07-115 :名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 10:59:58 ID:AEjs1+W9
 まるマで次男女体化です。
 毒女の薬で性転換します。
 母乳プレイとか苦手な人はご注意下さい。






(1)
 汁王佐と二人きりでの勉強会に疲れた年若い魔王に、こんな陽気に机上で勉強するより外で体を動かしたいとせがまれたウェラー卿コンラートは、午後から血盟城の庭園で自らの君主に剣の稽古をつけていた。
 魔王ユーリの行くところならどこにでもついて行きたがる、ユーリの(自称)婚約者ヴォルフラムと、血盟城では暇を持て余しがちな大賢者村田が、邪魔にならない程度に離れたところで、二人の稽古の様子を静かに見守っていた。
稽古を始めたばかりの頃などはよくヴォルフラムが、やれ踏み込みが甘いだの動きが鈍いだのと、大声で魔王にダメ出ししてきたものだが、最近はユーリの剣の腕も徐々に上がってきているせいか、ヴォルフラムがうるさく吼え騒ぐこともなくなっていた。
 したがって、庭園には、剣と剣がぶつかり合う鋭い音以外には、時折聞こえてくるのどかな鳥のさえずりと、ユーリが手にする魔剣モルギフが「あーうー」と不気味に呻く声だけが響き渡っていた。
 その静寂を打ち破ったのは、ユーリたちがいる庭園に面した、血盟城二階の渡り廊下を走り抜ける二人分の足音と、頭上から響いてくる女性の甲高い叫び声だった。

「グーウェーンーダールー! せっかくもにたあを頼んだのに、新作の薬を見た途端に逃亡しようとは、何事ですか! そんな大きな図体をして、子兎のように怯えて逃げ出すなど、情けないにも程がありますよ!!」
「無茶を言うなっ! その薬を飲めなどと言われたら、どんな勇猛な男でも地の果てまで逃げる!! 勘弁してくれ、私はまだ死にたくない!!」
 ドップラー効果を発生させつつ、追う者と追われる者、毒女アニシナとその犠牲者グウェンダルは、怒鳴り合いながら渡り廊下を全速力で走り抜けていた。渡り廊下は広い庭園が一望できるように壁が取り払われ、低い手すりがあるのみだったので、
その様子は下にいるユーリたちに丸見えであったが、二人にはとてもそんなことを気にしている余裕はなさそうだった。

「うわあ……」
 ユーリは、剣を振るう手を止めて二階を見上げ、なんともいえない呻きを洩らしていた。

「アニシナさんの持ってる薬、すごいよ。紫色だし、なんか微妙に発光してるし、マグマみたいにボコボコ泡立ってるし……見るからに恐ろしい効果がありそうな……。あれはグウェンダルも必死で逃げるよな……」
 他人事ながら、げっそりした表情で呟くユーリ。

「まあ、いつものことですよ」
 渡り廊下を背にして立っていたコンラッドは、ユーリに合わせて剣を振る手こそ止めたものの、振り返りもせず落ち着き払ってそう言った。あの二人のこういうやりとりを何十年と見てきたコンラッドは、この手の出来事には慣れきってしまっているのだった。

「兄上は無事に済むだろうか……」
「済まないだろうねぇ」
 青ざめながら呟くヴォルフラムに、横にいた村田が苦笑を浮かべつつあっさりとそう言った。コンラッドもそれに賛同する。

「でしょうね」
「でしょうねって、あんた。あっさりだなー……。お兄ちゃんを助けてあげようとか思わないわけ?」
「思ったところで、実行に移すのは無理ですよ。毒女には逆らわないでおくことが、この眞魔国で生きていく上での鉄則です」
「それはまあ、そうだと思うけど」
 落ち着きすぎなコンラッドに、半ば呆れたように訊ねるユーリだが、毒女の恐ろしさは重々承知しているためか、それ以上は何も言わなかった。

「……じゃあ、グウェンダルのことは個々に無事を祈っとくってことで、トレーニング再開するかな」
 ユーリもなかなか薄情なコメントでその場を収め、剣を構え直す。

07-116 :コンラッド母乳2:2010/12/29(水) 11:04:42 ID:AEjs1+W9
タイトル付け忘れてました。すみません。

 それを見てコンラッドも再び剣を構えるが、そこにユーリが打ち込んでくるよりも早く、再び頭上の渡り廊下から足音と叫び声が響いてくる。毒女とその犠牲者の二人組が、折り返して元来た道に戻ってきたようだった。

「グウェンダル!! いい加減に観念なさい! この程度の事で怯えるとは情けない! 私の実験で死人が出たことは、まだ一度もないと言っているではありませんか!!」
「それは今までが幸運だっただけで、これから先はわからんだろうがっ!!」
 今までにも何十回と繰り返してきたような遣り取りを、今日も今日とて飽きもせずに反復しながら、渡り廊下をドタバタと走り抜けていく二人。その叫びを聞きながら稽古に集中することはさすがにできず、
ユーリとコンラッドは再びその動きを止める。
 そして、その瞬間に、悲劇は起こった。

「うっ!?」
 普段は恐ろしく隙がないはずの毒女が、その日は珍しく足を縺れさせ、バランスを崩したのだった。後に聞いたところによると、ブーツの踵を平常より二指分ほど高くしていたことが原因だったらしい。
 横向きによろけた彼女は庭園に面した手摺りにしがみついて転倒を避けるも、そのときの衝撃で、手にしていたフラスコを取り落としてしまった。当然の如く、フラスコは真っ逆さまに庭園へと落ちていく。
紫色に発光しつつ発泡する、謎の液体を空中に撒き散らしながら。

「あっ……………」
 最も明瞭な位置からその光景を見ていたユーリが乾いた声を上げたが、彼には最早どうすることもできなかった。毒女のフラスコと、その中身の紫色の液体は、放物線を描いて、眞魔国君主とその護衛の上に落下しようとしていた。
 その瞬間に動けたのはコンラッドだけだった。目の前にいる主君に紫色の飛沫が掛かりそうなのが視界に入った瞬間、コンラッドはほとんど脊髄反射的な速度で動いていた。渾身の力を込めて、紫色の飛沫の射程距離範囲外まで
ユーリを突き飛ばす。
 刹那の間にできたのはそれだけで、自分の身を庇っている余裕はなかった。
 ばっしゃぁ。
 微妙に発光しながら溶岩のようにボコボコ泡立つ紫色の謎の液体は、魔王の忠臣(人呼んでカルガモ)コンラッドの上に、物の見事に頭から降りかかった。

「……………」
 前髪から滴ってくる紫色の液体を為す術もなく見つめながら、コンラッドは、薬の効果なのか、それとも毒女の洗礼を初めて受けた衝撃からか、ゆっくりと意識が遠のいていくのを感じていた……………。

