15 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 20:21:43.28 ID:8xFfMWmK0
安価[探偵]より捜索
神に造られた死体[推理編] あらすじ
ペンションに招待された僕と真理と香山。 しかしその夜殺人事件が起こってしまった。 誰も知らない女の死体。そして行方不明の香山。
誰もが香山が殺したと思っていたが、僕は遂に事件の真相にたどり着いた。
それでは解決編です。
16 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 20:22:33.97 ID:8xFfMWmK0
登場人物
【透】男。
主人公。高校二年生。
【真理】女
透と同じクラスの女子。
【香山】男。
透と同じクラスの男子。
【啓子】女
透とは別の高校の三年生。
【小林二郎】男
真理の親戚のおじさん。ペンション『シュプール』のオーナー。
【今日子】女
小林二郎の奥さん。ペンションのシェフでもある。
【みどり】女
ペンションでアルバイトをしている。
【加奈子】女。
フリーター。二十歳。
【美樹本】
冒険家。三十五歳。
【突如現れた死体の女】
首を絞められて殺害されていた。
17 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 20:23:16.87 ID:8xFfMWmK0
僕は何から話そうか迷ったが、まず事件が起こる前まで遡り、一つ一つ説明していくことにした。
「犯人はまず、僕たちに睡眠薬を盛り、殺害の準備を整えたんです」
「睡眠薬だって!? そんなの、いつの間に……」
美樹本さんの言葉に、僕はゆっくりと返答した。
「コーヒーですよ。あの時談話室にいた全員が、コーヒーを飲んでいました。眠気が襲ってきたのは、それからすぐです」
「犯人は睡眠薬を飲ませ、悠々と犯行を行うはずだった。全員が寝静まった時、そっと部屋を出て、香山の部屋へ向かった。ここで一つ目のアクシデントが起こります」
「殺すはずだった香山が、女体化していたんですよ」
全員の表情が驚愕のそれへと変わっていった。 真理が泣き崩れ、啓子さんがそれを支えた。
19 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 20:24:15.40 ID:8xFfMWmK0
「そうです。あの死体は、香山だったんです……。そう考えれば、香山が失踪したことも突然女の死体が現れたことも説明がつく。いや、そうでないと説明がつかないんですよ……」
僕はぐっと涙をこらえ、話を続けた。
「犯人はそこである考えを思いつきます。香山を犯人に仕立て、自分の容疑者から外すというトリックです」
「なるほど……あの紙は犯人が書いたものだったのか……」
小林さんがうめくように呟いた。
「……香山の顔が、めった差しにされていたのは……男の時の面影があったからでしょう。そして服を脱がせて、窓から捨てた。香山の服は窓の下に捨ててありました。
――窓から下を覗くと、何か布のようなものが下に落ちているのがわかった。
――その布には見覚えがあった――。
20 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 20:24:58.44 ID:8xFfMWmK0
「犯人は殺した後すぐにでも逃げるつもりだったんでしょうけど、あいにく今夜は吹雪だった。だから時間稼ぎをするために、香山を犯人のように思わせたかったんですよ」
「しかしここで二つ目のアクシデントが起こります。それは啓子さんが起きてきたことです」
「思い出して下さい。啓子さんはコーヒーを飲まなかった。睡眠薬が効いていなかったので、起きてしまったのです。犯人は慌てて自分の部屋に戻りましたが、その時部屋を閉め忘れてしまい、死体が見つかったのです」
「そうだったんだ……」
啓子さんはもう少しで犯人と鉢合わせしてしまうかもしれなかったという事実に、今更恐怖していた。
21 名前: 安価:探偵 [まずはネタ安価をお願いします] 投稿日: 2007/09/16(日) 20:25:57.61 ID:8xFfMWmK0
「誰よ! 一体犯人は誰なの!」
真理が泣きはらした目で僕に訴えかける。僕は深呼吸をした後、犯人の名前を告げた。
「犯人は――」
このレス番号+3
24 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [ネタでいいんだな] 投稿日: 2007/09/16(日) 20:40:22.39 ID:4iy+sNEpO
だれもいないんでとるぜ
犯人は俺だ
25 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/09/16(日) 20:40:30.19 ID:8xFfMWmK0
透「落ちるぅぅぅぅ!」
↓
26 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/09/16(日) 20:44:01.68 ID:8xFfMWmK0
「危なかった。冷や冷やしたよ」
「何言ってるのよ! それで犯人は誰なの!?」
「犯人は……>>24だ!」
部屋の空気が静まりかえった。みんなはぽかんと口を開けて何も言えないでいる。よほど犯人が意外だったのだろう。そう、僕だってまさか>>24が犯人だとは思いたくはない。
というより……。
「透君。誰だそれ?」
美樹本さんの言う通りだ。今まで>>24などという人物は物語に登場していなかった。
「透君、ふざけているなら僕はもう一度見回りに行ってくるけど……」
「す、すいません。言い直します。今度は近めに……」
「犯人は――>>27」
27 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/09/16(日) 20:45:56.04 ID:pVwxygvV0
突如現れた死体の女
28 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/09/16(日) 20:49:04.45 ID:8xFfMWmK0
「犯人は――死体の女です」
「な、なんですって……?」
「そうです。死体の女が今回の事件の真犯人なのです。ほら、よくあるじゃないですかドラマとかで、被害者が実は犯人だったていうオチ」
しかし僕の言葉を小林さんが遮った。
「透君。君さっきあの死体は犯人に殺された香山君だと言わなかったか?」
「え? そんなこと言いました?」
「……」
まずい。みんなが鬼のような形相でこちらを睨んでいる。僕は慌てて言い直した。
「犯人は――>>29」
29 前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/09/16(日) 20:51:31.08 ID:4iy+sNEpO
終わらせていいのか?
