「ひまわり~あの時伝えたかった事」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ひまわり~あの時伝えたかった事」(2011/03/03 (木) 22:07:48) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

スレが違うかも試練がツンデレ系と霊という事で。 1 ─俺の名前は浅田裕也(仮名)、30歳、結婚済み、一人の子持ちのおっさんだ。 俺は今、泣いている。いや、目から勝手に涙が溢れて来ている… この話は俺が高校3年生の春、13年前まで戻らなければならない。 …俺はいじめられていた。クラスの男子五人組に。 俺はその時根暗であり、イジメられるのも無理は無かったのかもしれない。 体育館の裏でそいつらに俺は殴られていたが その時も俺はいつもの事だと我慢していた。 男「おらおら~!!キモイんだよお前!」 男「けっ!お前の顔見るとマジでむかつくんだよ!!」 俺「…………」 だがその日は何か違った。 2 女「ちょっとあんた達!何してんの!?」 俺「…委員長?」 男「ゲッ!やべぇ委員長だ。おい、お前ら逃げるぞ!」 女「ちょっとぉ、待ちなさーい!! …ったく、あいつら…」 俺「あの…」 女「ん?」 俺「あ、うん…助けてくれたの…?」 女「べ、別にそんなんじゃないわよ! 私は委員長として当然の事をやっただけよ!か、勘違いしないでよね?」 俺「あ、ありがとう…」 女「……っ、だ、だからお礼なんていらないわよっ! それより、あんたもっとしっかり出来ないの?男でしょ?」 俺「…僕には…無理だよ…、力も弱いし、根暗だし…」 女(ハァ~)あんたね、もっと自分に自信を持てって~の!」 俺「は、はい…」 女「ったく…」 こうして俺はクラスの委員長、名前は渡部美和(仮名)さんに助けられた。 ここから俺は少しずつ変わる事になる。 3 俺は渡部さんにいろいろ言われてから友達も少しずつだが出来るようになり、 イジメもいつのまにか無くなっていた。 渡「どう?調子は?」 俺「はい、今は結構学校も楽しいですよ」 これも流れ的にだが、渡部さんと俺は暇な日に 放課後体育館の裏でこうして話す事が日課になりつつあった 渡「でもあんた前と比べると本当に変わったわね…」 俺「そ、そうですか?でもこれも渡部さんのおかげです^^」 渡「えっ/// あ、そ、そう。良かったじゃない…」 俺「はい」 渡「それにしても…その敬語なんとかならないの?」 俺「これはもう僕の癖でして…」 渡「癖ぇ?ハァ…、まぁいいわ。あとそれから…」 俺「?なんでしょうか?」 渡「…いや、なんでもないわ…あ、もうあたしは帰る!じゃね!」 俺「?」 それから二日後、俺と渡部さんは何故か一緒に帰る事になる。 …しかし話題がまったく思いつかないので花の話でも出してみる。 俺「あの…渡部さんはどんな花が好きなんですか?」 渡「な、なによいきなり…、そうね…向日葵かしら…」 俺「ひまわり…ですか」 渡「そう。あたしが子供の頃、いつもそばにあった花が 向日葵なのよ、だからすごく好き」 俺「そうなんですか…」 渡「ってなんであんたにそんな話しなくちゃなんないのよ!!」 俺「すいません…」 4 渡「……」 俺「……」 渡「あんたさ…好きな…人とかいるの?」 俺「…?」 渡「い、いや別に無理に聞きたい訳じゃないのよ!? ただ、ちょっと聞きたいなぁ…って思って…」 俺はココでちょっと考えてみる。 よくよく今思ったら俺は渡部さんの事が好きだったんだ。 しかし本人が目の前にいるので言いづらかった。 しかし勇気を振り絞って言って見る事にした俺。 俺「実は渡部さんの事g…」 たぁ~けや~ さお~だけ~♪(さおだけ屋 渡「え?何?」 俺「いや、なんでもないです…」 俺はこの時ほどさおだけ屋を恨んだ日はなかった。 渡「そ、それじゃまたね」 俺「あ、はい」 こうして結局何もないまま終わってしまった。 5 その週の日曜日の昼、俺の家に電話が掛かってくる。