07-117 :コンラッド母乳2:2010/12/29(水) 11:07:17 ID:AEjs1+W9
**


 コンラッドが再び意識を取り戻したのは、医務室のベッドの上だった。

「皆さん、ウェラー卿が目を覚ましましたよ」
 傍らに立って容態を窺っていたらしいギーゼラが、ベッドの周囲を取り囲むようにして様子を見守っていた魔王や兄弟たちに、安堵の入り交じった声でそう告げた。
 流石に、死にはしなかったようだ。その辺は予想通りというか、アニシナの実験で命まで取られることはない、というのは確かなことなのだった。
 しかし、今まで兄が受けてきた仕打ちを思い起こすに、命は助かっても、それ以上に恐ろしい効果に見舞われている可能性は十分にある。
 自分の身体が一体どのような変化を起こしているのか、一刻も早く知りたいような、あるいは恐ろしすぎて知りたくないような、複雑な気分だった。

「コンラッド!? ああ、よかった、無事に目が覚めて……!」
 真っ先に声を発したのはユーリだった。重体だった家族が意識を取り戻したのを見て安堵するかのような表情で、身を乗り出して顔を覗き込んでくる。

「コンラート……ようやく目覚めたか……。まったく、世話をかけさせおって……」
性格上、ヴォルフラムはもっとうるさくキャンキャン怒鳴ってくるのではないかと思っていたのだが、意外に静かな反応だった。その表情には怒りや安堵よりも、深い憔悴が窺える。
 普段は反抗してくるばかりの弟が、自分の身をそこまで案じてくれていたのかと思うと、こんな非常時にも関わらず小さな感動さえ覚えてしまった。

「……済まなかった、コンラート。本来なら、ここにこうしているのは私だったはずだ。まさかお前を巻き込むようなことになってしまうとは……不甲斐ない兄を許してくれ」
「………………」
 何もそこまで深刻に謝らなくても……。
 あの状況でアニシナから逃げ回ることは当然の反応と言え、特に全く非があるわけでもないグウェンダルだったが、身内に危害が及ぶことを極端に嫌う性分からなのか、やたらと沈痛な面持ちでそう謝罪してくるのだった。
 対してコンラッドの方は、アニシナの餌食となる兄に普段あれだけ薄情な態度を取っているだけに、こういう反応をされると逆に居たたまれないものを感じてしまう。

「もー、大変だったんだよ、ウェラー卿」
 打って変わって呑気なほど落ち着いた口調でそう言うのは、実年齢は十六歳と若年ながら、記憶だけなら四千年分の蓄積がある大賢者、村田健だった。

「なんたって溶けちゃったんだから、君の身体が。ぶくぶく泡立ちながら。紫色に変色して。それを見て、渋谷は発狂したみたいに叫び散らすし、フォンビーレフェルト卿は吐いて失神するし、
フォンヴォルテール卿は怒り狂ってフォンカーベルニコフ卿に掴みかかったけど上段回し蹴りで返り討ちにされるしで、もう阿鼻叫喚の地獄絵図だったよ。あ、幸いまたちゃんと人の形に戻りはしたから、その辺は安心して。
……でも、僕もしばらく夢に見てうなされそうだよ、あの光景は」
 最後の部分は、村田も流石にげんなりした表情で言う。コンラッドも、語られた内容のあまりの壮絶さに血の気が引いた。

07-118 :コンラッド母乳4:2010/12/29(水) 11:09:05 ID:AEjs1+W9
 しかし同時に、「またちゃんと人の形に戻った」という言葉に安堵を覚えた。その言い方だと、一旦ひどい状態になりはしたが、今現在は正常な状態に戻っているとも取れる。
 とにかく、一刻も早く自分の状態を確かめなければいけなかった。まずは皆に心配をかけたことを詫びて、それから改めて自分が今どういう状態か尋ねよう。

「ご心配をおかけして申し訳ありま……せ……」
 しかし、そこまで言ったところで、言葉は途切れた。その時点で早くも、自分の身体に起こった異変に気づいたからだ。
自分の口から出ている声が、まるで別人のように高い。
 慌てて喉元に手をやると、首が妙に細い……そして、そこに触れている指も、記憶の中にある自分のそれとはかけ離れてか細い感触だった。何より問題なのは、手のひらに当たるはずの硬い感触がなかった。喉仏がない。

「ああ、ちなみに『人の形に戻った』とは言ったけど、『元の姿に戻った』とは言ってないからね、僕は」
 大賢者の冷ややかな言葉に再び血の気を持って行かれつつ、コンラッドは勢いよく上体を起こし、自分の首から下がどうなっているのかを確かめた。すると、自分の身体に起こった異変は一目瞭然だった。
硬く真っ平らだったはずの胸板が、柔らかそうに丸みを帯びた大きな出っ張りに取って代わっている。鍛え上げられた腹筋に覆われ、腰幅とそう変わりない太さだったはずの胴回りも、今まで締めていたベルトが全く用を為さないくらい細くなっており、
その下からは対照的に、まろやかな曲線を描いて腰が大きく左右に膨らんでいる。
 股間のモノの有無を確かめるまでもない。紛う方なき女の体だった。

「何かしら後遺症が残っているだろうとは思ってましたが……」
 立ちくらみのような感覚を覚えたコンラッドは、右掌で額を押さえつつ、寝台の上で身体を折り曲げて項垂れる。

「……ま、まあ、逆に考えたら、この程度で済んでよかったじゃん。身体の一部が溶けたまんまとか、右腕だけ生きたまま腐っちゃったとか、目が覚めたとき最初に見た人を『おとぉさま』って慕うようになっちゃうとか、
そういうのだったらもっと嫌だったろ?」
「そうそう、むしろ前より今の方が、目の保養になっていいんじゃない? 渋谷だって、どうせカルガモのように後をついてこられるんだったら、ムサい男よりも巨乳のおねーさんの方が嬉しいだろうしさ」
「まあそれは確かに嬉しいかも……あっ、いや、別に決して普段が嫌だって言ってるわけじゃないよ。だから何もそんなヘコむことないって、膝抱え込むなよコンラッド」
 魔王と大賢者の、フォローになっているのかいないのか分からない掛け合いに、コンラッドはますます憂鬱になった。抱え込んだ膝で豊かな胸の膨らみが押し潰され、太股に当たる柔らかな感触が若干心地良いのが、また空しさを掻き立てる。

07-119 :コンラッド母乳5:2010/12/29(水) 11:12:28 ID:AEjs1+W9
「それにしても、一体なんのために性転換の薬など作ったのだ?」
 気力をなくしつつある次兄を尻目に、ヴォルフラムがその場の誰もが抱いていた疑問を口にする。

