両親が事故で急死した。
そして親の経営していた会社の莫大な借金だけが僕に残された
家を売り払いなんとか返済したがこれからの衣食住はどうしたものか?
とりあえず住み込みのバイトを探してみると
幸運にもぴったりのバイトを斡旋された。
倉庫管理の仕事だ。
食事つき
簡易寝台つき
シャワーつき
そして、いわくつき
次々とバイトがよく怪死する為時給はかなり破格。
背に腹は代えられないとさっそく今日から働く事に。
深夜、三時
やはり出た。
見回りしていた僕の目の前には
ちょっとシースルーなオネェさんが立っている。
「何?あんた新しいバイト?」
いきなり詰問ですか?
「どこも人手不足ね、あんたみたいな坊やまで駆り出されるなんて」
ちょっとつんとした美人の見た目に相応しい刺のある物言い。
少しソフトM入ってる僕のハートはワクワクテカテカ。
「ぼ、僕と友達になってくれませんか?幽霊なんて気にしません!」
とりあえずコクってみた。
オネェさんはちょっとびっくりしたように僕を見たが「かわった子ね。別に構わないけど?」と
答えてくれました。
それから一週間
僕とオネェさんは暇なときにはよく話をするようになっていた。
オネェさんは地縛霊だけど別に何かに恨みがあるわけじゃないらしい。
「成仏するのもめんどいしぐだぐだ幽霊してる方が気楽なだけよ」
とは本人談だが結構ダメ人間だ。
そんなある夜
僕が寝台で寝っ転がっていると
オネェさんがすーっと入ってきた。
「あら、起きてたの?」
「うぃ、何の用ッスかぁ?ま、まさかヨバイ?」
「そんなようなものよ」
冗談に素で返されてんですけど!
「ちょっとね、お願いがあるのよ坊や」
「な、な、な、何ッスか」
「あんたの精気を分けてくれない?」
精気!
古より牡丹灯籠の例を出す迄もなく!
女幽霊が男からエチーに吸い出すアレっすか!
オネェさんいわく、恨みパワーを持たない霊が現世に留まるには定期的に男の精を補充しなければならないとか。
「ぼ、ボク初めてなんスけど…」
「そう、大丈夫よお姉さんに全部任せなさい」
ああ、念願の初体験…
うっとりとしている僕の胸にしなやかなオネェさんの手が伸びて…
そのままずぶずぶと入り込むと心臓を鷲掴みに。
「えー何か思ってるのと違うんスけど」
「大丈夫、みんなやってる事だから。じゃ、いくわよ」
ズギュン!ズギュン!ズギュン!
なんか嫌な擬音と共に僕の体から水分と生命力が急激に吸い取られる。
オネェさんはガクガク痙攣する僕の頭に顔を寄せて囁いた。
「本当はね、他の奴らみたく死ぬまで吸い取ろうと思ってたのよ?
でも少しだけ残してあげるだって私たち…
友達だもんね?」
大人の仲間入りは無理だったけど
死人の仲間入りしなくてラッキー!
最終更新:2008年11月30日 15:41