- 03-430 :515:2006/07/13(木) 23:27:05 ID:TNzOkc1e
- 竜笛
深夜というには少し早い時間だった。
金吾は少し目を開けると、辺りを見回すに寝返りを打った。
隣で寝ている戸部は自分に背を向けている。寝ているかどうかわからないが、寝息は自然なものだった。
眠りの浅い剣豪を起こさないよう、爪先まで神経を張り詰めると、金吾はこっそりと布団を抜け出て庭へと降りた。
十六夜月が荒れ果てた庭を明るく照らす。しかし鬱蒼と茂った雑草に隠れた地面までは残念ながら光は届かず、金吾は時々躓いた。
足のそこここを虫に刺されながら辿り着いた先は、小さな池だった。庭も、本堂ですらも荒廃するほど長い年月の間人の手が加えられなかったはずなのに、
なぜかここだけは生前の記憶を留めるように、透き通るような桃色の睡蓮が静かに咲いていた。
金吾は池をぐるり囲む灰色の砂岩に手をかけ、じっと池の水に映る自分を見ていた。
そしてしばらくして立ち上がると、少しだけ白い着物の裾を肌蹴、ほんのりと赤く染まった肌を露出させた。
そこにあるのは、少しだけ柔らかかく膨れた胸だった。
それは本当にささいな物で、ぱっと見ただけではわからないものだった。
金吾は膨らみを触りながら、はぁ、と小さくため息を吐いた。
「……大きくならないなぁ……。」
年頃のくの一を見れば、自分のものよりも更に大きくなっているのを見るたびに、金吾は劣等感に苛まれていた。
そっと右手を胸に添える。柔らかく包むと、ゆっくりと揉みだした。
「こうすると、大きくなるかな?」
短い細い指で丹念に形を作りながら揉み解していく。
しっとりと汗ばんだ肌の感触がなぜか生々しく、
時々感じられるくすぐったいような感触に金吾は息を詰めた。
次第に桃色の乳首が硬くなっていることに気づき、
頬を赤らめペタンと地面に座った。
- 03-431 :515:2006/07/13(木) 23:29:18 ID:TNzOkc1e
- [何、やっているんだろう……。」
思わず息が上がり、目を伏せ着崩れた着物を正す。
息をするたびに桃色のそれが布にこすり付けられる。
そのたびに金吾は目をきつく閉じ、訪れるくすぐったさとは違う感覚を受け流していた。
皆には男ということにしているのだから、胸などなくてもいいはずである。
しかしやはり心のどこかでは、女として認められたいと思っているのだろうか。
金吾はまた、池に映る己の姿を見てため息をついた。
「金吾。」
声をかけられ、はっと意識を戻した。
後ろを向けば、戸部がいつものように立っていた。
「何をしている?蚊が出ているから刺されるぞ。」
そっと頭を撫でられ、金吾の胸はぎゅう、と締め付けられた。
唇を思い切り噛み締めると、たまらず戸部に抱きついた。
硬い腹に頬をすりつけ、零れようとする涙をこらえながら、
ただただ広い背中に回した腕に力をこめた。
「どうした……?言わなければわからないぞ。」
大きな手は優しく頭を撫でてくれる。
金吾は目をこすって戸部の顔を見た。
いつも冷静で感情が読めないかの人の瞳を見つめ、
意を決し、着物の襟をつかむと、するりと肩を出した。
- 03-432 :515:2006/07/13(木) 23:32:28 ID:TNzOkc1e
- 「き、金吾……!」
戸部の言葉を無視し、帯を解いて全てを脱ぎ去る。
現れたのは白い肌をしたまだ成長しきっていない幼い体だった。
すべらかな丸みを持った肩、膨らみがまだよくわからない胸、鍛錬によって少し引き締まった腹、
平らな下腹部にはまだ産毛すら生えていなかった。
白くむっちりした太腿をもぞもぞと動かし、恥部を隠そうとする仕草はとても可愛らしかった。
顔は羞恥に赤く染まり、大きな瞳からぽろぽろと丸い雫が零れ落ちているが、
しかし奥には何かを決心した強い光が見えた。
「お前、まさか、……女、なのか?」
地面に落ちた白い着物を拾い上げようとする戸部の手を、金吾は止めた。
「そうです。僕は女です。あの敵討ちの旅に出る時、
女のままでは危険なので、男ということにしてきました。
しかし、それを今まで打ち明けることができませんでした。」
次第に金吾の声が小さくなり、震えが入るようになった。
今までどのような思いをしてきただろう。
は組の仲間が良い連中だとはいえ、やはり辛い事もあっただろう。
心ならずとも異性の裸を見てしまうこともあっただろう。
また同姓のくの一達からは男として扱われ、話す事もままならない。
そして自分もまた剣の道を志す生徒と思い、辛くした事もあった。
戸部の心を悟ったか、金吾は優しく笑った。
「僕は剣の道を志しています。
