05-482 :男と女の境界線 ◆uYPVV9XEko :04/07/15 23:04 ID:F7pf18mn
 夜の街の繁華街。仕事帰りに飲みに行くサラリーマン、恋人同士で腕を組んで
歩くカップルに少しガラの悪い少年少女。そんな中を一人とぼとぼと歩く人影。

「ん~、疲れたぁ~」
 彼女の名前は早川梨花(はやかわりか)。某人気雑誌のデザイナーで仕事のほ
とんどを家で行っている。

「やっぱり会社は肩こるわ」
 ぐりんぐりんと肩を回す。デザインの仕事は家のパソコンでしているのだが打
ち合せやその他の雑務はやはり会社に出なくてはいけないのだ。

「鳥越先輩に捕まってたらこんな時間に遅くなっちゃった」
 腕時計を見る。現在夜の11時半。梨花のマンションはこの繁華街から少し外
れた場所にある。梨花は少しだけ歩みを速めた。

「あら?」
 繁華街の路地。そこから言い争うような声が聞こえてきた。

「ちょっと、やだあれって」
 不良とおぼしき少年達に薄汚れた服を纏った少女が囲まれている。暗がりで良
くは見えないが嫌がる少女を少年達が無理やりどこかへ連れて行こうとしている
ようだ。

「うそ、どうしよう」
 梨花は周りをキョロキョロと見まわす。酔っ払いに遊び人風の男数人・・・。
(ダメだ。頼りに出来そうな人はいないなぁ)

05-483 :男と女の境界線 ◆uYPVV9XEko :04/07/15 23:06 ID:F7pf18mn
 改めて路地を見る。少女は少年達に腕を掴まれて強引に連れて行かれようとし
ている。少年達の顔には下品な笑みが浮かんでいた。
(え~い。こうなったら!)
「おまわりさーーーーん!こっちでーーーーす!!」
 思いっきり息を吸い込んで大声を上げる。少年達はギョッとしたように梨花の
方を見る。

「はやくはやくーー!婦女暴行の現行犯ですよーーーー!!」
 少年達は何事かをがなりたて、少女を置いて路地の奥の方へと走って行ってし
まった。

「はやくーーーーー!・・・・・・ってもう大丈夫そうね」
 少年達の姿が完全に見えなくなったのを確認して梨花は叫ぶのを止めた。数人
の通行人が何事かと梨花を見ている。

「あうぅ、恥ずかしい」
 視線から逃れるように路地へ入って行く。少年達に襲われていた少女はまだそ
の場に立って梨花を見つめていた。

「大丈夫?変な事されなかった?」
「・・・・・・・・・」
 無言で頷く少女。年の頃は16~18歳くらいだろうか。ボサボサの肩まである
髪にムッツリとした顔に大きめの瞳、そしてボロボロに汚れた服を着ている。
(家出中の女の子かしら?)
 そんな事を考える。だが家出にしては少女は荷物らしい荷物は何一つ持ってい
ないようだった。

05-484 :男と女の境界線 ◆uYPVV9XEko :04/07/15 23:07 ID:F7pf18mn
「えっと、女の子がこんな時間に一人で歩いてると危ないわよ」
「・・・・・・・・・」
 だまって梨花の顔をじっと見つめている。ムッツリとした顔はピクリとも動かない。
(もう、何なのかしらこの子)
 心の中でため息をつく。こう反応が薄いとどう対応して良いかわからない。
『ぐ~~~~』
「あら?」
 少女の腹の虫が鳴く。少女は顔を真っ赤にするとうつむいてしまった。
(あ~もう。このままほっとけなくなっちゃうじゃない)
「しょうがない。たいした物ないけど家にいらっしゃい」
 梨花がそう言うと少女は顔を上げて梨花を不思議そうに見る。

