01-101 :名無しさん@ピンキー:04/01/16 02:44 ID:Dki0/ZzW
アリスの娘たち~ シルヴィ
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「ワタシ、こんなの絶っ対にイヤです!!」
バン!と机を叩いた拍子に、カップのコーヒーがしぶきをあげた。
アリスの指示で娯楽誌の編集部に来たシルヴィは、次号に掲載するヴィジョ
ン撮影の参考に、と見せられた映像を見て猛然と抗議した。
ディスプレィには先月からシルヴィの姉として、パートナーになったばかりの、
レイカの艶かしいSEXシーンが流れていた。複数の男に弄ばれながら、切な
げな嬌声を上げている。官能的というよりも退廃的で露骨なシーンは、まだ伽
を勤めて半年の"新人"であるシルヴィには刺激が強すぎた。

調整計画通りに"アリスの娘"として性転換したシルヴィは15歳。
人工培養によってこの世に生を受ける彼らには、他人の手を必要とし、労働力
もない乳幼児期が無い。培養中に様々な知識と疑似体験をインプットされ、10
歳位の姿で培養槽をでる。だから15歳といっても、実質まだ5年ぐらいしか人生
を歩んでいないことになる。新生児は最初一箇所にまとまって、保護者である
年長のパートナー数人との共同生活を過ごす。その後はたいてい一緒に過ご
した仲間の中からパートナーを見つけ、それぞれに自分に課せられた役割を
果たしながら生活を営んでいく。"子供"として扱われるのはせいぜい14歳位
まで。あとは性徴薬を飲んで大人になるか、シルヴィのように"アリスの娘"と
なる。
とはいえ、まだ若いシルヴィに過激な伽が課せられることはなく、単なる話し
相手や、じゃれあうだけで性行為にまで及ばないデートなどが中心で、その
相手も慎重に選ばれる。それでも、新人であるがゆえに、シルヴィと"関係"
してみたいという、リクエストは後を絶たない。
人口的にも圧倒的に少ない"アリスの娘"たちだから、今回のように娯楽誌の
紙面を飾ることも仕事のひとつで、今までは普通のポートレイトやせいぜい
セミヌードまでだったが、今回のはもっと過激な、有り体に言ってしまえば、
自慰行為のネタになれ、ということらしい。

01-102 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/16 02:45 ID:Dki0/ZzW
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「ワタシ、これでも"清純派"を目指しているんですからね!」
(性欲の対象である"アリスの娘"に"清純派"なんて……)と編集長は心の中
で悪態をついたが、そんなことはもちろん口に出さなかった。イメージこそが重
要、というのが彼の持論だった。

「でも、次号には"カラミ"が欲しいんだよ。スケジュール的にも、順番からいっ
てもキミしかいないんだ。頼むよシルヴィちゃん」
アルビノ(色素欠乏症)のシルヴィは紅い瞳をますます紅くして、編集長を睨み
つけた。確かにシルヴィが請けたアリスの指示にも、それらしきことが含まれて
いた。

「わかりました、じゃあひとつだけワガママ聞いてください。相手はタケル以外は
イヤです!もし撮影中にタケル以外の男が私に触れるようなことがあれば、
そのままエアロックへ駆け込んで、身投げするわ!」
性格も容姿も様々な"アリスの娘"たちだが、たった一つだけ共通点がある。
それは、性転換前の元パートナーへの"特別な感情"だ。憧憬とも思慕とも恋愛
感情とも違う、独特の想いを元パートナーに寄せている。

「わかった、その条件は呑もう。でも撮影場所はこちらの指定通りに」
「交渉成立ね。では、明日また」

シルヴィは、タケルに会えるというだけで、気分が高揚していた。
パートナー解消から約1年半、その間ほとんど会う機会すらなかった。
タケルは船外活動要員で、巨大な移民船の前部外周のブロックに居住している。
中央付近のブロックから出ることなど滅多に無い、シルヴィたちとの接点は少な
かった。無理をすれば会うこともできるが、女になってしまった自分を見られるの
が恥ずかしいのと、再会して自分の思いを伝えたい、という感情とがまぜこぜに
なって、これまでその努力をしてこなかった。タケルの方も、かつてのパートナー
を性欲の対象とみることになんとなく罪悪感を感じ、シルヴィと"関係"する希望を
出せずにいた。アリスの指示する伽の相手の名前を見るたびに、シルヴィは落胆
と安堵の入り混じったため息をついていた。

