『日だまり戦隊虹色スパゲッティーズ』

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/23(日) 19:07:12.44 ID:QPgQSdUJ0
前回の話。

悪の組織に体を改造された六人で結成された、シックスネイチャーズ。
彼らは改造されて身につけた力で現在は悪の組織と戦っている。

主人公はピンク。


おさらい終わり

82 名前:日だまり戦隊虹色スパゲッティーズ[] 投稿日:2007/09/23(日) 19:08:16.90 ID:QPgQSdUJ0

桃「ふわーいつ見てもレッドは巨乳だねえ」
赤「もう、あんまり見ないでよ」
黄「きゃほーぅ!」
赤「ひあっ! ちょっとイエロー!」
黄「ふわふわ~」
赤「ちょ、ちょっとセクハラよセクハラ!」


ここは私たち、シックスネイチャーズの更衣室である。
ちょっと前までピンクのあたしだけが女だったのに、今では……ハァ。
グリーン以外の全員が女体化してしまったので、私のアドバンテージが無くなってしまった。


青「ねえ、あんまり騒がないでくれる? 子供じゃあるまいし」

ブルーが私たちを見てため息をつく。

桃「まあまあ。レッドに嫉妬するキモチは痛いほどわかるぜぇ」
青「し、嫉妬なんてしてないわよ!」

とは言いつつ、ちらっと自分の胸を見るあたり、ブルーはわかりやすくてカワイイね。



84 名前:日だまり戦隊虹色スパゲッティーズ[] 投稿日:2007/09/23(日) 19:08:56.43 ID:QPgQSdUJ0


その時唐突に更衣室の扉が開き、緑色の髪が見えた。

緑「わ、わ、わ、忘れも……あ」

今ではただ一人だけ男の隊員である、グリーンであった。

赤「きゃあ!」
緑「おう! モーレツ!」
青「何入ってきてんのよ変態!」
黄「うわーん胸見られたー!」
黒「ぶち殺す……!」

桃「じゃあみんなを代表して。
  ファイナルデスジェノサイドクラッシュギアァァ!」

緑「嫌ぁぁああああ!!!!」


吹き飛んだグリーンは廊下の壁に激突し、壁に円形のくぼみが出来た。
前回登場していなかったやつのくせに、今回はえらく目立ってるな、こいつ。


85 名前:日だまり戦隊虹色スパゲッティーズ[] 投稿日:2007/09/23(日) 19:10:26.44 ID:QPgQSdUJ0

赤「もう……胸見られちゃったじゃない」
青「デリカシーの無いやつ……」
黒「イエロー……泣かないで……」
黄「ふぇえんもうお嫁にいけないよぅ」
総司令「やだよねーああいうやつ」
桃「ほんとほんと」



……………………………………………。



赤「レッドヒートブレイク!」
黄「サンライトイエローウェイブ!」
黒「ブラックジャッジフォッグ……!」
青「ブルーウォータースプラッシュ!」
桃「ファイナルデス(略)!」

総司令「ぐわあああああああああああああ!!!」


総司令は二、三歩後ろによろけると、大爆発を起こし消滅した。



86 名前:日だまり戦隊虹色スパゲッティーズ[] 投稿日:2007/09/23(日) 19:11:32.35 ID:QPgQSdUJ0

総司令「いやしないしない! 消滅しないから!」
桃「しろよそれくらい。大丈夫、お前なら出来る」
総司令「出来てもするか!」



そんなこんなで着替えを終えたあたしたちは、いつもの待機所へと向かった。
ここで怪人が出てくるのを待つのだ。

あたしはこの時間が一番嫌いだ。
出てくるならさっさと出てきて欲しい。そうすれば自由時間が増えるのに。

あたしの願いが通じたのか、その日はいつもより随分早めに、怪物が現れた。
無線から連絡が入り、怪物の現在地がこちらに告げられる。

総司令「出動だ!」

ヒゲの一声で、あたしたちは戦闘モードになる。
その時まであたしはまたいつものようにファンシーな怪物がくると思っていた。
しかし、その日現れたのは、これまで戦ってきたものたちとは一線を画すやつだったのだ。


