第一話『こんてすと』|『さぶ > けん』 第一話『こんてすと』

55 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 00:57:22.94 ID:QPgQSdUJ0
オタ研という愛称の同好会がある。
正式名称は国際サブカルチャー研究会なのだが、オタ研の方が実状に則しているだろう。


それは文学部とアニ研を合併させて出来た同好会だ。
どちらも人数が少なく、合併したところで正式な部と認められる最少人数の、
五人に満たない。


俺はもともと文学部だった。特に好きなのはドイツ文学。
ヴァイマール文学を代表するゲーテやヘルダーリンなどの作品は全て読んだ。
熱い情熱と燃えあがるような恋の情念。
またキャラのもつ独特な宗教観が、日本人の俺にとって大変魅力的だったんだ。



57 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 00:58:18.17 ID:QPgQSdUJ0
しかし今ではゆっくり本をよむことさえままならない。
なぜなら元アニ研のやつらが俺にゆっくりと本を読む空間を提供してくれないからだ。


「フヒヒ! 永井豪先生今日もおはようございますです!」

レトロなデザインのロボットのプラモに話しかけているのは、斉藤という男だ。
四人いるオタ研の内の一人で、ロボットマニアである。
膨れあがった腹と顔のニキビとダサいメガネと汗臭さから、人避けにはもってこいの男。



「ついに最終回か……やはり高校を卒業してしまうだろうから、二期は無いだろうな」

女子高校生のほのぼのとした日常を描いたアニメを見つつ、ため息をつく男。
こいつはアニメや漫画などのジャンルで広く浅くオタクをしている。
整った顔立ちなので、普通にしていればモテそうなのだが、本人は気にしていないらしい。
某テニス漫画の部長に似ているこいつは、赤城という名前でこの同好会の代表である。




58 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 00:59:41.21 ID:QPgQSdUJ0

「ナオくん、これ面白いから読まない?」

そしてさっきからしきりに俺にラノベを勧めてくる男がいる。
この童顔で女の子並に背の低いこいつは、三人目の同好会メンバー、小松。
みんなからはこまっちゃんという愛称で呼ばれている。

