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安価『巫女』/巫女社長 - (2008/09/07 (日) 20:46:40) の編集履歴(バックアップ)


241 :巫女:2007/09/20(木) 17:05:11.85 ID:kbkJSKK8O
>239 
たぶん死ぬ
根拠は無い。

じゃあいくぜ

俺の親父は神主だ。
そんなわけで、神社の仕事等をよく手伝わされたりする。
小さいころからやっていたので特に苦に感じることはなかった。

少なくても俺が女体化するまでは・・・

ある日の朝、俺は女体化していた。
「やっぱりか・・・」
前々から覚悟はしていた。
だからそこまで動揺はしていない。

「父さん、母さん、
      • こんなんなりました。」

居間に行き女体化の報告をする。
父さんも母さんも驚いた様子は無い。拍子抜けだ。




242 :巫女:2007/09/20(木) 17:05:35.73 ID:kbkJSKK8O
「それじゃあ、お洋服用意しないとね。」
母さんはなんか嬉しそうだ。
「女になっても、仕事は手伝ってもらうぞ。」
父さんはいつも通りだった。
その後、母さんと衣服や生活用品等を買いに出かけた。
帰ってきたら、もう学校の下校時間位になっていたと思う。

家に帰ると、丁度父さんがいた。
「おお、帰ったか。
早速で悪いが手伝ってくれ。」
「うん、いいよ。」
パサッ
何か渡された。
「何これ?・・・巫女装束?」

それは、うちの神社で働く本職巫女の人達が着てるものだった。

「父さん・・・これはどういうこと?」
「どういうことって、そのままの意味だ。
神社の娘が巫女をやるなんて結構普通のことだぞ。」

たしかに、そうなんだが・・・
「俺は息子だろ。
なんでそんなの女体化した位で
着なきゃいけないんだよ。」



243 :巫女:2007/09/20(木) 17:05:58.19 ID:kbkJSKK8O
「ゴチャゴチャ煩いぞ!男なら黙って巫女備束を着なさい!」
言ってることが滅茶苦茶なのだが、
怒った父さんは怖いのだ。
俺は
「ヒィ、すいません。」
といって逃げるように自分の部屋に行く。
巫女装束に着替えるために。

俺は今、神社の中庭にいる。仕事は特にしていない。
父さんに
「いいから、そこにいろ。」
といわれたのだ。
周りには無数の人々・・・
カメラのシャッター音がうるさい。

「ハメラレタ・・・」
うちの神社にはいわゆる、こっち系の人達がよく来る。
巫女の人達が美人揃いだというのが原因だろう。
父さんはそれを辞めさせずに、あえて引き入れている。
写真を撮るのに金をとってる位だ、
そのおかげで、収入ががっぽり。
神社なのでお金がそのまま入ってくる。

今回、俺はその餌にされたのだ。




244 :巫女:2007/09/20(木) 17:06:26.77 ID:kbkJSKK8O
だからと言っても何も言えない。
父さんはそれほど怖いのだ。

俺はその場でシャッターの光を浴び、立ち尽くすしかなかった。

そんなことをしていると。
「あれ?新しい娘がいる。
お名前教えて。」
なれなれしい奴がやってきた。
心の中で今、最も会いたくないと思ってた奴。
同じクラスにして、うちの神社の常連。
そんなわけで、つけられたあだ名、「巫女萠王(みこもえキング)」
吉田祐作(よしだゆうさく)

こいつは、さっきも言ったが、うちの神社の常連で
自然と俺ともよく会う。
なぜかしらんが話があい、仲良くなってしまった奴だ。
だが奴の巫女萠えだけは、理解できない。
多分、
小さいころから自然と巫女の人達とふれあっていたせいだろう。
まぁ、わかりたくないが。

「祐作。俺だ、神崎真咲(かんざきまさき)だ。)」



245 :巫女:2007/09/20(木) 17:06:52.39 ID:kbkJSKK8O
真咲という漢字が女っぽいが気にするな。
俺のコンプレックスだ。
「へぇ、真咲ちゃんね。
いい名前だね・・・って真咲!?」
祐作が混乱している。
今思えば、こんな反応をしてくれた人は初めてだ。
父さん母さんはともかく、
巫女の人達も自然と対応してくれた。

何ていうか、この反応が嬉しかった。
「そうだよな。普通おどろくよな。
皆、普通の対応で少し怖かったんだよ。」

俺は喜んだ、友の手をとり、喜びを分かち合おうとした。

それがいけなかった。祐作のスイッチを入れてしまったのだ。

「ま、真咲・・・ちょっと、そこの物陰に行こう。話がある。」
そう言い、俺を引っ張り何処かに行こうとする。

あれっ?祐作?どうしたんだ?
なんか目が怖いぞ。
ヤバイ!何か知らんけど、こねままではマズイ。

俺は拳を握りイカレタ祐作の顔面に力一杯叩き込む。



247 :巫女:2007/09/20(木) 17:07:21.38 ID:kbkJSKK8O

「ぐへぇ!・・・っは。俺はどうしたんだ?」
正気に戻ったようだ。よかった。

「すまん、真咲があまりにも可愛くなってて正気を失ってたようだ。」
いや許さんよ、これから地獄のフルコースを食らわしてやる。

「いや、いいよ。それなら仕方ないし。」

あれっ?何で許してるんだ?
顔が熱い。

ま・さ・か?
可愛くなったといわれて喜んでるのか?

