とある山奥でのこと。
えらく古風な日本家屋にたどり着いた。
人里離れたこんな場所にどうして家が建っているのか疑問には思ったが、
人間の生活臭というものが感じられたせいか恐さとか不安といったものは無かった。
誘われるように裏庭のほうにまわると、縁側に一人の少女が待っていた。
セーラー服姿の、長い黒髪の少女だ。
目つきが、ちょっと恐い。
ふと、地獄少女なるものを思い出したが、あれは漫画の世界のものだ。
現実に僕の前にいる少女は、違う。
とりあえず挨拶でもと思った僕に、突然彼女は怒鳴りちらした。
「犯したるで~!」
そのあまりの声と彼女の迫力に、僕は一目散に山を降りた。
麓の村で聞いた話によると、やはり彼女は地獄に住まう少女のようだった。
少女の名は、スーザン・あんとん子と教えられた。
最終更新:2008年04月07日 03:38