『まおっこ』6

111 名前: まおっこ6 投稿日: 2007/08/28(火) 00:07:08.33 ID:SZrx6O1i0

あらすじじゃないよ! あらすじという名の変態だよ!

魔王ジーク女体化・魔力喪失

勇者エル来訪

ジーク「私は捕らわれた姫です(嘘)」
エル「mjd」

付き人パラディンが魔力喪失の謎を解明

魔力を取り戻す為にジーク達は旅に出ることに ← 今ここ





113 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/08/28(火) 00:08:25.11 ID:SZrx6O1i0



真夜中の城内で、卓上のろうそくだけでの、なんとも薄暗い、気味の悪い会議が始まっていた。 上座にはジークがちょこんと座っている。 かつて魔界を治めていた男だが、今では華奢な少女となっている。 ジークを中心にして、魔王軍の幹部達が席についていた。 ジークの右側にはパラディンが。 左側には筋肉の鎧を身にまとった大柄な魔族、タナトスが座っている。





114 名前: まおっこ6 投稿日: 2007/08/28(火) 00:08:54.82 ID:SZrx6O1i0

幹部達の中の、メガネをかけたインテリ風の魔族が口を開いた、
「やはり精鋭少数の隊を作り、護衛に当たらせるのが一番かと」
「ふむ……」


口に手を当て、考え込むジーク。 皆はジークが答えるのを待っていたが、タナトスはお構いなしに、
「はいはいはい! 俺の隊がその任務につくぜ!」
手をあげて騒ぐその姿は、小学校低学年の授業風景に似ていた。
「っるさいわよ単細胞」
「な、何だと!」


露出の多いセクシーな魔族が、ショッキングピンクの髪を指に巻き付けながら一喝した。 ジークはその間も何か考え込んでいるようだった。





115 名前: まおっこ6 投稿日: 2007/08/28(火) 00:09:44.66 ID:SZrx6O1i0

「はぁ……」
小さなため息をついたのは、魔王軍の参謀、パラディンだ。 分厚いローブと深く被ったフード。 おまけに長い髪のせいで顔はほとんど見えない。
「皆さん。私に一つ、提案があります。聞いてください」
パラディンが口を開くと、騒ぎ立てていた者たちが一斉に口を閉じた。 この発言力の高さはパラディンが他の幹部からも一目置かれているということに他ならない。 しかしこの後のパラディンの発言によって、会議はさらに荒れることとなる。





116 名前: まおっこ6 投稿日: 2007/08/28(火) 00:10:16.86 ID:SZrx6O1i0


「――という訳です」
「ふざけんな!」


最も早く噛みついたのは、やはりタナトスだった。
「あんな奴とジーク様を一緒にしておけるか!」
続けて、先ほどタナトスと言い合いをしていた魔族達も反論する。
「そうよパラディン。危険が大きすぎるわ。ただでさえ筋肉バカのおもりをしなきゃいけないのに」
「何だと!」
「ほっほっほ、お主自覚あったのか?」
「こ、この老いぼれが!」
「やめろ!」





117 名前: まおっこ6 投稿日: 2007/08/28(火) 00:10:58.78 ID:SZrx6O1i0
とっくみあいにまで発展しかけた会議は、ジークの一声にで静まった。 魔族達は渋々と席に座る。
「先ほど、パラディンが言ったことだが……」
パラディン以外の魔族達は、どうせ案は却下されるだろうとたかをくくっていた。 だから、次にジークが口にした言葉によって、その場の空気が凍ったのである。
「私は良案だと思った。この作戦でいこうと思う」


ギャグアニメやドリフだったら、この辺りでチーン、というSEが入るだろう。 ここでは代わりにタナトスの「えぇ……」というか細い声が入った。





119 名前: まおっこ6 投稿日: 2007/08/28(火) 00:12:30.75 ID:SZrx6O1i0

「作戦は明日決行。うまくいったら明後日、”嘆きの森”に向けてこの城を発つ。隊の編成はパラディンに任せる。以上だ。解散」
一方的に解散を宣言し、ジークは一人席を立った。 長い銀髪を翻し、さっそうと会議室を後にするジーク。 続けてパラディンも、ジークを追うように会議室から出て行った。 残された者たちは、ただ呆然とするしか出来なかった。

~to be continued~


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年09月17日 22:41
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。