「あれは性転換のために作った薬などではございません」
 それに答えたのは、寝台から離れた位置で事の運びを眺めていたらしい、当の薬の制作者であるアニシナ嬢だった。

「あの薬は、元々は性転換ではなく、服用すれば男の乳首からでもたちどころに乳が分泌され、授乳ができるようになるという、画期的な効果を狙って作ったものなのです。
以前グウェンダルが、授乳期にある子犬や子猫に乳を与える際に、哺乳瓶からでは吸いつきが悪いと洩らしていたことから着想を得まして。
また、そのような犬猫への授乳に留まらず、魔族の子育ての際の授乳に関しても、男ができるようになれば、夫婦間の家事・育児分担の幅が飛躍的に広がると考えたのです。
そうした意図であの薬――名づけて父乳分泌促進薬『チチノチチ・ヨーデル!』の試作品を作ってみたのですが……
胸部のみではなく、身体全体が女性化してしまうというのは誤算でした」
「ち、父の乳……それはそれで恐ろしい薬だな……」
「男の体型のまま母乳……いや父乳だけ出るようになっちゃうって、ある意味、性転換以上に嫌なものがあると思うけどね……」
「確かに、それはグウェンダルも裸足で逃げ出すよな……」
「……確かに哺乳瓶だと吸いつきが悪いとは言ったが、だからといって別に、決して自分の乳首から授乳したいと望んだわけではなかったのに……」
 あまりに独創的な毒女の発想に、口々に乾いた呟きを洩らす男達。
 しかし、彼女の説明に最も衝撃を受けたのは、なんといっても、実際にその父乳分泌促進薬『チチノチチ・ヨーデル!』とやらを身に受けてしまったコンラッドだった。

「ま、待ってくれ。今の話を聞いていると、本来あの薬は、母乳……いや父乳を分泌するためのものなんだよな? ということは……もしその効果が失われていなかったとしたら、
その内、俺のこの胸から父乳……いや女の体だから母乳でいいのか、とにかく乳が出てくるなんてことになるんじゃ……」
「おやまあ、嫌なのですか?」
「……むしろ、それが嫌じゃない男の方が希少だと思うよ」
 涼しい顔で問い返す毒女に、若干泣きたくなりながら答えるコンラッド。

「まあ確かに、女に性転換した挙げ句に経産婦でもないのに母乳を出す身体になるとか、まるっきり『それなんてエロゲ?』って感じだもんねぇ」
 この場にいる面々の中で、恐らく最も地球のオタク文化に慣れ親しんでいる村田が、気の毒そうというよりは、明らかにこの状況を楽しんでいそうな口調でそう言う。

07-120 :コンラッド母乳6:2010/12/29(水) 11:15:59 ID:AEjs1+W9
「既に性転換という予期せぬ事態を引き起こしてしまっている時点で、この薬は失敗作といえるので、本来意図していた母乳分泌効果が現れない可能性も、ないとはいえません。
しかし、恐らくはその内に母乳が分泌されてくると思っておいた方が良いでしょう。
もしも乳が張ってくるようなことがあったら、私でも構いませんが、それよりはギーゼラに相談する方が賢明かと思います」
 名指しされた医療従事者のギーゼラは、苦笑混じりに続ける。

「他にも困ったことがあったら、何でも相談してください。といっても母乳に関しては、分泌自体を止めることはできませんので、正しい搾乳の仕方を教えるくらいしかできませんけど……」
「搾乳…………」
 その言葉を聞いた瞬間、なんとなく、故郷のルッテンベルクの牧場にいた牝牛が頭に浮かんだ。これからしばらくの間、あの牛の乳を搾ったように自分の乳を搾らなければならない日々が続くのかと思うと、かなり複雑な心境だった。
しかし何より一番問題だったのは、それが一体いつまで続くのかということだった。搾乳のことはひとまず置いておくとしても、身体が女性化したということは、筋力もそれだけ落ちているということなのだ。
それはつまり、魔王の護衛として十分な働きができなくなることを意味しており、コンラッドにとってはそれが一番の懸念事項だった。

「まあ、母乳のことはもういい。それで、この薬の効果はいつ切れるんだ? まさか、一生このままってことは……」
「薬の効果に関しては、三ヶ月ほどで切れる計算で作ったのですが、予想外に大きく肉体が変化してしまったため、元に戻るのにはもう少し時間を要するかもしれません。ただ、効果が一生涯続くことは絶対にありませんのでご安心を」
「そうか。しかし三ヶ月は……思ったより長いな」
「これからすぐに解毒剤の開発にも着手するつもりですので、上手くいけばそれより早く戻ることも可能でしょう」
「……アニシナ。大変そうなら、あまり無理をする必要はないぞ」
 こめかみに冷たい汗を浮かべつつ口を挟んだのは、毒女の犠牲者としてキャリアが最も長いグウェンダルだった。
 毒女の作る解毒剤は、いつも彼女が開発せんとしている怪奇な魔導装置や薬品以上に、失敗作ができる率が高く、解毒剤ならぬ加毒剤にさえなり得ることを、彼は身を以て知っているのである。

「いいえ、そのようなわけには参りません。予め同意を得ているもにたあ以外の者に薬を投与し、肉体に異変をもたらしてしまったことは、毒女にあるまじき大きな失態です」
「私とて、もにたあになることに同意したつもりは全くないのだがな……」
「責任を取る意味でも、自然に効果が切れる前に、必ずや解毒剤を完成させてみせましょう」
 グウェンダルの些やかな抗議の声は当然の如く無視し、アニシナはきっぱりとした口調で決意表明をする。

「というわけで、一刻も早く解毒剤の製作に取りかからねばなりませんので、私はこれにて失礼させて頂きます」
 言うが早いか毒女は、深紅の束ね髪を勢いよく振って一同に背を向け、靴音も高く医務室を後にした。

07-121 :コンラッド母乳7:2010/12/29(水) 11:17:16 ID:AEjs1+W9
「…………ちっ。まったく、いつもながら毒女が絡むとロクなことにならんな」
 扉が閉められると同時に、吐き捨てるようにそう呟いたのは、半ば鬼軍曹モードに入ったような表情のギーゼラであった。
 彼女が密かにアニシナを宿敵として見ていることは、彼女をよく知る者であれば誰もが知っている。
それでも、大人の社交というものを弁えているためか、本人に対してはそこまで敵意を剥き出しにすることはないギーゼラだったが、目の前からいなくなると、このような辛辣な言葉も出てくるのである。

「余計な仕事を増やしてしまって申し訳ない。済まないがギーゼラ、しばらくの間、コンラートをよろしく頼む」
「そんな、閣下がお気になさる必要はありませんよ」
 幼馴染みに代わって罰の悪そうな顔で謝罪するグウェンダルに、瞬時に白衣の天使モードに戻ったギーゼラは、柔らかい口調でフォローの言葉を口にする。