渡部さんからだ。 親はいなかったので自分が取る。 俺「は、はい。もしもし」 渡「あ、浅田、今から…学校に来てくれない…?」 いきなりのお誘い(?)にびっくりしたが 暇だったのでOKする。 俺「はい、いいですけど」 渡「じゃぁ体育館の裏で待ってるから…」 俺「は、はい」 俺「こ、こんにちわ…」 渡「遅いわよ!」 俺「すいません…」 急に沈黙になる二人。 話を切り出したのは渡部さんだった。 渡「…あ、あのさ。あんたって…彼女いるの?」 俺「い、いや、いませんけど…何か?」 渡「べ、別になんでもないってば!バカ!」 渡部さんのグーが飛んで来たが俺は偶然避けてしまった。 その結果、彼女が俺の上に乗る形で二人とも倒れてしまった。 6 渡「イタタタタ…もう!避けるなんてサイt…キャァッ!な…///」 俺「!!!」 また二人に一瞬沈黙が流れる 渡「………」 俺「………」 渡「…あのさ…このまま…いい…?」 俺「え…?」 そう言って彼女は顔を近づけて来た。 もうこの時俺のジュニアはパンパンである。 渡「あの…浅田…あんたの事…」 俺「(くぁwせdrftgyふじこlp)」 もう彼女は俺とほぼ密着状態である。 あと少しで唇が触れそうになったその時… 先生「こら!そこ!なにやってる!!」 渡「やばっ!!!…逃げるよ浅田」 俺「あ、う、うん…」 ホッとしたのかガッカリしたのか複雑な気持ちで俺はその後何も起きることなく 俺は帰途についた。 だがそのあと、急な都合で俺は転校することになった。 そう、渡部さんにさよならも告げずに…。 7 それからたった十日後の日曜日の事だった。 渡部さんが崖から落ち、自殺して亡くなったのは。 即死だった。遺書もなしに飛び降りて。 俺はその日泣いた。ずっと。一体どのくらい体の水分を 使ったのかと言うぐらい泣き続けていた… 俺「グスッあの時…せめてさよならと…言っておけば…クソォッ!」 俺は多分その時初めて乱暴な言葉を使った… だがもうとっくに遅い…。 俺は別れの悲しさを初めて知った。これ以上ない、─最悪の形─ で それから数十日後、やっと少し落ち着きを取り戻した俺は、 その崖へ花束を持って行く事にした。 花の種類は、渡部さんが前好きだと言っていた、ひまわりの花。 俺「ここが…渡部さんが…」 ダメだ。これ以上言うとまた涙が出そうになって来る。 俺は向日葵を崖の近くの所に置いた。ほかの人からの花も飾ってある。 俺は手を合わせて渡部さんの事を思い、 また泣いてしまわないようにすぐに帰った。 その日から13年後の春、なんてことのない日曜日の昼。 俺はある人と結婚し、一人ではあるが6才の娘もいる、 何不自由のない幸せな人生を送っていた。 8 そんな日、娘のある一言で俺は思い出す。 娘「ねぇ~パパ~」 俺「ん?何?」 娘「パパの初恋の人ってどんな人?」 俺「!」 そうだ、今日は俺の初恋の人、渡部さんの命日。 あの…日。 俺は忘れていた初恋のあの気持ちになり、 娘を連れてあの崖に行く事にした。 妻「あなたー、どこ行くの?○○も連れて」 俺「ん、ちょっとドライブに、すぐ帰ってくるから」 妻「?」 車中… 娘「ねぇパパー、これからどこ行くのー?」 俺「ちょっとパパの初恋の人に会いにね…」 俺はまた向日葵の花を買って、 そこへ急いだ。 そして… 9 俺「なつかしいな…」 娘「ねぇ、あたし車に戻ってる~」 俺「あぁ、ゴメンな。じゃぁ先戻ってて。すぐ帰るから」 娘「?」 俺は娘が戻ったのを確認すると、 一人ごとを言いはじめた。 俺「ここも何年ぶりだろう。 あの時…なんで俺が助けてやれなかったんだろうな…」 そんな事を言っても、別に何か起きる訳じゃない。 俺は向日葵を置こうとして気づいた。 俺が13年前に飾ったあの向日葵がまだ枯れていない。 それどころか毎日水でもやったかのようにぴんぴんしている。 俺「これは…どういう事だ…」 疑問には思ったがあんまり考えるとダメだ。 俺は向日葵を置き立ち去ろうとしたその時だった。 10 渡「浅田…」 俺「!? 今…声が…」 空耳か…?