夜の山 闇に包まれた一軒の山小屋 一人囲炉裏にあたる若い猟師
猟師「・・・」
覚り「・・・」
猟師「・・・っ!」
覚り「お前(何だコイツ いつの間に小屋の中に!?)と思ったろう?」
猟師「・・・っ!」
覚り「お前(何だ いきなり何言い出すんだコイツ?)と思ったろう?」
猟師「・・・っ!?」
覚り「ククク・・・お前の思っているとおり私は覚りの化け物だよ」
不敵に笑い猟師の脇で囲炉裏にあたりだす覚り
猟師「・・・」
覚り「お前(壁に立てかけた銃で撃ってやろう)と思ったろう?」
猟師「!!」「・・・」
覚り「お前(銃を取れないなら何とか隙を突いて懐の鉈で・・・)と思ったろう?」
猟師「・・・っ!」
覚り「そう、お前の思っていることは全部読まれてしまうんだ
今思っているとおりお前は私にこのまま喰われてしまうのさ」
失望する猟師 余裕の笑みで猟師を見据える覚り 深い沈黙
バチバチッ!!
刹那 爆ぜる囲炉裏の火 真っ赤な木片が覚りの顔面を襲う
覚り「・・・っ!」
猟師「・・・っ!」
覚り「・・・どうしてかばった?」
猟師「・・・」
覚り「私はお前を喰おうとしていたのに あのままいけば私は木片で大ヤケド
お前は助かったかもしれないのに 恩でも売るつもり!?」
猟師「・・・」
覚り「何よ、さっきから(俺にもわからない)ばっかり!自分は背中にヤケドしといてバカじゃないの!?」
猟師「・・・」
しばしの沈黙 すと立ち上がる覚り
覚り「人間って自分の思ってもみない事をしちゃうものなのかしらね(微笑)」
そのまま不意に眼前から消える覚り
その後、その山で覚りの害は聞かない
最終更新:2008年05月26日 00:18