「お腹空いてるんでしょ?それに女の子一人こんな所にほっておけないわ」
「・・・・・・・・・」
 少女はコクリと頷くと路地を出ようとする梨花の後について行く。
(無口な子ねぇ)
 梨花と少女は並んで夜の繁華街を後にした。

05-485 :男と女の境界線 ◆uYPVV9XEko :04/07/15 23:09 ID:F7pf18mn
「服はとりあえずこれとこれを着ててね」
 お風呂から上がった少女にTシャツとホットパンツを渡す。食事の前に汚れて
ドロドロだった少女にお風呂を貸したのだった。

「ごめんね、こんなのしかないけど」
 そう言って梨花は着替え終わった少女にインスタントラーメンを渡す。

「・・・・・・ありがとう」
 少女は小さく少しぶっきらぼうにそう言うとラーメンを受け取り蓋を開けて食べ出した。

「ねえ、あなた名前は?」
「・・・空」
「そら・・・・・・ふ~ん、空ちゃんか」
 もくもくとラーメンをすすっている。梨花の頭に何となく小動物が頭に浮かんだ。

「えっと、もしかして空ちゃんって・・・家出中ってやつ?」
「・・・・・・帰る所なんてない」
 それだけ言うと空はまた食べる事に集中してしまう。
(あちゃ、聞いちゃいけない事聞いちゃったかな)
 少し軽率だったかなと自分を戒める。

05-486 :男と女の境界線 ◆uYPVV9XEko :04/07/15 23:10 ID:F7pf18mn
(う~ん、どうしたものかしら)
 少女の向いに座って頬杖をついて観察してみる。お風呂から上がった少女は女
の梨花の目から見ても可愛かった。小柄の身体に少し癖の付いている髪。ムッツリ
とした顔をしているが綺麗な瞳。懸命にラーメンを食べている姿はやはり小動物
を連装させる。
(ずいぶんお腹が減ってたのね)
 空はゴクゴクとラーメンの汁まで飲んでいる。こちらまで気持ちの良くなるよ
うな食べっぷりだ。

「・・・ごちそうさま」
 ラーメンのカップを置く。ラーメンは見事にカラになっていた。

「はい、おそまつさまでした」
 ラーメンのカップと割り箸をごみ箱に捨てると梨花の口から大きなあくびが漏れる。

「ふわぁ~。もうちょっと色々聞きたい事あるけど今日はもう遅いから明日聞かせて
ね。空ちゃんはベット使っていいから」
 そう言いながら押し入れから掛け布団を一枚取り出すとソファに腰掛ける。

「それじゃ空ちゃんおやすみ・・・」
 部屋の明かりを小さくすると梨花はそのままソファの上に横になって眠ってしまった。
(・・・変なやつ)
 空は梨花のベットに潜り込むと既に眠ってしまっている梨花の顔を見る。
(明日・・・朝になったら・・・こいつが起きる前に・・・・・・出ていかなきゃ・・・)
 疲労と久しぶりの満腹感のせいか空もすぐに深い眠りに落ちて行った。

05-488 :男と女の境界線 ◆uYPVV9XEko :04/07/15 23:13 ID:F7pf18mn
「ん・・・・・・朝か」
 カーテンの隙間から差し込む朝日の明るさで梨花は目を覚ました。外からは小鳥
の鳴き声が聞こえてくる。