87 名前:日だまり戦隊虹色スパゲッティーズ[] 投稿日:2007/09/23(日) 19:12:56.48 ID:QPgQSdUJ0

――上野公園――


上野公園は閑散としていた。
人っ子一人いないというのは不気味である。

周りを見渡しても、怪物らしき姿は見えない。
その時だった。

ボコボコボコ

黄「あ! 見て!」


池の中から見覚えのある黒い塊が浮上してきた。
そいつはこれまで幾度となく戦い、何とか退けてきた強敵だ。
悪の組織の幹部であり、四天王の一人でもある。
その名もイゴールボブチャンチン!

血『誰だよそれ!? 俺の名前はブラッディーだ! いい加減覚えろ!』

そうそう、ブラッディーだった。ニアミスだね。

桃「いやあ、覚え辛くて……」
血『覚えやすいわ! ていうかどの辺がニアミス!? ああもう、初登場なのに台無しだよ!』

黒い仮面をつけて顔を隠していても、悔しそうな表情が容易に想像できた。

88 名前:日だまり戦隊虹色スパゲッティーズ[] 投稿日:2007/09/23(日) 19:14:14.44 ID:QPgQSdUJ0

青「まだ私たちに挑戦する気? 今度はどんな策を練ってあるのかしらね」

ブラッディーは敵では強い方なのだが、いつも自分の策に溺れて自爆している。
今日は一体どんなへたれ具合を見せてくれるか楽しみである。


血『ふんだ! お前らなんかもう知らないもんね!』
桃「カワイイなお前」
血『今日は我が軍の最終兵器を連れてきたんだ! 後ろを見てみろ! あ、そっちじゃない。俺の後ろ』


ブラッディーの後ろに目をやると、銀色の髪をした女が見えた。
私たちと同い年くらいに見える。

血『フハハハハハハ! こいつはお前らと同じ、改造人間なのさ!』
赤「何ですって!?」
血『組織は”悪魔の子供たち計画”を続けていたという訳さ!』


悪魔の子供たち計画。
それは人間の子供を誘拐し、改造して組織の兵隊として使うという計画である。
あたしたちは四年前こいつらの手下に誘拐、改造され、今の力を身につけた。
でも何とか逃げ出すことに成功して、今では逆に悪の組織と戦っている。



90 名前:日だまり戦隊虹色スパゲッティーズ[] 投稿日:2007/09/23(日) 19:15:38.20 ID:QPgQSdUJ0

まさかまだあの実験を続けていたなんて……許せない!


血『お前らの脱走は組織の一番の失敗だった。
  もうそんなことが起こらないように、実験体はあらかじめ洗脳することにしたんだ!
  だからこの女を説得しようなんて考えても無駄だぜ? ヒャーッハッハッハッハ!』

銀髪の女の子はうつろな目をしながら、ブラッディーの横でふわふわと浮遊していた。

青「なんてむごいことを……この悪魔め!」
血『何とでも言うがいい! お前らに同じ人間であるこいつが攻撃できるかな!?
  さあ行けリリィ! シックスネイチャーズを皆殺しにするのだ!』
リリィ「やだ。ダルい」






あ、あれーーーーーー?