「うん。読んでみる」

こまっちゃんは良いやつだ。他の二人と比べて(そこまで)オタ臭もないし。
ラノベしか読まないやつだけど、同じ文学好きには変わりないしな。


まあそんなこんなで、この狭い部室の中、アニメ、漫画、プラモ、ラノベが
大量に積まれていて、俺の本を置く場所もゆっくり読みふけるスペースも無いんだ。



まあそれでも楽しくやってたよ。
赤城とジョジョの話で盛り上がったり、こまっちゃんとラノベの定義について
熱く語り合ったり、斉藤をいじったり。




59 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:00:49.80 ID:QPgQSdUJ0


でもそんな俺たちオタ研に、ある日唐突に解散の危機が訪れたのだった。


バタン

狭い部室の部屋が勢いよく開かれた。
入ってきたのはアイドル研究会の女たち。赤城がアイマスと呼んでいる部だ。

「ちょっといいかしら?」
「フヒヒwwwww拙者に何かご用でござるかwwwwwwww」
「あ、あんたに用は無いわよ斉藤! 赤城はいるわよね」
「何だ?」

アイマスの部長が俺たちの代表に話すことって何だろう。
そう思ったのもつかの間、俺たちはこのグルグル巻きセミロング女に
とんでもない事を言われた。

「この部屋、私たちアイドル研究会の部室に使わせてもらうから」




61 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:02:09.81 ID:QPgQSdUJ0

見下すような視線が上から降り注ぐ。
有無も言わせない高圧的な視線だ。


「どういうことだ?」

赤城がずり落ちたメガネを指で直しながら、冷静に聞き返した。

「私たち、どっかの同好会と違って人数が多いのよ。
 しかも衣装やら小道具やらで荷物が多くってさ。
 だからこの部屋をアイ研の荷物置き場に使わせて欲しいのよ」


何という女だ。シャルロッテのようなおしとやかさをカケラも持っていない。
このお前の物は俺の物だと言わんばかりの勝手な態度に赤城も怒っていた。


「ふざけるな。この部屋が使えなくなったら、俺たちは活動出来なくなる」
「部長の言う通りでヤンスよwwwwwwww」
「だから斉藤は黙ってなさい!」
「ブヒィ!」




62 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:03:37.74 ID:QPgQSdUJ0


その時、椅子に座っていたこまっちゃんがカタカタと震えだした。

「どうしよう……僕たち追い出されちゃうの……?」
「こまっちゃん? こまっちゃん!?」


俺が呼びかけても反応せず、青ざめた顔で震えるこまっちゃん。
目に涙を浮かべ、苦しそうな顔で歯をかちかちと鳴らす。


こまっちゃんは、パニック障害をもっている。
俺はそっとこまっちゃんの肩を抱いて、子供をあやすように背中を撫でた。

「大丈夫。部室が無くなるなんてありえないから」
「どうしよう……どうしよう……」
「落ち着いて。ゆっくり深呼吸を……」

「オーホッホッホ! 貴方たち、そういう関係だったのかしら?
 女の子にモテないあまり、男に走ってしまうなんてねー」




63 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:05:04.96 ID:QPgQSdUJ0

俺はギロっとアイマスの部長を睨んだ。

「な、何よ……ちょっと冗談言っただけじゃない……」
「……」
「う……」

部長はビクッと後ずさりした後、来週また来ると言い残し、部屋を出て行った。



「ナオ。ジアゼパムだ」

赤城がこまっちゃんのカバンから薬を取りだし、俺に手渡した。
斉藤が水の入ったコップを持ってきて、俺がこまっちゃんにそっと薬を飲ませた。

二十分ほどで発作は治まったが、部屋の空気は暗く、沈んでいた。




65 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:06:56.78 ID:QPgQSdUJ0

こまっちゃんと俺は同じマンションに住んでいる。
だからその日も一緒に帰った。

こまっちゃんは人見知りが激しく、あまり知らない人といると発作が起きたりする。
そんなこまっちゃんもオタ研のみんとなら大丈夫らしく、あの部屋で発作が
起こったことなど今まで無かった。

もしオタ研が無くなれば、こまっちゃんは学校に来なくなるかもしれない。
ただでさえ保健室登校で苦労をしているのだ。
何としても部室を死守してやろう。こまっちゃんは、良いやつだから。


「今日はごめん。いきなり発作になっちゃうなんて……」

こまっちゃんは俯いたまま、隣で歩く俺に言った。




66 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:07:46.13 ID:QPgQSdUJ0

「気にするなよ。それに、あの部屋は取られたりしないよ。
 俺と赤城が何とかするから。斉藤はぶっちゃけ当てにならんけど」
「僕は……何も出来ないね」

しまった。俺の失言だ。

「いや、こまっちゃんは絶対必要だよ。だって、こまっちゃんがいないと、
 俺と本の話が出来る奴がいなくなるんだから。お前がいないと、俺が困るんだ」

こまっちゃんは困ったような、照れたような顔でにこっと笑った。

「ナオくんは優しいね。僕に出来ることがあれば、何でも言って」
「ああ。もちろん。こき使ってやるさ」
「えー? あはは」
「はははは」


こまっちゃんは誰よりも優しくて、人に気を遣って生きてきた。
そのせいで心の方がまいっちゃって、パニック障害という病気にかかったんだ。


今度は俺たちが、こまっちゃんを支える方なんだ。




67 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:09:11.98 ID:QPgQSdUJ0

アパートに着いた俺は部室を死守するという固い決意を固め、こまっちゃんと別れた。
その日の夜、部屋で偶然目に入ったカレンダーを見て、明日が自分の誕生日だということを思い出した。

