- 01-015 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/11 02:53 ID:5oCpaXpQ
- アリスの娘たち~ ひろみ
「やはり、どうしてもですか?」
「君には不本意かもしれないが、これまで以上に君は皆から"愛される"ことに
なる。それでも嫌かね?」
「ボクは今の仕事が好きなんです。そりゃ、ボクは子供であまり役に立ってい
ないかもしれませんが、それでも"いらない人間"じゃないと思っているんです
けど……」
「"アリスの娘"に選ばれるには、性格や健康状態も重要な要素だ。
誰でもいいわけじゃない。君は"いらない人間"ではないよ。
むしろ"必要な人間"だ。それでも納得できないかね?」
----------------------------------------------------------------
ここは移民船の中。もう何百年も移住可能な星を探して、旅を続けている。
この船の人口はやっと200人弱。船内は狭いけれども、地上とそうは変わら
ない環境が整えられている。ただ、植物も含めて繁殖はほぼ完全にコントロー
ルされている。極僅かな人間を除いてすべてが男性。狭い閉鎖空間内で秩序
だった運営を行うには、いろいろとメリットがあるということが、経験的に得られ
ているのだそうだ。
僅かな人たち……。移民船のマスターコンピュータの名を取り、"アリスの娘"
と呼ばれる人たち。約300人の中の、今は11人だけ。その12人目になれと、
ボクは命じられたのだ。この船の誰もが、最初は男としてこの世に生を受ける。
そして、その中から必要に応じて、遺伝子操作をして女性になる。
"アリスの娘"になるのだ。女性となって、そして……
- 01-016 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/11 02:55 ID:5oCpaXpQ
- 「これが"アリス"のシミュレーションした"5年後"の君だ」
「……これがボク?」
「生齢はちょうど20歳になるのかな?評議会はもちろん、アリスは君の性格分
析の結果を重視して選択したつもりだが、このシミュレーション画像を見れば、
そんなことはどうでも良いという気分になるね……。
いや、気を悪くしないでもらいたいのだが……」
「慣例なら、ボクの歳なら選ばれることは無い筈ではないのですか?」
「先月の事故のことは知っているね? 娘の一人が亡くなった。これはまった
く予定外のことだ」
「ええ、友達もとても残念がっていました。優しい女性だったとか」
「そうだ……。とても優しい女性だった。それがアリスが決定付けた性格だっ
たからな。つまり、同じくらい優しい性格の後継者が必要なんだ。」
「それで、ボクなんですか?」
「それに君はまだ"経験"がないだろう?」
「……。"経験"したくなかったわけじゃないんですけど……」
----------------------------------------------------------------
人工的に培養されたボクたちには繁殖力はほとんど無い。特別に調合された
薬を飲まなければ、2次性徴すら発現しない。だからある年齢になると、その
薬を飲んで"アリスの娘"と"経験"してオトナの男になる。
……だからといって、女性を妊娠させるだけの繁殖力は無い。"経験"するの
は繁殖が目的ではなく、もっと精神的な理由からなのだ。
----------------------------------------------------------------
「ともかく、これは評議会の決定でもあり、アリスの選択でもある」
「それなら、拒否できないのではないですか?なぜボクに同意を求めるので
すか?」
「もちろん決定は絶対だが、これは通常のケースとはいえない。君が納得し、
受け入れられる様になるまでは延期されることになる。私としては、他の女性
達の負担も考慮しなければならない立場なので、できれば早く返事が欲しい、
というわけなんだ」
「……わかりました。ボクの方はいつでも……。」
- 01-017 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/11 02:57 ID:5oCpaXpQ
- 「やぁ、お帰り、ヒロミ。どうだった?評議長に呼ばれるなんて。
心配してたんだ。おとなしいだけが取柄のヒロミが、もしかしたら何か大変な
ことをしでかしたんじゃないかって」
同室のアキラが心配そうに、ボクの顔を見ながら話しかけてくる。
「うん。……"アリスの娘"になってくれって」
「ヒロミが? "アリスの娘"? 女になるってこと?」
「うん。評議会の決定だって。この前、事故で一人死んだでしょ?
その後任だって」
「レイラさんのことだろ?優しい人だったよね。でも何でヒロミが?