美樹本
30 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/09/16(日) 20:52:01.91 ID:Q8lYq1ki0
| ̄ ̄| 【審議中】
|∧∧| (( ) ) (( ) ) ((⌒ )
__(;゚Д゚)___ (( ) ) (( ⌒ ) (( ) )
| ⊂l>>29⊃ | ノ火.,、 ノ人., 、 ノ人.,、
 ̄ ̄|.|. .|| ̄ ̄ γノ)::) γノ)::) γノ)::)
|.|=.=.|| ゝ人ノ ゝ火ノ ゝ人ノ
|∪∪| || ∧,,∧ || ∧,,∧ || ボォオ
| | ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
| | ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
~~~~~~~~ | U ( ´・) (・` ). .と ノ
u-u ( ) ( ノ u-u
`u-u'. `u-u'
31 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/09/16(日) 20:55:39.61 ID:e70snsjA0
ちょっとまてwwww
こんな解決編ありかwwwww
32 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/09/16(日) 20:56:22.85 ID:hq0mSoYC0
31
斬新でいいと思われwww
33 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [gdgdすまんorz] 投稿日: 2007/09/16(日) 20:56:48.56 ID:8xFfMWmK0
「犯人は――美樹本さん。貴方です」
ざわめく談話室。美樹本さんは怒ったように僕に言い返した。
「なんで僕が犯人なんだ! 証拠でもあるのか!」
僕は懐からあるものを取りだした。それは大人気推理ゲーム「かまいたちの夜×3」だ。
「このゲームはかまいたちの夜シリーズの完結編で、何と1と2の本編も遊べるんです」
「……それで?」
「このゲームの1をすると、犯人は貴方になっているんですよ美樹本さ……」
「ゲームの話じゃないか!」
美樹本さんが今にも僕を殺して本当に犯人になりそうな目つきで僕をにらみつける。僕は悲劇の主人公になる前に慌てて言い直した。
「す、すいません。ゲーム脳が進行してて……言い直します。犯人は――>>34」
34 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/09/16(日) 20:57:40.91 ID:e70snsjA0
透本人でした
35 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/09/16(日) 21:01:13.34 ID:8xFfMWmK0
「犯人は――僕です」
「き、君が犯人だったのか……!」
「透……実は私もそうじゃないかと思ってたのよ!」
「うむ。見るからに人を殺しそうな顔をしてるからな」
「しかもずっと私の方をいやらしい目で見てたし」
「え……いや、あの……」
「さあ、勇気を出して告白してくれた透君を胴上げしようじゃないか!」
ま、まずい……このままでは監獄島の時の二の舞だ! しかもゲームやった人しかわからないネタで終わってしまう!
「ち、違います! 僕ではありません! 犯人は――>>36」
36 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/09/16(日) 21:03:18.88 ID:e70snsjA0
これは良いコマンド総当たり
次は小林
38 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 21:06:19.74 ID:8xFfMWmK0
「犯人は小林さん。貴方ですよ」
みんなの視線が小林さんに集まる。
「な、何を言うんだ透君」
「言い逃れようったってそうは行きませんよ」
「ふ、ふざけるな! 私はあの時コーヒーを飲んだうちの一人じゃないか!」
……確かにそうだ。あの時談話室にいた全員がコーヒーを飲んだんだ。
まてまて、もう一度整理しよう。あの時コーヒーを飲まなかったのは啓子さんと……!