「ん~~~、良く寝た」
 上半身を起して背伸びをする。

「そっか、昨日はソファで寝たんだっけ」
 昨日あった事を寝ぼけた頭で思い出す。ベットの方を見ると空がすーすーを寝
息を立てて寝ている。

「今日からまたしばらく家で仕事だけど・・・どうしようかしらね」
 ソファから降りるとベットで寝ている空の顔を覗き込む。

「ぐっすり寝てるわね。よっぽど疲れてたのかしら・・・んん?」
 布団に隠れて上半分しか見えない空の顔。しかしそこはかとない違和感を感じる。

「・・・んん~~~??」
 何かが引っ掛かる。梨花は空の顔の部分を覆っている布団を摘んでどかそうとした。

「・・・・・・」
 摘んだ瞬間空の目が開き梨花と目が合う。

「あ、おはよ・・・」
「うわぁっ!」
「きゃっ!ちょ、何!?」
 空がビクっと身体を竦ませたかと思うと布団を頭から被ってしまった。

05-489 :男と女の境界線 ◆uYPVV9XEko :04/07/15 23:14 ID:F7pf18mn
「そ、空ちゃん!?どうしたの?」
「・・・・・・」
 縮こまって動かない空をゆさゆさと梨花が揺する。しかし出てこようとしない。

「もう、どうしちゃったのよ。空ちゃんって、ねえ」
 少し力を入れて揺すってみる。しかし反応しない。

「も~、こうなったら・・・・・・えいっ!」
「うわっ!」
 布団の端を持って力いっぱい引っ張る。空がゴロゴロと転がり出てくる。

「もう、いったいどうしちゃっ・・・た・・・・・・の?」
 空の身体を見て違和感が強くなる。何か違う、何か変だ。梨花はそう思った。

「おとこ・・・のこ?」
「・・・・・・・・・」
 そう、顔立ちや姿こそ空に似ているが目の前に居るのは間違い無く男だった。

「何で?・・・・・・空ちゃんは?」
 自分の置かれている立場のあまりの異常さに固まる梨花だった。

05-510 :男と女の境界線 ◆uYPVV9XEko :04/07/16 20:55 ID:60tz/Tzi
(まずい、寝過ごしちまったのか)
 空は目の前で布団を握り締めたまま固まる梨花を見て自分に呆れた。確かに
最近はろくに食べる事もままならずベットで眠る事などなかったが油断し過ぎた
と後悔していた。

「そ、空ちゃん・・・?」
「・・・そうだよ」
 色々考えたが今の状況を良くする方法が思い浮かばない。

「どう言う事?空ちゃん女の子よね・・・え?え?」
 梨花はおおいに混乱していた。確かに昨日家に連れてきた時、空は女の子だった。
しかし今目の前に居る空は顔立ちこそ女性的だが間違い無く少年だ。

「あーもう。ちゃんと説明するから落ち付いて」
 ぽりぽりと頭をかいてあぐらをかく空。梨花もその場にへたり込んでしまった。

「確かに俺は昨日は女だったけどちょっと事情があって今は男なんだよ」
「へ?」
 訳がわからないといった表情の梨花。まあ、それはそうだろう。

「俺はちょっとした特異体質で昼の3時から夜中の3時までは女、夜中の3時
から昼の3時までは男になっちまうんだよ」
「そんな事・・・」
 信じられない、と言おうとしたが昨日から今の事を考えると余計に混乱してしまう。

「俺だってなんでこんな身体なのか知らない。施設で色々研究されてたけどそれが
イヤで逃げ出してきたんだから」
 それだけ一息に言うと梨花から目を背ける空。

「迷惑かけて悪かったよ。もう出て行くから・・・服」
 梨花に向って手を差し出す。しかし梨花は動かずに何か考え込んでいるよ。

「おいって、俺の服。この格好じゃ外歩けないだろ」
「・・・・・・決めた。空ちゃん家に置いてあげる」

05-511 :男と女の境界線 ◆uYPVV9XEko :04/07/16 20:57 ID:60tz/Tzi
「はあ?」
「だって空ちゃんの服昨日お風呂入ってる間に洗濯しちゃってまだ乾いてないし
出て行っても行く当てないんでしょ?そんなの放っておけるわけないじゃない」
 えへんぷいと胸を張る梨花。空は一瞬梨花が何を言っているのかわからずに呆
けてしまった。

「な、何考えてんだおまえ!?」
「お前じゃないわ。私には早川梨花って立派な名前があるんですからね」
 そう言うとさっさと手に持っていた布団を畳んでしまい出す梨花。