そりゃボクだって誰かを選べっていわれたら、ヒロミを推すけどさ。
でもその歳で?」
「ボク、まだ"経験"無いからさ……」
なんとなく顔が赤くなってしまう。
「そ、そか。そういえば、まだだったよね。で、いつなの?」
「これから」
「こ、これから?そ、そんな急に…。ボクはどうなるのさ、パートナーがいな
くなっちゃうじゃん」
「ごめん。早い方がいいかなと思って。アキラなら、きっと誰とでもやってい
けるよ」
「"娘"になったヒロミと一緒に…、なんてわけにはいかないよなぁ。
なんだかさびしいなぁ」
「そうだね。でもこの船からいなくなっちゃうわけじゃないし。
また会えるんだしさ……」
「それって、女になったヒロミと寝る……ってことだよね?」
「え?それは……、そういうことになるかな??」
ボクは親友に抱かれる(もちろんそれがどんなことか、ホントは良く知らない
けど)ということに、ものすごく羞恥心を覚えて、下を向いてしまった。
- 01-018 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/11 02:58 ID:5oCpaXpQ
- 「あ、いや、その……ゴメン。余計なこと言っちゃったかな?」
「ううん、"アリスの娘"になるって、そういうことなんだよね。あんまり深く考え
ていなかったけど」
「怖くない……?」
「え?そりゃ、少し不安だけど。でも、伽を勤められる様になるまでは、ハルカ
さんが付いてくれるって言うし。たぶん平気。」
「ハルカさんって、あのハルカさん?よかったじゃん。あの人見かけはちょっと
コワイけど、亡くなったレイラさんに、負けず劣らず優しい人だって話だよ」
「アキラは、ハルカさんとも……??」
「え?いや、まだだけど……ボクだってまだ男になってから、やっと半年だし。
そのうち順番がくるとは思うけど…妬いてるの?目がコワイよ」
「え? そ、そんなことあるわけ無いじゃん。なに言ってんだよ」
「冗談だよ。その、なんていって言いか良くわからないけど、元気でね」
「次に会うときは、ボクは女の子になってるけど、アキラのこと忘れちゃうわけ
でもないよ。じゃ、もう行かなきゃ、"またね"」
「うん、"またね"」
…でもそれが最後だったなんて。その時のボクは思いもしなかったんだ。
- 01-019 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/11 03:00 ID:5oCpaXpQ
- 「あら?早かったのね。パートナーとはちゃんと話をしてきたの?」
ハルカさんは、もう医務室に来て、医官と打ち合わせをしていた。
「あの、はじめまして……。ヒロミです。その、よろしくお願いします」
「ハルカよ、よろしくね。これからは、私があなたのパートナーよ。
まぁ姉妹みたいなものね」
「ワシは医官の伝助じゃ。もっとも、はじめからこの名では無いがの」
「は、はい、評議長からうかがってます」
「緊張しているの?無理も無いわね。私も最初はとても不安だったわ。」
確かに女になるのは不安だったけど、それよりもボクはハルカさんの
美しさにドキドキしていた。
黒くて長い髪、深い藍色の瞳。差し出された手を握ると、とても柔らか
だった。それにとってもいい匂いがする。アーカイブに記録されていた、
花の匂いってこんな感じなのかな……?
「それで、やはり駄目なんですか?」
「うむ、アリスはそのまま施術に入るべきだと言っている。まぁワシも
そう思うが。なんじゃ?この子があんまりかわいいから、先に食べて
みたくなったのかの?ヒヒヒ」
「もう、からかわないでください。先生!」
「……あの? 何の話でしょうか?」
「いえ、その……ね、あなたが女の子になる前に、"経験"させておい
てあげたほうが、いいかな?ってね。先生に相談していたの。何も知
らないままなんて、ちょっとかわいそうかなと思ってね」
ハルカさんは、頬を赤くしながらいった。ちょっとうつむき加減に、
上目遣いで……。その仕種がボクをますますドキドキさせた。
- 01-020 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/11 03:03 ID:5oCpaXpQ
- 一見冷たそうな印象を与える、整った顔立ち。切れ長の目に、薄い唇。
最初部屋に入ったときにボクを見た時は、威圧するほどの存在感があった
のに、いま目の前で話しているハルカさんは、思わず抱きしめたくなるほど
かわいく見える。
ほんの一瞬のうちにその表情を変える。
女の人って、こんなにもドキドキさせてくれるものなのだろうか?
虚空の空間を当所ない旅を続けるボクたちの、心と体を癒す"アリスの娘"たち。
それにボクは、これからなろうとしているのだ。
「……ボクが、その、ハルカさんと?」
「ええ、まぁ……。でも、先生は、何も知らないまま女にするって言うのよ。
その方が初々しさが残るんだって。」
「ワシじゃなくて、アリスがそう決めたのじゃよ。そういや、オマエさんは、有無
をいわさずこれから世話になろうって相手を、無理やり押し倒したそうじゃな」
「あはは、そ、そんなこともあったかしら。だって悔しいじゃない、知らないまま
なんて、ね?」
「え?ボ、ボクは……、その……」
恥らう女性の表情から、今度は一変して悪戯女の表情に変わったハルカさん
に、ボクはもう
虜になっていた。抱きしめてみたい……という感情が少しずつボクの中で大き
くなってきた。
- 01-021 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/11 03:05 ID:5oCpaXpQ
- 「やれやれ、ハルカに食べられちまわないうちに、さっさとはじめるかの……
ほれ、コレを飲んで、服を脱ぎなさい」
「え?あ、は、はい……」
僕の心の変化を見透かすように、医官は施術の準備を促した。
「え、もう始めるんですか?いろいろ聞いておきたいことがあるのに」
「時間なら後でいくらでもあるじゃろうが、ほれ、手伝いなさい」
「はいはい、残念ね……。じゃ、脱がせてあげるわ、それくらいはしてあげな
きゃね」
そういうとハルカさんは、ボクを軽々と抱き上げた。ハルカさんはボクよりも
頭ふたつ以上、背が高くて、まだまだ成長段階にあるボクを抱き上げるぐら
いは、なんてことは無いのだろう。
「思ったよりも軽いのね。うふふ、こうすると気持ちいい?」
そういって、ハルカさんはボクの顔を自分の胸に押し付けた。柔らかいふくら
みが、ボクの鼻や唇にあたって、なんだかとても気持ちいい。甘くてそれでい
てさわやかな匂いがいっそう強くボクを包む。体だけでなく、心までも……。
ボクをそっと診察台に下ろすと、今度は耳元で囁く様にいった。
「かわいいわね、ヒロミ。ホントに食べちゃいたいくらい。今服を脱がせてあ
げるわ……」
「あ、あの、自、自分で脱げますから……」
「駄目よ。これも勉強のうちなの。男を悦ばせる……ね」
そういうと、僕の耳元にキスをしながら、服の胸元のファスナーを下ろしていく。
上半身をはだけさせられ、インナーもとられた。ハルカさんと違ってペッタンコ
な僕の胸をなでる。
- 01-022 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/11 03:11 ID:5oCpaXpQ
- 「まぁ、キレイな肌ね。船外活動もしたこと無いんでしょ?
