- 07-316 :リアル空想(仮) 一項:2011/08/17(水) 16:52:09.31 ID:KhDeAuR6
- 超不定期更新
『はー・・・本物の女ってこんなもんか・・・』
三十路フリーター独身甲斐性なし、そしてバカでロリコンでキモオタで昨日まで童貞だった俺が今日、ヘルスで童貞を喪失した感想である・・・。
いやホントに、大した事ないというか・・・・・・大した事なかったな、リアル女って。
いや、気持ち良かったには良かったけど、想像してたほどのもの凄い衝撃があったわけじゃなかった。
もちろん、童貞とはいえ齢とともに女への幻想が薄れていったっつう自覚はあるが・・・・・・正直、オナニーの方が楽しいし気持ち良い。
そうだな・・・・・・責められまくったおかげで女の子の気持ちが分かった(?)のと、おっぱいのやわらかさが分かったのは良かったけど・・・これはもう今日かぎりで終わりかな。
・・・・・・明日からは何を目標に生活していこうか。
- 07-317 :リアル空想(仮) 二項:2011/08/17(水) 16:55:10.56 ID:KhDeAuR6
- 「さってと・・・オナニーでもすっか」
PCの前に座ってんなコトを呟きながらも、手は自然と行きつけのチャットサイトへアクセスしようと動いている。
おれはネカマだ。
他のネカマ連中の心中はともかく、おれは女の子になりきることで性欲を昇華させている部分がある。
何故か(?)おれの使っているHN・ネーラは男女両方から好かれるキャラらしく、対話相手の男女比率はほぼ一緒だが、おれ自身は断然女の子と話す方が楽しいしうれしい。
無論、男連中にはそんな素振りは見せないけどな・・・。
『今日はアイツ来てるか?』
と思いつつ、チャットサイト「Darjeeling」のホームにある呼び込みを見る。
・・・・・・相変わらずこの時間帯・・・夜十一時は卑猥な呼び込みが多い。
「○んこしてくれる子集合!」だの「僕のコレを慰めてよ・・・」だの・・・・・・もう少し言葉を選んだ方がいいと思うのはおれだけか?
まあどうでもいい・・・おれは誰も入っていない空き部屋をクリックし、HN「ネーラ」を打ってEnterキーを押し「入室」した、その瞬間だった・・・
- 07-318 :リアル空想(仮) 三項:2011/08/17(水) 16:57:31.95 ID:KhDeAuR6
- ≪おいっ、おまえっ! 女の子になってみたくないか?!≫
「いやまあ、なってみたいっちゃなってみたいけど・・・・・・・・・・・・――――――は!!?」
おれは薄い眼を見開き、思わず周囲をみわたす。
誰もいない・・・・・・当然だが。
今のは幻聴か・・・?
≪じゃあ、おまえの身体を女にしてやろうっ!≫
いやっっ、幻聴じゃない!!
「お、おいっ! 待っ・・・・・・!!」
おれは言葉を失った。
自分の身体が直視できないほどまばゆい光によって包まれていたからだ。
「くっ・・・あ・・・・・・・・・!!」
おれは意識が遠のくのを感じた・・・・・・
- 07-319 :リアル空想(仮) 四項:2011/08/17(水) 17:00:55.89 ID:KhDeAuR6
- 「・・・うっ・・・・・・・・・ん」
眼を覚ましただけで激しい違和感を覚えていた。
自分が自分でなくなったような、とはありきたりな表現かもしれないが・・・まさにそんな感じだ。
おれは起きあがると、思わず自分の身体を見おろした。
・・・尋常じゃない衝撃がおれを襲ったが、尋常じゃなさすぎて逆に声が出ない。
≪どうだ! 女の身体になった感想は≫
また謎の声が脳内に響く。
さっきから一体なんなんだ、この声といい、この身体といい・・・・・・って、訊くまでもないわな。
『――なかなか良い夢だな・・・初めてか、こんな夢見るのは』
≪夢じゃねえよ! こんな鮮明な夢があるわけないだろ!?≫
・・・・・・ま、確かにそうだ。
とはいえ、こんなことが現実で起こることはありえない。
アニメやマンガの世界ならともかくここはリアル世界なんだぞ?