「ウェラー卿も、困ったことがあったら遠慮せずに相談してくださいね。女性の身体になったら、何かと戸惑うことも多いと思いますから」
「ああ、ありがとう。そうさせて貰うよ」
 女性の身体云々よりも、毒女の解毒剤の副作用か何かで世話になるかもしれないと思いつつ、コンラッドはとりあえず穏やかな笑みを浮かべて、彼女の気遣いに対する礼を述べた。

07-122 :コンラッド母乳7:2010/12/29(水) 11:19:31 ID:AEjs1+W9
**

 とりあえず今日のところは、私室に帰って安静にしている方がいいだろうということになり、寝室のベッドの中で漫然と横になっていたコンラッドだったが、それから間もなくして、医務室にとって返すことになった。
 アニシナが予告していた事態が、早くも実現してしまったからだった。はじめの内は触れれば手に吸いつくような柔らかさだった乳房が、一時間もすると徐々に張り詰めてきて、息苦しささえ覚えるようになってきたのである。

「とりあえず、服を脱いで見せてください」
 診察台に座るギーゼラの前に向かい合って座っていたコンラッドは、促されるままにシャツの釦を開けて、胸をはだける。
 平常通りなら何のことはない行為だが、剥き出しにした上半身に見慣れない二つの大きな膨らみがあるのが目に入ると、何か異様なことをしているような複雑な気分になってしまう。
 アニシナの薬によってできた乳房は、はじめの内から片手どころか両手にも収まらないほど大きかったが、母乳の分泌によって張り詰めているせいで、更に一回りは大きさを増していた。

「これは……こんな短時間で、随分張ってしまいましたね」
 言いながらギーゼラは、躊躇う様子もなくコンラッドの胸に手を伸ばし、その感触を確かめるように手の平で色んな角度から乳房に触れてきた。
単なる触診なのだが、ただでさえ慣れない身体であるだけに、旧知の異性(肉体的にはもう同性になってしまっているが)に触れられていると思うと、なんとも言えず居たたまれない気分になった。
 ちなみに、当然ながら医務室には二人の他は誰もいない。医務室に入るコンラッドを見て心配したらしいユーリが、一度入って来ようとはしたことはあったが、鬼軍曹モードになったギーゼラにどやされ、脱兎の如く逃げ出してしまっていた。

「このまま放っておいたら炎症を起こすかもしれないですから、すぐに搾乳しましょう」
 言ってギーゼラは、手近にある台の上に、太った三日月のような形をした金属製の器を置く。恐らく、その中に母乳を出せということなのだろう。
しかしあの器は確か、患者の吐瀉物を受けるものではなかっただろうか。窪みの部分に乳房を当てられるので、形状的には丁度良いかもしれないが、ゲロと同じ扱いかと思うと少々哀しくなる。
ともあれ、ギーゼラに促されるままに、コンラッドは台の前に座って身を乗り出し、両手で右の乳房を持って器の上にかざす。
この時点で、自分のポーズが今かなりシュールな図になっていることを感じ、口許を引き攣らせてしまうコンラッドだったが、対するギーゼラは、医療従事者だけに照れも躊躇もなく事務的な態度だ。

「まずは親指と人差し指を、乳輪の外側の縁のところ……そう、丁度その辺です、そこに押し当てて……」
 言われた通り、右手の指を乳輪に当てるコンラッド。これはこれで見ため的にかなりアレな光景で、他人に間近で見られていることを思うと凄まじく恥ずかしくなってくるのだが、ギーゼラは全くもって気にしない様子で搾乳指南を続ける。

「そのまま、乳房の方に押しつけるように軽く圧迫して下さい。軽くでいいですよ、痛くないように優しくやって下さい」
「や、優しく、ね……」
 言われるが侭に、乳房を圧迫するコンラッド。しかし、二本の指に挟まれた乳首からは何も出てくる様子はない。

07-123 :コンラッド母乳9:2010/12/29(水) 11:21:16 ID:AEjs1+W9
「……出てこないんだが……やり方が間違ってるかな」
「間違ってはいないんですけど、出てこないときもありますよ。そういうときは、方向を変えて色んな角度から指圧をかけるようにして下さい」
 とりあえず指示通りにやってみる。乳輪の周囲で円を描くように手の角度を変えていき、指に軽く力を入れて乳房を圧していく。
 ――正直いって、外見的にはどう見てもいかがわしい行為をしているようにしか見えなかった。
 張りだした大きな胸に引き締まったウエスト、括れた腰――という今の体型が、自分の目で見てもかなり扇情的であるだけに、余計にそういった印象が強くなる。
 そのまましばらく、説明された要領を続けていたが、それでも一向に母乳が出てくる気配はなかった。

「仕方ないですね……ちょっと失礼します」
「えっ!?」
 業を煮やしたらしいギーゼラが、再びコンラッドの胸に手を伸ばしてきて、まさか人にやられることになるとは想像していなかったコンラッドは、思わず動揺の声を上げてしまう。
 しかし、ギーゼラはまったく遠慮も躊躇いもない様子で、先ほどと同じように二本の指をコンラッドの乳房の頂にある乳輪の外側に押し当て、指圧を始める。

「あっ……出た」
さすがに医の道のプロがやると違うのか、ギーゼラの指圧によって、ようやく乳らしき白い液体が乳首から滲んできた。しかし、それでも小さな白い滴が一、二滴垂れるくらいしか出ない。

「おかしいですね、こんなに乳房が張ってるのに……」
 あまりにも出が悪いのに首を傾げつつも、とにかく何が何でも出るやり方を覚えさせようと思ってか、コンラッドの手を引っ掴み、乳房に指を当てさせるギーゼラ。

「いいですか、ここが一番出やすいですから、ここを中心に指圧して下さい。乳輪を外側に広げるような感じで、赤ちゃんが吸うときみたいに小刻みに力を入れるんです」
 流石のプロ根性から来る大胆な行動に圧倒されつつも、指示された箇所を今までよりも少し強めに押すと、先程と同じかそれ以上に少量ながら、ようやく母乳を出すことは出せた。

「そうそう、そういう感じです!」
何やら盛り上がってきたような調子で、コンラッドの胸を覗き込みながら声をかけるギーゼラ。以前、地球を訪れたときに友人に勧められて読んだ、日本のスポ根マンガを思わせるようなノリだ。
このまま長居していては、この調子でギーゼラに発破をかけられながら、目の前で乳房を剥き出しにして母乳を搾り続けるという、色んな意味で精神的に辛い状況が待っていそうだった。

「……それじゃ、とりあえずやり方は覚えたから、後はもう部屋に帰って自分でやるよ。ありがとう、ギーゼラ」
 さすがにそんな状況は耐えられそうにないと考えたコンラッドは、そう言いながらそそくさとシャツの釦を直すと、足早に医務室を出て行こうとする。

「あ、ウェラー卿! 本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫! 後は自分で何とかする」
 後ろから心配そうに声を掛けるギーゼラにそう答えつつ、コンラッドは逃げるように医務室を後にした。

