04-007 :Revenge of Yapool:2006/11/20(月) 19:58:45 ID:oRPeuJNL
【前書き】
ウルトラ一族は、性差を超越して人間に擬態する事が可能である。過去に短時間ではあるが、
男性のウルトラマンが地球人の女性に擬態した事もある。
ただし、長期に渡る変身期間中に、異性に恋愛感情を抱いた場合、変身能力のバランスが崩壊し、
体の一部が元の性に戻ってしまうのだ。
地球人男性ヒビノ・ミライとして、ウルトラマンである事も女性である事も隠し、防衛組織GUYSに籍を置くメビウスだったが、GUYSのアイハラ・リュウに恋心を抱いてしまった事により、外見はそのままに体だけが女性に戻ってしまった…
何とか誰にも発覚される事なく過ごして来たメビウス=ミライの身に、危機が迫る…

【Revenge of Yapool】
異次元人ヤプールの脅威が去り、GUYSは束の間の休息を楽しんでいた。
慰労を兼ねてクルー全員で訪れた、保養施設での夜の花火大会。
消火用の水汲みをテッペイに頼まれ、ミライはリュウと二人で水汲み場へ向かっていた。

『ウルトラマンメビウス…お前の正体を知っているぞ』
「…えっ?」
振り返ったリュウの瞳の奥が、邪悪な輝きを放っている。

―違う、これは…リュウさんじゃない。
ミライは心に侵入して来たどす黒い邪念と対峙する。
『お前は…ヤプール!?お前たちは封印された筈…またリュウさんの体を乗っ取ったのか!?』
リュウに憑依したヤプールは、さらにミライ=メビウスの意識になげかける。
『…仲間に知られると困るだろう?それとも、ここでいっそ仲間に打ち明けた方が清々するか。お前にとって最も大切な、この男の口を通してな』

ミライが実はウルトラマンである事も、実は男の姿を借りた女であり、さらに衣服で隠れた場所には本来の性が現れている…という事を知る者は、今の段階では誰もいないし、これからも知られてはいけない秘密。
ましてやメビウスの心のうち~リュウへの淡い恋心などは。

『お前…僕の何を知ってると言うんだ!』
「ここで言ってもいいのか?ミライ、お前は本当は…」
リュウの口がゆっくりと動く。ミライにだけ認識出来るテレパシーではなく、周囲の人間に聞かせようと言う明確な悪意をもって。
一瞬、少し離れた処にいたマリナがこちらを振り返った。さすがの聴覚だ。しかしジョージに手持ち花火をけし掛けられ、軽口を返しながら仲間の輪に戻っていく。
やはり、このままみんなの近くにいるのはまずい。ヤプールの狙いがわからない今は。
『一体何が狙いだ!?』
『場所を変えようか。お前にもその方が好都合のはずだ』
悟られないように二人は、打ち上げ花火の輪に浮かれるクルーの側を離れ、薄闇に包まれた林へと入って行った。

04-008 :Revenge of Yapool:2006/11/20(月) 20:15:21 ID:oRPeuJNL
【林道】

「今度は何を企んでいる?」 誰もいないここではテレパシーを使う必要はない。

「フッ、知れた事よ」 突然周辺が不穏な虹色のもやに包まれる。

「何!?」
「俺の狙いは最初からお前だ。前にこの男に憑依した仲間から、
 面白い事を教えてもらったんでな」
そう言うが早いか、リュウ=ヤプールはミライの懐に飛び込み、突然胸を鷲掴みにした。

「な…!?」
「ほぉう、奴の言ってた事は本当だったか…確かに…」
「何をする!放せ!」
思い切り振り払った右手が、リュウの顔面に当たった。

「痛いな…何するんだよミライ」 (…え?リュウさん…?)
聞き慣れたリュウの口調が、ミライの心に迷いを生んだ。

「無理するなよミライ。俺知ってんだから…お前が…女だって事」
いつになく優しい声で微笑みを浮かべながら、
ミライを抱きすくめるリュウ。混乱しているミライの体の力が一瞬抜ける。