01-103 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/16 02:47 ID:Dki0/ZzW
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「なんかいいことあったの?シルヴィ。うれしそうじゃない」
シャワーを浴びて濡れた髪を乾かしていたシルヴィは、伽を終えて帰ってきた
レイカに声をかけられた。

「お帰りなさい、レイカ姉さま。えとね、明日ね、タケルに会うの」
性転換後の新しい名前の由来となった、ウェーブのかかった長い銀髪を指で
いじりながらシルヴィは答えた。

「へぇ……。ついに会う決心をしたんだ。でも良くアリスが頼みごとを聞いてくれたね」
「ううん、違うの。その、撮影……なの、娯楽誌の」
「へぇ……? あ、もしかして、カラミ? そうかー、思い出の彼氏と
うっふーん、あっはーん、ってか? やるじゃーん!!」
その言葉に、昼間見せられた映像を思い出したシルヴィはカチンときた。

「あーんたみたいな、インラン女とワタシは違いますぅ!」
「おーんなじだろ?どこが違うんだよ!」
「ワタシは誰だっていいってわけじゃないもん!まして複数の男性と同時にだ
なんて、私にだって仕事を選ぶ権利が……」
もちろん、シルヴィには自由に仕事を選べる権利は無い。程度の差こそあれ、
男に媚を売ったり、時には抱かれたりしなければならない、そんな生活にまだ
馴染めないでいる自分が急に悲しくなって、べそをかき始めてしまった。

「……ホントはワタシ怖い、タケルはきっと私なんか嫌いだわ。ワタシだって会
いたくない!。会わないほうがいいのよ! う、うっ…」
「今怒ったカラスがもう泣いた…か。からかってゴメンね、シルヴィ」
(やれやれ、まだまだ情緒不安定だな、このコは)そう思いながらレイカは泣き
じゃくるシルヴィをそっと抱きしめた。
(でもね、私だって相手が誰でもいいなんて思ってはいないんだよ。確かにあ
の雑誌では複数の男と絡んでいたけど、彼らはみんな元私の……。
ふふ、大方このコも編集長に強引にねじ込んだのかしらね)

01-104 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/16 02:48 ID:Dki0/ZzW
翌日、居住区画と農園の間にある公園の大きな樹の下で、シルヴィは撮影用
の黄色いサマードレスを着て大きな麦藁帽子をかぶり、洗いざらしのシャツに
チノパンというラフな服装のレイカと立っていた。

「野外撮影か、大胆だね。アンタも」
「く、あの編集長……。」
(いけない、いちいち腹を立てていてはキリが無い)
深呼吸に咳払いをひとつして、上がりかけた血圧を自分で下げる。

「それよりも、どうしてレイカお姉さまがここにいるんですか?」
「あたし今日は非番。暇だからアンタの想い人とやらを見に来たの。
で、どこよ、その彼氏は?」
「まだ来ていないそうです」
「ふーん、……すっぽかされたか?」
再び急上昇する血圧を、今度は駆け寄ってきたアシスタントが下げた。

「じゃ、とりあえず一人で戯れているシーンの撮影から始めますから」
ニヤニヤしながら、離れていくレイカの背中に心の中でケリを入れて、シルヴィ
は傍に生えている大きな樹に片方の手を添え、もう一方の手で帽子をおさえて
風に飛ばされないようにした。結っていない長いウェーブのかかった細い銀色の
髪が、人工的に起こされた風になびく。
大きな樹……タイジュ。昔のワタシの名前。やっぱり編集長は意図的にここを選
んだのかしら?
せっかく努力して雰囲気を出そうとしたところで、件の人物が茶々をいれる。

「おーいいねぇ、さすが"清純派"のシルヴィちゃん。絵になってるよ」
く、く、く、どいつもこいつも、そろいも揃って……。ワタシの神経を逆なでするのが、
そんなに楽しいのかしら!?