07-124 :コンラッド母乳10:2010/12/29(水) 11:25:22 ID:AEjs1+W9
**


 とはいえ、やはり母乳はスムーズには出なかった。
 自室に帰ったコンラッドは、とりあえず言われた通りのやり方で軽く乳房を指圧して見るも、あまり母乳は出てこず、出たとしてもせいぜい数滴ポタポタと器に落ちる程度だった。
 焦れったくなってきて、多少力を入れて押したり揉んだりしてみるも、痛みが増してくるだけで一向に出は良くならない。
そうこうしている内に、ますます乳房の張りは酷くなっていき、最終的にはもはや乳首や乳輪まで石のようにガチガチに固くなって、触れるのも億劫な状態になっていた。
 途方に暮れながらふと窓の外を見ると、既にとっぷりと日も落ちて、空には星が瞬き始めていた。一体何時間、こんな馬鹿馬鹿しいことで奮闘していたのだろうかと思うと、
どっと疲労感を覚えてしまったコンラッドは、ベッドの端に座り込んでその場に項垂れる。
座ったときの衝撃で、はだけたシャツから剥き出しになった乳房がぷるんと揺れるのが、今となっては非常に忌々しい光景だった。
 このまま、乳房の中に母乳が搾り出せないまま溜まり続けて、最後には破裂したりしたらどうしようか……。
 疲労した頭で、そんな突拍子もないことを考える。
 普通の産婦であれば、そんなことは有り得ない話だが、なにしろ自分の場合は、アニシナの薬を飲んで今のような状態になっているのである。
 それを考えると、今の想像もあながち有り得ないとはいえない辺りが、また恐ろしい。
 こうなると、もう残る選択肢は再びギーゼラに相談することしかなかったが、先程の様子からしてもとにかく搾るしか対処法がないようであったし、
彼女に相談したところで、すんなり解決するとも思えなかった。
 それに、戻ればまたあの羞恥プレイ的なやり取りが繰り返されることになるかと思うと、どうにも億劫になってしまうのだった。

07-125 :コンラッド母乳11:2010/12/29(水) 11:26:38 ID:AEjs1+W9
 そんなことで、しばしベッドの上で逡巡していたときだった。窓の方から人の気配がすると共に、何者かが窓枠をノックするように叩く音が聞こえてきたのだ。
 こんな時間にそんなところから人の部屋を訪ねようとする人物は、コンラッドは一人しか知らない。予想はつきつつも、とりあえず窓の方に目をやると、案の定、見慣れた橙色の髪の男が窓枠を叩いていた。
 こんなときになんなんだ、と舌打ちしつつ、シャツの釦を嵌め直してベッドから立ち上がると、コンラッドは彼に近付いていって窓を開ける。

「あらん、話にゃ聞いてたけどホントだったのね。それにしても、また随分イイ身体になっちゃってまあ……胸なんてアタシより巨乳なんじゃなーい? いやーんグリ江嫉妬しちゃーう」
 開けるが早いか、変わり果てた幼馴染みの姿に対する感想を、完全にふざけた口調で宣うヨザック。

「お前のは巨乳じゃなくてただの鳩胸だろうが」
このまま突き落としてやろうかと逡巡しつつ、コンラッドはこめかみをヒクつかせながら冷たく言い放つ。

「まあ、それは置いといて。大分お疲れみたいじゃないっすか、隊長。巨乳になった以外に、なんかあったんですか?」
 開けられた窓から筋肉質な体を遠慮なく滑り込ませたヨザックは、何の用だとこちらが尋ねる前に、コンラッドの顔を眺めて逆にそう聞いてくる。

「……疲れたなんてもんじゃない」
 心底からの疲労感を込め、吐き捨てるようにそう答えるコンラッド。

「ヨザック……ちょっと想像してみてくれ。もしも、もしもだぞ? 自分の胸から母乳が出てくる上に、それが全然出てこなかったら、お前一体どうする?」
「とりあえず、出るのか出ないのかはっきりしてくれません?」
「出るなら出るではっきりして欲しいのに、一向に出てきてくれないから困ってるんだよ」
 もうなにもかもうんざりという口調でそう言ってコンラッドは、ふて腐れたようにまたベッドに腰掛けて項垂れた。

「ギーゼラに教えられた通りに搾乳してるのに、全然母乳が出てこないんだよ……乳はガチガチに張りまくって痛いくらいだっていうのに……」
「わーお、普通の男が絶対経験できないような悩み抱えてんのねー……ちょっと羨ましいわ」
「ああそうか。なら今すぐ代われ」
「いやあ、代わって差し上げたいのは山々ですけど、そりゃー流石のグリ江ちゃんでも無理ですよ」
 一連の不毛な会話の後、本日何度目かわからない、盛大な溜め息を吐くコンラッド。
するとヨザックは、ふと何か思いついたかのような表情をすると、ベッドに座り込むコンラッドのすぐ前にしゃがみ込む。そして、俯くコンラッドの顔を見上げながら、軽い口調で尋ねてくる。

07-126 :コンラッド母乳11:2010/12/29(水) 11:29:15 ID:AEjs1+W9
「なあ、搾るって手で?」
「それ以外にどうするって言うんだ」
「手で搾ってダメでも、口で吸ったら出てくんじゃねぇの?」
「何言ってるんだ……って、おいっ、何してる!?」
 またいつもの戯れ言かと思って流そうとするコンラッドだが、ヨザックがこちらに徐ろに手を伸ばしてきてシャツの釦を外そうとしてくるのを見て、焦った声を上げる。

「いやー、物は試しで吸ってみようかと思って。オレが」
「お前がかっ!? 何考えてんだっ、させるわけないだろそんなの!」
 釦を外す手の動きを止める気が全くなさそうな太い腕を両手で鷲掴み、全力で引きはがそうとするも、当然の如く女の力ではビクともしない。

「まあ、カタいこと言わずに~」
 ヨザックは飄々とした口調でそう言いながら、コンラッドの上半身をベッドの上に押し倒す。
 そして、すっかり細くなってしまったコンラッドの両腕を頭の上で纏めあげると、片手でそれを難なく押さえつけ、空いた手で残りの釦を器用に外していく。

「いやいやいやっ、完全に犯す体勢だろうこれっ!? やめてくれっ人呼ぶぞっ!」
「大丈夫よぉ、ンなビビんなさんなって~」
 本気で危機感を覚え始めたコンラッドを歯牙にもかけないような呑気な口調で言いつつ、ヨザックは張り詰めた乳房に顔を近付けてくる。
 吹きかかった吐息に酒の匂いが混じっていることに気づき、コンラッドは、絶対に大丈夫じゃないと確信した。
 長年の腐れ縁のお陰で、ヨザックの酒癖の悪さは嫌というほどわかっていたからだった。
 潰れることは滅多にないが、一定量を超えて飲むと普段以上に突拍子もないことを始め、どうにも手が付けられない状態になってしまうのだ、この男は。
 とはいえ、抵抗しても力で敵うはずはない。どうにもならないまま、とうとう左の乳首を口に含まれてしまい、ちゅっと音を立てて軽く吸われる。