渡部さんの事ばっかり考えてたからなぁ…。聞こえて当然かもな。 しかし今度ははっきりと 渡『浅田!』 俺は向日葵を置いた方を振り向いて驚いた。 俺の振り向いた目の前には、渡部さんがいる。 あの時と同じ、初恋の時の高校生のままで…。 俺「渡…部さ…ん?」 渡「浅田…会いたかった…」 俺は目の前の光景に頭が混乱していた。 それを振り払ったのは渡部さんの一言。 渡「あんた…変わってないね…昔と」 俺「渡部さん?本当に渡部さんなのか?」 渡「見れば分かるでしょ!?まったく…。まぁ生きてないんだけどね」 俺はもう泣きそうだった 俺「会え…て…よかった…もう二度…と会えない…と思ってた…のに……」 渡「あ~あ、すぐ泣くんだから…男だろ?」 俺「…それもそうだ…な」 俺は何分かしてやっと冷静を取り戻して話しかけた。 11 俺「あの時…さよならも言えなくて…ごめん」 渡「別にいいよ…、てかあんたがいなくなって寂しかったからあたし自殺したんだし… でも、あんたに…えと…言いたいことあったんだ…」 俺「え?」 渡「ほら、その…もう!女の子に言わせないでよ!」 俺「ご、ごめん」 俺も渡部さんの気持ちは分かっていた。 だからこそ俺から言うんだ。 俺「俺は…渡部さんの事が好き。ずっと…今でも」 渡「…あたしも……あんたの事が好き」 今度は誰も邪魔者はいない…そう、二人きり… 俺「渡部さん…」 渡「あ……」 13年越しにやっと出来た、渡部さんとの軽く触れ合うくらいのキス… それは今までの何よりも嬉しかった。 渡「恥ずかしいな…やっぱり///」 俺「じゃあもう一回しましょうか?」 渡「な、なに言ってんの!?」 俺「冗談ですよww」 渡「う…/// もうっ!」 12 しかしその時、俺は渡部さんの異変に気づいた。 俺「渡部…さん、体…透けてる…」 渡「…もうそんな時間になっちゃったか…」 俺「どうゆう…ことですか…」 渡「実は…死んでから13回目の命日に…1時間だけこの姿になれるの…。 でも…そろそろ終わりになっちゃった…」 急いで時計を見るとあれからもう57分… 俺「あと…3分…か」 渡「うん…、だから…グスッ」 俺「…渡部…さん?」 渡部さんを見ると、泣いている。 俺が初めて見た、彼女の泣き顔。俺に見せた、涙。 俺は思わず彼女を抱きしめた、思い切り。 13 俺「渡部さん…」 渡「グスッ…もう会えないなんて…嫌だ…グスッ」 俺「…きっと会えるよ…いつかまた……必ず」 渡「グスッ…その言葉…グスッ…忘れんなよ…」 俺「当たり前だよ、絶対忘れない…」 そろそろ顔以外のほとんどが透けてきている… 俺は最後に今まで恥ずかしくていえなかった事を言った。 俺「…美和、愛してる」 渡「あたしも…裕也…愛してる…」 そして最後に別れの、いや、また会える日を信じて、今度は 10秒くらい、長いキスをした。お互いの事を思いながら。 俺「もう…そろそろだな」 渡「うん……」 美和はまた泣いている。 今度は笑顔で…涙がどんどん頬をつたっていく。 そして、俺たちの最後の会話。 14 俺「生まれ変わったら…今度はキスの続きしような…」 渡「バカ…/////」 俺「…また…ここへ来るからな。今度は毎年」 そして彼女の最後の言葉… 渡部美和さん『待ってるよ…』 そう言って彼女は消えた。 その瞬間俺の目から涙が溢れ出てくる… 俺「…あれ?なんで…涙が出るんだろうな…あはは…あは…。…うっ…くっ…」 俺は泣いた。向日葵の花の上で。 俺の生涯最後の男泣きだった。 娘「ねぇパパー、遅いy…パパ?泣いてるの?」 俺「グスッ…いや、泣いてるんじゃない…嬉しいんだ…」 娘「?」 俺「『待ってる』 か…」 彼女が最後に流した涙と 俺の涙がひまわりの上に落ちて…                     ─ひまわりは輝いていた─                         Fin  
