03-273 :アニーmyラヴ1/5 ◆540LqSi3Yw :2006/01/30(月) 17:54:01 ID:FUq5X99/
※スター・ウォーズ(新)でアニーが実は女の子だった設定。
※アニーとオビ=ワン。ほのぼのエロなし。
※本スレに投下できないのでお邪魔します。


またパダワンがいない。

オビ=ワン・ケノービは半ば早足で聖堂の廊下を歩いていた。
彼の弟子、アニー・スカイウォーカーの姿がまたしても見えないからだ。

「マスター・ケノービ、そんなに急いでどこへ行く?」
「マスター・ウィンドゥ、いつものことです」

上司である黒い肌のジェダイが話しかけても止まらずに、軽く会釈をしただけでオビ=ワンは横をすり抜けた。
これはいつもの光景であるからだ。

「選ばれし者はとんだおてんば娘だな」

メイス・ウィンドゥは、聖堂で最も幸薄いマスターの茶色いローブをひるがせる後ろ姿を見ながら苦笑いした。

 * * *

「アニー! アニー! いないのか!?」

オビ=ワンが目星をつけたのは、スピーダーが置いてある倉庫だった。
古い倉庫の一角は、ジャンクショップのように古いガラクタが積まれている。
アニーが持ち込んだ物だ。

その片隅にアニーがいないかと、オビ=ワンは倉庫の中に歩を進めた。
さっきは確かにかすかな彼女のフォースを感じたのだが……

03-274 :アニーmyラヴ2/5 ◆540LqSi3Yw :2006/01/30(月) 17:54:58 ID:FUq5X99/
と、そのとき、薄暗い中で白いものがうごめいた。
そこに目をやると、古いスピーダーの下から人間の脚が生えている。
見慣れたショート・ブーツを履いて!

キュっとしまった足首。形のよいふくらはぎ。
そして、ひざから上の血管が透けて見えるくらい透き通り、
けれど若い娘のそれらしくむっちりと健康的な太もも。

それが膝を立てたり伸ばしたり、実に無防備な様子で動いている。

オビ=ワンは、ひとときの間思わずそれに目が釘付けになった。
だが、次の瞬間、己がジェダイであることを思い出し声を張り上げた。

「アニー!! また聖堂を抜け出したな!」

白い脚がかさこそを蜘蛛のように這い出してきた。
そのとき、チュニックがめくれあがって太ももがあらわになったが、
オビ=ワンはとっさに目を背け、そのチュニックの下に着けているであろうものを見ることはなかった。

「マスター! もう夕ご飯ですか?」

耳元のおさげを揺らして、アニーは悪びれる風もなく言い、かけていたゴーグルを外した。

03-275 :アニーmyラヴ3/5 ◆540LqSi3Yw :2006/01/30(月) 17:55:39 ID:FUq5X99/
「お前を探しにきたのはそういうことじゃない!」
「そんなに怒鳴らないでください。
昔みたいに違法レースにでているわけでもないし、聖堂の近くの倉庫でスピーダーをちょっと改造してるだけです。
マスターにだって、すぐ見つけられたでしょう?」

工具と、オイルで真っ黒になった手袋を片付けながら、アニーはオビ=ワンの顔を窺うように見上げた。
はからずも上目遣いになっていた。

アニー・スカイウォーカーは本当に美しく成長した。

彼女がタトゥーインで拾われたときは、少年と間違えたくらいで、
ヒューマノイドの男子のパダワンにするように髪を刈ってしまってからも暫らく気づかなかったくらいだが……。
今はオイルで黒く汚れてはいるが、その面立ちは
横長の美しい瞳、長くて濃い睫毛、いつも紅を差しているかのような唇。
そして肩まで伸びたダークカーキ色の緩く波を描く髪・・・・・・。
『選ばれし者』は女性だったばかりか、聖堂一の美少女になった。

「そんな目で見るな」

オビ=ワンはなにやら気まずくなりぼそりと言って、手持ちぶさたのように自分の髭をいじくった。

「は? なにがですか?」

当のアニーは、自分の見た目など頓着していない様子で、
チュニックの襟元から無造作に手をつっこんで、オイルで汚れた指で自分の胸元を掻いた。
そのとき、襟がはだけて胸の谷間がオビ=ワンの視界にばっちり入ってしまった。

03-276 :アニーmyラヴ4/5 ◆540LqSi3Yw :2006/01/30(月) 17:56:21 ID:FUq5X99/
「アニー!! お前、チュニックの下に何も着けていないのか!!」
「だって、ここは空調が効いていないからジメジメして暑いんだもの」
「お前は年頃の娘なんだぞ! あぁ、そんな汚れた手で掻くんじゃない!」

オビ=ワンは、アニーの襟を直そうと手を伸ばしたが
アニーが急に自分の胸から手を抜いたために彼の指先が一瞬、彼女の胸を突いてしまった。
それはまだ膨らみきらないものだったが、若い弾力は彼の指を押し返した。

「ああああぁっ、すすすすすまない! そんなつもりでは!」

明らかに真っ赤になって狼狽する若いマスターを見て、アニーはぷっと吹き出した。

「昔はお風呂にだって入れてくれたのに、何慌ててるんですか」
「昔は昔だ。もう、お前は子どもじゃない」

言いながら、一呼吸置いてかろうじてマスターとしての威厳を引き戻す。

「マスター」

アニーが姿勢を正して、真面目に師を見つめた。

「また聖堂を抜けだしてごめんなさい」
「うむ」

(でもね、きっとマスターが迎えに来てくれるって思ってるから抜け出せるんです)

心の中でそう付け加えて。

03-277 :アニーmyラヴ5/5 ◆540LqSi3Yw :2006/01/30(月) 17:57:13 ID:FUq5X99/
アニーは自分でチュニックの襟元をただし、ベルトを締めなおした。
埃を払うときに、チュニックが少しめくれあがったが、覗いた下着は、なぜかジェダイに支給される男モノだった。
それを見たオビ=ワンは苦笑を浮かべた。

「さ、マスター。帰りましょう」

くるりと振り向いたアニーの顔にはまだオイルの汚れがついている。
オビ=ワンはその弟子の顔を自分のローブの袖でぬぐってやった。

「やはりまだまだ子どもだな、マイ・パダワン」

ローブを脱ぎ、アニーにふわりと着せかけてやりながらオビ=ワンは笑った。

 * * *

もう暗くなっている帰り道を二人歩く。
少女の背丈にはオビ=ワンのローブはやはり大きく、引きずらないように手繰り寄せている。

「帰ったら、瞑想と雑用が待っているからな」
「えーーーーー」
「だが、その前に夕食をとることを許す」
「マスター、大好き!」

後ろから飛びつかれて、背中に柔らかな膨らみが当たるのを感じる。

「こら!」
(あぁ、知っているよ、アニー)

複雑な気持ちになりながら、いつもの一日がこうやって続くことを彼は心のどこかで望んでいた。


※おわり

最終更新:2012年01月24日 09:15