甘い声が、零れ落ちる。
グチュグチュ、音が響く。その度にあたしは甘い痺れに襲われる。
最初は小さなものだったけれど、それはどんどんと膨らんできて……もう、弾けてしまいそう!
「あ、ら……め、も……なに、か」
頭の中が、真っ白になる。身体が、震えて……気持ち……いい。
荒く息を吐くあたしの身体は、まだ揺すられてる。気持ちいい、というよりは、辛い。
ろくに息を吸い込むことすらできなくって、気を失ってしまいそう。
打ち付ける腰の動きが、一層激しくなってきて、あたしは、また頭の中が真っ白で
「あ、あぁッ!!」
身体が大きく震えるのと、同じか、ちょっと遅れて、あたしのお腹の中に何か、熱いモノが注ぎ込まれるのを感じた。
ゆっくりと、あたしの中から、肉の棒が引き抜かれていく。それが全部引き抜かれると、今まで繋がっていた場所から、赤と白の混じったドロリとした液体が溢れ出てきた。
ああ、本当に、取り返しのつかないところに来てしまったと。身体の熱が冷めていく、それと同時にそんな感情が溢れてきて、また涙が止まらなくなった。
「ククク……恋しい男の目の前で、憎い敵に犯されて、あまつさえ善がり狂われるといのは、どんな気持ちだ?」
喉を鳴らしながら、バーンが問いかけてきた。
……いま、なんて、いった?“恋しい男の目の前で”。
あたしの耳がおかしくなったのでなければ、そう、聞えたんだけど。
「まさか忘れていたわけではあるまいな?」
先ほどまでとは別の意味で、頭の中が真っ白になる。
……顔を僅かに動かして視線を彷徨わせる。目に入るのはところどころに散らばった、丸い宝玉。『瞳』。
それは、目の前の男によって姿を変えられた仲間達で、その中には勿論、彼も、含まれていて。
それは、つまり。……つまり……?
「ぃ……いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
- 06-667 :世界に破滅を、貴女には絶望を 2話1/7 ◆kmbxgHC1NY :2010/03/25(木) 22:03:00
ID:iIx/OXn0
- どん、お腹の内側から、軽い衝撃が伝わってくる。
もう大分大きくなった、自分のお腹を軽く撫でながら、あたしはため息を吐く。
あたしは、お腹の中の子の父親を愛してなんかいない。むしろ、憎んでさえいる。
それなのに、どうしてだろうか。子供のことは、愛しく思えるのは。
……もう一度、お腹を撫でて、ため息を吐く。
「どうした、ため息など吐いて」
ノックも無しに開けられたドアからかけられた声に、あたしは途端に不機嫌になる。
先ほども述べたとおり、あたしはこの男を、大魔王バーンを、憎んでいるのだから。
「……誰かさんのお陰で、ね」
言って、軽く睨んでやるが、フン、と鼻で笑われる。
それがまた、憎らしい。
……あれから、そろそろ一年が経とうとしていた。
いま、太陽に照らされているのは魔界で、地上は、もう無い。
……仲間の前で凌辱されて、地上が吹き飛ばされる様を目の前で見せつけられて、あたしは、舌を噛み切ろうとした。
それを止めたのは、バーンの一言。
『お前が生き続ける限り、そこに転がっている者達の命は保証してやろう』
……皆は、どう思ったのだろうか。
人質として生かされるくらいなら、死んだ方がいい。と、思ったりしたのだろうか。
……例えそうだったとしても、あたしは皆に、……彼に、生きていて欲しいと。
今でも、そう思っている。
「もう臨月であったな。……仲間共には、会わんのか?」
あたしの腹を撫でながら、バーンが尋ねる。
その手を払い除けて、彼に背を向けた。
……皆は、この大魔宮(バーンパレス)の地下に幽閉されている。
それは知っているし、あたしは行動を制限されてはいない。
会いに行こうと思えば、いつだって会いに行ける。
……むしろ、会いたい。
だけど、この一年間。あたしは、一度も皆と会っていない。