「んっ……!」
 加減はしているのか痛みは覚えなかったが、代わりに、軽い電流のような感覚が体内を駆け抜け、思わず声を洩らしてしまう。
(本来ならば)同性である腐れ縁相手に冗談ではないと思いつつも、やはりそこは性感帯である以上、口で吸われるなどということをされれば何も感じないというわけにはいかなかった。
そのまま同じ強さでちゅうちゅうと吸われ続けると、断続的に次々とその感覚が襲ってきて、思わず身を捩ってしまう。

「あっ……ぅっ、死ねっ、バカヨザッ……」
「いやー色っぽい反応してくれるけど、乳は一向に出ねーわ」
 コンラッドの悪態を完全に無視し、ヨザックは乳首から唇を離すとそう言った。

07-127 :コンラッド母乳13:2010/12/29(水) 11:30:07 ID:AEjs1+W9
「もーちょっと強く吸やいいのかね。隊長、なんかコツとかねぇの?」
 どうやら、一応本当に母乳を吸い出すつもりはあるらしかった。コンラッドは、この調子ではどうせ言っても止めてくれないだろうと諦めを覚え始め、溜め息を吐く。

「……親指と人差し指で乳輪の縁辺りを押さえて、小刻みに力を入れるんだ。手で搾るときは、そうやるようにギーゼラに言われた」
 どうせなら、ちゃんと吸い出して楽にしてもらった方がいいと考えたコンラッドは、協力的に説明を始める。もっとも、その後に無事でいられるかどうかは大いに疑問だが。

「へー、こんな感じ?」
 説明通りに、武骨な指で乳輪の縁を押さえ、グッと力を入れるヨザック。

「痛っ……そんなに強くやるなっ! 軽くでいいんだ、軽くでっ」
「へいへい。あーでも、ちょっと出てきたな」
 そう言ってヨザックは、押し出されて乳首の先端からほんの少し滲み出した母乳を、舌先で舐め取る。ざらりとした舌の感触を敏感な部分に受け、コンラッドの肌が粟立ち、背中が小さく震えた。
ヨザックは、先程よりも幾分か弱い力で乳房を圧迫しつつ、乳首をくわえ込むと、今度はじゅぅぅぅっと派手な音を立てて勢いよく吸い上げた。

「あぅっ!」
 ピリッとした痛みと共に、乳首の内側から何かを引きずり出されるような感覚があって、コンラッドは、痙攣したようにビクンと体を跳ねさせた。
 ヨザックはそのまま、じゅぅじゅぅと音を立てて乳首を吸いながら、同じリズムで小刻みに乳房を圧迫してくる。

「ぅっ……くっ、んっ…………」
痛みが治まってくると、敏感な突起を強く吸われる感覚は耐え難いほど性感を煽ってくるもので、コンラッドは溢れ出そうになる嬌声を必死で堪えた。

「……んっ、」
 ようやく唇を離したヨザックは、コクリと喉を鳴らして口に溜まったものを飲み下す。

「あー、やっと出てきたわ。ほら、ここンとこ柔らかくなってきてるぜ、さっきまでガチガチだったのに」
 嬉々として言いながらヨザックは、容赦なく吸われていたせいで未だビリビリと痺れに苛まれている乳首を、乳輪ごと指で摘んで何の遠慮もなく揉んでくる。

「ぁっ、あっ……」
確かにそこは、石のように固く張り詰めていた先程までと比べると格段に柔らかくなっており、武骨な指に抓まれる刺激にも、痛みではなく甘い痺れを覚えてしまう。

07-128 :コンラッド母乳14:2010/12/29(水) 11:34:04 ID:AEjs1+W9
「そんじゃ、残りもじゃんじゃん吸っちゃいましょっか」
「んぁっ!」
 どんなに堪えようとしても、口を付けて吸われる瞬間はどうしても声が洩れ出てしまう。
ヨザックは今度は指を使わず、乳首だけでなく乳輪ごと口に含んでしまうと、乳房に顔を押しつけるようにして、じゅくっじゅくっと音を立てながら強く吸ってくる。
 今度ははっきりと、中に溜まっていた母乳が吸い上げられる感覚がわかった。

「ぅんっ、んっ……ぁっ、あっ……」
 コンラッドはもう、声を抑える余裕はなくなってきていた。母乳が吸われて幾分柔らかくなったものの、今や違う理由で再び硬度を増してきた乳首を強く刺激されると、下半身までも熱く痺れさせるような快感を覚えてしまうのだ。
 既にそこが湿り気を帯び、刺激を求めてヒクついてさえいることを、コンラッドははっきりと自覚し始めていた。
 両手を押さえ込まれていなかったら、思わず自ら手を伸ばして慰めてしまっていたかもしれないくらい、下半身に熱い疼きを覚えていた。
 溜まっていた母乳を粗方吸い出してしまうと、ヨザックはようやく口を離し、わずかに滲んでいる白い液を拭うように、固く凝った乳首の先端を舌先で撫でた。強く吸われるのとはまた違う優しい刺激に、性感に炙られた体は敏感に震える。

「ふぃー、これでようやく片っぽ終わりか。ほーら、すっかり柔らかくなっちゃって、やっぱオッパイはこうでなくっちゃーねー」
 溜まっていた母乳がなくなり、吸いつくような柔らかさを取り戻した乳房を、ヨザックは遠慮会釈なく揉みしだいてくる。
 敏感に尖った乳首も、ご丁寧に手の平で転がしたり指の間に挟んだりして刺激され、コンラッドの体は快感と忌々しさにわなわなと震えた。
 もう少し遠慮はないのか、お前。あと、明らかにわざと感じさせようとしてるだろう、そして絶対に最後までヤるつもりでいるだろう。
 様々な呪詛の言葉が頭に浮かぶが、口を開けばそれだけで嬌声が洩れそうになってしまい、歯を食い縛ってその感触に耐えるしかなかった。