01-105 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/16 02:50 ID:Dki0/ZzW
「じゃあ、そろそろ脱いでもらおうか。下着も全部とって、"妖精が舞い降りた"、
ていう感じで頼むよ」
園内の小動物と戯れたり、特別に許可されて摘み取った花束を抱えたりと通り
一遍の撮影を終えて、カメラマンが指示を出す。
……イキナリ全裸になれって?確かに、下着を着けているのはこの場にふさわ
しくない気もするけど、こんなところで大勢に見られながら、服を脱ぐのは抵抗
がある。小さな部屋で明かりを消し、やわらかいベッドの上で裸になるのには
少しは慣れた。でもここは屋外で、自分の恥ずかしい姿を隠すものは何一つ
ない……。いくら顔見知りのスタッフ以外は立ち入り禁止になっていると知って
いても。
躊躇していると、アシスタントが、芝生の上に即席の草むらを作ってくれた。
脱いでいる所を見られないだけマシかな?そう覚悟して、シルヴィは草むらに
隠れ、体を包んでいる布を一気に脱ぎ捨て、意を決して再び姿を現した。
カメラマンにむかって、僅かに両手を開き、惜しげもなくその裸身を晒した。

 風の舞う公園に、真っ白な肢体を持った、銀髪の妖精が降臨した

その場にいた誰もがそう感じた。

「キレイね、あのコ。悔しいけどあの美しさはこの船で一番だと思うわ」
そばにいた編集長に、レイカは言った。

「おっしゃるとおりですね。ところで、折角ですからレイカさんもカラミませんか?」
鈍い音が編集長の腹の辺りでしたが、倒れこんだ本人以外は誰も気に止めなかった。

01-106 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/16 02:51 ID:Dki0/ZzW
……見られている。

「じゃ、今度はひざを抱えてそこに座ってもらえるかな?」
……ワタシの裸。

「そう、じゃ首をちょっと傾けて……」
……なにもかも、全部。

「目を閉じてみて、抱えた膝を枕にする感じで」
……恥ずかしい。ほんとはこんな仕事。

「今度はうつぶせになって……」
……芝生までが、ちくちくと私の体を攻め立てる
「両手を突いて、上半身を起こして。顔は少しうつむき加減に」
……タケルにはみせられない、こんな姿。
シルヴィの感情が高ぶり始める。

「やばい、泣くかな?あのコ」
少し離れて見ているレイカからでもわかるほど、紅い瞳を潤ませ始めたシルビィ
に、レイカはいつでも駆け寄れるように身構えた。そのとき木陰から男がそっと
シルヴィに近づき、彼女の真っ白な肌とおなじぐらい真っ白な布をかけ、傍らに
膝をついた。

「タケル……?」
「久しぶりだね、シルヴィ」
「会いたかった!」
悲しみの頂点に達しようとしていたシルヴィは、突然現れた懐かしい彼に理性を
失い、なりふりかまわず抱きついてしまった。

「これも、あんたの演出なワケ?」
なにやら、手振りで合図をしていた編集長にレイカが尋ねた。

「まぁ、シルヴィちゃんも、いくら会いたいと思っていても、なかなか素直な気持ち
で会うことはできないでしょう? でもこれで、シルヴィちゃんも幸せ。良い絵が
撮れてワタシも幸せ。結構じゃないですか」
「アホらし、帰るわ。王子様が登場したんなら、私の出る幕は無いからさ」

01-148 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/23 00:26 ID:qxlgy6kc
「泣いたら、かわいい顔が台無しだよ」
登場の仕方もセリフも、如何にも編集長らしいクサい演出だ、とスタッフたちも
思った。しかし、宇宙線焼けで浅黒い肌の少年と、透き通る様な真っ白い肌の
美少女の組み合わせは、完璧に絵になっていた。

「タケル、ワタシね……」
タケルは口ごもるシルヴィの肩をそっと引き寄せて、唇を重ねた。

「ん、ん…………」
(キスがこんなに感じるなんて……)
少しずつ落ち着きを取り戻したシルヴィは、薄目を開いてタケルを見る。

「……はぁ。タケル…、痛いわ。」
「ごめん、その、緊張してしまって」
「セリフが棒読みだったもんね。ふふ」
「へへ……。でも声までは録らないそうだよ」
タケルは、そっとシルビィの腰に手を回した。
びくん!思わず腰が引ける。

