- 02-308 :アリス ◆Alice.9wCE:04/04/13 23:46 ID:/NLbO4cy
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アリスの娘たち~ お留守番
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「いらっしゃい、お姉さま」
シルヴィは久しぶりに会うハルカを、満面の笑顔で迎えた。
「少しご無沙汰したわね。シルヴィ、元気だった?」
「ええ、お姉さま」
「はじめまして、レイカお姉さま、シルヴィお姉さま」
一緒に連れてこられたヒロミが、おずおずとハルカの後ろから挨拶をする。
ヒロミはハルカが不在の間、同じく不在となるレイカの部屋に預けられることになった。
まだ精神的に不安定な時期であるため、保護者が必要なのだ。そのため、レイカの
妹であるシルヴィに預けられることになった。性転換後、部屋を出るのも初めてだし、
ハルカ以外の人間と接することもほとんど無かった。男だった時には初対面の相手
でも緊張したことは無かったが、今は他人の視線にとても敏感だった。ヒロミは通路を
出てレイカたちの部屋へ行く途中も、ものめずらしそうな男たちの視線に怯えていた。
ハルカの手を両手でしっかりと握り締め、隠れるように歩くのが精一杯だった。
「ヒロミちゃん、はじめまして。私がレイカ、こっちがシルヴィよ」
「よ、よろしくお願いします」
ヒロミはぴょこんとお辞儀をした。
「緊張してるの?かわいいわね。シルヴィも最初はこんなだったね」
「ワタシはこんなに臆病では無かったですわ。レイカ姉さま」
シルヴィは蔑む様な目で、ヒロミを威嚇するように言う。せっかくのオフ日に面倒ごとを
押し付けられるなんて、シルヴィはまっぴらだった。
ついさっきまで、追い返してやる!とレイカに不満をぶつけていたのだ。
「おや、厳しいねぇ。いずれアンタの妹になるんだから、もう少しやさしくしてやったらどうなのさ?」
「なにしろワタシはお姉さまの、妹ですから」
「あら、私はあなたに冷たくしたつもりは無かったのだけど、そんな風に思われていたなんて残念だわ……」
ハルカが悲しそうに言う。
- 02-309 :アリス ◆Alice.9wCE:04/04/13 23:47 ID:/NLbO4cy
- >308
「いえ、ワタシが言ってるのはハルカお姉さまのことじゃなくて、レイカ姉さまのことです」
「シルヴィったらね、ヒロミちゃんにアンタを取られちゃったもんだから、ずうっとむくれてるのよ」
レイカはくすくす笑いをしながら、ハルカに言う。
「ワタシはむくれてなんかいません!」
「あの……やっぱりボク、帰った方が……」
「ほら、ヒロミちゃんが怖がってるじゃない。」
レイカがシルヴィの背中を突っつく。
ヒロミは今にも泣き出しそうな表情で、シルヴィを見ている。
「ワタシはっ!…いえ、えーとね。ヒロミ…ちゃん?大声出してごめんね。」
「それじゃあ、私のお願い聞いてくれるわね?ヒロミをよろしくね」
「も、もちろんですわ。ハルカお姉さま」
まんまと二人の姉に、丸め込まれてしまったような感じもしたが、そもそもヒロミと
同い年のシルヴィがハルカたちにかなうはずも無い。
「ヒロミ、泣いたりしてシルヴィを困らせたりしちゃダメよ。明日には迎えにくるから」
ヒロミは、下を向いてこくりと頷いた。どうしようもなく不安な気持ちがこみ上げてきたが、
今それを言ってしまったら、ハルカを困らせることになる。そう思うと、黙って頷くしかなかった。
二人はそれぞれの姉を送り出して、部屋の戸を閉じた。
「ヒロミちゃん?」
「は、はい、シ、シルヴィ……お、お姉さま」