恐ろしいことに俺は童貞だ。
今まで本ばっかり読んでいて青春という名のノートを白紙で埋め尽くしてきたせいだ。

女体化するのは一握りの童貞だけだから、何とかなるだろと楽天的な考えで、俺はさっさと布団に潜った。




~次の日の朝~


「……マジかよ」

童貞の男は十七歳の誕生日に、0.01パーセントの確率で女体化する。
学校の保険で小学校の頃から習っている知識である。

見事俺は、一万人の内の一人に選ばれた。
非童貞の数を比率に数えれば、十五万分の一程度の確率である。大変名誉な数値だ。




69 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:10:54.22 ID:QPgQSdUJ0


「お母さん……俺……女になっちゃった」

台所で味噌汁をつくっていた母さんにそう言うと、予想通り崩れ落ちた。
俺の母さんは元ミュージカルダンサーで、何かとリアクションが大きいのだ。

「ああ! 何てことなの! 手塩にかけて育てた息子が女になるなんて……!
 死んだお父さんに顔向け出来ないわ……!」

「あの……まさか俺も女体化するとは思ってなくて……」

「まあ可愛いからいいんじゃない? あと十分で朝食出来るから待っててー」


俺の母さんは偉大な人だと思う。




70 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:11:25.52 ID:QPgQSdUJ0

学校ではみんなから質問責めにあった。主に男から。

「おっぱいどんだけあるん? マジ見せてぇな」
「お前アソコ見ただろ? どんなだった?」
「何カップ? それ何カップ? Dはくだらないと見たね」
「フヒヒwwwwww三次元に萌えたのは初めてでござるwwwwwwwwwww」


元が男だったもんで、みんな何の遠慮もなく卑猥な質問を投げかけてくる。
俺は全ての質問をさらっとスルーしておいた。あと斉藤だけは殴っておいた。


放課後、部室の扉を開けると斉藤とこまっちゃんがいた。赤城はまだらしい。

「あ、ナオくん! 女の子になったって、保健室の先生から聞いてたよ。
 すごい美人になったね!」

屈託の無い笑顔で誉められれば、まあ悪い気はしない。



71 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:12:20.43 ID:QPgQSdUJ0

「小松殿。見た目はこれでも中身はアレでござるよ。気をつけないと怪我するでござる」
「俺が手をあげるのはお前だけだから安心しろ斉藤」
「ブヒィ! 差別でござるよ!」


そうこうしている内に赤城がやってきた。
全員いるのを確認した後、手に持っていたプリントを机の上に置いた。

「さっきアイマスのやつらから渡されたものだ。どうやら、部対決をやらなければならんらしい」


説明しよう。
部対決とは、部活や同好会の間でもめ事が起こったとき、生徒会の仕切りの下何らかの方法で対決を行い、
勝った方が要求を通すことが出来るというシステムである。


「ねえ赤城。部対決って双方の合意が無いと行われないんでしょ?」

いつこの対決をこちらが承諾したのか、気になった俺は聞いてみた。




72 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:13:00.72 ID:QPgQSdUJ0

「ああ、その通りだ。だがアイマスの奴らは生徒会にコネがある。
 しかも俺たちは同好会で、立場が弱い。特例として俺たちの承諾無しで部対決をすることが決まったらしい」

「そんな……」

俺たちは赤城の言葉にがっくりと肩を落とし、既に部室を諦めていた。

「ちなみに勝負方法は既に向こうが決めていた。何でも美少女コンテストをするらしい。
 昨日までの俺たちなら勝負すら受けられずに負けていたが、今なら勝てる。
 この勝負受けようと思う」

「お、俺が出るっていうのか!? そのコンテストに!?」

「ああ」

「む、無理! 絶対無理!」

「安心しろ。勝算は無い訳では無い」




73 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:13:41.74 ID:QPgQSdUJ0

何かやばいことになっている気がする。
こまっちゃんは目を輝かせて俺を見つめるし、斉藤は斉藤でノリノリである。

「おいおい……ていうか赤城。女になってから初めて会ったんだけど、お前あんま驚かないのな」
「俺はお前が女になったことより、ホットパンツが女だった時の方が衝撃だったからな」
「いやまだ女ではない可能性も……いやそんなことより、お前ら本気で俺が勝てると思ってるのか?」


