- 05-187 :氷の口づけ(ジェクラ×メタナイト卿[擬人♀]陵辱物):2007/10/21(日) 22:30:02 ID:lB4HVoam
- 月のない夜の闇。
辺りから聞こえる獣の叫び。
かち合って鳴る、剣と爪の音。
ジェクラとメタナイト卿は、寝込みを襲ってきた魔獣達に、互いの背を守りつつ応戦していた。
だが。
「ぐあっ!」
ジェクラの腕に赤く裂傷が走る。
鳥型の魔獣は、爪で彼の服を引っ掛け、夜空へと飛び去って行く。
「ジェクラ!?」
後ろを振り向くと、対峙していた魔獣が、チャンスとばかりに襲い掛かってくる。
それをギャラクシアで一刀両断し、再び振り向く。
「ジェクラーーーッ!!!」
その時には、魔獣も彼の姿も、夜の帳の向こうへと消えていた。
それから、早2ヶ月―――。
「ジェクラが戻ってきただと!?」
「はい。すぐそこに、歩いてきています!!」
キャンプ中にあった部下からの報告は、仲間の誰もが彼の生存を諦めていた最中の吉報だった。
テントから急いで出て、集まっている仲間達を押し退け、一番前へ出る。
全員、現実を信じられないのか、その場から動けず立ち尽くしていた。
夕日を背に、一歩一歩、重い足取りで歩んでくる彼を、誰もが息を呑んで見つめていた。
だが、メタナイト卿は異変に気づいた。
目に光が無い。漂う雰囲気も、いつもの彼と違っていた。
どこか禍々しい、凶悪な何かが、彼を取り巻いている。
あの者は、本当に彼なのだろうか?
私の尊敬する仲間であり、戦友であり―――密かに慕う、彼なのだろうか?
「―――ジェクラ…?」
その名を呼んだ瞬間、彼の瞳に淀んだ光が灯る。
そしてその背後から、大勢の魔獣が飛び出してきたのは、すぐのことだった―――。
- 05-188 :氷の口づけ(ジェクラ×メタナイト卿[擬人♀]陵辱物):2007/10/21(日) 22:31:17 ID:lB4HVoam
- 硬度の似通った刃と刃がぶつかり、火花が散る。
周囲はもはや惨劇だった。
不意をつかれ、やられた者が大勢いた。残った者も、あとどれぐらいもつか。
最悪の想像が当たった。
彼は魔獣にされていた。倒すべき敵・ナイトメアの手によって。
「正気に戻れジェクラ!」
死なない程度の傷をつけつつ、メタナイトは叫んだ。
殺したくない。どうして殺すことが出来ようか?
苦楽を共にした仲間を。一番の親友を。―――淡くほのかな想いを寄せていた、彼を。
だがジェクラの方は、自分を殺す気でいる。
戦士の中でも随一の腕を持つ彼と、ギャラクシアの正統所有者として認められた自分。
生き残るのは、どちらかだけだ。
頭のすぐ横を刃がかすめ、仮面を留めていた紐が切られ、地に転がる。
すぐに間合いを取って、自分に言い聞かせる。
“奴”は魔獣だ。敵だ。
(許せよ…ジェクラ!!)
「はあああっ!!!」
一気に間合いを詰め、ギャラクシアを振りかぶる。ジェクラ目掛けて振り下ろす。
だが、その剣筋が鈍った。
その時になって、情けが働いたのだ。
それを見逃すほど、ジェクラも甘くなかった。
剣の腹で彼女の手を打ってギャラクシアを弾き飛ばし、足払いをかける。
「!!」
地面に叩きつけられ、一瞬息が止まる。
そんな自分を、ジェクラが冷たく見下ろす。
ギャラクシアは遠い。起きようと肘を立てると、喉元に剣先が突きつけられる。
死ぬのは口惜しいが、仕方が無い。
自分の弱さが、甘さが、招いた結果に過ぎないのだから。
(力及ばず…これまでか…。)
静かに目を閉じる。
次にやって来るであろう激痛に耐えるべく、彼女は唇を噛み締めた。
『さすがは、戦士団の中でも最高峰の腕前なだけはある…。』
ジェクラの意識の世界。
暗黒の中、悪夢の支配者が嗤う。
実の息子会いたさに命を求めた彼を操るのは、赤子の手を捻るが如く容易い物だった。
抜け殻の彼には、もう自我は無い。
夢魔の思うがままに動き殺戮を繰り返す傀儡に成り下がったのだ。
彼に指示を下す。
女としての愉悦を味あわせてから死なせてやるのも慈悲だろう、と。
『これも一興…。ククク…ハッハッハッハッハッハァ!!』
そして、その指示通りに、ジェクラは動いた。
- 05-189 :氷の口づけ(ジェクラ×メタナイト卿[擬人♀]陵辱物):2007/10/21(日) 22:32:25 ID:lB4HVoam
- 突きつけられていた剣が、鞘に収められる。
「…?」
疑問に思うのも束の間、ジェクラがメタナイト卿の肩を掴み、押し倒した。
長く青い髪が、地に広がる。
「なっ!ジェクラッ!?」
左手でメタナイトの両手首を縫いとめ、右手で鎧を乱暴に剥がす。
そして、服に手が掛けられた。
ビリビリビリッ!