91 名前:日だまり戦隊虹色スパゲッティーズ[] 投稿日:2007/09/23(日) 19:17:21.03 ID:QPgQSdUJ0

血『いや、ダルいってあんた……最終兵器なのに……』
リリィ「ちゃんと報酬出るんだろうな。嘘ならお前ギタギタにするぞ」
桃「最終兵器何か言ってるぞ! 洗脳できてんのかそれ!」
血『あ、当たり前だろ!』
リリィ「腹減った。私帰ってもいいか?」
桃「洗脳できてねえ!」


さっさと帰ろうとするリリィを、ブラッディーは必死で説得していた。


血『じゃあ…円ならどう?』
リリィ「帰るぞ」
血『じゃ、じゃあ…円は?』
リリィ「あー腹減ったなー」
血『く、ならば…円ならどうだ!』
リリィ「チッ、仕方ねーな」


どうやら交渉が済んだらしく、帰りかけていたリリィはまた戻ってきた。


92 名前:日だまり戦隊虹色スパゲッティーズ[] 投稿日:2007/09/23(日) 19:18:24.72 ID:QPgQSdUJ0

血『フハハハハ! 我が組織の洗脳を甘く見てもらっては困るのだよ!』
桃「まだゆってる!」
血『さあ行けリリィ! やつらを血祭りにしてやるのだ!』


青「リリィちゃん。こっちの味方になるなら、…円払うわよ」


血『ふん、馬鹿が! リリィは洗脳されていると「ブラッディー。今まで世話になったな」え、えぇ~~~?』




リリィのうつろな目が、確かな輝きを持ち始めていた。
ちょうどピカピカな新五百円玉くらいの輝きだけど。

困惑しているブラッディーに対し、リリィの容赦ない攻撃が始まる。


93 名前:日だまり戦隊虹色スパゲッティーズ[] 投稿日:2007/09/23(日) 19:19:25.62 ID:QPgQSdUJ0


リリィ「純白は永遠の証! 咲き乱れるは正義の野草! 野原を埋める勇気の印!
    八つ裂きにしてあげる……。エターナルホワイトスパイク!」


血『ぎゃあああああああああああああああ!!!』


必殺技をくらったブラッディーは、池の向こう側まで吹き飛んだ。
しかしまだ息があるらしく、よろよろと立ち上がってくる。


血『く……今回は俺の負けだ。まさか洗脳が解けるとはな……』
桃「何故そこまで洗脳にこだわる」
血『次に会うときは覚えておけよ、シックスネイチャーズ!』


ブラッディーはそれだけ言うと、亜空間の中へ消えていった。


95 名前:日だまり戦隊虹色スパゲッティーズ[] 投稿日:2007/09/23(日) 19:20:41.03 ID:QPgQSdUJ0

赤「ねえ、リリィ。本当に私たちの仲間になってくれるの?」

一人残ったリリィに、レッドはおそるおそる話しかけた。
するとリリィはニコッと微笑んで、あたしたちに言った。

リリィ「よろしくね、みんな」

あたしたちはその笑顔に、ほっと肩をなで下ろした。

こうして、リリィはホワイトとして七人目のメンバーになった。
真っ白いユニフォームを着て、今ではもう立派なレンジャーの一員である。




あの戦いから数日後、あたしたちは総司令から呼び出しを受け、作戦会議室へと集まった。


総司令「今日集まってもらったのは他でもない、ネイチャーズのこれからのことだ」
    ホワイトの加入によって、ネイチャーズは七人になったわけだ。
    しかし七人なのにシックスネイチャーズでは、少しおかしいとは思わんかね?」


言われてみれば確かにそうである。
でも一人ちょくちょく存在が消えるやつがいるので、別にシックスでもいいような気がするが。


96 名前:日だまり戦隊虹色スパゲッティーズ[] 投稿日:2007/09/23(日) 19:21:38.95 ID:QPgQSdUJ0


総司令「そこでだ。私がシックスネイチャーズに変わる、新しい名前を考えてきたんだ」

黄「えーほんと!? 聞きたい聞きたい!」
青「名前なんてどうでもいいと思うけどね……」
赤「まあいいじゃないブルー。それで、どんな名前なの?」


総司令はわざとらしく咳をして、一拍おいてから自信たっぷりにこう言った。



総司令「これはな、七色のカラフルな戦隊というイメージで考えたんだ。きっとみんなも気に入るだろう。
     その名も――」




       ◇    終    わ    り    ◇


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最終更新:2008年09月17日 20:50
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