「そんなに怖がらないで。別にとって食ったりしないから」
シルヴィは、ほんの9ヶ月ほど前の自分を思い出しながら、苦笑する。
この時期はまだ、自分でも思い出すと恥ずかしくなるほど、幼い行動を繰り返したりする。
姉というよりも母とも言うべき存在がこの時期の"娘"にとっては必要なのだった。
- 02-310 :アリス ◆Alice.9wCE:04/04/13 23:48 ID:/NLbO4cy
- >309
「何か飲む?紅茶なんてどう?」
「紅茶?」
「飲んだことない?とてもいい香りがするの。気分を落ち着けるには一番よ」
「……いただきます」
シルヴィは棚からポットとカップを出し、テーブルを整えて小さなお茶会の準備
をした。優雅な手つきで紅茶をカップに注ぎ、ブランデーをやや大目(これはシ
ルヴィの好み)にたらして、ヒロミの前に置く。
「ほんとう、とてもいい香りですね。シルヴィ・・お姉さま」
「いちおう同い年なんだし、シルヴィでいいわ。ワタシもヒロミって呼ぶから。
第一まだ"お姉さま"なんて、なんだかくすぐったいしね」
「でも、……ハルカお姉さまが」
「ヒロミ。いずれ姉妹として一緒に暮らすんだし、堅苦しいのは無しで……」
言いかけて、シルヴィはヒロミの表情が急に曇ったのに気が付いた。
「さっき、レイカお姉さまも言ってた、いずれシルヴィ姉さまの妹になるって。
ボ……私、ハルカお姉さまとは別れなきゃいけないの?」
「あ、いや……、そのね。人はいつか別れるときがくるわ」
「別れって?」
シルヴィはまずいことを言ってしまったと思った。ヒロミには、まだハルカは必要
不可欠の存在なのだ。自分だって急にハルカと別れることになり、新しい姉と暮
らすことになった時、不安で淋しくて泣き叫んで、2人の姉を困らせていた。
そして、アリスの娘たちの寿命は短かった。そもそも普通の人たちだって長く生き
てもせいぜい40年前後しか生きられない。クローン培養で生まれた生命の寿命は
概して短い。まして性転換という、過酷なストレスを受けた身体はさらに短くなる。
2人の大切な姉たちに残された時間も、また……。
- 02-311 :アリス ◆Alice.9wCE:04/04/13 23:49 ID:/NLbO4cy
- >310
「ワタシたちはまだ若いから、年上のお姉さまが必要なのよ。本当は年の近い娘
同士がパートナーになるのよ。でも、私たちの場合それはまだ先のことよ」
「ホント?」
「ホントよ。でも、ヒロミはワタシのこと嫌い?私と姉妹になるのはイヤ?」
シルヴィはわざと意地悪な質問をした。どうあれ、明日まで2人で過ごさなくては
ならないのだ。それならば、少しでも自分になついてもらわなくては困る。
「ううん、嫌いだなんて。そんなこと」
「良かった。じゃ、こっちおいで。髪を梳(と)かしてあげる」
「は、はい……」
ヒロミは紅茶の残りを、ごくんと飲み干して、シルヴィの隣にちょこんと座った。
シルヴィは鏡台からブラシを取り出してきて、ヒロミの髪を梳かしはじめた。
「真っ黒で細くてきれいな髪ね。毎日ブラシングしてるの?」
「はい、ハルカお姉さまに。……でも、シルヴィ姉さまの、髪も銀色でとてもキレイ
です……。手も……真っ白だし。真っ赤な……目も、とってもキレイ~!」
そういうと、振り向いてシルヴィに抱きついてきた。
「ちょ、ちょっと、ヒロミ! 髪が梳かせないじゃないの」
「ふにゅ~ん!」
シルヴィは、ヒロミに押し倒される格好で、じゅうたんに仰向けに倒された。
「ヒロミ、ふざけるのはやめ……」
みるとヒロミは頬を高潮させて、目もとろんとしている。
(さっきまで、ワタシを怖がっていたのに何で急に? 何か悪いものでも食べて
……まさか、紅茶飲んだからとか?)