スレが違うかも試練がツンデレ系と霊という事で。 1 ─俺の名前は浅田裕也(仮名)、30歳、結婚済み、一人の子持ちのおっさんだ。 俺は今、泣いている。いや、目から勝手に涙が溢れて来ている… この話は俺が高校3年生の春、13年前まで戻らなければならない。 …俺はいじめられていた。クラスの男子五人組に。 俺はその時根暗であり、イジメられるのも無理は無かったのかもしれない。 体育館の裏でそいつらに俺は殴られていたが その時も俺はいつもの事だと我慢していた。 男「おらおら~!!キモイんだよお前!」 男「けっ!お前の顔見るとマジでむかつくんだよ!!」 俺「…………」 だがその日は何か違った。 2 女「ちょっとあんた達!何してんの!?」 俺「…委員長?」 男「ゲッ!やべぇ委員長だ。おい、お前ら逃げるぞ!」 女「ちょっとぉ、待ちなさーい!! …ったく、あいつら…」 俺「あの…」 女「ん?」 俺「あ、うん…助けてくれたの…?」 女「べ、別にそんなんじゃないわよ! 私は委員長として当然の事をやっただけよ!か、勘違いしないでよね?」 俺「あ、ありがとう…」 女「……っ、だ、だからお礼なんていらないわよっ! それより、あんたもっとしっかり出来ないの?男でしょ?」 俺「…僕には…無理だよ…、力も弱いし、根暗だし…」 女(ハァ~)あんたね、もっと自分に自信を持てって~の!」 俺「は、はい…」 女「ったく…」 こうして俺はクラスの委員長、名前は渡部美和(仮名)さんに助けられた。 ここから俺は少しずつ変わる事になる。 3 俺は渡部さんにいろいろ言われてから友達も少しずつだが出来るようになり、 イジメもいつのまにか無くなっていた。 渡「どう?調子は?」 俺「はい、今は結構学校も楽しいですよ」 これも流れ的にだが、渡部さんと俺は暇な日に 放課後体育館の裏でこうして話す事が日課になりつつあった 渡「でもあんた前と比べると本当に変わったわね…」 俺「そ、そうですか?でもこれも渡部さんのおかげです^^」 渡「えっ/// あ、そ、そう。良かったじゃない…」 俺「はい」 渡「それにしても…その敬語なんとかならないの?」 俺「これはもう僕の癖でして…」 渡「癖ぇ?ハァ…、まぁいいわ。あとそれから…」 俺「?なんでしょうか?」 渡「…いや、なんでもないわ…あ、もうあたしは帰る!じゃね!」 俺「?」 それから二日後、俺と渡部さんは何故か一緒に帰る事になる。 …しかし話題がまったく思いつかないので花の話でも出してみる。 俺「あの…渡部さんはどんな花が好きなんですか?」 渡「な、なによいきなり…、そうね…向日葵かしら…」 俺「ひまわり…ですか」 渡「そう。あたしが子供の頃、いつもそばにあった花が 向日葵なのよ、だからすごく好き」 俺「そうなんですか…」 渡「ってなんであんたにそんな話しなくちゃなんないのよ!!」 俺「すいません…」 4 渡「……」 俺「……」 渡「あんたさ…好きな…人とかいるの?」 俺「…?」 渡「い、いや別に無理に聞きたい訳じゃないのよ!? ただ、ちょっと聞きたいなぁ…って思って…」 俺はココでちょっと考えてみる。 よくよく今思ったら俺は渡部さんの事が好きだったんだ。 しかし本人が目の前にいるので言いづらかった。 しかし勇気を振り絞って言って見る事にした俺。 俺「実は渡部さんの事g…」 たぁ~けや~ さお~だけ~♪(さおだけ屋 渡「え?何?」 俺「いや、なんでもないです…」 俺はこの時ほどさおだけ屋を恨んだ日はなかった。 渡「そ、それじゃまたね」 俺「あ、はい」 こうして結局何もないまま終わってしまった。 5 その週の日曜日の昼、俺の家に電話が掛かってくる。渡部さんからだ。 親はいなかったので自分が取る。 俺「は、はい。もしもし」 渡「あ、浅田、今から…学校に来てくれない…?」 いきなりのお誘い(?)にびっくりしたが 暇だったのでOKする。 俺「はい、いいですけど」 渡「じゃぁ体育館の裏で待ってるから…」 俺「は、はい」 俺「こ、こんにちわ…」 渡「遅いわよ!」 俺「すいません…」 急に沈黙になる二人。 話を切り出したのは渡部さんだった。 渡「…あ、あのさ。あんたって…彼女いるの?」 俺「い、いや、いませんけど…何か?」 