「今度こそわかりました。犯人は――」
↓
39 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/09/16(日) 21:07:59.76 ID:e70snsjA0
わからん
閃いたひとは解答頼む
↓
40 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/09/16(日) 21:08:03.36 ID:AFWP8YNx0
ヤス
41 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/09/16(日) 21:09:47.26 ID:4iy+sNEpO
ボートピアw
↓
42 名前: 安価:探偵 [どんどん長くなってすまんorz] 投稿日: 2007/09/16(日) 21:12:07.56 ID:8xFfMWmK0
「犯人は――ヤスです」
「そ、そんな……」
静まりかえる談話室。そこにいた全員が肩を落胆させていた。
「まさか刑事が犯人だったなんて……」
「嘘よ……そんなの嘘よ……!」
「なんてことだ……まだボートピアクリアしてないのに……」
「透、今何の事件の推理してるのよ」
「ボートピア殺人事件」
「違うでしょ!」
「ごめん……どうしてもネタバレしたかったんだ。今しかないと思って……」
「状況判断間違え過ぎよ!」
「わかった。今度はちゃんと言うよ。犯人は――」
↓
43 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/09/16(日) 21:13:46.08 ID:778d3QKG0
みどり
44 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 21:14:28.05 ID:8xFfMWmK0
「貴方です――みどりちゃん」
「!」
全員の視線がみどりちゃんに集まった。
「……」
みどりちゃんは否定することも慌てることもせず、下を俯いていた。
「ど、どうしてみどりちゃんが犯人なんだ!」
「そうですよ! みどりちゃんが犯人な訳ありません!」
小林夫妻が猛反論を始める。
僕も認めたくなかったが、全ての証拠がみどりちゃんを犯人だと示しているのだ。
「今から説明します……」
僕はもう一度深呼吸をしてから話を続けた。
45 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 21:15:04.36 ID:8xFfMWmK0
「事件の動機はわかりません。でもみどりちゃんは僕や真理、そして香山のことを知っていた。真理に招待状を送れば僕たちも誘うということを――僕たちの仲を、知っていたんです」
「みどりちゃん。トイレで鉢合わせになったとき、君はうっかり初対面のはずの僕と香山の名前を口走ってしまったね」
――あ、私このペンションでバイトをしているものです。
――食事の用意が出来ましたので、透さんと香山さんも談話室の奥のダイニングへどうぞ。
――他の方たちはもう集まっているはずです。私も先に行っています……
「その後食事の席での会話で、君は美樹本さんの名前を知らなかった」
――「へえ、そうなんだ。君はいずれこのペンションの看板娘になるだろうな」
――「口がお上手ですね。えっと……」
――「美樹本だ。これはおせじでも何でもない。僕の素直な感想さ。名前を聞いてもいいかな?」
46 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 21:15:59.17 ID:8xFfMWmK0
「僕たちも美樹本さんも、君にとっては初対面のはずだ。なのにどうして僕たちの名前だけは知っていたんだ?
「め、名簿を見たのかもしれないじゃないか。年齢も書いてあるから、君たちの名前を呼べても不思議じゃない」
小林さんが反応したが、僕はそれに対する答えも持っていた。
「僕は名前で、香山は名字で呼んでいたんです。僕らは普段からそう呼び合ってるから、皆さんも僕らのことを同じように呼んでいます。でも初対面のはずの君がどうして僕を名前で、香山を名字で呼べたんだ?」
みどりちゃんは、何も答えようとはしなかった。
47 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 21:16:52.10 ID:8xFfMWmK0
「コーヒーを運んできたのは君だ。あの時は何も考えずにカップを取って、普通に飲んだけど。あれはカップの数を自分を引いた人数分に調節していれば、自分は口をつけずにすむことができる仕組みだ」
――「皆さん、コーヒーをお持ちしました」
――みどりちゃんがお盆を持って僕たちの前に現れた。
「胸に突き立てられたナイフも、顔だけを刺していると不自然だから刺したんだろうけど女の君の力じゃ、深くは刺さらなかった。死体を動かしたら、すぐに抜けたよ」
――心臓の辺りに刺さっていたナイフはかなり浅かったらしく、死体を動かすとぽろんと落ちてしまった。
「調べればいろんなところからボロが出るトリックだ。おそらく君は、吹雪がやめば逃げるつもりだったんだろう。でも……」
「ええ、もう逃げられそうにありませんね」
