109 名前:
◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 13:59:13.23 ID:vmv0zfvO0
むかしむかし、とあるやまいがしんこうしたせかいで2つのくにがありました。ひとつはナカーノおうこく、そして
そのとなりにあるのはサガーラていこくです、この2くにはこくりょくもおおきくりんせつどうしでそのれきしも
かなりふるくがいこうてきな・・いえいえ、みんななかよくそれなりにやりすごしながらへいわなひびをおくっていました。
そしてこの2つのおうこくによつぎとなる2りのおとこのこがたんじょうし、2つのくにのこくおうさまはこくみんをあげて
おおいにそのたんじょうをよろこびになられました。サガーラていこくのせいおうじとナカーノおうこくのかけるおうじ、
この2りが2つのくにをまきこんだはらんなじんせいをおくるとはことなかれしゅぎによりつつあるこくみんはもとより
くにのみらいをしょってたつよつぎのたんじょうにほっとしつつよろこばれているおうしつかんけいしゃはまだしる
よしもありませんでした・・
そしてすうねんのときがながれました、せいおうじとかけるおうじはすくすくとせいちょうしてそのさいのうをいかんなく
はっきされておられましたが・・かんじんの2りのなかはというとさいあくをとおりこしてりんせんたいせいです。
いちど2りが3さいのころにりょうこくのがいこうぱーてぃがひらかれたいめんをされましたが・・あってそうそうの
くちげんか、そこからなぐりあいのけんかにはってんしてりょうこくのあいだではくろれきしとされておられました。
それいこうふたりはかおをあわせるとそくけんかするかんけいとなり、いっぱんしょみんでいうところの“しゅくてき”と
いうかんけいにはってんしました。これではりょうこくのがいk・・もといゆうこうかんけいにもひびがはいってしまうも
のでこくおうをふくむりょうこくのおうこくかんけいしゃにとってしんこくなもんだいでした。
しかしながらそれぞれのおうじはそれいがいをのぞくとそこまでひどいものではありませんでした、せいおうじは
べんきょうかんれんはだめでしたがたいじゅつにおいてはてんかいっぴん、6さいのころにはていこくないのもさたちを
たおせるようになってましたしかくしごとはきらいでなんでもしょうじきにしていましたが、いいとしなのにつっぱって
いたのでごくいちぶのおくさまがたからはちょうしょうのまとでした。たいするかけるおうじはせいおうじどうようのかんじ
ではありましたがあたまがかなりよかったのでこくみんからはしたわれてはいましたのでいちぶのこくみんからでる
ふまんなどは、かけるおうじをしたうだいたすうのよろんによってかきけされておられました。
110 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:01:27.75 ID:vmv0zfvO0
こんなかんじでりょうこくはおうじのふなかもありましたが、きほんてきにはえんかつでおおきなせんそうもなく
へいわなまいにちをおくっておりました。そんなあるひのこと、サガーラていこくではちょっとしたじけんがおこりました。
「なんだこりゃぁぁぁぁ!!!!!!!」
せいおうじはへんかしたじぶんのからだをまじまじとみつめながらこえもあげるしかありませんでした、きんこつ
りゅうりゅうのりそうてきなおとこのからだからほうまんなバストにくびれたウエストやりそうてきなヒップ・・そして
そのなにものにもかえがたいうつくしいかおつきはまさにおうひにふさわしいびしょうじょです。
このげんしょうはこのせかいではなにもせいおうじだけではありません、このせかいにはむかしからにょたいか
というきみょうなびょうきがまんえいしておりそのはっしょうじょうけんも15、16さいのたんじょうびをむかえたとき
どうていだったらおんなになってしまうびょうきです。
しかもかがくよりちからがせいぎのじだいですからちりょうほうははっけんされずかいせきもままならぬじょうたいでした。
「王子の俺様がこんな女になったら・・野郎共のいい様にされちまうぜ!!」
- かんじかたはひとそれぞれですが、せいおうじはひかんなどかんじずこのげんじょうをだはするためにすこし
かんがえはじめました。しかしせいおうじのじょたいかげんしょうはサガーラていこくにおもわぬはんきょうをおよ
ぼしました、むかしからせいおうじのふるまいになやまれていたおうひつかんけいしゃはよろこびだれのはんたい
もなくせいおうじをおうじょとしてむかえ、ていこくこくみんのほうもせいおうじのかおだちにおおいになっとくしたので
せいおうじのもんだいはなんなくクリアされることとなりました。
こうしてせいおうじは“せいおうじょ”となりほんにんのしらぬまにめいじつともにみとめられることとなりました。
そしてこのニュースはとうぜんりんこくであるナカーノおうこくにもみみにとどきました。かけるおうじはめんどくさ
そうにおうじのぎょうむをしながらじゅうしゃからききました。
111 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:03:39.28 ID:vmv0zfvO0
「あいつが女体化だと!!!」
「はい、サガーラ帝国の聖王子が女体化して聖皇女となられました。なんでも向こうの国民の間は大喜びだとか・・」
「あいつが女体化とか・・決着がつけられねぇ!!」