二次元に漬かりすぎてついにおかしくなったか、宏之・・・・・・・・・
≪ま、別に信じる信じないはおまえの自由だがよ、自分の容貌くらい見てもバチはあたらねぇんじゃねーか? それも嫌なら何も言うことはねーがよ≫
む・・・・・・・・・。
この脳内に響いてくる言葉の主は気に食わんが、確かに自分が今どんな姿をしているかは気になる・・・。
しょうがない・・・と、俺は超重い腰を上げ、洗面所にむかった。
- 07-320 :リアル空想(仮) 五項:2011/08/17(水) 17:03:49.02 ID:KhDeAuR6
- 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は??」
おれはめちゃくちゃ間抜けな声をあげたが、鏡にうつった自分の姿はもとより、その甘いロリ声にも驚いてしまった。
半ば茫然としながらも冷静に自分の胸に手を当ててみる。
・・・・・・顔が赤くなってしまうのも仕方がないことだろう。
いくら今日ヘルスで生涯初めて胸を揉んだとはいえ、まさか自身がその胸の持ち主になってしまうとは夢にも思わない。
なんてこった・・・おれは完全に女になってしまったのか?
≪おいおいっ、なにこの世の終わりみたいな顔してんだよ! 貴様みたいな、まるで二次元の世界から飛び出てきたようなロリ巨乳なんてめったにいねえってのに!≫
『そういう問題じゃない』
脊髄反射で脳内の声に言いかえした。
『・・・だいたい、お前はさっきから一体なんなんだ。どこから話しかけている』
≪オレか? オレはな・・・貴様に女の身体の良さを教えるために遣わされた天霊さ≫
『てんれ・・・・・・なんだって?』
≪ま、深いコト考えんなよ≫
考えてたらここまで冷静なわけないだろうが。
≪ん? なんだって?≫
『別に・・・・・・』
≪まぁいいや・・・・・・なあ、おまえセックスよりオナニーの方が気持ちいいって思ってんだろ?≫
『・・・・・・実際そうだからな。挿入れた・・・というより無理矢理「挿入れさせられた」が、ただキツイだけだろあれは・・・・・・。仮にあれをナマでやったとしても大していいとは思えん』
≪ま、おまえがそう感じたならそうなんだろうさ。残念ながら、男としてのおまえはもうそういう体質になっちまってるのさ≫
『・・・・・・・・・・・・』
≪ま、気にすんな。だからこそ女の身体を与えてやったんじゃねーか≫
・・・なんでそうなるんだ。
≪おまえオナる時、いつも女に感情移入すんだろ。男とは思えねー高い声で喘ぎまくってんじゃねーか≫
『う、うるさいっ・・・・・・まるで見たかのように言うんじゃない・・・』
≪いいだろ別に、人には色んな性的嗜好があるんだ。それにおまえの嗜好は別にめずらしくもない≫
- 07-321 :リアル空想(仮) 六項:2011/08/17(水) 17:38:48.92 ID:KhDeAuR6
- くそっ・・・・・・こいつ、いったいどこまで知ってるんだ?
≪それに、今日ヘルスで責められてたおまえは完全に女の役回りだったじゃねえか。相手はかわええ女の子だってのに自分からはろくに責めねえで、逆に責められまくって切なげな鳴き声をあげてよw≫
「う、うるさいっ!! あっ、あることないこと・・・・・・・・・・・・っ」
おれは思わず心中を口にしていたが、この自分のロリ声に気が抜けてしまい、声音は力なくフェードアウトしてしまった。
≪ふははっ! 自分の萌え声にびびったか!≫
『・・・・・・もどせ』
≪あん?≫
『さっさと元の姿にもどせ。おれは十時間後には仕事なんだ、このままじゃ出来ないだろうが』
≪その前に、一回くらい愉しんでみてもいいんじゃないか?≫
・・・・・・そうだ。
おれは正直言うと、この身体でセックスをしてみたいという気持ちがあった。
女の身体でするセックスはどんな感じなのか。
もちろん、おれの大好きなオナニーもしてみたいし・・・・・・。
とにかく色々試してみたい・・・が、元に戻れないのもそれはそれで困る。
≪まったく、おまえマジで雑念だらけだなおいw≫
「うるさっ・・・・・・い!」
自分の声に覇気がなさすぎで、喋るのに躊躇してしまうのは詮無いことだろう・・・。
『・・・・・・愉しめなどとおまえは言うが、相手などすぐには用意できないだろう』
≪元は男のおまえが、本気でそう思うか?≫
『・・・まさか。まさかお前・・・・・・』
確かに・・・・・・男は自らの欲望をぶつける相手を見つけるのに苦心している。
なぜかといえば、女には男のような強烈な性欲が備わっていないからだ(と思う)。
もし女に男と同じような性欲があったとしたら・・・・・・。
最終更新:2012年01月24日 10:20