安価『りんご飴』☆

神社の境内はいつにない賑わいを見せている。今日は過ぎ行く夏を惜しみ、やって来る秋に思いを馳せる秋祭り。
そして、そんな泡沫の一時に誘われた浴衣の少女が二人。

「結局二人で来ちゃったけどよかったのかな…」
一緒に来なかった二人の『きょうだい』に思案気な顔を見せる水月とは対照的にあきらは楽天的だった。
「ほっとくほっとく。どーせ葉月がついてんだから大丈夫でしょ」
「…うん」
それでもまだまだ心配そうだ。
「じゃれあってるとこ邪魔する方が無粋ってもんよ。それに祭りに来たんだから楽しまなきゃ。折角の浴衣が泣くわよ」
「そっか…そうだね」
そして一輪の花が咲いた。

「さ、何食べよっか」
「あ、ボクりんご飴食べたい」
「おっけ、他にはなんかいる?」
どうやら色気より食い気優先らしい。あれこれと出店の食べ物に目を移らせながら問いかける。
「んーん、いらない」
何でもない風に答えているが、人混みに酔ったのか少し青い顔をしているのを見逃さなかった。
「ん、わかった。拝殿の方に行ってて。あっちなら人気も少ないしゆっくり食べられるでしょ。一人で大丈夫?」
心配しているのを気取らせないよう、遠回しに休憩を勧める。
「うん、またあとでね」
軽く了承し、からんからんと雪駄を鳴らしながら歩いていく水月を見送ってから、あきらは小走りに駆け出していった。

「ふぅ、御馳走様」
あきらは買ってきたものを食べ終え、お腹を擦りながら一息付いた。
はしたないことこの上ないが、彼女にそういうことを求めるのはやや虚しいものがある。
「わ、あきらちゃん速いね」
「そんなことないわよ、あんたが遅いの」
…どちらも正解だ。
「そういえばボク、りんご飴って食べきったことないんだよね」
「じゃあ、何でそんなの買ったのよ」
「お祭りは楽しまなくちゃなんでしょ?だったら好きなもの食べなきゃ♪…ん、美味し♪」
なぁんだ、わかってんじゃない。そう言ってあきらは呆れ気味だった顔を綻ばせた。
「それにしても…」
暖かみのある笑顔を一転、淫蕩な表情を浮かべる。
「舌使いがエッチになってる…」
「そ、そんなことないよ…そうだとしたらそれはあきらちゃんが…んぅっ!」
言葉の途中で強引に抱き寄せ唇を奪い、更に閉じかけた口に舌を侵入させ、口内を蹂躙する。
舌、頬肉、歯茎と順番に刺激していくと、吃驚したためか強張った身体から力が抜けていく。
カラン、と甲高い音が鳴る。水月の手にしていたりんご飴が神社の石畳に砕けて散っていた。松明の明かりを反射して、砕けた破片がキラキラと光る。
そして、その音がスイッチになったのか、水月も積極的に舌を絡めていく。
歯茎を擦り上げて、舌を絡め合って、吸って、唾液を交換して…酸欠になりそうな程の長い時間、二人は濃厚なキスを続けた。
数分の後、どちらともなく唇を離す。長時間お互いの口内で捏ね回された唾液がお互いの唇を繋ぎ、消えていった。
くたりと脱力し、あきらにしなだれかかる水月。二人の瞳は情欲に染まっていた。
「ね、裏に行こうか…」
「うん…」
あきらが水月を抱え上げようとしたところで、水月は慌てて制止の声を上げる。
「あ、あきらちゃんちょっとまって!あ、あの…浴衣、汚れちゃうから…」
「え?」
「あぅ…し、下着…着けてない、から…」
それは、既に秘穴が濡れそぼっていることを暗に示していた。
「…………」
「あの、あのね、お母さんが浴衣を着るときには下着着けちゃダメだ、って…」
あからさまな言い訳は、後半は聞き取れないほどに尻すぼみだ。そして先程のりんご飴並みに頬を紅潮させる水月。否、それはあきらも同様だった。
「わかった。それじゃ…行こ?」
「うん…」
二人は連れだって拝殿の裏に歩いていった。