「ごめん、痛かった??」
「ううん、そうじゃなくて……」
(感じちゃった、なんて言えるわけ無いじゃない……)
「ねぇ、もう一度キスして」
「え、でも、その、次は……」
「……ダメ?」
上目遣いで、拗ねるように問う。シルヴィは女になって初めて、自分のために
武器を使った。

01-149 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/23 00:28 ID:qxlgy6kc
「……はぁ、んん……」
不器用だけど濃厚なキス。ぎこちないけど心地よい愛撫。
(ただ抱かれてキスするだけで、こんなに気持ちいいなんて……)シルヴィは、
自分の何かが変わっていくような予感を覚えた。
タケルはシルヴィの腰に手をまわし、ゆっくりと芝生の上に横たえる。

「やだ、恥ずかしい……」
こんなにも近くで、はっきりと自分の裸体をタケルに晒すことに、恥ずかしさが
増していく。真白な肌を、瞳のように紅色に染め、女性の特徴を両手で隠す。

「キレイだよ、シルヴィ。もっと良く見せて」
タケルは折れそうなほど細いシルヴィの両手首を掴んで、頭の上へと押しやった。
(乱暴なタケル。でも無理も無いわ。まだまだ女の体に興味津々の年頃なんだから。
私だって最初は……)
「いいよ、タケル。好きなようにして……」
シルビィは体の力を抜いた。

「え?う、うん、その……、さわってもいいかな?」
顔を赤くしながら問うタケルに、シルヴィは答える代わりに、にっこりと微笑み、
彼の手を自分の胸に当てた。
ぎこちない愛撫ではあったが、タケルに触れられる喜びをシルヴィは全身で感じていた。

「ねぇ、タケルも服を脱いでよ。」
「う、うん」
タケルはあっという間に、服をすべて脱ぎ捨ると、シルヴィに覆いかぶさるように手をついて、
向き合った。

「やさしくしてね」
「……、う、うん」
しかしタケルは、まだリードがないと、その次ができない様子だった。
問うようにシルヴィを見つめる。

01-150 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/23 00:29 ID:qxlgy6kc
「愛してるわ、タケル」
自然にでた言葉だったが、口に出して始めてその言葉の意味を悟った。
(そうだ、これが愛するってことなんだわ。プリンが好きだったり、ウサギが好き
だったり、ホントはやさしいお姉さまが好きだったり、そういうのとは違う、この感情。
だから、タケルの瞳を見ることが、タケルとキスをすることが、タケルに触れられる
ことが、こんなにも気持ちいいんだわ)
「ボ、ボクも……だよ、シルヴィ」
と、戸惑い気味にタケルが応える。

「ふふ、いいの、タケルにはまだわからないかもしれない。でもいいの。
……ほら、興味あるでしょ?」
セリフの最後は伽の時、戸惑う相手への常套句。シルヴィは大胆に足を開いて
タケルを誘った。

くちゅくちゅ……、という恥ずかしい音がシルヴィにも聞こえてくる。
タケルはシルヴィの股間に顔を埋め、秘唇を指で広げて舌を遣っていた。

「きゅんっ!うんんん」
女裂の頂部、紅色の豆粒に歯を立てられ、シルヴィの体が弓なりになる。

「はぁ、はぁ……。あまり強く噛まないで、おかしくなっちゃう」
「ごめん、ボク、その、あまり慣れていなくて……」
「…………」
「どうしたの?」
「ううん、ごめんね。タケルだけのワタシじゃなくて……」
「うん、でも今はボクだけものだよね?銀髪の妖精」
「……。ワタシはタケルに独占されていたいだけの女の子よ…。来て」
(タケルと"シテ"いる写真が娯楽誌に載るのは、本当は嫌。だけど、きっとタケル
もその雑誌を手に入れる。そして何度も今この時のことを思い出してくれるに違
いない。そしたら、今度もう一度タケルと会えたとき、もっと私がして欲しいように、
私を愛してくれるかも……)

