家族で引っ越した田舎町。
古びた日本家屋が今日から我が家だ。
ずっとマンション住まいだったので新鮮だし、意外と住心地も悪くない。
何も問題はない。
なぜか俺の部屋にへんな女の子が居る以外は。
本人は座敷童子と主張している
「つまりあれか?家に住み着くとその家に幸せが訪れる、というあれか?」
「そうよ、本当はあんたなんかどうでもいいけど、幸せにしないと私の存在意義が揺るぐのよ
べ、別にあんたの為じゃないんだから!
勘違いしないでよね?」
ま、別にホントに幸せが訪れるとかはどうでもいい。
真性ロリの俺は座敷ちゃんが同じ部屋にいるってだけですでにイッちまいそうな程幸せだからだ。
「で、幸福を呼ぶ具体的な方法なんだけど。ちょっとした儀式が必要なのよ」
「儀式?」
なんかヤバい、怪しい宗教みたいだ!
「別に大したことじゃないわよ?
わ、私を…だっこしなさい」
?だっこ?
「な、なでなでしなさい」
…
「な、なによその目は!
仕方ないじゃない、伝統的な儀式なんだから!
私だって死ぬ程嫌なんだけど我慢してあげるんだからね!?」
ビバ、伝統!
合法的に幼女をだっこ出来るなんて素晴らしい!
「よーし、では遠慮なく熱い抱擁をくれてやるぜ」
「ちょ…や、やさしくしなさいよ!?」
きゅ
なでなでなで…
俺のなでなでに気持ち良さそうに目を細める座敷ちゃん。
「な、なにニヤニヤ見てんのよ!儀式だから仕方なくなでさせてやってんだから!調子にのるんじゃないわよぅ!」
なでなでなで…
「はぅぅ…はわわ…」
頭頂部が弱いらしい。
斯くして儀式は無事に終わった。
座敷ちゃん曰く、三日後から劇的な幸せが訪れるらしい。
俺はワクテカしながら待った、座敷ちゃんも付きっきりだ。
「結果を見届けなきゃいけないからいるだけなんだから!」
とは本人談だか
物欲しげに足元にまとわりつく様子はいかにも『ナデナデシテー』、って感じだ。
そして四日目の朝がきた。【続く】
そして迎えた四日目の朝。…
俺の親父が脳溢血で死んだ。
「おいおい!座敷!
幸せが訪れるんじゃねぇのかよ!?
なんで親父が死んでんだよ!」
当然、座敷ちゃんを問い詰める。
「莫大な保険金がおりたでしょ?
幸せになれたじゃない」
彼女は酷薄な笑みを浮かべて平然と言い放つ。
「こんなのは違う!」
「我儘ね、いいわよ?
さぁ私をなでなでしなさい
あんたに似合いの幸せを運んであげる…」
こいつは…
今更ながら彼女の危険性に背筋が冷やした。
しかし、俺はすでに魔に魅入られたている。
何もかもが手遅れだった。
そして時は過ぎた…
家族、友人、知り合いは皆変死し
俺自身も原因不明の事故で半身不随。
もう右手しか動かす事が出来ない。
そして彼女はいまも俺のそばにいる。
『右腕だけは残してあげる、なでなでに必要だし、ね』
天涯孤独で不自由な身体になった俺を彼女の世話で何とか
生きていられる。
そして今日も彼女は俺になでなでを強いりながら嘲笑う。
「幸せでしょう?
あんたの好きな幼女と二人っきりの甘い生活だものね?」、と。
最終更新:2011年03月04日 10:07