十五夜前の満月に近い月が二人の裸身を煌々と照らす。
顔を真っ赤にして腕で体を隠しながら、恥ずかしいからあんまり見ないで…と呟く水月。
「何で?綺麗よ…?それにもう、一度全部見ちゃってるし」
「だ、だって…ボク、あきらちゃんみたいにスタイルよくないし、おっぱいも…」
「何言ってんのよ、あたしみたいに筋肉でゴツゴツしてるより数倍マシじゃない。それに…」
少しずつ歩み寄っていく。そして、なだらかな胸の稜線に指を這わせ、つ…、と撫で上げた。
「ひゃ!」
「感度もいいしね」
「あぅ、あきらちゃんそれフォローに…ふぁぁ!」
今度は後ろから。髪をアップに纏めたために露出したうなじにキスをしながら、
胸を鷲掴み(と言う程はないのだが)にして強弱を付けながら揉んでいく。
「んっ!…あ、あんっ…!」
「こっちも…わ、もうぐちゃぐちゃ…」
無毛の秘部に手を伸ばせば、そこは既に出来上がった状態だった。
「あきらちゃん、ボク…ほしいよぅ…」
身体を玩ばれているうちに堪らなくなった水月は、涙目で懇願する。だが…
「…流石にオモチャは持ってきてないわよ?」
「えぇ?!そ、そんなぁ…」
違う意味で涙目だ。
「な、泣かないの!ほら、だからこうして…」
所謂貝合わせの体制を取ると、触れ合った場所からくちゅりと水音が鳴る。
その淫靡な音と光景に、水月は両手で顔を隠し、いやいやをするように首を振った。
「ふわ、あきらちゃんのと触れてる…は、恥ずかしいよぅ…」
「ふふ…動くわよ…」
「や、ちょっと待っ…―――っ!!」
引き留めようとする水月を無視して動き出すあきらに、
水月はびくびくと身体を痙攣させながら背を反らし、秘部からはしとどに蜜を溢れさせた。どうやら達してしまったらしい。
「…はぁ、はぁ…ふぇ…」
「イッちゃった…?」
「…………」

返事をする気力もないのか、荒い息を吐きながら蕩けきった表情でコクリと頷く。
「ズルいじゃない、一人で、なんて…。だから…」
「ふぁ…あぅ!あっ!あん!」
止めていた腰の動きを再開させる。辺りに再び湿った音が響いていく。「今度は…んっ…あたしも一緒に、ね」

「うぁん!あっ、ぼ、ボクのと、んっ、あきらちゃんのが…おまんことクリトリスが擦れて…凄いよぉ!」
「あら、そんな言葉使うなんて…水月もエッチになったわね…はぁ、ん…」
「だ、だって、それはあきらちゃんが…ふああぁぁぁぁあぁあぁ?!」
言葉の途中で更に激しく腰を振り立てていく。
「あたしが…んっ、何?」
妖しい笑顔で問いかけるが、しかしその言葉は既に水月には届いていないようだった。口の端からは涎を零し、目は虚ろだ。
「ふわぁ…す、すご…いい、いいよぉ!気持ちいい!」
さっきまで消極的だった腰の動きも激しいものへと変わり、
喉咽から紡がれる声も意味のあるものは極端に少なく、その殆んどが濡れた喘ぎ声へと変化していた。
「や、そんな…急に激しく…っ!」
水月のそうした変化はあきらの思うところではなく、締めていた思考が快感へと置き換わっていく。
更に急激に攻められた所為で絶頂が近いらしく、時折身体をぴくぴく痙攣させる。
「んやっ!…あっ、ああっ!…あっ、ボク…も、もう…イっちゃ…ああぁっ!」
「あたしも…イ、くうぅぅぅうぅぅぅっ!」
次第に動きがギクシャクしていき、やがて止まる。そしてそれと同時に「「ああぁぁぁぁぁあぁぁぁっ!」」
二人一緒に頂へと駆け昇っていった。







帰り道。あきらは、眠ってしまった水月をおぶって歩いていた。小さい頃にもこんな風におんぶして歩いたっけなぁ、と微笑む。
「…んん…」
水月が寝惚けたような声を上げる。目覚めのいい水月のことだから、すぐに状況を把握することだろう。
「水月、起きた?」
「うん…わ、わ、あきらちゃん、降ろして!」
「はいはい、わかったから暴れないの。…たぶん無駄だろうけどね」
「無駄って何が…ひゃ!」
腰が抜けていたらしくかくっと膝を崩した。そして倒れる寸前であきらに助けられる。
「ね?」
「う、うん…」
その意味を理解した水月は真っ赤になって俯く。
「わかったら大人しくしてなさい」
「はい…」
ただし今度は膝裏と腋にに手を差し込んで…。
「や、それ…!」
「体制的に普通のおんぶは出来ないから」
暴れだしそうになる水月を冷たい声で制する。
「うぅ…」
「拗ねないの…ね?」
そう言ってあきらは彼女だけの姫の頬に優しくキスをした。


ちなみに祭りがとっくに終わっていたことと水月の腰が抜けていたことで、水月の家族にニヤニヤ顔で迎えられた二人だった。

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最終更新:2008年06月14日 09:52
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