01-151 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/23 00:31 ID:qxlgy6kc
不安と期待が入り混じった、複雑な思いに感情が波立つのを抑えようとシルヴィ
は目を閉じたが、なかなかそのときは訪れなかった。

「どうしたの、タケル?」
「その、ボク、どうしていいのか良くわからなくて……」
「タケルは、その…男になったんじゃないの?"経験"してないの?」
「その……、一回だけ、その……ハルカさんと、お話して。ハダカは見せてもらった
けど、あとは……手で、その、気持ちよくしてくれただけだから…」
「…………」
「え、ええと、その……」
「ふう、なんかワタシ、気負いすぎていたのかな……」
「ゴメン。その……。なんていうか、その……」
「他の女の名前を出すのはルール違反だけど、正直に言ってくれてありがと、
だから……」
シルヴィは、タケルの股間に顔を埋め、彼を口に含んだ。

「……、ひゃっ、シ、シルヴィ!」
「んふ、ん……、はぁ。濡れていないと痛いのよ。私のほうは、もう準備できて
るから……。ほら、ここに指を入れてみて。」
シルヴィはタケルの手をとり、自分の入り口に導く。
妖精は淫魔に変貌を遂げていた。

01-152 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/23 00:32 ID:qxlgy6kc
「ほら、奥まで入っていくでしょう?」
「あたたかくて、ぬるぬるしてる。」
「……はぁ、あんまり指を動かさないで、ココにあなたのを入れるのよ」
「……え、でもこんな狭いところに?」
「それは、ワタシのセリフよ。私の腰に手を当てて、そう。じゃあ手を添えてあげ
るから、ゆっくりと引き寄せて……」
「こう?」
「そう、そのまま……。んん……はぁ、ゆっくりね」
少しずつシルビィの中に、タケルが挿入されていく。
未経験の刺激に、タケルは思わず声が出る。

「ああ、あったかくて、気持ちいい……」
「もっと気持ちよくなるわ。もっと、……んぁっ!」
シルヴィは子宮を突かれて、思わず声を上げてしまった」
「大丈夫?」
表情が辛そうに見えるのだろうか、気遣うようにシルヴィの額に手を添える。

「はぁ……、平気よ。ねぇ、そのまま抱き締めてキスして」
タケルは言われるままに、シルヴィの背に手を回し抱き寄せてキスした。
お互いに舌を絡ませる濃厚なキス。シルヴィが下腹部に力を入れて、腰をゆっ
くりと動かすと、タケルがくぐもった声を上げる。シルヴィは自分の喘ぎ声が漏
れないように、タケルの頭の後ろに手を回し、もっと深く舌を差し込んだ。

01-153 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/23 00:34 ID:qxlgy6kc
だんだんと律動が激しくなり、くちゅ、くちゅ……と音がしはじめる。
タケルは、少しずつ要領を得てきたせいか、積極的にシルヴィに自分を打ち付
けてくる。単純な動きだが、深いところまで突きあげ続けられるうちに、シルヴィ
は脱力状態となって、タケルのされるがままになっていた。既に主導権はタケル
に移っていた。時々じらすように、タケルの胸板がシルヴィの胸の尖りに触れ、
それがさらにシルヴィを高みに押し上げていく。

「はぁ、シルヴィ、ボク、もう……」
「わ……たし、も、もうダメ。いきそう……」
その刹那、タケルに一段と強く腰を打ちつけられたかと思うと、シルヴィは体の
奥に熱いものが広がっていく感覚を覚えた。

「はぁ!……ううっ、あぁ……」
「くっ、うぅんん……!」
2人は同時に果てた。

(あれ、そういえば、私……)
タケルはシルヴィに覆いかぶさり、まだ息を荒げている。
シルヴィは深い充足感に、タケルが愛おしくなってそっと頭を撫ぜる。

「……シルヴィ、ボク……」
「何も言わなくていいわ、タケル」
そう言ってシルヴィは軽くタケルにキスをする。

「そういえば、撮影だったんだっけ、つい夢中に……」
シルヴィは急に恥ずかしさがこみ上げてきて、髪以外の体中を真っ赤に染め
ていた。下を向かずにはいれず、とても周りを窺うどころではない。