胸の膨らみを戒めていたサラシごと、紙でも裂くかのように簡単に破かれてしまった。
何をされるかを理解し、メタナイトはもがいた。
「やめろ、ジェクラ!こんな事っ…!!」
抗議の声は、彼がたわわに実った乳房を鷲掴んだことで遮られた。
痛い。いたわりも優しさも微塵も込められていない。
「ぅ…ぐ…」
食い縛った歯の隙間から、呻き声が漏れ出る。
「ジェ、クラ…、頼む」
正気に戻って欲しい。一抹の希望に賭け、彼女は名を呼ぶのを止めなかった。
「ジェ―――うっ!?」
声が急に上ずった。
ジェクラが、彼女の乳首を舐め上げたからだ。
一瞬走った痺れが何か分からず、ただ瞠目するメタナイト。
続けられていく内に、頭がボンヤリと痺れ始めてきた。
指で抓られ、引っ張りあげられる。噛み付かれる。
「ひあっ!!あぁ…!」
体が熱い。長時間サウナに入った時のように意識が朦朧としてくる。
ズボン越しに、ジェクラが秘所へと触れ、手のひら全体で愛撫を始めた。
「んんっ…は……っ」
突如の刺激に心臓が跳ね、甘い声が漏れ出る。
ズボンをショーツごとずり下げられ、茂みの中の秘裂に指が這わされ、肉芽を摘まれる。
胸への愛撫が比べ物にならないくらいの強い刺激。
声を抑えられず、逃げるように腰を浮かし、うわ言の様に何度も名を呼ぶ。
それでも彼の瞳に光は戻らない。行為も終わらない。
濡れたそこに指が2本、突き立てられた。
「あぐぅっ!?」
痛みが先立ち、そして我に返る。
自分の膣内をジェクラの指が蹂躙する。かき回される。
聞こえてくる水音に、自分が感じていたことを自覚せざるを得ない。
「や、め―――、ジェクラァッ!!」
明瞭かつよく通る声で、彼の名を叫んだ。
動きが止まる。指が引き抜かれる。
一瞬、仮面の向こうの瞳に、光が戻ったかのように見えた。
(届いた、のか…?)
だが、そんな希望は泡と消えた。
- 05-190 :氷の口づけ(ジェクラ×メタナイト卿[擬人♀]陵辱物):2007/10/21(日) 22:33:42 ID:lB4HVoam
- すぐに光は消え、両足首を掴まれ、ジェクラの肩の上へと乗せられる。
足の間に、体が割り入って来る。
入り口にあてがわれた熱の塊に血の気が引く。
これほど残酷なことがあろうか。
自分は“抱かれる”のではない。“犯される”のだ。
魔獣と化した、慕情を寄せる彼に。
「嫌だ、やめてくれ!頼む…!!」
先端がゆっくりと入ってくる。
経験したことのない痛みの波が押し寄せてくる。
痛みで、制止の声が途切れ途切れになる。
「や、め――――ああああああああぁぁッッッ!!!!」
言葉の後半は悲鳴と化した。
文字通り裂く様な痛み。心と体をズタズタにする痛み。
悲鳴が際限なく迸り、涙が止め処なく溢れる。秘所からも破瓜の血が流れ出す。
一気に最奥まで到達すると、再び腰を引き、そして貫く。
「あ゛ああぁっ!!!」
突かれる度に悲鳴を上げ、涙が零れる。
「やめ…グッ…お願い、だっ……や…!!」
徐々に速くなる律動。臓器を引っ掻き回されるようで、吐き気がした。
中に出される、とメタナイトは直感的に思った。
「嫌、だっ!中はあ―――!!」
制止の叫びも空しく、白濁した液体が、彼女の膣内を満たした。
それでも男根は抜かれる事無く、再び彼女の中で暴れだす。
「うっ…ああ、あ…」
ジェクラ。ジェクラ。ジェクラ。
何故お前は、ナイトメアの言うなりになった?
何故こんなことをする?
何故やめてくれない?
縋る様な気持ちで、メタナイトは再びその名を呼んだ。しっかりと。
「…ジェクラ……」
止まることの無い律動。声が届かなかったことを知る。
絶望的な気持ちになり、彼女はただ揺さぶられるがままになった。
その時だった。
- 05-191 :氷の口づけ(ジェクラ×メタナイト卿[擬人♀]陵辱物):2007/10/21(日) 22:35:38 ID:lB4HVoam
- 「――――――メタ、ナイト…ッ」
「ジェクラ!?」
返ってきた声に、一瞬痛みを忘れる。律動が少し遅くなった気がする。
「もう…やめてくれ……!」
「悪ぃ…体の方は…言う事を、聞かねぇ……っ」
次に発せられた彼の言葉に、メタナイトは凍りついた。
「俺を、殺せ…!!」
頭の中で他人事のように反芻される声。
殺す?誰が、誰を?――――――私が、ジェクラを。
「馬鹿を言うなっ!!」
痛みを忘れ、怒鳴り返した。
自我は取り戻せた。まだ望みはあるはず。
「こうやって…話しているだけで……っ、辛いんだ…!いつまでもつか、分からねえ…!」
見えざる力に抗う彼。瞳は血走り、腰を掴む手も震えていた。
「俺の為と思って、頼む…殺してくれ…メタナイト卿!!」
『メタナイト卿』。
その名で呼ばれ、我に返る。戦士としての自分に。
彼の腰の鞘から剣を抜き―――最も手薄な腹部に、突き刺した。
ズブッ!
