彼氏に二股かけられた上に振られた。
とぼとぼ歩いていると、近所の神社に辿り着いていた。
人気の無い場所に来て余計に寂しさが募ったせいか、ポロリと、涙が零れ落ちそうになる。
ほぼ同時に、頬に、冷たいものが落ちた。
やや肌寒い雨降る秋の夜、雨に紛らせて涙を流した。
ふと、幼い頃に、雨が降る日だけ一緒に遊んだ男の子の友達がいた事を思い出す。
顔を上げると、御神木の枝の上に、その子によく似た男の子が腰掛けているのを見つけた。
彼はこちらに気づくことなく空を見上げていたようだけど、なんだか恥ずかしくなって、急いでその場を後にした。
そこに祭られているのは、降雨神らしい。
最終更新:2011年03月06日 07:22