赤城も、こまっちゃんも、斉藤も、示し合わせたかのように同時に頷いた。
どうやら俺も本気で覚悟しなければならないみたいだ。


「コンテストは一ヶ月後だ。さっそく衣装を用意しなくてはな」


何だか俺は騙されてるような気がするが、こんな生き生きとした赤城も珍しい。
こまっちゃんもすごい張り切ってるし、斉藤もロボットには関係ないというのに手伝ってくれるようだ。

みんなこの同好会が好きなんだな。何だか俺は安心した。




74 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:14:45.77 ID:QPgQSdUJ0

「よし、やるからには勝つからなお前ら」
「無論だ」
「フヒヒwwwwwテンションあがってきたwwwwwwwwww」
「頑張ろうね! ナオくん!」


それから一ヶ月の間、俺たちはコンテストの準備に走り回った。
というのは嘘で、二週間で衣装が用意出来てしまったので、残りの日数は全て遊んでいた。
この緩さがまた好きなのかもしれない。



~コンテスト当日~


部対決は体育館で行うこととなった。
公正をきすため公開して行うのが通例なのだが、それにしても全校生徒が見に来るとは異常である。
美少女コンテストという響きが人間の奥底にある本能を呼び覚ますのだろうか。




75 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:15:50.04 ID:QPgQSdUJ0

「よし、着替えたか?」

舞台裏で着替えを終えた俺に、赤城が呼びかける。
物陰から出てきた俺に、赤城は満足そうに頷き、こまっちゃんと斉藤は目を見開いて興奮していた。

「うむ。上出来だな」
「ナオちゃん可愛いー! これなら勝てるよ!」
「フヒヒwwwwありきたりな衣装なだけに一般受けも良さそうでござるねwwwwwwww」

「大丈夫なのか、これ? アイマスの部長は水着で出るらしいけど……」

俺はこのファンタジックな衣装が不安でたまらなかった。

「む、始まるようだぞ」

俺たちは舞台袖からそっとステージの様子をうかがった。




77 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:18:03.81 ID:QPgQSdUJ0

「レディースエーンドジェントルメーン! ただいまより部対決、美少女コンテストを開催します!
 さっそく登場して頂きましょう! アイドル研究会より、部長の春野由紀さんです!」


おおおーという歓声が、鼓膜が痛くなるほど轟いた。
ぎりぎりまで露出したビキニで、アイマスの部長がステージの中央でポーズを決めている。


「流石アイ研の部長だな。スタイルは抜群。顔の作り方もわかってる」
「おい赤城。お前どっちの味方だよ」

赤城はフッと微笑んで、口の端を持ち上げる独特な笑い方で言った。

「安心しろ。こういうのには法則があるんだ。勝ち負けを左右する法則がな。
 その法則で言えば、既に勝利はこちらのものだ」

自信たっぷりの赤城に、俺も何だか勝てるような気がしてやる気が出てきた。




79 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:18:46.12 ID:QPgQSdUJ0

「いやー流石レベルが高い! それでは対戦相手となります、オタ……じゃなくて国際サブカルチャー研究会より!
 石羽尚さん! はりきってどうぞー!」


「よし、いってくる!」

「台本通りにな」
「頑張って!」
「影ながら応援しているでござるwww」


俺はスポットライトが眩しいステージに、力強く進んでいった。


シンと静まりかえる体育館。千人近い生徒が一斉に俺を見つめる。先ほどのような歓声は、無い。

それもそうだろう。ついこの前まで男だった、この俺が、ネコミミに尻尾。
肉球つきの手袋をして、ゴスロリ調の格好をしているのだから。俺はマイクの前で呆然としていた。


(やべえ~やっぱ外してるよこれ……)




80 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:19:20.41 ID:QPgQSdUJ0


先ほどの歓声の大きさを考えると、もはや勝負は決していると思われた。
それでも、俺はやるしかない!