だから、真剣な指導をしてくださる先生が好きです。
は組の皆はとても優しいし、くの一達は仕方ないかな、とも思っています。」
その笑顔があまりにも優しく、泣き出しそうなものなので、戸部は思わず金吾の小さな体を抱きしめた。
薄い背中を撫ぜ、熱くなっている金吾の頬を己の厚い胸に押し付けた。
- 03-433 :515:2006/07/13(木) 23:34:29 ID:TNzOkc1e
- 「でも、僕と同じくの一を見ていると、
だんだんと辛くなってきてしまって……だから、
せめて先生にだけは言っておこうと思ったんです。」
しっとりと汗ばんだ肌が戸部の固い腕に触れ、甘い金吾の匂いが鼻を擽る。
月明かりの中に見た金吾の裸身のせいなのか。
こういう状況にありながら、戸部は自分の体の奥で何かが燃え始めたのを感じた。
「ならば、口で言えばよいものを……なぜ、このような無茶を。」
体を離し、柔らかな唇を噛み閉める金吾を見ながら戸部は優しく尋ねてみた。
「僕の体はまだこんなに幼いし、ぱっと見ただけではわからないし、
それに……。」
そこまで言うと、金吾は黙り込んでしまった。
細い首筋は次第に紅潮し、耳まで熟れた桃のように赤く染まってしまった。
「それに……?」
「先生。」
金吾の細い腕が戸部の首に絡みつく。
耳元で、震える声で囁かれたその言葉は、戸部を驚かせるには十分な代物だった。
「貴方に、貴方にだけは、……僕を見てほしかったんです。」
「貴方の記憶に、少しだけでも僕の本当の姿を記憶していてほしかったんです。」
「僕は、貴方が、好きなんです。」
戸部の固い髪の毛に冷たい雫がかかる。
切なく震える金吾の体を包むように抱きしめると、あやすように背中を叩いた。
虫の声だけが聞こえる静寂の世界を、先に破ったのは戸部だった。
「……私に何を求める?」
- 03-434 :515:2006/07/13(木) 23:36:59 ID:TNzOkc1e
- 首に回された金吾の腕に、少しだけ力が入った。
しばらく沈黙した後、金吾は小さく囁いた。
「貴方のものに、してください。一瞬でも、かまいませんから。」
戸部は答える代わりに、金吾の着物を拾い、抱いたまま部屋へと戻った。
「本当に、いいのか?」
髪を手櫛で梳きながら、戸部は耳元で尋ねた。
教師と生徒、その上、この子は父親から頼まれた預かりものでもある。
そして自分との年の差は、まさに親子ほどもあった。
戸部は迷っていた。果たして、この子を抱いて良いものなのかを。
しかし顔を赤く染め、びくびくと震えながらも、小さく頷く金吾を見ると、
この子の願いを叶えてあげたいとも思うのだ。
淑やかで優しいこの子が言う、おそらく最初で最後のわがままなのだろうから。
「ん……っ。」
軽く触れるように口を吸い、それから額、瞼、頬、鼻先、と啄ばむように唇を落としていく。
また口に舞い戻ると、今度は深く長く口付けを交わす。
「ふぅ……んっ……。」
差し込まれた舌が上顎を撫ぜ、口壁を嬲り、歯列をなぞる。
絹のような柔らかさを持つ金吾の舌を自身の舌と絡め翻弄する。
口の端から飲み込めない唾液が零れ、顎を伝い落ちていく。
「ふぁ、っ、あ、んぅ、んっ。」
首筋を指先でなぞり、胸へと下ろすと、包むように揉み解す。
びくびくと体がゆれ、塞がれた口から熱い吐息が更に漏れ出す。
「……はふぅっ……んん、ん、むぅ……ん。」
赤く充血した小さな乳首をつまむと、ゆっくりと押しつぶし、軽く捻る。
唇を解放すると、頤を伝い、震える柔らかな首筋に喰らいついた。
「やぁ……っんん……っ。」
刷毛で撫でるように舐め上げ、時折固くなった乳首を爪弾く。
金吾はもぞもぞと足を動かした。次第に腰が浮き、戸部の下腹部に触れる。
「はぁ、はぁっ、ん、あっ……。」
首筋に赤い花を散らせると、今度は胸へと降りてゆく。
片方の乳首を摘みながら、もう片方を舌先で押しつぶす。
ぬんめりとした感触に、金吾は首を振った。
ちろちろと触れ、それから掬う様に舐め上げ、更にぐるりと舐め回す。
口の中に入れると、歯で挟み、軽く噛みながら舌先で弄ぶ。
片方の乳首も爪を立て、軽く引っ張り上げる。
- 03-435 :515:2006/07/13(木) 23:39:05 ID:TNzOkc1e
- 「ぁあっ……んっ……。」
口を離し、片方もまた同じように嬲る。
小さな乳首は固く尖り、空気にふれひくひくと震えた。
乳首から手を離すと、平らな腹を滑り、下腹部には触れず、白い太腿を撫ぜた。
「ひゃぁっ。」
内腿を爪の先だけでなぞり、付け根を触る。
汗ばんだその部分を軽く突いた後、まだふっくらとしているその部分にそっと指を添えた。