(今しゃべっているのはリュウさん?それともヤプール?)
「どっちでもいいじゃねえか…楽しもうぜ」
口の端に邪悪な笑いを浮かべ、リュウはいきなりミライにのしかかり、
乱暴に地面に押し倒した。

「うわっ!リュウさん、何を!?」
「抵抗するのか。大人しくしないと、こうだ」
どこからかバタフライナイフを取り出し、リュウは自分の首筋にあてがった。

「わかってるよな?俺が死ねば、この男も死ぬ」
「くっ…出ていけ…リュウさんの体から出ていけ!」
「まだ自分の立場がわからないようだな…このシールドは地球人からは見えない。 お前の声は外には届かない。俺が死ねばシールドは解けるが、
 その時にはお前の側にこの男の死体が転がっているという訳だ」
「…何が望みだ…僕の命か!?だったら…」
「それだけならわざわざこんな手は使わないさ」
リュウは手にしたナイフで、ゆっくりとミライのシャツを切り裂き、
その下に入念に巻かれたさらしを毟り取ってゆく。

「一度、ウルトラの女と楽しみたかったんだよ…欲を言えば、
 本来の姿の方が良かったんだがな」
露わになったミライの微かなふくらみをしげしげと眺めるリュウ。

(僕はどうすれば…嫌だ…リュウさんの目で…見ないで…!)
抵抗したくとも出来ない悔しさで涙が滲む。リュウは左手でミライの乳房を弄びながらも、右手のナイフは離そうとしない。

「そうだ、それでいい…やはりこの男の体を利用して正解だったな」

04-009 :Revenge of Yapool:2006/11/20(月) 20:48:05 ID:oRPeuJNL
胸をはだけた姿のまま、両手を頭上で堅く縛られ、ミライは仰向けに横たえられた。

「いい眺めだな…さて、どう可愛がってやろうか」
『あのナイフさえ奪えれば…でも、リュウさんを傷つける事は出来ない…どうすれば…』
「つまんない事考えるなよミライ。お前が俺の事好きなのはわかってんだから」
リュウの顔でヤプールはうそぶく。本心を見透かされた恥ずかしさで、
ミライの顔にカッと血が上る。

「黙れっ!そんな訳ない!」
(だって、リュウさんは僕が女だって事知らない…)
「そーかぁ?こーんなに可愛らしい体してんのになぁ…ま、小振りだがな」
荒々しく手のひらで小さなふくらみを撫でまわし、先端をコリコリとつまんで刺激する。

(くっ…!)
疼痛が走る。光の国にいた頃にさえまともな恋愛経験もなく、
戦士としての訓練に明け暮れていたメビウスにとって、
女としての恥ずかしさ以上に「戦士の尊厳」を蹂躙される方が悔しい。
しかも、相手は地球で初めて恋心を抱いた人に巣くった悪魔。

「何だ、つまんねえな。もうちょっといい声出してみろよ」
「…」 歯を食いしばり、リュウ=ヤプールの愛撫に耐えるミライ。

「そうか、ムードが足りないって奴だな。なら、こんな感じかな?」

おもむろに顔を寄せ、耳朶を甘く噛みながらリュウの声で囁く。

「ミライ…可愛いよ…」 
「!」

一瞬ミライの防御が緩む。耳元に、こんな至近距離で誰かの吐息を感じた事はない。
ヤプールはそんなたじろぎを見逃さなかった。

「そうかミライ、ここが感じるんだな…」
首筋に唇を這わせながら、リュウの声で囁き続ける。

「可愛いよ、好きだぜミライ…」 
「や…あッ…」

唐突にリュウの体が密着している事を意識してしまい、
体の芯に電流が走ったような感覚を覚えて、微かに声が漏れてしまった。

『僕の体…こんなふうにされるのが…イヤじゃなくなってきてる…?』
次第に息が荒くなる。反応を楽しみながら、リュウの唇は徐々に首筋から胸の
なだらかな稜線を這い、頂上の蕾を嬲る。
舌先が細やかな刺激を与える度に、ビクン、とミライの背中が跳ねる。
胸を弄んでいた手は、腹から腰をじんわりと撫でながら、
ミライのジーンズのふちに到達した。ベルトを緩められる気配。