だって、どんな顔をして会いに行けばいいと言うのか。
- 06-668 :世界に破滅を、貴女には絶望を 2話2/7 ◆kmbxgHC1NY :2010/03/25(木) 22:04:08
ID:iIx/OXn0
- 敗けてしまった。凌辱されてしまった。
おまけに孕まされてしまった。
……会いに行けるわけが無いじゃないか。
そんなあたしの内を、わかっているのか、いないのか。
くつくつ、喉を鳴らして背後の男が笑う。
「用がないなら、早く出ていってくれないかな」
これ以上この男と同じ部屋にいるのも、顔を見るのも嫌で、振り返らずに冷たく言ってやる。
もちろん、これで大人しく居なくなってくれるような優しい相手では無いことは、わかっているけれど。
「ああ、それはすまなかった。だが、余は用がなければ動いたりはせぬぞ?」
くつり、笑ってあたしの身体を強く、抱き寄せる。
その腕の中から、なんとか逃れようともがくけれど、拘束はびくとも揺るがない。
腕は、あたしを拘束したまま。右手が、胸へと伸びてくる。
「や、っ」
たどり着いた手が、軽く方胸を揉んだ。
ただそれだけの事なのに、あたしはビクリ、身体を震わせる。
そんなあたしの反応を楽しんでいるのか、バーンはあたしの耳元で囁くように笑い、首筋に顔を埋めてくる。
ぬるり、首筋を這う舌が気持ち悪い。
空いていたもう片方の手は、お腹を撫で回しながら、下腹部へと降りて行く。
「……っ、離して!」
相も変わらず、身をよじり拘束から抜け出そうとするあたしに、バーンが囁く。
「今さら嫌がることでもなかろう?」
言いながら、あたしの服の胸元を緩めて、直に触れ、揉みしだく。
乱暴に、ではなく、優しく。
……心では嫌だ、気持ち悪いって思ってるのに、身体の方はそうは思ってくれないらしい。
優しく揉まれる度に、じんわりと快感が身体中に広がっていく。
せめて声をあげないように、必死で唇を噛み締める。
けれど、バーンの指が、硬くなった乳首を摘まみ上げる。
「ひゃ、ぁ……あ、ん!」
ただそれだけで、簡単に声はこぼれてしまう。
一度こぼしてしまったら、もう抑えることは出来ない。
- 06-669 :世界に破滅を、貴女には絶望を 2話3/7 ◆kmbxgHC1NY :2010/03/25(木) 22:05:18
ID:iIx/OXn0
- 胸を揉みしだかれる度に、乳首を摘まみ、引っ張られる度に。あたしは喘ぐ。
下腹部へと伸びた手が、ドレスの裾をたくしあげて、脚を撫でる。
撫でる手は、上へ上へとゆっくりと登って、遂に脚の付け根へと辿り着いた。
「や……ぁっ」
下着の上から、指が這いまわる。
一番敏感な場所には触れないで、中心部をゆっくり二度三度と往復するその動きに、焦れて懇願してしまいそうになるのを必死に耐える。
それでも、あたしの身体には十分すぎる刺激で、呼吸はどんどん荒くなって、脚が小刻みに震えてしまう。
「……っ、は、ん……あ、ぁあっ」
指が、下着の中に入り込む。
直に触れられたそこは、もう既に濡れているみたいで、グチュグチュと濡れた音を響かせる。
太い指が、何度も入り口を撫で回して、それから、
「ひっ、あ、あんっ!」
指が一本、ナカに入ってくる。
もう十分すぎる程に濡れていたからか、痛みはない。
それどころか凄く……気持ちよくて、軽く意識が飛びそう。
指が出し入れされる度に、身体が震えて、頭の中は真っ白に染まっていく。
ああ、もう……だめ、かも……
「あ、はっ、んん……っッ!!」
入り込む指が、二本に増やされる。
それだけでも立っていられなくなりそうな刺激なのに、胸を揉んでいた手も、下へと降りてくる。
その手も、下着の中に入り込んで……
「ああぁっ!!」
あたしの一番敏感な場所、クリトリスに触れた。
ただ触れただけ、それなのに、背が弓なりに跳ね上がる。
くつり、バーンが耳元で笑ったような、気がした。
「い、や!あ、あぁっ!」
指が、クリトリスを捏ね回す。