「あ……。」
指先にとろりとしたものが絡みつき、少し離すと、うっすらと細い糸を引く。
戸部は小さく笑いながら、その指を金吾に見せた。
「すいません、汚しちゃって……。」
今にも泣き出しそうな顔をして、脱ぎ捨てた自分の着物で戸部の指を拭おうとする。
そのいじらしい行動に、つい、いじめてみたいという思いが働いた。
「金吾、これがなんだか……わかるか?」
え、と声を出す金吾の目の前に、そっと蜜のついた指を差し出す。
親指とくっつけ、少し離して糸を引いてみせる。
「……これ?」
「お前のここから出ていたものだ……。」
戸部は指をまた割れ目へと押し付けると、蜜を掬い上げる。
金吾は羞恥のあまりに両手で顔を隠した。
「感じると、こういうものが溢れるんだ……わかるか?」
淵をなぞり、奥へと差し入れると、小さいが固くなった肉芽に触れる。
ゆっくりと撫ぜ、左右に揺らす。金吾はいやいやと首を振り、何も答えない。
「先ほどより……激しくなるぞ。」
指を少し早く動かす。ぐちゅぐちゅと湿った音が漏れ、金吾の体がびくんと撥ねた。
「あっ、だめ、はやっ。」
金吾の声を無視し、戸部は更に指を増やし奥へと進み、まだ小さな蜜壷の周りを転がす。
「せんせ、だめ、はぁっ、やっんん。」
蜜はすでに布団を濡らし、戸部の節くれ立った指をふやかせるほど溢れている。
しかしそれでも戸部は止めなかった。ゆっくりと狭い膣の中へ指を差し入れると、金吾は体を弓なりに反らす。
「ふぁっあっあ、や、やめっ……。」
乳首を口に含みながら、ゆっくりと手を動かす。
赤い花が散る金吾の肌に噛みつきながら、そっと指を引き抜くと、ひくひくと蜜を垂らしながら入り口が呼吸をした。
- 03-436 :515:2006/07/13(木) 23:40:37 ID:TNzOkc1e
- 腰をつかみ自分の方へ引き寄せると、蜜に塗れたその部分に唇を押し付けた。
「だめっ、きたなっ……ふぅんっ。」
舌で蜜を掬い取り、啜り上げ、入り口を柔らかくしようと舐め回す。
肉芽に歯をかけ、嬲ると更に蜜が零れ落ちる。
「ひはぁっっやっん、せん……んふぅんっ……。」
金吾の小さな手が戸部の頭の上に置かれる。
引き離そうとしているのか、それとも押し付けているのかわからなかったが、
とにかく力をこめているのは確かだった。
「だめ……っあっ、壊れ……。」
口を離すと、着物を手早く脱ぎ捨て、固くなった己を入り口に押し付ける。
「いいか?」
掠れた声で囁くと、金吾はしばらく間をおいてから、こくん、と頷いた。
ぐ、と小さなその部分に太いものが入り込む。
大きな目を見開き、いやいやと首を振った。
「い……いたっ……んっ……いたっ。」
狭い中は解したとはいえやはりきつく、ゆっくりと体を進めていく。
慰めるように口付けながら、次第に奥深くへと繋がっていく。
「はぁっはぁっ……ひぃっ……ん。」
「くっ……。」
先が、固い部分に触れた。戸部は金吾の背に腕を回すと、一回強く抱きしめ、激しく動き始めた。
「ひゃぁっ、いやっ、い、ああっんっんん!」
ぐちゅぐちゅと繋がった部分が水音を立て、肉壁が戸部のものを締め付ける。
「ひゃふっ、ひっ、あんっっ!」
びく、と内壁が動き、最大限まで膨らんだ戸部のものを強く刺激する。
すかさず戸部は更に激しく腰を動かし、奥深くを突いた。
「だめっ、イっちゃあっ……!」
貫くような痺れが走ると、金吾の体はびくん、と強く跳ね上がった。
意識が一瞬遠のき、目じりからつーっと綺麗な涙が零れた。
- 03-437 :515:2006/07/13(木) 23:42:07 ID:TNzOkc1e
- それから数ヶ月して、金吾の父皆本武衛から戸部へ手紙が届いた。
内容は金吾が実は男ではなく女であるという事を教えるものと、
女でもあっても卒業まで預かっていてほしいという嘆願だった。
「先生、あの、卒業まで、いてもよろしいでしょうか?」
文机に向かう戸部の傍らに座り、金吾は恐る恐る尋ねた。
戸部は黙って返事を書いていたが、ふ、と筆が止まった。
「……どうされました?」
「いや、な。」
その声はどこか上擦っている。
良くみれば、心なしか、戸部の耳が赤く染まっていた。
「お前を卒業までといわず、卒業後も、ひいては、
その……嫁にもらっても良いか、というのをどの様に書いたら武衛殿は怒らないだろうかと思ってな。」
その言葉に、金吾は大きく目を見開く。
ぽとり、と涙が一粒零れ落ち、先生、と言って戸部の背中に抱きついた。
戸部は金吾の小さな手を触った後、優しく笑うと、
手紙の続きを書き始めたのだった。
最終更新:2012年01月24日 09:21