何のお仕事をしていたの?」
「え、資、資料の整理です。アーカイブの。」
「そう、このキレイな手。畑仕事にも縁がなさそうだしね。孤独な仕事でしょ?
アーカイブの仕事って……。寂しくなかった?」
下のインナーにも手を入れながら、ハルカさんの声が耳をくすぐる。
ハルカさんの細い指先がボクの内股をなでたとき、
ボクは思わず声が出てしまった。
「ああっ……」
「鳴き声もかわいいのね。男の子なのに。薬も利いてみたいね」
ハルカさんの愛撫が、ボクの意識に少しずつ霞を降らせていく。他人に服を
脱がされるのがこんなに気持ち良いなんて思いもしなかった。いつの間にか
ボクはすっかり生まれたままの姿にさせられていた。
「寒い?ホントは肌と肌をくっつけあうと、もっと気持ちがいいのよ…」
「ほれ、遊んでないで、とっとと挿管せんかい」 医官が試験管ぐらいの管を
差し出してハルカさんに言う。
「もう、せっかく気分が出てきたのに。それよりも塗り薬が先ですわ、先にそ
れを入れたら、この子が痛がるわ」
そういうと、今度はぬるぬるした薬をボクの体に塗りつけていく。
足も、手も、背中も、胸も、おしりも、性器も……。
体が熱く燃えてくるような、激しい衝動が体の奥から湧き上がってくるのに、
ボクの意識は逆にまどろみ始めてきた。そのもどかしさを何とかして欲しくて、
ボクはハルカさんの目を見つめた。
「んー、その切なげな目もいいわね。きっと良い"娘"になれるわよ」
「だいぶ混濁してきたようじゃの、意識があるうちに機械に入れないと、面倒
じゃぞ」
「ああ、もう、はいはい先生。では挿管を…。ちょっと痛いかもしれないけど
我慢してね」
そういうと、ハルカさんはボクをうつぶせにして、少しだけ腰を持ち上げると、
おしりの穴にいきなり指を入れた。
- 01-023 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/11 03:14 ID:5oCpaXpQ
- 「あ、いや……」あまりに恥ずかしい格好にさせられたうえに、自分でも触れた
ことの無い場所への異物感に、拒絶感を感じて体を強張らせた。
「力を入れないで。すぐに痛くなくなるから。ふふふ、後ろの初めては、わたし
がいただいたわ」
「あまえさん、やっぱりそれが目的では……」
「もう、先生は黙っていてください。いいところなんですから」
ゆっくりとマッサージを加えながら、ハルカさんはうしろの穴を揉みほぐしてい
る。ボクは恥ずかしさと、経験の無い感覚でめまいがしてくる。やがて指よりも
少し太い異物感を感じたかと思うと、ずぶずぶと何かを入れられていく感覚が
全身を刺激する。
「あ、あ、や、もうやめて。どこまで……」
柔軟性があるといっても、体の奥まで異物を入れられるのには、まだ不快感
しか感じない。
「我慢して。別に口から出るまで突っ込んだりはしないわ。これは長期間あな
たを機械に入れておいても、機械の中が汚さないようにするためと、体の内
側から光をあてるためのものなの。」
「光……?」
「そう、体のつくりを変えるためには全身を薬液に漬けて、特殊な光を当てるの。
でも外側からだけじゃ時間がかかって、あなたの体が持たないわ。だから体の
内側にも、このチューブを挿れて変化を促進するのよ。
入る穴には全部入れるから覚悟してね」
ハルカさんはこの時、恐ろしいことも言ったけれど、僕の頭はそれをされるま
で理解できなかった。
「先に口をふさいだ方がいいかもね。その前に……」
ハルカさんはボクを仰向けにひっくり返して、頭の後ろに手を回して少しだけ
抱き起こした。
- 01-024 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/11 03:16 ID:5oCpaXpQ
- 「アナルバージンよりも、ファーストキスが先の方が良かったかしら?