「み、みんな、こんにちわにゃん」

胸の前で手を合わせ、足をもじもじさせながら台本通りの挨拶を行う。


その時、体育館が、震えた。




「うおおおおおおおおお!!!!」
「萌える……萌えるよ!!」
「俺はオタクじゃない! だが今は言わせてくれえ! 萌えー!」
「絶望した! 三次元に萌えた私に絶望した!」
「萌え! 萌え! 萌え!」




81 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:20:00.18 ID:QPgQSdUJ0

男も女もオタクも非オタクも関係なく、一斉にわき上がる萌えコール。
舞台の袖にそっと目を向けると、グっと親指を立てる赤城と目があった。
俺はそっと頷くと、次の台詞を言った。


「ボクに投票してにゃん☆」


「しまーーーす!」
「ボクっ娘キタ―――!」
「ぐはぁ! 俺はもう駄目だ……」
「三次元に光を見た!」



その日、全校生徒の投票結果にて、952対39で、俺たちは勝利した。


こうして見事部対決に勝った俺たちは、アイマスのやつらにこちらの要求を呑んでもらった。
それは春野由紀をオタ研に入会させ、同好会から部活に昇格させるという要求である。




82 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:21:00.30 ID:QPgQSdUJ0

現在、春野由紀は兼部ということになり、アイマスとオタ研を行き来している。
最初はどうせすぐ来なくなるだろうと思っていたが、春野は意外とアニメに詳しく、
よく赤城と”名言でアニメを当てる対決”をしている姿を見る。

解散の危機を乗り越え、新しく加入者も入り、見事部活に昇格となったオタ研。
相変わらずぬるい部活だが、これからも楽しくやっていけそうだ。

ちなみに、あの時赤城が言っていた法則のことを、コンテストが終わった後に聞いてみたんだ。
そしたら「対決ものでは、後に紹介されたものの方が勝つ」というものらしい。
何とも赤城らしい法則だが、現実でそれを自信たっぷりに言えることが素敵だよ、ほんと。



「夏の合宿は海と山、どちらにしようか」

ホワイトボードに大きく書かれた”海”と”山”の文字の前で、赤城が俺たちを見渡している。
部に昇格してから初めての会議をしているところだ。
とは言っても合宿という名目で何処に旅行に行くかっていう相談なんだけどね。

楽しみを期待するのも、また楽しみの一つである。ゴットホルトの言葉さ。
さて、最後に俺のお気に入り、ロマン派の詩人であるカロリーネの
詩を紹介しておこう。




83 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:21:52.26 ID:QPgQSdUJ0

In die heitre freie Blaue
(快活で自由な青の中に )

In die unbegranzte Weite
(制限されない広がりの中に )

Will ich wandeln, will ich wallen
(私は静かに歩んで生きたい)

Nichts soll meine Schritte fesseln.
(何も私の歩みを縛ってはならない)

Leichte Bande sind mir Ketten
(軽やかなリボンは私にとって鎖であり )

Und die Heimat wird zum Kerker.
(故郷は牢獄となる)

Darum fort und fort ins Weite
(それ故に、さらに、さらに広がりの中に )

Aus dem engen dumpfen Leben.
(狭い馬鹿げた生を出でて)



84 名前: オタク文化圏 投稿日: 2007/09/23(日) 01:22:14.45 ID:QPgQSdUJ0


まあ常識にとらわれる前に何でもやってみろってことだね。
俺、実はあのコンテスト以来、ちょっとコスプレにはまってるんだ。

どうやら俺もそっちの世界に足を踏み入れてしまったみたいだ。
オタ研の奴らには内緒だぜ。


さて、今年の夏は何処に行こうかな――?


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最終更新:2008年09月17日 22:45
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