安価『花冠』

風が通り抜ける平原に、二人は寝転んでいた。
「晴れてよかったねー」
「そうねー」
「風が気持ちいいねー」
「そうねー」
「こうやってなにもしないでいるのもいいねー」
「そうねー」
「人目もないしねー」
「それはいい加減慣れなさいよ」
「あぅ…」
「それはそうとお腹減ったわねー」
「えと、ボクお弁当作ってきたよ」
「流石ね」

~30分後~

「やー、美味しかったわー。水月、あんたいい嫁になるわよ。…あたしの」
「ボクが…お嫁さん…あきらちゃんの…ぁ、あぅ」
「ふふ、可愛い。…なんだか眠くなってきちゃったわねー」
「あきらちゃん、あきらちゃん♪」
膝をポンポンと叩く。
「え゙、流石にそれは恥ずかしいわよ。それに、た、立場が逆」
「そーだねー…でも、だーめ♪」
「し、仕方ないわねー」
「ふふ…♪」

「ほら、シロツメクサの花冠だよー」
「ホント器用よねー」
「そんなことないよー。意外と簡単だよー。ほら、ここをこうして…」
「あー、無理。あたしには無理」
「あはは♪…覚えてるかなぁ、昔もよくこうして遊んだよね」
「そうねー。鬼ごっこかなんかして走り回ってて、水月がコケて、それで泣いて…」
「あきらちゃんは昔から泣かなかったよね。ボクなんか今も泣きそうになるのに…」
「あんた、そりゃ弱すぎよ」
「お、女の子になってからだもん!」
「だとしても」
「あぅぅ…」
「そういえば花冠も昔二人で編んだわね。あたしが編んだ方ぐちゃぐちゃになっちゃって…」
「…今でも押し花にして取ってあるよ」
「え…?」
「だって、大切な想い出だもん…」
…チュッ
「えへへ♪」
「…………」
「ん?」
「水月ぃぃぃぃぃぃぃィィィィィィッ!」
「あ、あきらちゃ…は、あ、ぁん…だ、ダメーッ!」


愛でたし愛でたし…てか?

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最終更新:2008年06月14日 09:47
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