「っ…!?」
「ここん所は一体どうなってるんだろうなー?」

04-010 :Revenge of Yapool:2006/11/20(月) 21:40:36 ID:oRPeuJNL
久々にヤプールの口調に戻ったリュウが、いきなり下着の中に手を差し伸ばした。

「うッ!」
誰にも触られた事のない秘所に、ずかずかと無遠慮に侵入してくる指。

「何だ、あんまり濡れてないじゃないか…まだまだ子供だな」

にやつきながらリュウ=ヤプールは、ささやかに膨らんだ乳首を舌先で
ちろちろと転がしながら、右手でミライの秘所を刺激する。時折、
「ミライ…もっと声出せよ…」と優しくリュウの声で囁きながら。
その声と、中身はヤプールでも体は紛れもなくリュウ本人だという事実が、
ミライの心を惑わせ、勝手に体の緊張を解いてゆく…

「くッ、イヤだっ…こんな…あゥッ…」
「イイ声出るじゃねえか。ここもだんだんいい感じになってきたぜ」
指の腹が、ミライの一番敏感な核を探り当てた。思わず悲鳴めいた声をあげ、
一際大きくのけ反った姿が、更にリュウ=ヤプールの痴情を煽る。

「ここなんだなミライ…さあ、もっと自分に正直になれよ」 
「はァっ…やめ…リュウさ…クゥッ!」

気持ちとは裏腹に、邪悪な愛撫を悦び乱れる体。己の不甲斐なさに涙が溢れる。
自然に、出したくない声が漏れ、体の疼きが更なる愛撫を求め、開かれてゆく…

「そうだ、もっと乱れろ…ウルトラの女がこんな姿でよがるなんて、
 笑いが止まらんな!我らが同胞の恨み、こんな形で果たせるとは思わなかったぞ!」
高笑いしながらも指の攻撃は緩む事なく、ミライを責め続け、喘ぎを止めさせない。

『僕は…ウルトラマン失格だ…こんなにされても…何も…出来ない…』

もう相手が誰か、などと考える事が出来なくなる程ミライは、
絶える事なく襲って来る未知の感覚に支配されつつあった。
『僕…このままこいつに好き勝手されて…リュウさんも守れないまま…』


「さて、そろそろこっちも行くとしようか」
ミライに抵抗の意思が失せたのを見届け、リュウ=ヤプールは自らのジーンズに手をかけた。


その時――――――

04-011 :Revenge of Yapool:2006/11/20(月) 22:38:48 ID:oRPeuJNL
―微かに、ミライの耳にそれは届いた。

『馬鹿野郎!いつまで奴の言いなりになってやがる!?』
(…え…リュウ…さん?)

目の前のリュウは、相変わらず下卑た笑みを浮かべたまま、きつく前が張った
ジーンズのジッパーを下ろそうとしている。ナイフは相変わらず持ったまま。

『だって…抵抗したらリュウさんが…』
『何言ってやがる!お前それでもGUYSのクルーかよ!諦めてんじゃねえ!
 どんな敵にも恐れず向かって行くのが俺らだろーが!一発ガシーンと
 ぶち当たって見やがれ!』

(リュウさんの…心の声?リュウさんも戦ってる!) 
ミライの心に戦意が甦った。

『…G.I.G!…リュウさん……ごめんなさいっ!』
片手でジッパーを下ろすのに手間どったリュウ=ヤプールに、一瞬の隙が生じた。
一か八か…ミライは思いっきり引きつけた脚を、力を込めて一気に突き出した。

「うぎゃあぁあっ!!!」
血流の集結した怒張にまともに渾身の足刀を食らい、リュウ=ヤプールは
凄まじい絶叫をあげ吹っ飛んだ。

「うぐぅ…おのれ…おのれ、こんなに人間の体が脆いものだとは…ギギィ…」

たまらずリュウの体を捨て、本来の体に分離するヤプール。
しかし急所を襲ったダメージは残っており、地面に這いつくばり悶絶している。
戦意を取り戻したミライは、気絶しているリュウを一瞥すると、
背中を丸めてのたうち回るヤプール本体に、縛られたままの両手を突き出した。