渡「べ、別になんでもないってば!バカ!」 渡部さんのグーが飛んで来たが俺は偶然避けてしまった。 その結果、彼女が俺の上に乗る形で二人とも倒れてしまった。 6 渡「イタタタタ…もう!避けるなんてサイt…キャァッ!な…///」 俺「!!!」 また二人に一瞬沈黙が流れる 渡「………」 俺「………」 渡「…あのさ…このまま…いい…?」 俺「え…?」 そう言って彼女は顔を近づけて来た。 もうこの時俺のジュニアはパンパンである。 渡「あの…浅田…あんたの事…」 俺「(くぁwせdrftgyふじこlp)」 もう彼女は俺とほぼ密着状態である。 あと少しで唇が触れそうになったその時… 先生「こら!そこ!なにやってる!!」 渡「やばっ!!!…逃げるよ浅田」 俺「あ、う、うん…」 ホッとしたのかガッカリしたのか複雑な気持ちで俺はその後何も起きることなく 俺は帰途についた。 だがそのあと、急な都合で俺は転校することになった。 そう、渡部さんにさよならも告げずに…。 7 それからたった十日後の日曜日の事だった。 渡部さんが崖から落ち、自殺して亡くなったのは。 即死だった。遺書もなしに飛び降りて。 俺はその日泣いた。ずっと。一体どのくらい体の水分を 使ったのかと言うぐらい泣き続けていた… 俺「グスッあの時…せめてさよならと…言っておけば…クソォッ!」 俺は多分その時初めて乱暴な言葉を使った… だがもうとっくに遅い…。 俺は別れの悲しさを初めて知った。これ以上ない、─最悪の形─ で それから数十日後、やっと少し落ち着きを取り戻した俺は、 その崖へ花束を持って行く事にした。 花の種類は、渡部さんが前好きだと言っていた、ひまわりの花。 俺「ここが…渡部さんが…」 ダメだ。これ以上言うとまた涙が出そうになって来る。 俺は向日葵を崖の近くの所に置いた。ほかの人からの花も飾ってある。 俺は手を合わせて渡部さんの事を思い、 また泣いてしまわないようにすぐに帰った。 その日から13年後の春、なんてことのない日曜日の昼。 俺はある人と結婚し、一人ではあるが6才の娘もいる、 何不自由のない幸せな人生を送っていた。 8 そんな日、娘のある一言で俺は思い出す。 娘「ねぇ~パパ~」 俺「ん?何?」 娘「パパの初恋の人ってどんな人?」 俺「!」 そうだ、今日は俺の初恋の人、渡部さんの命日。 あの…日。 俺は忘れていた初恋のあの気持ちになり、 娘を連れてあの崖に行く事にした。 妻「あなたー、どこ行くの?○○も連れて」 俺「ん、ちょっとドライブに、すぐ帰ってくるから」 妻「?」 車中… 娘「ねぇパパー、これからどこ行くのー?」 俺「ちょっとパパの初恋の人に会いにね…」 俺はまた向日葵の花を買って、 そこへ急いだ。 そして… 9 俺「なつかしいな…」 娘「ねぇ、あたし車に戻ってる~」 俺「あぁ、ゴメンな。じゃぁ先戻ってて。すぐ帰るから」 娘「?」 俺は娘が戻ったのを確認すると、 一人ごとを言いはじめた。 俺「ここも何年ぶりだろう。 あの時…なんで俺が助けてやれなかったんだろうな…」 そんな事を言っても、別に何か起きる訳じゃない。 俺は向日葵を置こうとして気づいた。 俺が13年前に飾ったあの向日葵がまだ枯れていない。 それどころか毎日水でもやったかのようにぴんぴんしている。 俺「これは…どういう事だ…」 疑問には思ったがあんまり考えるとダメだ。 俺は向日葵を置き立ち去ろうとしたその時だった。 10 渡「浅田…」 俺「!? 今…声が…」 空耳か…?渡部さんの事ばっかり考えてたからなぁ…。聞こえて当然かもな。 しかし今度ははっきりと 渡『浅田!』 俺は向日葵を置いた方を振り向いて驚いた。 俺の振り向いた目の前には、渡部さんがいる。 あの時と同じ、初恋の時の高校生のままで…。 俺「渡…部さ…ん?」 渡「浅田…会いたかった…」 俺は目の前の光景に頭が混乱していた。 それを振り払ったのは渡部さんの一言。 渡「あんた…変わってないね…昔と」 俺「渡部さん?本当に渡部さんなのか?」 渡「見れば分かるでしょ!?