「んじゃ、もう片っぽ行きますか」
 腹が立つほど楽しそうにそう言うとヨザックは、乳房を揉む手を止めもしないまま、未だ母乳が溜まっている方の乳房へと顔を埋め、同じ要領で吸い出す。
 両胸を同時に刺激されることで快感はいやが上にも増し、コンラッドは最早どうしようもなくなってきた下半身の疼きに、内腿を擦り合わせて耐えた。
 それだけでくちくちと卑猥な音が立つほど、既にそこは潤っており、刺激が与えられないことによって燃え上がるような焦燥感を生みだして、コンラッドの理性を削ってくるのだった。
 いつの間にか両腕を押さえていた手は外されて自由になっていたが、もはや体に力も入らず、まともな抵抗はできようはずもなかった。
 それでも、なけなしの抗議を伝えるつもりで橙色の髪を両手で掴み、精一杯引っ張ってやるが、少し眉根を寄せた程度の反応しかない。
 しかし、それでもコンラッドはその無駄な行為を止めなかった。実はそれは抵抗というよりも、ともすれば熱く疼く下半身に伸びていきそうな自らの手を戒めるために、ヨザックの髪を借りているといった方が正しかったのだ。

「げふっ……こっちも終わり。なかなかキツいね、全部飲むのは」
 乳臭いゲップを吐きつつ、当人そっちのけで何か勝手に達成感を得たような表情で、ヨザックはそう言うと、もう用は済んだはずの両の乳房をいつまでも揉みしだき続け、時折舌さえ這わせてくる始末だった。

07-129 :コンラッド母乳15:2010/12/29(水) 11:36:46 ID:AEjs1+W9
「もういいだろっ……早く退けよ、変態っ……」
 絶対に聞くはずがないと思ったが、あまりにも遠慮のない態度に辟易し、コンラッドは荒い息で悪態を吐いた。

「やぁだ、冷たいこと言わないでよ隊長。せっかくゲップが出るくらい、頑張ってオッパイ飲んであげたんだからぁ」
 案の定、まったく悪びれもせず、いつものふざけたオカマ口調で勝手なことを言うヨザック。

「もー隊長が色っぽくアンアン言ってくれるもんだから、オレのアソコも白いのが溜まって、ガチガチになっちゃってぇ。一発でいいですから、オレの股から出るお乳も飲んじゃって下さいよぉ、できれば下のお口で」
 下品極まりないことを言いつつ、ズボンの前をはだけて取り出されたモノを見て、コンラッドは思わず硬直した。
 公衆浴場などで何度も見たことがあったので、巨根自慢だということは知っていたのだが、流石に勃起した状態を見るのは初めてだったのだ。
 恐怖心も手伝ってなのかもしれないが、平常時の倍くらいは大きく見えた。こんなもん突っ込まれるなんて冗談じゃない、と心の中で叫ぶが、反面、女体の本能の部分からなのか、あんな大きなモノで、疼き上がる女性器の中をかき回されたら……
と妙な興奮を覚え、下半身の奥深い場所の疼きが強まったりもしていた。

「そっ……そんなもん無理だ、無理! 自分で処理しろっ!」
 半分は本気の抗議、半分は、身の内から湧き上がってくる自らの欲望を否定するために、力いっぱい頭を振って叫ぶコンラッド。

「カタいこと言うなってぇ。あんただって、アソコが疼いてしょうがないんでしょ?」
 言うとヨザックは、固く閉じていたコンラッドの足を片方掴んで持ち上げ、無理やり開かせると、無防備になった両足の間、軍服のズボンの合わせ目近くに二本の指を押し当て、円を描くように蠢かす。

「うぁっ、ふあぁっ……!」
 固い軍服の生地を通した刺激にも関わらず、体の中心を突き抜けるような快感に襲われ、コンラッドは背中を弓なりに仰け反らせて喘いだ。
 軍服越しに捏ね回されている突起は、男であればちょうど男性器に当たるところだったが、愛撫によって与えられる快感はその比ではなかった。
 少し弄られるだけで快感が波紋のように全身に広がり、腰がガクガクと小刻みに震える。

「お互いこんなに盛ってるのに、わざわざ別行動して一人寂しくシコってるなんて、馬鹿らしいでしょ? せっかくなんだから仲良くシましょうよ、たーいちょ」
 まるっきり強姦魔のような台詞を吐くと、もともと女の体には緩すぎたズボンと男物の下着を、ヨザックはいとも簡単に剥ぎ取ってしまう。
 守る物が何もなくなった下半身に頼りなさを覚え、無意識に足を閉じるコンラッドだったが、すぐさま今度は両足を掴まれて先程以上に大きく開かされ、その間に顔を埋められる。

「あぁっ! ぅあっ、あっ、あっあぁっ……!」
 止めどない嬌声と共に、愛液を啜り上げる卑猥な音が、暗い部屋の中に響き渡る。熱を帯びて半ば開きかけていた恥裂に熱い舌をねじ込まれ、思うさま蹂躙されながら溢れ出る蜜を啜られる快感に、コンラッドは激しく腰を揺らめかせて喘いだ。
 ひとしきり愛液を啜られた後は、しばらく刺激を与えられず痛いほど疼き脈打っていた、最も敏感な突起を舌で愛撫される。敏感すぎるそこを守っていた包皮を武骨な太い指で剥き下ろされ、震える突起を舌で直接嬲られると堪らなかった。
 自分の口から出ているとはとても信じられないような、高いよがり声が上がって止まらない。

07-130 :コンラッド母乳15:2010/12/29(水) 11:39:47 ID:AEjs1+W9
「いくらなんでもエロすぎですよ、隊長。そんなにここ弱いんすか?」
 からかうようにそう言いながらヨザックは、すっかりとろけきった割れ目に指を擦りつけると、愛液をたっぷり塗したその指で、触れるか触れないかの微妙な手つきで件の突起を愛撫する。
 コンラッドは、ほとんど啜り泣きのような声を上げて、その刺激に感じ入った。
 彼の指摘するとおり、そこから与えられる快感は強烈なもので、どんなに理性を保とうとしても淫らな反応が止められないのだった。
 半魔族の男として百年近い年月を生きてきて、それなりに女性経験も積んできたコンラッドだったが、そこで得た男としての性的快感と、今感じている快感は、全く別格のものと言ってよかった。
 達してしまっているわけでもないのに、既に射精感とは比べものにならないくらいほど強烈な快楽を得ているのだ。男の体と女の体でこれほど違うものかと、驚愕さえ覚えていた。

「ヨザっ……あっ、あっ、もう無理だ、勘弁してくれっ……ああっ、ああぁっ、おっ、おかしくっなりそうだっ……」
 あまりに耐え難い刺激に、哀願するように何かを訴えるコンラッド。自分でも、何を頼んでいるのかわからないまま、ただ快楽を与えられ続ける辛さを吐き出すようにそう口走っていた。

「カワイイこと言っちゃって……そんじゃ、本当におかしくなってもらいましょうかね」
 酷薄ですらあるような台詞を言って、ヨザックは、物欲しげにヒクついていた蜜壷に軍人らしい太い指を潜り込ませ、中を探るように蠢かす。
 酷く刺激に貪欲らしい襞が、自分の意思とは関係なくその指を食い締め、更なる快楽を貪ろうとする。敏感な襞を掻き回しながら蠢いていた指が、ある一点を探り当てて容赦なく責め始めると、
コンラッドは理性をかなぐり捨てたかのように、身も世もなく喘いで腰を大きく揺らめかせた。
 そのままトドメとばかりに、もはや包皮には収まらないほど充血して膨らんだ突起を口に含んで吸い上げられたとき、コンラッドは頭の中に火花が散るのを見たような気がした。