ナカに入り込んだ二本の指も、一層激しく出入りを繰り返す。
そんな激しい攻めに、あたしは、ただ身体を震わせて喘ぐしかなくって……。
「んぁ、も……い、……あ、んぅ!!」
- 06-670 :世界に破滅を、貴女には絶望を 2話4/7 ◆kmbxgHC1NY :2010/03/25(木) 22:11:10
ID:iIx/OXn0
- 真っ白になった頭の中が弾けて、身体は大きく震る。
脚から力が抜けて、ペタリ、床に膝をついた。
荒く吐息を溢しながら、あたしは罪悪感に苛まれる。
だって、こんなにも憎い相手に、身体を弄ばれてその上、イってしまうなんて。
そんな自分が嫌で、涙さえ溢れてくる。
だけど、目の前の男はそんな事などお構いなしに、自身の欲望をあたしに突きつけてくる。
目の前に出されたのは、硬く勃ちあがった、肉の棒。
……あたしは、黙ってそれに舌をのばす。
そうしなければ、無理やり口にねじ込まれるのだ。
それなら、自分からする方が苦痛は少ない、と思う。
先端を舐めて、それから根元の方まで舌を這わせる。
また先端まで戻って、今度は口を開けて咥えて、根元には手を添えて擦りあげながら頭を前後させる。
あたしは、この行為があまり好きではない。
だから、早く終わらせたくって必死に手と舌を動かす。
「ふ……大分上手くなったものだな。だが」
「ぅ……ふ、ぐぅっ」
バーンの手があたしの頭を掴んで、そのまま自分の方へと押さえつける。
喉奥に先端が突き刺さりそうなほど押し込まれて、苦しい。吐き気がする。
「そんなにチマチマとしていたのでは、何時まで経っても終わらんぞ?そら、手伝ってやろうではないか」
バーンが高笑いをあげながら、ひっつかんだあたしの頭を激しく揺さぶる。
あたしは、吐き気を堪えながら、大人しくされるがままにしていてる。
だって、どうしたって今のこの状況から脱け出せる術がないから。
だから、早くこの苦痛から解放されるように、せめて擦りあげる手の速度を速める。
それが項をなしたかどうかはわからないけれど、くわえ込まされた肉が、あたしの口の中でビクビク、って跳ね上がる。
それから、ドロリとした液体が口の中に溢れて……
「ん、ん……ぐ、んんっ」
ドロドロとしたその粘液は、美味しい、なんてモノとは余りにもかけ離れていて、今すぐにでも吐き出してしまいたい。
けど、飲み込まなければずっとこのまま。だから、あたしは必死にソレを飲み干す。
「んぶ……はっ、う……ぅえっ」
- 06-671 :世界に破滅を、貴女には絶望を 2話5/7 ◆kmbxgHC1NY :2010/03/25(木) 22:13:15
ID:iIx/OXn0
- ようや飲み終えてく解放された、その側からたった今飲み込んだモノが込み上げてくる。
何とか堪えようとしたけれど、やっぱり駄目。その場で戻してしまった。
「ぅぅっ……げほ、げほ」
「せっかく飲ませてやったというのに。仕方がない」
吐いて咳き込むあたしを労るでもなく、バーンが言う。
……この男は、あたしの腹の中にいるのが自分の子供だと本当にわかっているのだろうか。
「下の口で飲んでもらうしかないな」
わかっていてこのセリフを吐いているのなら、頭がおかしいというしかない。
……わかって言っているのだと思うけど。
「そら、尻をこちらに向けて脚を開け」
なるべく早く終わってほしい。
そう願いながら、あたしは大人しく言われた通りにする。
床に膝と手を着いた、四つん這いの姿勢。
……流石にこの体勢だとお腹が重たい。
ドレスの裾がたくしあげられて、下着も降ろされる。露にされたお尻に手が添えられて
「ぅああっ!!」
一気に、貫かれた。
あたしが、お腹に彼の子供を身籠っていることなど本気で忘れているんじゃないか。
それくらいに、激しく突き上げてくる。
押し込まれる、その度に、硬い肉が奥に当たる。
感じているのは痛みなのか、快感なのか。
自分でもよくわからなくなる。
