おーい、これみてくれ
「お、なんだなんだ? ありゃ、右の手のひらがはれてるじゃん」
おう。なんか腫れた。
「おいおい、変な病気じゃないだろうな」
うーん、痛みはないからな。少し様子をみるつもりさ。
「そうか、まぁ、お大事にな」
ああ、ありがとう。

…一週間後…
おーい、これみてくれ、見てくれ
「ん、手の腫れひいたか?」
いや、こんな状態。
「げ、まだはれてるじゃないか。それにすこし、へんじゃね?」
ん。なんかさ、腫れの部分に筋があるんだよね。なんか、顔見たくね?
「きもいぞ、それ。早く病院いけよ」
いやぁ、だって痛くないしさ。病院嫌いだし。
「なんで、こんなことなったんだよ」
んー、お地蔵さんに小便ひっかけちまったのが原因かな
「おいおい、それだろ、間違いなく!!」
あははぁ、まぁ、害はないからもう少し観察するよ。どうなるか、気にならねぇ?
「いや、まぁ、気になるけどさぁ。っておい、こら話し待てよ」
あっはっは、楽しみ楽しみ……

……3週間後……
「最近、あいつみねぇな」
「なんか入院したらしいぜ」
「え、マジで?」
「ああ、なんか、大怪我らしい」
「おいおい。洒落になんねぇな」
「で、病院どこよ」
「○×病院泌尿器科」
「は?」

……病院……
ああ、お見舞いに来てくれたんだ。
「どうしたんだよ、一体。手のひら大丈夫か」
ああ。ほら、このとおり。
「あ、すっかりきれいじゃん」
ああ。あのあとさ、やっぱり、手の腫れに顔ができてさ。
「い、マジかよ」
マジも大マジさ。で、その顔がすんごくかわいかったんだ。
「はぁ…。おまえ、のんきだな」
あまりかわいいから話しかけてみたんだけど、しゃべることはできなかったみたい。
「…」
俺、彼女いないジャン? なんか恋人ができたみたいでさ。病院やお祓いに行くつもりはさらさらなかったんだ。
まぁ、だけど、ほら、俺思春期ジャン? むらむらってとめられないわけよ。
最初の頃は手袋して、左手で、マイスモールラヴリィ・ティムを発電させてたんだけどさ。
「…まぁ、男だしな。お前左利きだっけ?」
いや、右利き。だからそのうち、めんどくさくなちゃった。
よく考えると、右に顔ができても俺の手なんだからさ。右手で発電すればいいわけで。
「…」
で、かわいい顔もついてるだろ? ちょっと魅惑的な提案が俺の頭に浮かんだわけよ。
「それってつまり…顔のついた手で、自家発電?」
おおあたりぃw もう、俺のラヴリィ・ティムは異様にギンギン。それにその日家に誰もいなかったしな・・・で
「握ったと」
ああ。でもやっぱりしなきゃよかった。
ほら

……

…学校…
「どうだった?」
「あいつ、ほんまもんの馬鹿だ。じゃなきゃきっと大物になるんじゃね?」
「いや、あいつは馬鹿だろ」
「まぁ、とにかくあいつはあの後布団をばっさりはがしたのさ」
「ほう、それでそれで」
「あいつのティムには、くっきり大きな歯型がついてたよ」
「うは。手は」
「気がついたら元に戻ってたって」
「んでなあいつ、あの日ティムから大量の出血して貧血で部屋で倒れてたんだと」
「うえぇ。ってあれ? それってやばかったんじゃね?」
「ああ。だから大怪我さ。救急隊員はその出血量に驚いたんだとよ」
「いや、そうじゃなくて、あいつ以外誰も…いなかったんだろ」
「そう。誰が電話したんだろうな」




…病室…

ピー
伝言メモガノコッテイマス

…ァ、アンタノタメニ救急車呼ンダンジャナイカラ、懲ラシメル相手ガ死ンダラ意味ガ無イカラナンダカラ…
……………タ、退院シテ又機会ガアッタラ今度ハ……優シ

ピー

―END―
最終更新:2008年05月26日 00:17