「ヤプール…よくも…よくも大切な人を…僕の気持ちを…踏みにじったな!!!」

怒りと悔しさと悲しみの力が左腕のメビウスブレスに集まり、戒めが弾き解かれた。
封印の弱まった空間。変身は出来なくとも、ウルトラの力は使える。

「許さない…消えろ…消えてしまえ!!!」
メビウスブレスからの光線が、ヤプールの体を貫く。何度も何度も…
やがてヤプールは断末魔の声をあげ、黒炎に包まれ分子レベルまで焼尽された。

いつしか魔界の空間は消えていた。涙はまだ乾かないが、
いつまでも悔やんで悲しんでいる場合ではない。

(リュウさん…大丈夫かな…)

04-012 :Revenge of Yapool:2006/11/20(月) 23:49:43 ID:oRPeuJNL
【病院にて】
…俺、前にもこんな事あったよな。
…そん時の事は何も覚えちゃいない。気がつくと俺、入院してて。
…あれ…これって夢なのかな…もやもやして断片しか思い出せないけど、
…俺が、こいつに酷い事をしてたみたいで。
…夢の中の俺は、何かしらないけどすんごく横暴で卑怯な奴で。
…こいつは全然抵抗しないでなされるがままで、泣きながら 苦しそうに喘ぐばかりで。
…あまりにそのザマが痛々しくて、それに俺自身が情けなくて、 思わず何か怒鳴っちまったワケ。
…そしたらいきなり雷落ちたみたいに辺りが真っ白に弾けて…

『ミライ、心配しなくてもいいと思うよ。前と同じように憑依されてた時の記憶は残らないはずだ』
『でも隊長、もしも…』
『それよりミライ、…リュウの事が好きなんだね』
『…』
『その体の事、報告しておかないと』
『お願いです、教官や大隊長には…』

ミライと…サコミズ隊長の声?大隊長て何だよ… あれ?これ夢だよな?
でも何か…すんげー…下腹…股ぐら痛え!

「うぐぐ…」
「リュウ、目が覚めたか」
サコミズが声をかけた。傍らに、申し訳なさそうに立つミライ。

「隊長…何で俺病院に…」
「君はヤプールにまた乗っとられてたんだよ」
「マジかよ…おわ!何で俺の…こんなんなってる!イテテ…」
股間にぐるぐるに巻かれた包帯。何か言おうとしたミライを、サコミズが制した。

「ヤプールの仕業だよ。君は覚えてないのかい?」
「覚えるも何も…アタタ…」「リュウさん、ほんとに何も?」
「…知るかよ!痛くてそれどころじゃ…くぅ」
ミライに目配せするサコミズ、そして少しホッとしたようなミライの微笑。

「思ったより元気そうで良かった。ま、しばらく現場は無理だろうから、ゆっくり休みなさい」
サコミズに促され、病室を出て行くミライの口が『ごめんなさい』と動いたのが見えた。

…ちょっと、嘘をついた。
覚えてないどころか、思い出してしまった。
夢なんかじゃなかった。俺は、ヤプールに乗っとられた体で、
女を犯そうとしてたんだ。
歯をくいしばり、涙を流しながらも俺の責めに何も抵抗しない女。
その女が…ミライだったんだ…その他は自分が何言ってるか、何でそういう事に
なったか全くわからないけど、それだけは何故かハッキリわかった。

『やっぱり…そうだったのか?ミライ』
問い質したいような、後ろめたいような。あと、もっと核心に触れるような話が
あったような気がするけど、そっちの方はどうしても思い出せず終い。

『チクショウ、マジで痛ぇや…てゆーか、俺この先どうすればいいんだ?』
ふと夢幻の中で、己が知らず知らずのうちに弄んだ裸体と涙に濡れた
ミライの顔がシンクロし、図らずも泣きたい気持ちになってしまって、
頭まで布団をかぶった。

『謝るのは…俺の方じゃねえか…』

            ―revenge of Yapool―end―


また長々とスレ汚しすみません…次回は変身体のを書いてみたいと思ってます。

最終更新:2012年01月24日 09:29