①
財産家だった父が死に私のもとには莫大な遺産が手に入った。
その中の一つに閑静な避暑地に建つ別荘がある。
私は遺産に虎視眈眈な叔父をはじめとした親族連中を忌避する為、そこに移り住むことにした。
もともと人嫌いなのだからちょうどいい。
ここで一人ひっそり
生きてくのも悪くない…
そんな事を考えながら鍵を開けて中に入ると、怪しげな声?いや歌か?が奥の客間から聞こえてきた。
「にゃ~にゃ~♪にゃ~にゃ~♪
にゃんこのお腹はモ~フモフ♪」
恐る恐る覗いてみると野良猫を抱えんで床をごろごろ転がり回る少女がいた。
イタいのが不法侵入?
幸い敵は猫の腹に顔を埋めているのでこちらには気付いていない、今が通報のチャンスだ…
と、少女はふいに顔を上げ、ばっちり目線があってしまった。
②
「……見た…見ちゃった、わよね?」
嫌な迫力を持った声を絞りだして問い掛けてくる。
「いや、別に何もみてな」
「 嘘 だ ッ !!!」
怒鳴られた。
「貴様、見てるな!?
否、見ていたに違いないッ!
私が嫌がるにゃんこに
腹ずりしたりにくきゅーをはむはむしたりしていたのをぉぉ!!」
「嫌がるなら止めてやれよ」
突っ込んでみた。
「にゃんこは許してくれるからいいのよーッ!
とにかく!見られたからには殺すッ!呪い殺してやるぅ!」
顔を真っ赤に染め両手をブンブン振り回して地団駄ふみながら叫ぶ少女。
③
「の、呪い殺すのか?」
「そうよぅッ!
私てば、超ゴイシャス(ゴイス+デリシャス)な悪霊なんだから!」
「マジか!?」
「マジよ!!
そらそらそら感じるわアルファケンタウロス第二星雲の暗黒太陽から届いた七色荷粒子レインボーメモリーが私のピーチボーイ右脳視下部でデレツンパゥワーに精製されてノロイTHE心筋梗塞を誘発せしめんとおぞましくも蠢いてバイオレンスコックをブチこむかもあぁきたきたきたデレレレレッツーンツーンツ
「落ち着け」
ズビシッ!
毒電波を受信してあらぬ事を喚く少女の首筋に手刀をたたき込む。
「はぅ」
妙に乙女チックに倒れる少女。
弱ぁ
④
悪霊とか言っていたが、よく見ると足首から下だけが確かに透明だ。
随分レトロタイプだが確かに幽霊なのは間違いないようだ。
「う…うぅーん」
もう目覚めようとしてる。
復活早っ!
「は!わ、私は何を?え?あなた誰?」
記憶が㌧でるようだがこれなら落ち着いて会話が出来そうだ。
「この屋敷の住人になるだが」
「えぇぇ!?ここ空き家じゃなかったの?つーか何で今頃?ずーっと誰もいなかったのに」
「親の遺産だから引っ越したんだよ、まさか不法占拠者がいるとは思わなかったけどな」
⑤
「いいのよ!私悪霊なんだからどこにだって住んでいいのよ!…でもあなたこんな広い家に一人で住むの?」
「その予定だが」
「チッ、ブルジョワ豚め我々国民の血税でブクブク肥え太りやがって」
「納税してないだろお前」
「うるさい!
て、訳でこの私が一緒に住んであげるわよ!
感謝しなさいよねっ!」
「…は?」
「だーかーらー!
私が一緒にいてあげるの!
べ、別にあなたの為って
訳じゃないんだからね、えーっと、そう!私地縛悪霊だから仕方ないのよ!」
なんとなく分かった。
きっとこいつは一人きりで淋しかったのだろう。
自分もそうだったからよく分かる。
「まぁ、いいか…幽霊ってのも面白そうだ」
「幽霊じゃない!悪霊よ!」
こうして俺と悪霊の奇妙な生活が始まった…
【続く…かも知れない】
最終更新:2011年03月02日 20:46