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古本屋の片隅で呪いのビデオとかいうの発見した。
見ると一週間後に死ぬっていうけど、この科学万能の時代にそんなことあるわけない。

その日のうちに最後まで見た。ちょっと気持ち悪かったけどなんてことない。寝る。

一週間後の今。
なんか、電源もつけてないテレビ画面に井戸が、あれ、あの女たしかビデオに出てた。
うわ、近づいてくる、え、ちょ、画面からはみ出て。

あれ?

……手。
「……?」
その手、爪が全部取れてるじゃん。痛くないの?
「…!?い、痛いわけないじゃない!
そんな優しいこと言って懐柔しようとしても駄目よ!
絶対あんたを呪い殺してやるんだから!」
「えっと、確かここに薬箱が…バンソーコーバンソーコーっと……あったあった。
はい、手出して」
「ちょ、何考えてんのよ!余計なことしなくていいからほっといてって……ああ!
わかった、わかったからそんなすねた顔しないで!ほら、さっさと貼りなさいよ!」

そのまま彼女は居着いた。借りを返してから俺を呪い殺すつもりらしい。
名前は「さだこ」。可愛い名前だねって言ったら顔を真っ赤にして殴りかかってきた。
まだ怒ってる。とりあえず彼女の好物のエビグラタンを買ってきた。
これで機嫌直してくれればいいけど……

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仕事を終え自分のマンションへと帰る。
エレベーターに乗ってる間、手に下げたコンビニ袋を見る。中身は杏仁豆腐だ。
あいつはトロトロなものが好きだって言ってたからきっと気に入るだろう。
やがてエレベーターが止まる。俺は自分の部屋の前に立った。
ドアノブに手をかける。カギはかかってない。
……?
なんか聞こえる。もしかして仲間でも呼んだか?
………耳を済まして聞いてみるか。

「な、なによ!そんなこと言ったって信じないんだから!
こんな、オ、オチンチンがついた女なんて好きになる男なんているわけないじゃない!」
「……そんなことないよ」
「えっ?」
「確かに君は、普通の人とは違う姿と力を持って産まれてきた。
でもそれは君のせいじゃないし誰のせいでもない」
「………」
「そのことで自分を卑下する気持ちはわかる。でも俺は君のすべてが好きなんだ。
両性具有であることも、特殊な力を持っていることも、なにもかも全部含めて
君のことが好きなんだ」
「…信じていいの?ホントに、信じていいの?」
「ああ」

………ただいま~~。
聞いてるこっちが恥ずかしくなってきたので、俺はわざととぼけた声を出して
ドアをゆっくりと開けた。

彼女は部屋のド真ん中に一人つっ立っていた。やはり一人芝居か。
「………」
なにその猫背ぎみで顔の前にたらした前髪から目だけ覗かせてるポーズ。
赤くなった顔隠してるのがバレバレだが、一応ビビッた演技しておいてやった。
最終更新:2007年03月19日 05:25