乱暴でゴメンね」
そういうと何かを口に含んで、そっと顔を近づけた。
ハルカさんの潤みかけた深い藍色の瞳にボクの目は釘付けになる。
しばらく見詰め合った後、ハルカさんにつられてボクも目を閉じると、唇にそっ
と何かが触れた。
……やわらかい。
初めての感触に頭がますますぼうっとしてくる。いま、ボクはハルカさんとキス
してるんだ。男として最初で最後の女の人とのキス……。
やがてもっと強く押し付けられたかと思うと、今度は舌で口をこじ開けられて、
何かを流し込まれた。熱い液体が口の中から、喉の奥、胃にまで達するような
感覚がした。気持ちいい……。
「ん、はぁ、はぁ……何を飲ませたの?」
「ん、まぁ気付けみたいなものよ。今度はホントに苦しいかもしれないけど我慢
してね」
そういうと、表面はぶよぶよに見えるけど、ボクの腕ぐらいはある太いチューブ
を口の中に押し込まれた。確かに苦しいけど、さっき口移しに飲まされた何か
の感触を味わったせいか、それほどつらくは無い。
ハルカさんになら、どこに何を入れられても、耐えられるような気がする。
そうして、ハルカさんにされることなら、何でも平気になっていくんだろうか…?
- 01-025 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/11 03:18 ID:5oCpaXpQ
- 「噛んではダメよ。つらい?」
少し涙が出ているからだろうか、ハルカさんはいたわるようにボクの背中をさ
すりながら、ゆっくりチューブを押し込んでいく。口をふさがれているので、
頭をゆっくり振ってだいじょうぶという意思表示をする。
「そう、もう少し我慢してね。もう少しでチューブからなら息ができるから……。
先生、どうですか?」
「うむ、さすがワシの助手だけの事はある。これほどスムーズに挿管すること
はわしにもできまいて……。む、そこでストップじゃ」
「さあ、ゆっくりと息をして……そうそう。大丈夫?」
口からの異物感と、肛門からの異物感で串刺しにされているような感覚が、
少し惨めな感じがして切ないけど、ハルカさんの優しい声と愛撫がボクを落
ち着かせてくれる。
ゆっくりとうなずくボクを見て、ハルカさんはまた何かを手に取った。
「今度はちょっとイタイかも……」
そういうと今度は下腹のほうに手を伸ばして、ボクのペニスをつまんだ。
あまりの突然の行為に今度こそボクは身を捩じらせて、抵抗しようとしたが、
肩を医官に抑えられ、腰はハルカさんに抑えこまれてしまって身動きできな
い。というより、薬の作用と今までの行為が、既にもう僅かな抵抗すらできな
いほどに、体の自由を奪っていた。
「動かないで、まだムケてないのね……て、未経験だからそうよね。
ま、勃たないから入れやすいけど……」
そういうとハルカさんはボクのモノを口に含み、舌を使って"ムイ"てしまった。
- 01-026 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/11 03:20 ID:5oCpaXpQ
- 「んー!んんんーっ、ん……」
あまりの刺激に今度こそどこかおかしくなりそうな感覚が、ボクを蹂躙しかけた
が、次に襲ってきた激痛が現実の世界に引き戻した。
「んぉーぉ!!んぉーっっ!!!!!」
口を塞がれていなかったら、部屋中に響く叫び声を出したに違いない。
「我慢して!これが一番重要なの。痛いのは挿れている間だけだから」
ハルカさんの、拷問のような責めがやむと、ちょっとした爽快感とともに、何か
水音がしてあたりに匂いが立ち込めた。
「いけない、片側ピンチで止めとくの忘れてたわ……。粗相をして、
しょうの無い子ね」
激痛は尿道に挿管されたためで、その管が膀胱にまで届いたために、溜まっ
ていたものが垂れ流しになってしまったらしい。でもそれはボクが悪いの?
「やれやれ、こっちまでおかしな気分になりそうじゃったわい。片側止めていな
かったのは、ワザとじゃろが……。まぁ放尿の爽快感が無かったら、この子は
苦しいままだったじゃろうがの」
「へへへ、さすが年の功で……。先生は何でもお見通しなんですね」
「ついでに尿瓶も用意しとけば、GJだったが、床にぶちまけさせたのでプラス
マイナスゼロじゃ」
「お漏らしする羞恥心を、教えてあげたんですよ。先生」
……そんなの教えて欲しくないよ、ハルカさん。
- 01-027 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/11 03:23 ID:5oCpaXpQ
- 「さ、歩ける? こっちが装置よ。ゆっくりでいいからね。」
ボクはハルカさんを見つめた。
……サッキ、ぼくヲハダカニシタトキミタイニ、ダイテホシイ……。
「ダメよ、そんな目をしても。抱きかかえて欲しいんでしょ?でも自分で歩かな
いと駄目」
……いじわるナはるかサン……。
ぼくはうながされるままに、歩くしかなかった。この部屋の大部分を占拠する
大きな装置のそばまで、何とか二人に両脇を支えられて歩いた。ほんの数
メートルなのに、体に挿し込まれたチューブが揺れたり肉壁と摺れたりして、
辛くて一歩進むたびに崩れ落ちそうになる。開放されたハッチのようなものの
中に浴槽のようなものが見えるけど、装置の縁をまたいで中に入ることがで
きるだろうか?