貫通したのが分かる。血が溢れ、体の上に滴ってくる。
倒れこむ際に男根が引き抜かれ、ジェクラは仰向けに倒れた。
仮面の中のその顔は、笑っている様に見えた。
- 05-192 :氷の口づけ(ジェクラ×メタナイト卿[擬人♀]陵辱物):2007/10/21(日) 22:36:51 ID:lB4HVoam
- 慌てて駆け寄ろうとしたメタナイトは、立とうとして、急に体に走った激痛で倒れこんだ。
「ぐっ!!」
受け止め切れなかった精液と破瓜の地が、太股を伝って水溜りを作る。
地を這いつくばって、ようやく彼の元へ辿り着く。
彼を囲むように、地面は血で濡れ、赤黒く染まっていた。
近づいた気配を察したのか、ジェクラが薄目を開け、メタナイトを見た。
「…すまねえ、な。操られて…いたとはいえ、お前を…」
メタナイトは首を横に振った。
純潔を奪われたことよりも、彼を刃に掛けたことが、心を苛んでいた。
ジェクラは、弱々しい手つきで懐に手を入れ、ペンダントを取り出した。
やや古めかしいデザインのそれは、夕日の光を受けて煌いていた。
「頼みごとばっかで…すまねえ…。これを、俺の息子…に…」
その言葉でようやく理解した。
ジェクラが、ナイトメアの言うなりになった理由。愛する実の息子への想い。それが
生への執着を生んだのだ。
「-息子の名前は…?」
「……ジョー、だ。ナックルジョー…。」
ナックルジョー。その名前をしかと脳裏に刻み込む。
「必ず渡そう。…約束する。」
その言葉が聞こえたのか、かすれた声で、彼は言った。
「ありがとよ…――――――」
手が、力なく、地に落ちた。
「ジェクラ…!?」
慌てて彼の手を取る。
生の温もりは、徐々に体から剥ぎ取られつつあった。
だらりと下がった手と血溜まりが、全てを物語っていた。
死んだのだ、ジェクラは。
殺したのだ、私が。私が!!!
- 05-193 :氷の口づけ(ジェクラ×メタナイト卿[擬人♀]陵辱物):2007/10/21(日) 22:38:31 ID:lB4HVoam
- 「―――ああああああああぁぁっ!!」
一生分の声を出し尽くすかのような声で、メタナイトは叫んだ。
陵辱の最中、あれだけ流れ出た涙は、枯れる事無く再び滝の如く流れ落ちる。
拳を地に打ちつけ、うずくまった。
涙で濡れた金の瞳に、先ほどのペンダントが映る。
落ちた衝撃で開いたのか、中の写真が見えていた。
おしゃぶりを咥えた、元気そうな男の子。
『これを、俺の息子…に…』
声が甦る。
それを手に取り、強く握り締めた。
彼の遺した想いを、必ずや伝えなければならないのだから。
自分は、その義務を果たさなければならないのだから。
ただ、自分の想いも、彼に伝えたかった。
だから、亡骸の傍らで、しっかりと声に出した。
「―――好きでした、ジェクラ。戦友としてでなく、男女の仲として。」
言うわけにはいかなかった想いだった。
丁寧に仮面を剥がすと、安らかな安堵の表情を浮かべていた。
洗脳に抗っていた証拠か、唇の端から血が流れていた。
自分のそれを、そっと重ね合わせた。
生まれて初めての恋は、苦いもの極まりなかった。
生まれて初めての口付けは、氷のように冷たく哀しい、死の味がした。
『まさか、我が力に抗うとはな…。』
悪夢の王の部屋のチェス盤の上の駒の一つが、砕けて砂となった。
ナイトメアもこれには少しばかり驚かされた。やや侮っていたのかも知れない。
『まあいい。銀河戦士団があとどれ位もつか、見物としよう…。』
他にも侮っていたものがあることを、夢魔は知らない。
自分が遠き日に追放した出来損ないが、遠き未来、自分を滅ぼすことを。
それより数ヵ月後。
銀河戦士団は、オーサー卿以下数名を残し、壊滅した。
そして青の騎士は、辺境の星へ流れ着く。そこで彼女は、次世代の桃色の希望と出会う。
夢魔に追放された者と、夢魔に愛する者を奪われた者が出会うのは、まだまだ遠い。
最終更新:2012年01月24日 09:40