- 07-479:名無しさん@ピンキー:2012/04/24(火) 22:14:55.49 ID:JFNmW0Ir
- 俺の名前は須藤 翔
高校1年の俺は今年めでたく死んでしまった。
……夏のはじめ、青信号のときに渡ったはずの俺は一瞬体に激痛が走ったがその後は何も感じなくなってしまった。
-即死だったらしい。なぜおれがそんなことを知ってるかって?そんなもの幽霊になっていたからに決まっている。
まぁ、死んでしまったものはしょうがない。諦めよう。
なぜおれがそう考えられるかって?それは俺が転生とやらをしでかしたからだ。
しかし、なぜか姿は赤ん坊ではなく27歳の女の姿であった。しかも美人ときたもので俺は正直死んでよかったとすら思えるわけだ。
何せ生前の俺は不登校気味で体も気も弱く親からは邪魔物のように扱われていたが今の俺はちがう。
これだけの美貌を持ちながら子供のころからは成績優秀、スポーツはまぁ普通という 中の上 となったからだ。
まぁ、それは単に記憶の話であり俺が転生したのはつい最近、3日前のことである。
俺は気づけば自分の部屋にいた。訳が分からないまま鏡を見ると見知らぬ美人が映った。
そして頭の中に流れ込む二つの記憶。一つは死んだ体の、もう一つはこの体の記憶だ。
俺はどうやらこの家の家政婦として雇われているらしく俺は俺の部屋を掃除しているというわけだ。
ひとまず俺は初めての女の体を観察するべく服を脱いで一糸まとわぬ姿となった。
まずは胸を触る、すると体にすさまじい衝撃が走った。病み付きになるその衝撃を求め自慰を初めて30分ほどたったころだった。
……おやじに見つかった。
親父はなんとも複雑そうな顔をしていた。ドアを開ければこんな美人の女が自慰行為に浸っているのだから当たり前だ。
その時親父は何も見なかったかのようにドアを閉めてその後、何も言ってこなかった。
俺はさすがにこの家でそういうことはもうやめようと思い親父の部屋を掃除していた。
親は共働きで母さんと親父は今単身赴任という名目ではなれてくらしているがただ単に酢水楽なっただけであることはめいはくだ。
「翔子さん……。ちょっといいかい?」
おれが鼻歌まじりに掃除機をかけていると後ろから親父の声がした。
俺は「きたか」と思いつつポケットに忍ばした退職届を握りしめ振り向いた。
「!?……あの、これはいったい?」
おれは振り向くのとほぼ同時にベッドに押し倒された。状況が理解できないことはないが一応聞きかえしてみる。
「……すまないとはおもっている、しかし息子を亡くしたことで私はひどくつかれた……。
ろくでなしの息子だったが私にとっては大切な一人息子だった……」
親父はそこまでいうと大粒の涙をこぼして俺から離れた。
「ごめんよ」
親父はさびしそうに振り返りとぼとぼと歩き始めた。
「まって」
土佐に俺はそれを止めると泣きながら親父の背中に抱き着いた。
母さんとはずっとすれ違っていたのはわかった、その理由がおれだってことも……。
かれこれ6年ほど続いたすれちがい……疲れたんだろうな、きっと……。
「私でよければ……」
俺が小声でそういうと親父も俺を抱きしめてくれた。
掃除機の音が響く部屋の中俺と親父はひとつになった。
最終更新:2012年09月05日 14:21