「もう少しよ……。さぁ、良くがんばったわね。じゃ、この中に横になりましょうね」
ハルカさんは、ボクのおでこに軽くキスをしながら優しく抱き上げて、装置の中
にぼくを横たえた。
……いじわるシタリ優シクシタリ、わざトぼくノ心ヲ翻弄シテルノ?……
「蓋を閉めると中は液体で満たされるけど、怖くないからね。目はなるべく閉じ
ておいた方がいいわ。あ、これは単なる栓だから。」
ハルカさんはボクの鼻の穴に栓をし、耳の穴にはチューブを挿し込んで、その
端は装置に接続した。挿管されていたチューブの端もいつの間にか医官によ
って装置に接続されていた。何かのセンサーも体に貼り付けられている。
- 01-028 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/11 03:24 ID:5oCpaXpQ
- 「……聞こえる?音大きくないかな??」
耳に挿し込まれたチューブからハルカさんの声が聞こえてくる。ボクが大丈夫
という風ににっこり笑って頷くと、ハルカさんは装置のハッチを閉めた。同時に
生暖かい液体が流し込まれてきた。
体中の穴という穴に異物を詰め込まれ、真っ暗くて狭い装置に寝かされ、その
うえ得体の知れない液体がボクの体を嬲り始める。どうしようもない恐怖感に
襲われそうになったとき、頭の中でハルカさんの優しい囁く声がした。
……怖くないわよ、ヒロミ。大丈夫だから、落ち着いて。液体の温度と比重はあ
なたに合わせてあるから、そのうち暑くも無く寒くも無い、無重力空間に漂って
いるような気分になるわ……
……あなたの体調はすべてモニターしているから、安心して、次に目覚めたと
きは、あなたはかわいい女の子に生まれ変わっているわ……
……誰もが独り占めしたくなる……
その後は聞き取れなった。ハルカさんの声が、頭の中にこだましているうちに、
ボクは深い眠りの中に落ちていった。
ハルカさんは男だったボクの時間の最後に、抗うことのできない運命を、
意識と心の底に挿入したのだった。
- 01-044 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/12 02:49 ID:q4SSav4o
- アリスの娘たち~ ハルカ
「眠ったようじゃの」
「ええ、先生。いい夢を見てくれるといいんですけど。私はこの子の不安を取
り除いてあげられたかしら……」
「まぁ大丈夫じゃろ。さてオマエさんこの後……」
「ざーんねん! お仕事入っているんです。先生とは、またね」
「……つれないのぉ」
----------------------------------------------------------------
「はぁ、はぁ……。そ、そこは……」
「感じるのか?女ってヤツは何度ヤッても面白いな。こんなところも感じるのか
よ……」
ハルカは、アリスの指定した伽の相手に蹂躙されていた。
今日の相手はどうもSM嗜好らしい。待ち合わせの場所で待っていたらいき
なり後ろから羽交い絞めにされ、手錠をかけられた後、居住区画のサブ管理
室に連れ込まれた。最初、ハルカは決まりを無視した男に襲われたものと思
い、室内にある監視カメラに叫んだ。
「ア、アリス。助けて、モニターしてるんでしょ?」
しかし、合成音声の冷たい声がハルカの助けを無視してこういった。
「はるか、ソノ人ガ今日ノ相手デス。彼ノ思ウ様ニサセテアゲナサイ」
「へへへ、そういうことだよ。よろしく、ハルカさん。俺、こういうの一度やって
みたかったんだよね」
ハルカはアリスの指示どおりにするしかなった。
それが"アリスの娘"の仕事だから……。
男はコンソールにハルカをうつぶせに押し倒すと、そのままスカートと下着を
剥ぎ取り、後ろから犯し始めた。ハルカは何の抵抗もできないまま、男に犯
されるしかなかった。性転換して15年。もう何人もの男と何度も肌を重ねてき
たハルカは、最初は苦痛しか感じなかったものの、すぐに体が男の欲望を
受け入れ、相手の強引な性行為にも感じる体になっていた。
- 01-045 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/12 02:51 ID:q4SSav4o
- 「おしりの穴も感じるなんてな。もしかして、女になる前から使われてたんじゃ
ないのか?パートナーにさ」
ハルカは心まで犯されていた。男の言うとおり、ハルカは性転換前に同室だ
ったパートナーと"した"ことがある。でもこの男と違って、彼は真剣だった。
彼はハルカのことを本気で愛していた。だから彼のために"アリスの娘"にな
ろう、そう思って、ハルカは偶然一人空いた枠に志願したのだった。まだ子供
だったハルカは"アリスの娘"がどんなものか知らなかった。ただ、ほんとうに
彼のものになるためには、性転換するしかないと思っていた。そうすれば、彼
にもっと愛してもらえると思っていたのだった。
だから、医官の先生がいつも冗談交じりに言う「転換前にパートナーを押し倒
した」というのは、本当は意味も立場も違う。
ハルカは性転換前に女性としたことは無かった。
「ほら、脱げよ。全部脱いで体を良く見せるんだよ」
ハルカの手錠を外しながら男はさらにハルカへの蹂躙を続けようとしていた。
ハルカよりも若く見えるこの男は、きっと最近"男になった"のだろう。乱暴で
直接的な性欲が、今度はハルカを視姦しようと強引に服を脱がせていく。
……あの人はこんなに乱暴じゃなかったな。
ハルカのパートナーだった彼は、ハルカよりも10歳以上も年上の立派な大人
の男だった。パートナーというよりも、実際は小さい子供の面倒を見る保護者
という役割だった。人口が厳密に管理されている移民船では、パートナーが
必ずしも近い年齢ではない。もっとも本人たちの希望や、その他の都合で
パートナーを変えることも良くあることで、中には数人のグループもある。
「あ、痛い!やめて!!」
秘唇を嘗め回していた男が、ハルカのクリトリスに歯を立てた。
「わりぃ、ちょっと強すぎたか?」
- 01-046 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/12 02:53 ID:q4SSav4o
- 「……ゴメン、ちょっと強すぎたかな?」
初めて時、あの人もそういった。本当はアリスが決める初夜の相手を、ハルカ
は強引に彼に決めていた。そうでなければ何のために女になったのかわから
ない。
彼は黙って"アリスの娘"になってしまったハルカを、最初は「勝手な行動をし
て!」と叱ったが、すぐに苦笑しながらこういった。
「ありがとう、ハルカ。僕の為に。愛してるよ」
そういって、女になったばかりの……まだ未成熟な体のハルカを愛してくれた
のだった。小さいけれども、しっかりとした胸の膨らみに、彼は目を丸くしなが
ら手を伸ばして愛撫した時、ハルカは思わず彼を拒否してしまった。
男の体とはまったく違う未経験の感覚に、ハルカは驚いたのだ。
「……ううん。ちょっとびっくりしただけ。ごめん、続けて……」
あの時とおなじセリフに、ハルカは心の中で苦笑していた。
……いけない、この男に集中しなきゃ。
ハルカはそう考えたが、優しかった彼の思い出が、次第に頭の中を占拠し始
めてしまっていた。
女の感覚は男のそれとは、まったく感じが違っていた。もともとそういう目的
で作り変えられた体とはいえ、ハルカは自分の肉体に与えられる刺激と、
恐怖感と期待感をない交ぜにした感情に、打ち震えていた。
自分でもまだ見慣れていない裸身を彼の目に晒す羞恥心。
息を吹きかけられるだけで、意識が朦朧となる首すじ。
男の時には何も感じなかった、耳たぶや指の付け根への刺激。
"女は初めてのときとても痛い"それは彼も心得ていたので、初めての幼い
ハルカの体に、ありとあらゆる愛撫を執拗に加えていた。
- 01-047 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/12 02:54 ID:q4SSav4o
- 「あ、いや……」
彼がハルカの両足首を持って開いたとき、快感よりも恐怖感が上回り、声を
出してしまった。
「怖い?やめようか?」
「ううん、ここでやめちゃったら何のために、ここへ来たのかわからないよ。
お願い、私がどんなに辛そうに見えても続けて。最後までして!」
「……わかった」
そういうと彼は、ハルカの股間に顔を近づけて、花唇を舐め始めた。
「……、んんん」
今までとは比べようが無い初めての快感に、ハルカは自分の口を押さえて、
声を出すのを我慢した。体の奥でムズムズとこみ上げていたものが、さらに
大きく広がるような感覚に、身を捩って耐えていた。ハルカの小さな突起を、
彼が甘噛みした刹那、電流のようなものがハルカの全身を爆発させるほど
の快感となって襲った。
「んんんーっ!!。はぁ、はぁ……」
「イったのかい?、少し休もうか?」
「……いいの。いいから、続けて……」
ハルカは息も絶え絶えに彼に応じた。すると彼は顔を近づけ、ハルカの
目尻にうっすらと溜まった涙を舐めとりながら、膣に指を入れてきた。
「痛くない?」
「ん、……大丈夫。そこまでは……、自分でもしてみたから……」
「ふふふ、エッチな子だね。じゃあ、もう一本挿れてみようか?」
「ん、ダメ。声が出ちゃいそう……」
そういうと彼は、自分の唇でハルカの口をふさいだ。
「んふん……、ふむ……」
舌を絡ませるディープキスに再びハルカの中の何かがこみ上げてくる。
ハルカは秘穴に指を2本入れられ、入り口をこねくり回される感覚に気が
遠くなりそうになっていた。体の中を荒れ狂う嵐のような快感とは裏腹に
静まり返った部屋の中に、くちゅり、くちゅりという音が響いて、ハルカの
羞恥心を煽る。
- 01-048 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/12 02:55 ID:q4SSav4o
- 「はぁ、はぁ、もう……。気が、遠く、ん……。なり、そう……」
「じゃあ、いいかな?」
これだけ体の準備ができていても、やっぱり痛いのだろうか?
そう思うとハルカは不安を感じないではなかった。
彼を見上げて、その優しい瞳に映る、もう一人の自分に尋ねた。
……いいよね、痛くても、怖くても、我慢できるよね。だってそのために、私は
ここまで来たんだもの、自分を変えてでも、彼に愛されたかったんだもの……。
ハルカがそっと目を閉じたのを肯定と受け取った彼は、完全に強張りきった
怒張をハルカの入り口にあてがうと、少しずつ侵入を果たそうと腰を動かした。
「い、痛い……」
ハルカは突然現実に引き戻された。見ると男がフィストファックをしようと手の
先をすぼめてハルカの膣内を犯そうとしている。
「やめて、壊れちゃうわ……」
「うそつけ。もう何年もやってるんだから、これぐらい経験あるだろ?」
若い男の身勝手な要求に、ハルカは目を閉じて我慢しなくてはならなかった。
たとえ性器や内臓を傷つけられても、再生槽にはいれば傷は治る。
それゆえに大胆にハルカの肉体を傷めつける男もいる。
……でもね。心だって傷つくんだよ。それが仕事だってわかっていたって、
辛い事もあるんだから……。
ハルカは、男のしていることをあまり考えないように、再び優しかった彼の
思い出を手繰り始めていた。
- 01-049 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/12 02:57 ID:q4SSav4o
- 股間どころか、下半身を切り裂かれるような破瓜の痛みに耐えかねて、絶叫し
かけたハルカの口を、彼は強いキスでふさいだ。そして片手をハルカの背中に
回して肩を抱き、もう一方の手で後頭部を押えて身動きできないように手に力
を込めた。ハルカは自分の中に押し込まれていく、焼け付くような痛みに耐える。
やがて、お腹の中の塊を押し上げるような感覚がすると、彼は動きをとめた。
……これが子宮に当たってる感覚なんだ…
目を開けて見上げると、彼は優しく微笑んでいた。
「大丈夫?痛いと思うけど、我慢できる?」
「うん、……大丈夫。続けて……」
そういうと、彼はゆっくりと抽挿を繰り返すように腰を動かし始めた。
……じゅぶっ、じゅぶっという愛液と血をハルカの膣内でかき混ぜる音だけが
部屋に満ちていく。何度も全身を刺し貫く痛みが、少しずつ快感に変化してい
った。やがて恥ずかしい水音よりも、二人の喘ぎ声が部屋を支配していった。
最初は消えるように、途切れ途切れだったハルカの喘ぎ声も、やがてはっきり
とした声に変わっていった。
暫くすると、彼のうめき声とともに、ハルカは体の中に何かをぶちまけられる感
覚がした。ドクドクと流し込まれる液体が彼の精液なのだと思った瞬間、ハルカ
の頭の中でフラッシュがたかれ、そのまま気を失ってしまった。
- 01-050 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/12 02:59 ID:q4SSav4o
- いつの間にか、ハルカを蹂躙していた男は姿を消し、一人部屋に残されていた。
毛布を掛けていってくれたのは、罪悪感を感じた男の、せめてもの思いやりの
つもりなんだろうか。股間に刺す様な痛みを感じたので見ると血が出ていた。
痛いのを我慢して傷口を確かめてみたが、傷の程度が良くわからなかった。
コンソールに押し付けて犯されていたのと、床に転がされていたのとで、全身
にも鈍い痛みを感じる。
……医務室よっていかなきゃダメかな……
ぼんやりとそう考えながら、ハルカは服を身に着けるために、コンソールに手
をついて立ち上がろうとしたが、腰に力が入らなくてその場に再びへたり込ん
でしまった。
自然に涙が頬を伝って、流れ落ちていった。
優しかった彼に独占されていたかった、あの頃の自分を思い出す。
「ひくっ。…ア、…ラァ、寂しいよぉ。もう一度ハルカを慰めてよぉ…」
囁くような小さな泣き声が、部屋に消えていく。
部屋の隅にあるモニター装置の光が、一瞬チカリと明滅した。
永遠に再会することのかなわない人物の名を呼ぶ、ハルカの傷ついた心を
知っているのは、アリスだけだった。
- 01-070 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/13 03:20 ID:P9La0EeZ
- 「はぁ、はぁ……、んくっ……」
「かわいいわね、ヒロミ。」
ボクの心を強く捉えて離さない、深い藍色の瞳が妖しい光を放っている。
「我慢しなくても良いのよ、怖くないから」
「でも……、はぁ……、きゃふんっ!」
それまで、頼んでも触ってくれなかった秘裂を、突然なぞりあげられた。
すでに恥ずかしい粘液で濡れていたボクのぷっくりとした恥丘が、ぬるりとハ
ルカさんの指を押し返す。ハルカさんはボクの目を瞬きもせずに見据え、愛液
で濡れた指をワザと見せつけるように舐めとって見せた。
……ボクはハルカさんに食べられてる…… そんな錯覚を覚えた。
「そうよ、もっともっと、そのかわいい声で鳴きなさい、ヒロミ」
"経験"しないまま、女になったボクは胸や性器以外に、こんなにも感じる場所
があるなんて、想像もしていなかった。男でいたときと比べると、まさに全身が