「俺は男なんだぞ?そんなやつ置いといていいのかよ」
「あら、でもお昼からは女の子なんでしょ?まだ信じられないけど」
 空の混乱に構わずにカーテンを開けてテキパキと部屋を片付ける。

「ほら、朝ご飯作るから顔洗ってきなさい」
「・・・・・・変なやつ」
 キッチンに消えて行く梨花の背中にそうつぶやく空。

「そうだ。空ちゃんの名前まだちゃんと聞いてなかったわよね。教えてよ」
 梨花がキッチンからにゅっと顔を出す。

「その空ちゃんって言うのやめろよ・・・。一応俺性格は男なんだからさ」
「気にしない気にしない」
 昨日と同じむすっとした不機嫌な表情に戻る空。梨花は一向に気にせずにニコ
ニコとしている。

「・・・三珠空(みたまそら)だ。覚えとけ」
 梨花と空の奇妙な共同生活が始まった。

05-512 :男と女の境界線 ◆uYPVV9XEko :04/07/16 20:58 ID:60tz/Tzi
「おい梨花、仕事はいいのかよ」
「私は仕事はほとんど家でしてるからいいのよ~」
 朝食後、のん気にファッション雑誌をめくる梨花を見ながら呆れたように空が
つぶやく。

「まずは服よね。一応洗濯はしたけどあんなボロボロの服だけじゃダメだわ」
 そう言いながらパラパラと雑誌をめくり続ける梨花。

「ねえ、空ちゃんはどんな服が良いの?」
「別に好みなんてない。着れればそれでいい」
 むすっと膨れている空。どうも梨花相手だと調子が狂うようだ。

「ダメじゃない。男の子だろうと女の子だろうとお洒落はしなきゃ」
 雑誌を閉じると叱るような目つきで空をみる。

「ずっと研究施設に閉じ込められてたんだ。流行なんてしらないよ」
「それじゃ今までの分いっぱいお洒落しなきゃね」
 クローゼットを開けて服を選び出す梨花。

「どっか行くのか?」
「空ちゃんの服を買いに行くわよ」
「い、いいよ別に。俺金持ってないし」
「そんなの気にしなくていいの。お金なら少しはあるんだから」
 クローゼットの中から何着か服を選ぶと空の身体に当てる。

「う~ん、私の服じゃ少し大きいわね・・・。とりあえずこのトレーナーと
ジーンズで我慢してね」

05-513 :男と女の境界線 ◆uYPVV9XEko :04/07/16 20:59 ID:60tz/Tzi
「俺も行くのかよ?」
「当たり前でしょ。空ちゃんの服を買いに行くんだから」
「面倒臭いなあ」
「いいからいいから。ねえ空ちゃん、スカートなんてはく?」
「男の時にスカートでどうしろって言うんだよ。それにスカートはすーすーする
からキライ」
「それじゃ下はジーンズね。下着はどうしようかしらね・・・」
「女物の下着も苦しいからキライ」
「う~ん、それじゃ男物の下着でいけそうなの探すしかないわね」
 そう言いながら自分の服を持って寝室に行く梨花。

「服着替えたら出かけるわよ。空ちゃんも早く着ちゃってね~」
 寝室のドアが閉まる。空はリビングに一人残されてしまった。

「・・・本当に変やなつ」
 お節介焼き。そんな言葉が頭に浮かんだ。

05-516 :男と女の境界線 ◆uYPVV9XEko :04/07/16 21:01 ID:60tz/Tzi
「おい梨花、これは買い過ぎだろ」
「そうかしら?」
 昼過ぎ。空の両手には凄まじい両の荷物が抱えられている。全て洋服や靴だ。
(本当に何なんだよこいつは。呼び捨てにしたら怒るかと思ったら平然な顔して
るし嬉しそうに人の服選んでめちゃくちゃな量の買い物してるし・・・)
 梨花の後ろを付いて歩きながらそんな事を考える空。今まで他人からは研究の
対象としてしか見られなかった空にとってこんな人間がいる事はある意味ショックだった。

「空ちゃん疲れたでしょ?ここで休みましょう」
「お、おお」
 喫茶店を見つけて立ち止まる梨花。空の抱えている荷物の半分を受け取ると店
の中へと入っていく。

「ふぅ、お疲れ様。あ、コーヒーください」
「かしこまりました」
「・・・・・・」
 梨花はウェイターにコーヒーを注文するが空はどうしたら良いかわからない様子
できょろきょろと店内を見まわしている。

「ほら、空ちゃんも遠慮せずに注文していいのよ?」
「そんな事言われたって・・・」
 パラパラとメニューをめくる。空は知識として今自分が居る店がどんな場所な
のかは知っているが実際に来た事なんてなかった。

「もしかして空ちゃん喫茶店初めて?」
「・・・そうだよ。悪いか」
 メニューを投げ出してすねてしまう空。梨花は困った顔をするとメニューを拾い
デザートの欄に目を通す。

「えっと、それじゃこれお願いします」
「かしこまりました」
 梨花が注文をするとウェイターは厨房の方へと歩いていった。

「そっか、空ちゃんずっとその施設って所にいたんだっけ」
「・・・・・・」
 そっぽを向いて黙り込む空。
(あらら。ヘソ曲げちゃったかしら)

05-517 :男と女の境界線 ◆uYPVV9XEko :04/07/16 21:02 ID:60tz/Tzi
 微妙な沈黙が流れる。
(気難しい子ねえ。・・・それにしても綺麗な子。男の子にしておくの勿体無い
わね。って女の子でもあるんだっけ)
 梨花は頬杖をついて空を観察する。男の時の空は髪の長さや癖っ毛、顔立ちも
女の時の空とほとんど一緒だった。しいて言えば体付きと全体の雰囲気が男の子
かな、と梨花は思った。

「お待たせいたしました」
 ウェイターが梨花の前にコーヒーを、空の前に大きなクリームパフェを置く。

「ありがとうございます~」
「ごゆっくりどうぞ」
「・・・・・・」
 梨花がコーヒーにミルクと砂糖を入れて掻き混ぜる。

「ん~、おいし」
「・・・おい」
「なあに?」
 空はスプーンを握ってパフェと睨めっこしている。

「これなんだ?」
「パフェよ。食べた事なかった?美味しいから食べてみなさい」
「・・・・・・」
 空がグラスからはみ出るほど乗っている生クリームをスプーンですくって口に運ぶ。

「・・・・・・甘い。美味い」
「ね、美味しいでしょ」
 パクパクとパフェを攻略していく空を満足そうに梨花が見つめる。

05-518 :男と女の境界線 ◆uYPVV9XEko :04/07/16 21:04 ID:60tz/Tzi
「ねえ空ちゃん、学校には行ってなかったの?」
「勉強は・・・教えてもらってたけど外に出してもらった事は・・・なかった」
 パフェをほおばりながら口早に語る空。みるみる減って行くパフェ。

「うひゃ、つめたっ」
「そんなに焦らなくっても誰も取らないわよ」
 空がバニラアイスを口一杯に頬張って悶える。
(機嫌直ったみたいね。子どもなんだから。・・・それにしてもず~っと閉じ込めら
れてたのか・・・)
「・・・ごちそうさま」
「は、早い」
 すでにパフェはカラになっていた。

「さて、そろそろ帰りましょうか」
「あ、梨花。今・・・何時だ?」
「え~っと、2時半くらいかしら」
 空に言われて腕時計を見る。時計の針は2時23分をさしていた。

「やばっ、早く帰ろう。あんまり人前で変わりたくない」
「あ、そう言えば3時で女の子になっちゃうんだったわね」
 2人は急いで会計を済ませると梨花のマンションに向った。

最終更新:2012年11月30日 17:12