まったく…。まぁ生きてないんだけどね」 俺はもう泣きそうだった 俺「会え…て…よかった…もう二度…と会えない…と思ってた…のに……」 渡「あ~あ、すぐ泣くんだから…男だろ?」 俺「…それもそうだ…な」 俺は何分かしてやっと冷静を取り戻して話しかけた。 11 俺「あの時…さよならも言えなくて…ごめん」 渡「別にいいよ…、てかあんたがいなくなって寂しかったからあたし自殺したんだし… でも、あんたに…えと…言いたいことあったんだ…」 俺「え?」 渡「ほら、その…もう!女の子に言わせないでよ!」 俺「ご、ごめん」 俺も渡部さんの気持ちは分かっていた。 だからこそ俺から言うんだ。 俺「俺は…渡部さんの事が好き。ずっと…今でも」 渡「…あたしも……あんたの事が好き」 今度は誰も邪魔者はいない…そう、二人きり… 俺「渡部さん…」 渡「あ……」 13年越しにやっと出来た、渡部さんとの軽く触れ合うくらいのキス… それは今までの何よりも嬉しかった。 渡「恥ずかしいな…やっぱり///」 俺「じゃあもう一回しましょうか?」 渡「な、なに言ってんの!?」 俺「冗談ですよww」 渡「う…/// もうっ!」 12 しかしその時、俺は渡部さんの異変に気づいた。 俺「渡部…さん、体…透けてる…」 渡「…もうそんな時間になっちゃったか…」 俺「どうゆう…ことですか…」 渡「実は…死んでから13回目の命日に…1時間だけこの姿になれるの…。 でも…そろそろ終わりになっちゃった…」 急いで時計を見るとあれからもう57分… 俺「あと…3分…か」 渡「うん…、だから…グスッ」 俺「…渡部…さん?」 渡部さんを見ると、泣いている。 俺が初めて見た、彼女の泣き顔。俺に見せた、涙。 俺は思わず彼女を抱きしめた、思い切り。 13 俺「渡部さん…」 渡「グスッ…もう会えないなんて…嫌だ…グスッ」 俺「…きっと会えるよ…いつかまた……必ず」 渡「グスッ…その言葉…グスッ…忘れんなよ…」 俺「当たり前だよ、絶対忘れない…」 そろそろ顔以外のほとんどが透けてきている… 俺は最後に今まで恥ずかしくていえなかった事を言った。 俺「…美和、愛してる」 渡「あたしも…裕也…愛してる…」 そして最後に別れの、いや、また会える日を信じて、今度は 10秒くらい、長いキスをした。お互いの事を思いながら。 俺「もう…そろそろだな」 渡「うん……」 美和はまた泣いている。 今度は笑顔で…涙がどんどん頬をつたっていく。 そして、俺たちの最後の会話。 14 俺「生まれ変わったら…今度はキスの続きしような…」 渡「バカ…/////」 俺「…また…ここへ来るからな。今度は毎年」 そして彼女の最後の言葉… 渡部美和さん『待ってるよ…』 そう言って彼女は消えた。 その瞬間俺の目から涙が溢れ出てくる… 俺「…あれ?なんで…涙が出るんだろうな…あはは…あは…。…うっ…くっ…」 俺は泣いた。向日葵の花の上で。 俺の生涯最後の男泣きだった。 娘「ねぇパパー、遅いy…パパ?泣いてるの?」 俺「グスッ…いや、泣いてるんじゃない…嬉しいんだ…」 娘「?」 俺「『待ってる』 か…」 彼女が最後に流した涙と 俺の涙がひまわりの上に落ちて…                     ─ひまわりは輝いていた─                         Fin   以上です。 ここまで読んでくれた方、本当に有難うございました。 実はこの話、完全フィクションではないんです。 名前や細かい演出などは違いますが、 初恋(両思いだった人)の人の幽霊と会って会話とか この小説は私の高校時代の不思議な体験を ほんの少しだけ変えて小説にしました。 ですので、これは実体験です。 自分で書いててまた悲しくなりましたが…(汗 それでは、また来れる日があったらいつか来ます。 おやすみなさい。        by誰にもこの話を信じてもらえない悲しい父ちゃん 

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: