大学生になったので一人暮らしをしようと借りた格安のマンションは幽霊ツキだった。
どうりで安かった訳だ。

今も部屋の隅に立ってうらめしげに俺を見ている。
年は17才位だろう。
容姿は…端麗と言っても良い、キレイな顔立ちをしている。
「そんな顔してないで笑えばいいのに。美人なんだからさ」
とりあえず、女には誉め言葉だ。
「ペッ!キモイんだよ、ファック野郎がよぉ、ブサな面に臭いセリフは合わないぜ?」
少女は唾を吐きながら言い捨てた。
毒舌家だ。

「つーか、ここ、俺の家なんだよ。分かる?オマエは不法侵入者なんだぞ」
ちょっと高圧的に出てみた。
「男のくせにグダグダうっせーなぁ、てめーチンポついてんのかよ?
さっさと実家に帰ってママンのパイオツでもしゃぶってな細菌野郎」

ダメだよママン、この幽霊話が通じないや

実際問題向こうから何かしてくるって事はないし、ただうらめしげに見てるだけ。割り引かれた家賃分を考えると十分元はとれる。
そう考えた俺は少女は放っておく事にした。
お守りも肌身離さず持っているし大丈夫だろう。
何事も無い日々が流れた。

そんなある日俺は評判のメロンパンを買って家に帰った。
最終更新:2008年04月07日 03:54