03-595 :594:2006/10/05(木) 23:06:24 ID:LwGUcozr
 
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「ぅ………?」

小さな振動とよく知った匂いに、獄寺はゆっくりと瞳を開いた。目の前にある、見慣れた黒髪に思わず声があがる。

「やま、もと」
「お、起きたか?」
「ここ、」
「あぁ、今獄寺ん家まで送ってるトコ」

詳しく聞けば、自分はディーノの部下、ロマーリオに軽く処置を施してもらった後に気を失ったらしい。その為、獄寺は一時的な痛み止の薬を服用した辺りまでしか覚えていなかった。

「とりあえず下ろせ、自分であるける」

いくら深夜といえど、公道で恋人におんぶされて恥ずかしくない訳がない。が、山本はすぐさま手を打った。

「ツナに頼まれたんだけど?」
「…!」
「…心配すんな、ちゃんと湿布薬も包帯も貰ってきたから」
「じ、じゃなくて、お前、明日だろ、」

試合、と続けるはずが、むせて咳となり気管を震わす。超近距離使用のチビボムは背負うリスクも大きい。獄寺がゲホゲホと咳を続ける間に、山本はさっさと彼女の部屋へと向かった。

03-596 :594:2006/10/06(金) 00:00:18 ID:LwGUcozr
 
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久しぶりに訪れた恋人の部屋には、紙飛行機がそこら中に散乱していた。

山本は獄寺を背中から下ろして横抱きにし、それらを踏まないよう気をつけながら寝室へ歩みを進めた。といっても彼女の部屋は家具を含め非常にシンプルな1DK。慎重になる暇もなくベッドへ辿り着き、そこでようやく体を解放した。

「このバカ、かえれ!」
「手当てが先だろ」
「自分で出来る!」

あくまで意地を張る獄寺に、山本は口許に笑みを浮かべた。同じ目線になるよう膝を折り曲げ腰を抱き込むと、ベッドに座る恋人の耳元に…

「これでも?」
「! ふ、ぁ…ッ」

―――舌を這わす。つぅ、と舌の動きに強弱が付けられ、少しでも密着しようと腰が寄せられ、獄寺はそれだけで体を過敏に震わせた。彼女の声に気を良くしたのか、そのまま首筋、胸元へと下降を始める。獄寺は必死で食い止めたが、その間にも山本の舌は獄寺を攻め続けた。

「ゃ…、ゃだ、やまもと…!」
「なんで?」
「か、火薬まみれで、汚いだろ!それに、あのヘンタイ野郎の返り血も浴びてんだぞ、」

王族の血だかなんだか知らないが、他人の血液を舐めたせいで病気にでもなったらどうする気だ。
少なくとも、獄寺は彼の身を案じての発言だった。

しかし。

「…じゃ、獄寺も消毒しねーとな」
「え…? わっ!」

山本は、彼女を抱きあげると、そのまま風呂場へと向かった。

03-597 :594:2006/10/06(金) 11:03:47 ID:nkce7Z3p
 
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抵抗する間も無く風呂場へ連れられ、驚く暇も無く服を脱がされ。
獄寺は今、山本に抱きしめられたままシャワーを浴びていた。
巻いていたサラシと下着だけの自分に対して、何も身に付けていない恋人。いくら体を重ねた事があるとはいえ恥ずかしいものは恥ずかしい。獄寺は視線を反らした。

「湯、傷に染みてねーか?」
「ん…」
「先に髪洗うから、椅子座って?」

促されるままに風呂用椅子に座る。山本に背を向けるような形になり、髪が洗いやすいよう下を向いた。

(………)

一方。
山本は彼女の小さな背中と、サラシの上からでも分かる程の痛ましい傷を見つめた。
彼女自身のプライドに関わるような事に口を出す気はない。だけど、彼女が傷付く度に言い様のない不安に駆られたのも事実だ。
山本はそっと獄寺の髪をすいて、耳に出来た傷を舐めサラシに手をかけた。ビク、と獄寺の体が震える。

「ゃ、まもと、?」
「獄寺…」

スル、と火薬に汚れたサラシが外れ、無理に押し潰していた胸が露になる。形の崩れたそれを戻すように、山本はゆっくりと彼女の胸を揉み始めた。

「ゃ、ぁあああっ!」

もともとハーフで発育の良い彼女だったが、相手に女だからと馬鹿にされない為に男らしく振る舞う事が多い。サラシもその為の一つだったが、外した時の感触が苦手でたまらなかった。

03-599 :594:2006/10/06(金) 23:40:25 ID:nkce7Z3p
胸が徐々に本来の形を取り戻すのに比例して、獄寺の顔は急速に赤みを増していった。
外されたサラシは中途半端に体を包み、いたる所に付いた傷に栄えた。それ以上に、疲労と熱気とが混ざる中で、滅茶苦茶に解かれたそれによって自由がかなり制限されていた。

「獄寺……こんなトコにも傷出来てる…」
「ふぁ、あ!」

いつの間に前へと周り込んだのか、山本が愛撫の手を強める。薄い布の上から小さな突起を弄され転がされ、その度に強すぎる快感が止む事なく彼女を責めた。傷跡もそうでない箇所も、少しも余す所のないようにと山本は愛撫を続ける。

03-600 :594:2006/10/07(土) 00:43:19 ID:U6cZnp5I
 
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ここが風呂場だという事も忘れ、獄寺は快楽に従順だった。

「ぁ、ああっ、やま……と…!」
「イきそう?」

消えそうな声で目の前の男の名前を呼ぶ。返された問いに頷くと、一度深くキスを交してから体を浴槽の縁に運ばれ、ゆっくりと足を開かされた。


(う、わ……)

女性独特の匂いに、山本は危うく理性を失いそうになっていた。

白い肌と秘部から溢れる体液が絡みつく様。誘うように色付くその奥。少し目線を上げると見える、傷跡に添えた無数の所有印。何より自分を呼ぶ、甘く切ないその声、表情。全てが殺人的に甘美だった。

彼の中で、今すぐひとつになりたい衝動が爆発的に渦巻く。



今回はここまでです。
前回は明記がなくすみませんでした。
また後日お邪魔します。


最終更新:2012年01月24日 09:25