「あれ?みんなは……。シルヴィ、ぼくたちしかいないよ」
「え、……?」
「ボクらが、あんまり……。その、自分たちの世界に入っちゃってたから、あき
れて撮影やめちゃったのかな……」
そんなことあるわけが……とシルヴィは訝しんだが、おそるおそる周囲を窺うと、
確かに他に誰かがいる気配は無かった。

01-154 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/23 00:36 ID:qxlgy6kc
「シルヴィ……」
タケルが手を伸ばして、シルヴィを抱き寄せようとする。その意図をシルヴィは
見抜いたが、それを阻むようにじっとタケルを見つめていった。

「タケル、聞いてくれる。」
「……う、うん。」
「1年半、毎日タケルのことが気になって、頭の片隅から離れなかった。
だからね、絶対に会って言いたいことが、たくさんあったの。でも……」
「でも?」
「あんまり多くて、忘れちゃった……」
「何それ?」
「いいじゃない。ねぇ、私たち普段は離れて生活しているけど、お互いが望めば、
またきっとこうして会うこともできる」
「うん」
「本当はね、このままタケルに、ワタシを連れて宇宙のどこかへ、2人だけの世界
に連れて行ってもらおうと思っていたの」
「ええっ!!そ、そんな、ボクにはそんなことは……、先輩に怒られちゃうし……」
タケルはあわてて言う。しかし、シルヴィは意地悪く質問する。

「あら、タケルはワタシには独占したい、って思えるほどの価値が無いって言うの?」
「そ、そんなことは…。だいいち、宇宙(そと)は君が思っているほど、のんきな場所じゃ
ないよ。強力な恒星風だとか、ものすごいスピードでぶつかってくる宇宙塵とか……」
(やっぱりね……)必死になって弁解するタケルに、シルヴィは心の中で舌を出して、
こんどは目いっぱいしおらしくいう。

「ごめんなさい、無理を言って。タケルに毎日会えないのはつらいけど、でもまたタケル
に会えると思えば、つらい仕事もがんばれるわ。だからタケルも仕事がんばってよね」
シルヴィはにっこりとタケルに微笑み、そっと頬にキスをすると、何か言いたげなタケル
をよそに、着るものを探し始めた。

01-155 :アリス ◆Alice.9wCE:04/01/23 00:38 ID:qxlgy6kc
一ヶ月後、シルヴィは購買部の併設された食堂の片隅で、問題の娯楽雑誌を
手に、中を見るかどうか考えあぐねていた。とりあえず目次だけでも確かめよう
と表示させてみると、"銀髪の妖精"とタイトルが付けられた記事に目がとまった。
おそるおそる再生してみると、例の公園で撮影されたサマードレス姿で戯れる
シーンと、静止画のヌード映像がいくつか収録されていた。いずれも若々しい
シルヴィの肢体を自然に捉えた、好ましい印象を与えるものばかりだった。
(あれ?カラミのシーンなんて無いじゃない……)
唯一、カラミといえなくも無い映像は、記事の最後にあった。泣き出しそうになった
シルヴィに、やさしく白布を掛けてくれた時の、二人がお互いに見詰め合うシーン
だった。
(ま、いい思い出ができたよね……)
そこへ、いかにもたまたまといった風に、編集長が通りかかった。

「あ、編集長!これ、カラミって……」
「やぁ、シルヴィちゃん。見てくれた?。"清純派"のシルヴィちゃんにふさわしい
記事だろう?おかげで評判も上々。じゃ、取材があるから、またね……と、忘れてた。
これは出演者へだけのボーナス映像」
と、一枚のプリントを置いて、そそくさと去っていった。
("清純派"はもう、卒業しちゃったんだけどな……)
シルヴィは頬杖をついて、裏返しに置かれたプリントをめくった。
それはあの映像の続き、"彼とのキスシーン"だった。一瞬また血圧があがったが、
それは怒りからではなく、恥ずかしさからだった。
(でもありがとう、編集長)シルヴィは素直にそう感謝した。


しかし、雑誌の発売後、"公園でシルヴィを撮らせて"というリクエストが殺到し、
またまた編集長を恨むことになるのだが……。

最終更新:2012年01月24日 16:22