「あああぁっ! あっ、あっっ、あぁっ!」
体の中心で何かが激しく弾けて、全身を苛む快楽の渦に、体がおこりのように痙攣する。失禁したのかと錯覚するほど止めどもなく愛液が溢れ出て、激しい痙攣と共に津波のような快感が幾度も襲った。

「はあっ…………はあっ…………」
頭の中の火花がようやく消える頃には、魂を抜かれたような虚脱感に襲われていた。
 かなり激しい絶頂だったためか、頭がクラクラして、しばらくまともに働きそうになかった。
 全身の皮膚の一枚下には、未だ軽い電流が流れているような感覚があり、しばらくは指一本触れられても飛び上がりそうな状態だった。

07-131 :コンラッド母乳17:2010/12/29(水) 11:41:47 ID:AEjs1+W9
「ひっ!?」
 しかし、そんな状態でもお構いなしなのが、ヨザックという男だった。達した直後の酷く敏感になった体に最初に与えられた刺激は、よりにもよって、愛液でとろけきった蜜壷に、あのバカみたいに大きい剛直が押し当てられる感触だった。

「ひあっ……まだ、そんなっ……駄目だってっ……」
 コンラッドは、涙目になって必死に抗議の声を上げた。絶頂までいって潤いきったそこは、凶悪な大きさのモノの先端を存外すんなりと呑み込んでいったが、やはり流石に抵抗も大きく、すぐにそれを押し戻そうとする。
それでも押し返されまいとする剛直と、抵抗する襞の攻防は、絶頂を経たばかりで敏感すぎる身体には耐え難い刺激だったのだ。

「何言ってんの、一人でそんなに気持ちよくなっちゃうなんてズルいわよん、隊長。アタシもそろそろキモチよくしてくれなきゃあ……」
 あれだけ容赦なく責め立てておいて勝手極まりないことを言いつつ、蜜壷に剛直をねじ込んでくるヨザック。押し返そうとする襞の抵抗をも楽しむかのように、腰を小刻みに揺り動かしながら、大きすぎるそれを押し込んでくる。

「あああぁっ……うっ、ぐぅっ!」
 ついにその先端が最奥まで届き、コンラッドは強烈な圧迫感に襲われた。そこでも待ったをかけたかったのだが、酒の入ったヨザックがそれを聞くはずもなく、すぐさま情け容赦のない抜き差しが始まった。

「うあっ! はあっあっ、あぁっ! ああぁっ! 」
 一旦入り口近くまで引き抜かれた後、また容赦なく最奥を突かれる。敏感な襞を蹂躙される感覚だけでも強烈だったが、先程も指で突かれて達してしまった内部の特に敏感な部分を、大きく張りだした傘に抉られる度に悲鳴に近い声が上がり、
最奥を突き上げられる衝撃に頭が真っ白になる。
 激しく体を揺さぶられながら、そんな強烈すぎる責めを繰り返され、コンラッドが再び絶頂に達するのにさして時間はかからなかった。

「ああああぁぁっ!」
今まで以上に強くヨザックのモノを締め上げながら、背中を弓なりに仰け反らせて達する。絶頂に激しく痙攣する女性器で大きすぎる剛直を食い締める快感は、もはや気が遠くなりそうなほどで、
先ほど指と舌で与えられた絶頂とは比べものにならないほど長く深い快感を味わわされた。

07-132 :コンラッド母乳18:2010/12/29(水) 11:45:19 ID:AEjs1+W9
「また先にイッちゃったんですか? 隊長もスキですねぇ」
 ようやく痙攣が落ち着いてきた頃に、ヨザックがそう揶揄しながら、いまだにヒクついて止めどなく愛液を溢している女性器から、張り詰めたままのモノを引き抜く。
 コンラッドの絶頂によってかなり締め上げられたにも関わらず、彼はまだ射精には至っておらず、その剛直は、むしろ挿入の前よりも硬さと大きさを増しているようにさえ思えた。
 対してコンラッドは、あまりにも激しく達したせいで、もはや息も絶え絶えといった状態だった。とはいえ、未だ達していないヨザックが解放してくれるわけもない。
 休む暇も与えられぬまま俯せに転がされると、ほとんど力の入らない腰を力づくで持ち上げられ、そのまま獣のような体勢で後ろから貫かれる。
 もはや抗議する気力すらないコンラッドが、力なくベッドに突っ伏したまま腰だけ高く上げる淫らな体勢で喘いでいると、ヨザックはそれだけでは飽き足らなくなったのか、身体の下に手を差し込んで、豊かな乳房を思うさま揉みしだいてくる。
 そして、硬く尖った乳首を片手の指で転がしつつ、片方の手は下半身の方に伸ばしてきて、最も敏感な突起までをも指で責め立ててくる。

「ひぃっ、ああっ、あああぁっ……ぅくっ、ああっ、ああっ……!」
 既に二度も絶頂を迎え、少し触れられただけでも身悶えそうなほど燃え上がっている身体にそんなことをされては、もはや理性など欠片も保てるはずはなく、恥も外聞もなく泣きじゃくりながら、コンラッドはその暴力的なまでの快感を甘受した。

「ひぃっあああぁっ!! はあっ、はあっ、ああっああぁあっ!!」
「うっ……くぅー……あぁ、すっげイイです、隊長……」
 程なくしてコンラッドが三度目の絶頂に押し上げられると、その締めつけによって、ヨザックもようやく達してくれた。
未だ収まらない絶頂感の中、胎内でビクンビクンと剛直が震え、熱い体液を注ぎ込まれる感覚までもが追い打ちをかけてきて、疲労もピークに達していたコンラッドは、そのまま意識を手放したのだった。


**


 明くる日、すっかり酔いの覚めたヨザックが、愛剣を手にしたコンラッドに半日追い回された挙げ句、半殺しを通り越して八分の五殺しくらいにされたことは、言うまでもない。
 しかし、事の顛末をギーゼラに話すわけにも行かず、上手く搾れない母乳への対処法を他に得ることができなかったコンラッドは、結局、その日もヨザックに母乳を吸い出してもらうしかなく、
素面の状態でもやること大して変わらなかった幼馴染みの精液まで、例によって下の口で呑み込むことになったのだった。
 薬の効果が切れるまで三ヶ月、あるいはアニシナが解毒剤を完成させる日までの間、これから先コンラッドにどんな受難が待ち受けているかは、まだ誰も知る由もない。

最終更新:2012年01月24日 10:15