船の住人の中には時々、嗜好品などの食べ物中に含まれる物質に、過剰反応
する場合がある。人によってその原因物質も症状も様々だったが。
- 02-312 :アリス ◆Alice.9wCE:04/04/13 23:51 ID:/NLbO4cy
- >311
シルヴィの場合は、幸いにそうした"危険な食物"はなかったが、姉のレイカは、
ホットミルクにリキュールを加えると、強烈な催淫効果があった。
ヒロミは、シルヴィの手をとって、まだほとんど膨らんでいない自分の胸に押し
付ける。とろんとした目が、"シテホシイ"、そうシルヴィに訴えていた。
「ヒロミ!あのね、しっかりして!今、水飲ませてあげるから……」
シルヴィはヒロミを振り払おうとするが、しっかりとしがみついて離れようとしない。
その時、部屋のヴィジホンのコールが鳴り響いた。
「こんな時に誰よ!取り込み中よっ!!!」
出たくても、ヒロミと格闘中では出ようにも出られない。
何度かコールがなった後、自動的に留守応答モードに切り替わる。
「シルヴィ?ヒロミ?? いないの~?」
声の主はハルカだった。映像が出ないところを見ると、おそらく診察室か手術室
にいるのだろう。
「……シルヴィ。言うの忘れてたけど、ヒロミにアルカロイド系の化合物が含まれた、
食べ物とか飲み物とかあげちゃだめよ。あなた紅茶が好きだけど、ヒロミには飲ま
せないでね。もちろんアルコールもね。微量でもヒロミにとっては強い媚薬みたいな
効果があるから。じゃあね!」
「お姉さまぁ! それは先に言っておいてくださいっ~!」
(アルカロイド系……紅茶?。カフェインか!お菓子のチョコレートにも……。
それに香りつけのブランデー。トホホ~)
自分よりも小さい体の、どこにそんな力があるのかというほど、強い力で抱きしめ
られながら、シルヴィは遅すぎる注意事項を肝に銘じた。
- 02-313 :アリス ◆Alice.9wCE:04/04/13 23:52 ID:/NLbO4cy
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「はぁ、はぁ……。きゅふぅ~ん!」
切なげなヒロミの嬌声が部屋に響く。
(やれやれ、いきなり手間かけさせてくれるわねぇ……)
シルヴィは、シュミーズ1枚のヒロミを後ろから抱きかかえ、未発達の乳房の
頂点をなぞっていた。一度高められた性欲は、中々自分でも押さえがきかない。
ましてそれが、媚薬成分を含むものを口にしたとあっては。シルヴィはそのこと
を姉のレイカに、いやというほど味あわされたことがある。いや口にしただけなら
まだ、すぐに水なり冷たいものなり飲ませて、誤魔化せられたかもしれない。
しかし…ヒロミはハルカによってある程度「開発」されていた。髪を梳く行為が、
ヒロミを急速に高めたに違いない。
「はぁ~ん、おねぇさまぁ。もっとぉ~」
シルヴィはヒロミの首筋にキスをしながら、秘裂の頂点をつまみ上げる。
ヒロミの幼い花園はとっくに蜜であふれて、シルヴィの指をぬるぬるにしていた
ので、ぬるんっと若芽が逃げる。
「きゅっん!!」
ヒロミはビクンと体をのけぞらせたかと思うと、すぐに体重をシルヴィに預けてきた。
「イっちゃったの?ヒロミ。気持ちよかった??」
「はぁ、はぁ、おねぇ、さま、気持ちいぃ……」
(これで、収まってくれるかなぁ……。でもこのコ、かわいい顔してイクのねぇ。
なんとなく、ハルカお姉さまや、レイカお姉さまの気持ちがわかったかも?)
これまで、シルビィは「快感を与えられる側」だった。「伽を勤めるときに困るわよ」
と2人の姉に良いように弄ばれ、イかされるばかりだったから、こうして妹に
「快感を与える」のははじめてだった。一方的に与えられる、未知の快感に震える
自分が恥ずかしくて、うれしそうに責め続ける姉を意地悪だと思ったこともあったが。
(確かに、これは別種の快感かも。もっといじめて……いえ、イかせてあげたくなるわね)
最終更新:2012年01月24日 16:26