ある日、干し芋を買ったら部屋に変な女の子が現れた。何でも、干し芋の精霊らしい。
曰く、食べないで欲しいとのことだった。なので、仕方なく食べないで置くことにした。
干し芋の精霊は加賀愛と名乗った。
毎日、愛を風呂に入らせれば干し芋にカビとか汚れはつかないらしいのでとりあえず入らせた。
何かある度に「すいません、すいません」と謝られた。
料理を作ってくれて美味しいよ、と言ったら「別にあんたの為に作ったんじゃないんだからね」と言われた。
素直になれないみたいだった。
それから一年経っても俺の部屋には干し芋が朽ちずに置いてあった。
相変わらず愛は何かあれば謝ってくるし、素直になれない。
だけど、彼女も最近になって素直になってきた。慣れてきたのかもしれない。
そんなある日、
「ずっとここに居ても良いですか? あ、私なんか居たら迷惑ですよね。すいません、すいません・・・!!」
そう言うもんだから、俺は頭を撫でた。
ここに居て、ずっと。俺がそう言うと愛は嬉しそうに、おどおどとしながら、混乱していた。
「わ、私なんかいたら迷惑じゃないですか? 私、芋ですよ? 干し芋ですよ? だけど、でも・・・えっと・・・」
あれから更に数年の月日が流れて、今。俺の部屋には未だに愛が居る。
当然、俺の部屋には未だに朽ちていない干し芋がある。
その干し芋を普通の人が見たら何事かと思うだろう。多分ね。
だって、干し芋には、結婚指輪がはまっているのだから。
このプロットで何か書ける気がした。
最終更新:2011年03月05日 22:19