性感帯という体になっていた。服を着て食事をしたり、リモート端末でアーカイ
ブにアクセスしている時は、特にどうということはないのに、ハルカさんに抱き
すくめられただけで、性感帯のスイッチを入れられたように、どうしようもなく感
じ始めてしまう。
「…ハ…ハルカさん。はぁ……ん、も、もう許して……」
「お姉さま、と呼びなさい。て、何度も言っているでしょ?ダメよ。
あなたがイクまでやめてあげない」
「そ……んな、やぁ……!」
イジワルなセリフとは裏腹に、そろそろ限界と見切ったハルカさんは、
まだ発育途上のボクの乳房の頂点を甘噛みした。
「うぁん!あぅ……」
その一撃で、ボクは今日何度目かわからない絶頂に押し上げられ、気絶して
しまった。
「んふん。ホントにかわいいわね」
ハルカは、腕の中で寝息を立て始めたヒロミの髪を撫でながら言った。
- 01-071 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/13 03:21 ID:P9La0EeZ
- 装置に入ってから約3ヶ月後、ボクの体は性転換を終えて装置から取り出され、
隣にある薄暗い部屋のベッドに寝かされていた。
目が覚めたとき、周りには誰もいなくて、身動きすらできなかった。
体全体がまだ焼けるように熱く、暗く落とされた照明が、ボクをどうしようもない
恐怖に突き落とし、いつの間にか声を上げて泣いていた。
「どうしたの!ヒロミ、怖い夢でも見た?」
ハルカさんは血相を変えて部屋へ飛び込んできた。わんわん泣き始めたボク
をぎゅっと抱きしめながら、背中をさすってなだめてくれた。思い出すと今でも
恥ずかしいけど、性転換したばかりの体は、脳と体の神経とがバランスをうまく
取れない状態になっていて、精神的にもとっても不安定になるのだそうだ。
だから、転換直後のパートナーはとても重要で大変な重労働だ。
最初の一日のほとんどを、ボクは泣きじゃくりながら過ごした。ハルカさんに抱
かれてうつらうつらし始めたボクは、寝かしつけるために照明を落とされただけ
で目を覚まし、泣き叫んでハルカさんを困らせた。
2日目は、口の中がざわざわして水を飲むことすら嫌がって、いくらなだめす
かしても食事をとろうとしなかった。痺れを切らしたハルカさんに、頭から流動
食をぶちまけられた。
3日目は、ほんの些細なことでも無性に苛立って、あたりかまわず手近な物を
投げつけたり、暴れたりした。ハルカさんは体中にアザや引っかき傷を作りな
がらも、ボクをなだめようと必死になってなだめてくれた。
4日目は何とか落ち着いたけど、今度はハルカさんに甘えていないと物足りな
くて、朝からまとわりついて離れず、結局あきらめたハルカさんと一日中、べた
べたしながら過ごした。
そうしてようやく9日目に、ハルカさんが部屋を留守にしても、ひとりで過ごせる
ようになった。精神的にも落ち着いたなと思ったハルカさんは、10日目の今日、
ボクに"調教"を始めたのだった。
- 01-072 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/13 03:23 ID:P9La0EeZ
- 「気が付いた?ヒロミ。じゃ、第……何ラウンド目だったっけ?」
「ハル……、じゃなくて、お姉さま。もう勘弁して。これ以上続けられたら発狂し
ちゃいそう」
「そう、残念ね。んじゃ、いいもの見せたげる」
「ブックカード?ずいぶんアナクロだけど、妙に新しい……」
パスワードさえあれば、どこにでもある端末から、あらゆる情報が引き出せる
船内では、本来こうしたメディアを、わざわざ使う必要が無い。
「"お子様"だったヒロミは知らないかもしれないけど、"オトナ"の私たちには
こういう娯楽情報誌があるのよ。使い方わかる?」
そういって差し出された、カードのフレキシブルディスプレィに表示されたヴィ
デオを見て、思わず声を上げてしまった。
「お、お姉さま、これはいったい……?」
それは6日前、性転換後に始めてシャワールームに入った時のものだ。
すべすべした肌にシャボンを塗りつける行為が気持ちよくて、小鳥が水浴びし
ているみたいに、はしゃいでいる自分のあられもない姿が、リピート再生され
ている。
「"デビュー前のヒトコマ"、ってところかしらね。新しい"アリスの娘"には、
船内のみんなが注目しているのよ」
「姉さま!!いつの間に!!」
「あら、こわい。いいじゃない、かわいいわよ。初々しくて」
ボクは真っ赤になってうつむいてしまった。自分でもまだ見慣れていない上に、
明らかに子供っぽい姿を船中の人間に見られているかと思うと、恥ずかしさが
こみ上げてきて、どうにもいたたまれなくなってしまう。
「私も出ているのよ。静止画だけど。ほら」
そこには見慣れない服を着たハルカが、細長い武器を携え、獲物を見据える
ように、こちらを見つめる全身像が映し出されていた。長い黒髪をなびかせ、
切れ長の深い藍色の瞳に光を湛える凛とした姿に、ヒロミも目を奪われたが、
どう見ても戦いにふさわしくないような服装に思えた。
「お姉さま、この服は何?」
「セーラー服。……変かな?」
最終更新:2012年01月24日 16:20