マズイぞ、これはマズイ、かなりマズイ。
このままでは、身も心も乙女になってしまう。



251 :巫女:2007/09/20(木) 17:10:31.47 ID:kbkJSKK8O
「祐作、スマン、用事あるからちょっと、」
と言いその場から逃げる。
祐作が「ちょ、待てよ!」
等とキムタク風に言ってたが気にしない。

「ふぅ、ここまで来れば・・・」

「お、激マブの巫女ちゃんがいるじゃないの。」
泣きっ面に蜂とはこのことだろうか、
そこには、こっち系の人とは、
別のそっち系の人達がいた。

いわゆるヤンキーだ。
冷やかしによく来て。巫女の人達にチョッカイをだしていく、
こっち系の人達は、
気持ちは悪いが実害はなく、
結構話の分かる奴なのだが・・・

「そんな巫女服なんて着て、コスプレしてないで俺達と遊ばない?」
こいつらは、話がわからない。
いや、おそらくは理解できる脳味噌が無いのだろう。

そんな姿を見てると
俺の何かがキレた。
今朝から結構ストレスが溜っていたのである。




253 :巫女:2007/09/20(木) 17:11:24.86 ID:kbkJSKK8O
「好きで着てるわけねぇだろが!このタコが!
俺がどんな気持ちでこれを着てるか考えた事あんのか?
ああ、そうか、考える、脳味噌がないのか。」
叫んだ。そして後悔した。
や・ば・い。
奴らはキレていた。
「はぁん、そんなに着たく無いんなら、
俺らが脱がしてやんよ。
おい、そいつをおさえんぞ。」
俺は抵抗も虚しく捕まった。
口をおさえられて声も出せない。

怖い、この後何をされるか解るから余計に怖い。

助けて、だれか助けて。
声は出ない。

俺はそのまま、何処かに連れてかれて行くのだろう。
そんな時
「ちょ、待てよ!」
キムタク風に誰かが叫ぶ。

祐作!?

「はぁ、オメェ誰よ。」
ヤンキーが問う。
それに祐作が答える。「正義の味方さ。」
キモい、キモすぎる。
でも、何でだ?



256 :巫女:2007/09/20(木) 17:11:46.60 ID:kbkJSKK8O
滅茶苦茶カッコイイじゃないか。
ヤンキー共は笑ってた。
「じゃあ正義の味方さんが俺達を成敗してくれんのか。
アホじゃね、逆にフルボッコにしてやんよ。」
確にそうだ、こんな人数に一人で立ち向かえるはずかない。

しかし、祐作は冷静だった。
ため息すらはいてる。
「アホはお前らだ。」
「はぁ!?」

「ここに何人の巫女萠えがいると思ってんだ?
俺が一言、巫女さんがイジメられている、
と言えば何人の怒れる巫女萠えがくると思う?」
ヤンキーはそれを聞いて怯んでるようだが
虚勢をかます。

「はっ、貧弱なオタクが何人束になっても
怖くねぇよ。」
「巫女萠え舐めんなよ!」
「なっ!?」
「巫女萠えの中には体鍛えてる奴もいるさ、
プロの格闘家だっている。
かくいう俺もボクシングをかじっていてね、
お前らぐらいなら問題ない。」



257 :巫女:2007/09/20(木) 17:12:20.94 ID:kbkJSKK8O
ボクシングスタイルをとる祐作。

ヤンキーはそれを聞き、顔はみるみる青くなっていく。
そして、ヒィィィィっと情けない叫び声をあげて逃げていった。
「いいきみだ、社会のゴミめ。」
そんな虚勢をはっていた俺だが、
体は震え歯の寝もガチガチ。
その場にへたりこんでしまう。

「大丈夫か?」
祐作が優しく声をかけてくる。
「だい・・じょうぶに・・きまってん、だろ。」
俺の声は震えていた。
「そうだな、真咲なら大丈夫だよな。」
俺の強がりは簡単にわかるものだ。
祐作はそれにあえて騙されてくれた。
祐作は優しい。
この時、俺の心は乙女になっていたと思う。
しばらくして、俺は落ち着いた。
「祐作、ありがとう。
お前が来て本当に嬉しかった。」
「なに、巫女萠えとして当然のことを、したまでだ。」
胸をはる祐作。



258 :巫女:2007/09/20(木) 17:13:02.70 ID:kbkJSKK8O
はたから見ればキモいのだが、
俺はそんな姿を見てカッコイイと思っている。
もう、自分でも理解している。
祐作を好きになってしまったのだ。
その感情に対して嫌悪感はない。
むしろ大切にしたいと思ってる。


「祐作。」
「なんだ?」
「俺の巫女姿をどう思う。」
言ってしまった。
私、綺麗?ときいてるようなものだ。
キモいなんて言われたらどうしよう。
不安になってしまった。

「最高。」
「へ?」




260 :巫女:2007/09/20(木) 17:14:46.75 ID:kbkJSKK8O
「俺のストライクゾーンど真ん中。
巫女服もさることながら真咲のルックスも最高。
今すぐ結婚して下さい。ってぐらいかな。」
「ふーん、そうか。
お前キモいな。」
そんなことをいってるが、
俺は心の中で飛びはねて喜んでいた。

やったー、やったぞ。滅茶苦茶嬉しい。
いま最高にハッピーだ。
その日は祐作とずっと話していた。
心臓はドキドキと煩かった。


その日から、その神社には、
いつも嬉しそう巫女装束を着ている俺がいた。




262 :巫女:2007/09/20(木) 17:16:04.30 ID:kbkJSKK8O
なぜ嬉しいかって?
そんなの決まってる。
通称「巫女萠王」
巫女さん大好きの祐作を待っているのだ。

ほらきた、いつも通り全力ダッシュで走ってくる。
俺は毎日、その巫女萠えを待っている。
気持ちはまだ伝えてない。
今はまだいい、
だがこの気持ちはいつか伝えるつもりだ。

この・・・大切な気持ちを。
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