「あぁっ!だ、め……やめ、てぇ……あか、ちゃ……あっ、しんじゃ……う、んっ!」
こんなに激しくされても、お腹の子供は大丈夫何だろうか。
そう考えたら、怖くなって、止めてくれるように懇願する。
けれどもやっぱりというかなんというか。
「ふん、心配せずともこの位では死んだりはせぬ。何せ、余とお前の子供だからな?」
言い放って、更に激しく打ち付けてくる。
一体どういう理屈なのか。さっぱりわからない。
……わかりたくもないけれど。
- 06-672 :世界に破滅を、貴女には絶望を 2話6/7 ◆kmbxgHC1NY :2010/03/25(木) 22:15:30
ID:iIx/OXn0
- 「あ、あぁっ!ひ、あんっ!」
突き上げられる、その度に、あたしの頭の中が真っ白になっていく。
ああ、あたし。またイかされちゃう……。そう思うが早いか、背が大きく跳ね上がる。
「い、あっ、あぁ!!」
今日二回目の絶頂。
もう身体には力が入らなくって、自分の身体を支えているのも辛いくらい。
けれど、バーンは少しも腰の動きを遅めてはくれない。
変わらず、あたしの身体に肉の欲望を差し込む。
何度も何度も奥に当たって、……痛い!!
「あ、ぃ……い、痛い……の。お腹、痛いぃ……!!」
急にお腹が、それも下腹部が痛み出す。
なんというか、お腹から、何か、出てきそうな、そんな痛み。つまり、……産まれ、そう……!?
「ほう、陣痛が始まったか?ならばそろそろ終わりにしてやるか」
あたしがもがく姿にも、顔色ひとつ変えずに、呟く。
そしてラストスパート、と言わんばかりに腰を打ち付けてくる。
がつんがつん、音がしそうな位に激しく。
いつもならば、きっとそれだけでイかされてしまう。
……悲しいくらいに、あたしはこの男に慣らされてしまっているから。
けど、今はそれどころじゃない。
あたしの中に、何かが入り込んで動いている。それはわかるのだけど、感じているのはお腹の痛みだけ。
「う……ぁ、ん、ぅう……」
あたしの中から、肉が引き抜かれる。
……どうやら、痛みに悶えている間に終わったらしい。
少しでも楽な体勢をとりたくて、そのまま崩れるように身体を床に横たえる。
肩で息を吐く、その間に痛みが嘘のように引いた、かと思えば、また暫くの後に痛みがぶり返す。
それを何度か繰り返して、今度はさっきまでバーンを咥え込まされていたソコから、彼の放った白い粘液と一緒に水のようなものがあふれでてくる。
それと同時くらいだろうか。下腹部の痛みが、いっそう酷くなったのは。
「う、うぁ、あぁっ」
中から、何かが出てくる。
……何かが、と言っても、それが赤ちゃんであることは疑いようがないのだけど。
「そら、もっといきめ。早く子の顔を見せろ」
バーンが面白そうに、囃し立てる。
……普段でさえ不愉快だというのに、少し、いや、一生黙っていて欲しい。
それでも、ずっとこのままでいるわけにもいかないので、言われた通りにする。
ゆっくり、ゆっくりと、お腹の中から、あたしとは別の存在が滑り落ちていく。
「う、あ、あぐ……うぅ!」
「頭が見えてきたぞ。そら、あともう一息だ」
- 06-673 :世界に破滅を、貴女には絶望を 2話7/7 ◆kmbxgHC1NY :2010/03/25(木) 22:16:05
ID:iIx/OXn0
- ―………暫くの間、あたしは意識を失っていたみたいだ。
気がついた時には、ベッドの上にいて服まで着せ変えられていた。
身を起こして、軽く辺りを見回してそして気づく。
横に立っていた男に。
そして、その男が抱えている小さな、存在に。
「これが余とお前の子だ」
なんだか、頭がぼんやりとする。
手渡されたその子供は、女の子。あたしと同じ空色の瞳で、肌は肌色、だけど耳は、長く尖っている。
……本当に、あたしと、バーンの子供なんだ。
そう理解したら、何でだろうか。涙がこぼれて、止まらなくなった。
最終更新:2012年01月24日 10:06