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秋だねぇ。服装も皆、落ち着いてきたし。でも、俺には季節感がいまいちなんだよなぁ。
「ってわけでどうにかならないものかね?」
俺は、病室の窓に寄り掛かりながら眺めていた通りからから隣に視線を移す。
『いや、いきなりなんなの?死ぬの?それとも、死にたいの?何で死ななかったの?』
先程から、俺の隣にずっと立っている季節感のない女。キャミソールとホットパンツなんて、夏真っ盛りな出で立ちで毒を吐いてくる。
「いや、死ぬわけないでしょ。一時期は、危うかったらしいけどね。ま、所詮はトラック。俺様の敵ではなかったのだよ」
『へぇ、右手足骨折に頭部強打による右半身マヒって、重体じゃない?』
「マヒは、治り始めてるよ。ってか、原因はおまえが俺のバイクの後ろに飛び乗ってきたことなんだけどな」
そう、こいつは幽霊。自縛だか何だか知らないが、俺に取り憑いたらしい。俺が、意識不明から目を覚ましたときに目の前で涙を流しながら覗き込んでいた。
『あ・・・いや、ごめんなさい。あんな酷い事になるとは、正直考えてなくて・・・えっと・・・ごめんなさい』
いやいや、そこは強気にまぬけとかツッコミで返してくれよ。
「気にするな。俺が、もともとスピード出し過ぎてただけだ。お前は、そんな俺に警告しようとしただけだろ?警察の人から聞いたよ。四年前にあそこで、スピードの出し過ぎで酷い事故が起きて、信号待ちしてた歩行者の女の子が亡くなったって。ありがとう。お前は、優しいな」
俺は、そう言ってそっと彼女を引き寄せて優しく頭を撫でてやった。まだ若くて、これから楽しいことが山ほどあっただろうに・・・辛いよな。
『・・・・・・ばか。勘違いしすぎだよ。私は、ただ触れる人間が珍しくて、取り憑こうとしただけだよ。ん・・・ねえ、あの時みたいにして』
俺の胸に頭を預け寄りかかる彼女の要求どうりに、そっと頬を撫で涙を拭ってやる。
それは俺が、目覚めた時目の前で涙を流す天使のような彼女を見て、初めにやってあげたことだった。
「・・・やばいな。離れられなくなったかも」
俺が、ぽろりと溢した本音を聞いたのか彼女は、俺の胸に顔を埋めてきた。
一応、肋骨も折れていて痛いのだが、それ以上に可愛すぎる。
『・・・ばーか、あんたが離れようとしても、私が放すわけないでしょ』

俺・・・落ちちゃった。
最終更新:2011年03月06日 07:18