50 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 21:17:53.92 ID:8xFfMWmK0
その言葉は、自供したとみて間違いなさそうだった。
「どうして貴方が……香山を……」
真理が涙声で訴えても、みどりちゃんは顔色を変えることもせず、淡々と話し始めた。
「私……いや、俺はそこにいる真理や透の友達だった。名前を知っているのは当たりまえさ。俺は転校した、伊藤良一だからな」
僕と真理は、言葉を失った。伊藤良一は、僕たちの幼なじみの名前だ。この目の前にいる可愛らしい女の子が、あの伊藤良一だと気づける訳が無い。
「そうさ、俺は転校した後女体化したんだ。俺が連絡を取らなくなったのは、そのせいさ」
51 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 21:18:29.79 ID:8xFfMWmK0
そうか、あのとき――。
――「きゃっ」
――トイレの入り口から、エプロン姿の女の子が入ってきたのだ。
――短い悲鳴の後、すぐトイレから出て行った。
――「ご、ごめんなさい。誰もいないと思って、トイレットペーパーを取り替えようと……」
あのときみどりちゃん……いや、伊藤は男だった時の癖で、男子トイレに入ってきたのか……。
伊藤は僕と真理に構わず淡々と話を続けた。
52 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 21:19:17.18 ID:8xFfMWmK0
「……好きだったんだ。真理のことを一人の女として好きだったし、お前や香山のことを、友達として好きだった。でも俺はもう俺じゃないんだ。お前らの友達の伊藤良一は死んで、俺はみどりという女になった」
「ある日偶然、街中でお前らを見たんだ。行方不明の伊藤良一のことなんて気にも掛けてない様子で……。楽しそうに、はしゃいでいた。羨ましいという感情よりも、妬ましくてたまらなかったさ」
「それから学校を辞めてこのシュプールでアルバイトを始めた。小林さんから頼まれて招待状をつくっているとき、偶然にも真理の名前があった。その時この計画を思いついたんだ。三枚分の無料券をつければ、お前らが来ることは大体想像できたさ」
僕は推理を始める前、小林さんから招待状のことを聞いていた。
招待状を誰がつくったのか。
そして無料券をつけた招待状なんて送っていないということも。
53 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 21:19:47.23 ID:8xFfMWmK0
「本当は透も、真理も、殺すはずだった。だっておかしいだろ? 伊藤良一は死んだのに、一番の親友だったお前らがのうのうと生きてるなんて……」
「違う!」
僕は怒りをこめてはっきりと言った。
「香山も、真理も、僕も、みんなお前のことを心配していたんだ。お前の勝手な想像で……勝手に自分を殺しておいて……香山を殺したんだ!」
談話室の中に、静寂が訪れた。真理のすすり泣く声だけが聞こえる。
「ふふふ……伊藤良一は……死んだのさ……」
54 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 21:20:42.38 ID:8xFfMWmK0
「! 何をする気だ!」
小林さんが叫んだことで、僕は伊藤が懐からナイフを取り出したのに気がついた。
「ぐ――お――!」
「伊藤!」
ナイフを首につきたてた伊藤に駆け寄ったがナイフは自分で刺したとは思えない程深く刺さっていて、もう手遅れだった。
「おい! しっかりしろ!」
僕たちが駆け寄ると、倒れている伊藤と僕の目があった。すると、口だけを動かして、伊藤は最期の言葉を僕に伝え、そして動かなくなった。
こうして、伊藤良一は本当の意味で死んでしまい、惨劇の夜は幕を閉じたのだった――。
55 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 21:21:14.55 ID:8xFfMWmK0
三週間後。香山と伊藤の葬式も終わり、僕と真理はようやくいつもの日常を取り戻しかけていた。
女体化したことで伊藤の何かが変わってしまい、かけがえの無いものを同時に失ってしまったあの夜。友達が友達を殺すなんてことが、現実に起こりえるなど今でも信じられない。いや、信じたくなかった。
僕はあと二ヶ月で十七歳になる。このままいくと、僕も女体化することになる。僕も伊藤のように自分を殺してしまうのだろうか。
いや……僕は絶対に変わらない。真理の涙なんて、もう見たくは無い。
死んでいった二人の分まで、歯を食いしばって生きていくべきなんだ。
56 名前: 安価:探偵 投稿日: 2007/09/16(日) 21:21:42.71 ID:8xFfMWmK0
「うん……私もそう思う」
隣を歩く真理がそっと呟いた。
「え? 真理、今僕声に出してた?」
「……ばーか」
伊藤は転校さえしなければ、きっとあんなことはしなかったろう。この笑顔が傍にあれば、僕は何でも堪えられることが出来るから。
僕は伊藤が最期に伝えようとした言葉を思い出しながら、青空を見上げた。
お前たちだけは 生きていてくれ
神に造られた死体[解決編] 終わり
神安価を取ってくださった方に、感謝の気持ちを込めて……
最終更新:2008年09月17日 20:53