ある日、借金返済のために麻雀打ったんです。
負けたら生命保険で支払うしかないような額です。つまり死ねってことです。
相手はコンビ打ちで、どう考えても不利でした。でも勝つしかありません。
ここまで3位・4位・3位で、いいところがありません。
そんな状況で迎えたオーラス、大物手が来ました。巻き返しのチャンスでした。
でも、その大物手を和了るためには対面のド本命牌を切らなくてはなりませんでした。
その牌を切らなくても、一応安めのテンパイには受けることができる形です。
悩んだ末、死亡確定のような危険牌を切ることはできないと思いました。
その時です。
「死ねば助かるのに…………」
誰もいないはずの後方からそういう声が聞こえてきました。
それで、自分がただ怯えていたことに気づかされました。
オレが今やっているのは博打だ。
どうせ死ぬなら強く打って……死ねっ…!
その牌は通り、無事逆転トップを取ることができました。
後に知ったことですが、あのときはじめに切ろうとした牌は、下家のアタリ牌だったそうです。
雀荘を出るとき、助言をくれたと思われる子供がいたので、手を合わせてお礼を言いました。
「いや、ホント助かったよ。ありがと」
「ば……ばかっ、あんたなんか死んじゃえばよかったのよ!」
「お礼しないとな。また来週きてもいいかな」
「ダ、ダメっ! また負けそうになったら危ないわゎ!!!」
翌週、なんか栄養ドリンクを持って代打ちをしてくれました。
買いすぎただけで、決して敵地で出される食べ物を口にしないためではないそうです。
ホラ書いたぞ
最終更新:2011年03月04日 09:50