せいおうじょのかけるおうじにとってショックのなにものにもありません。むかしからライバルどうしでしたがこころの
おくそこからみとめあっていたのはたしかなものでしたからことばではあらわしきれませんでした。
「写真がこちらにありますが・・」
「こっちによこせ!!」
かけるおうじはじゅうしゃがさしだしたしゃしんをごういんにうばいとってしゃしんをみつめていましたが・・せいおうじょの
あまりにものうつくしさにおどろきをかくせませんでした。
「こ、これは・・本当にあいつなのか!!!」
「は、はい。私も驚きはしましたが・・間違いございません」
「そうか。もうよい、下がれ」
そういってかけるおうじはじゅうしゃをさがらせるとふたたびぎょうむをさいかいしましたが・・しょっくとおどろきのあまり
てにつかなかったようです。
112 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:05:45.50 ID:vmv0zfvO0
せいおうじょのじょたいかからときはながれ・・おとなしくしていたとおもわれていましたが、せいおうじょは
たんれんをくりかえしていました。
「そりゃぁぁ!!!」
「う、ウグッ!! これ以上は勘弁してください!!!!」
「どうした、生温いぞ!! 次だ!!!」
せいおうじょはいままでとちがったうごきをしていましたが、そのうごきはどこかつかみづらくつぎつぎと
ぶそうしたていこくないのもうしゃをたおしつづけていました。どうやらせいおうじょはおとこのころからさがった
ちからをいかそうとさまざまなぶんけんをのぞいているといこくのぶじゅつをはっけんしました。
それはアイキドウとよばれるものでじょたいかしてちからがさがったせいおうじょにぴったりのものでじぶんより
ちからがつよいものとたいじしたとき、そのあいてのちからをりようしてたおすというものです。
せいおうじょはぶんけんをさんこうにしてわずか1っしゅうかんでアイキドウをじぶんのものにしてしまいました。
もっともちからがさがったといってもふつうのいっぱんだんせいよりかは、はるかにつよいのでそのしんぱいは
ないようにおもえますが・・
113 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:07:08.90 ID:vmv0zfvO0
「おい、皇女はまだ強くなるのか・・」
「王子の頃から俺達よりも強かったのにこれ以上強くなってどうするんだろうな」
「そうそう、もしかしたら男の頃の方がよかったかも・・」
たんれんじょうでならんでいるへいしたちのささやかなかいわでしたが、せいおうじょは“じごくみみ”でしたので
たんれんちゅうでもしっかりとそのかいわがきこえていました。いあつかんたっぷりでギロリとしたしせんで
へいしをにらみあげるとおうじょはかいわをしていたへいしのもとへとあゆみよりまたたくまにふっとばして
しまいました。
そばにいたへいしたちはおどろきのあまりせんじょうではあじわえないほど、からだじゅうがふるえだまって
みまもることしかできませんでした。
「おい!! 次にこんなくだらねぇこといったらてめぇ等・・わかっているだろうな?」
そこにはぜっせいのびじょとうたわれるおうじょのすがたはありません、おにですあくまです!!
まだせんじょうでめにするひゃくせんれんまのしょうぐんのほうがかわいくみえてしまいます・・それからへいし
たちはだまってせいおうじょのたんれんにつきあうほかありませんでした。
114 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:08:01.93 ID:vmv0zfvO0
せいおうじょがたんれんしているとき、こくおうさまとおうひさまにさいしょうほかかくだいじんは
とあるじゅうようなかいぎをしておりました。こくおうさまはひといきおくと、おどろくべきことをもうされました。
「諸君に集まってもらったのは他でもない。我が王j・・ではなく皇女を隣国であるナカーノ王国に嫁に
出て貰おうと思っている」
「「「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」
ほかのだいじんはおどいきのあまりのんでいたワインをふきだしてしまいました、せいおうじょをとなりの
ナカーノおうこくへよめにだす・・それはながねんつづいたサガーラていこくのそんぼうにかかわること
だったのです。しばらくのこんらんがつづきましたが、1りのだいじんがいけんをだしました。
「国王様・・確かにナカーノ王国とはこれまで争いと言った争いはなく両国とも領土を増やして
参りましたが、何も今はそこまでなさる必要もないのでは?」
このだいじんのいけんをかわきりにかくだいじんからいけんがとびだしました。
115 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:09:37.86 ID:vmv0zfvO0
「そうです、今回は女体化されましたが・・また新たな世継ぎの誕生を待たれても良いのでは?」
「それにナカーノ王国には皇女様がおられます、先の言うように世継ぎを待たれてもよろしいかと」
「国力や兵力が互角のナカーノ王国もこちらにまだ攻め入るとも限りませんしな」
ナカーノおうこくにはおうじょさまおられサガーラていこくのよつぎがうまれればえんだんのはなしは
すすみます、しかしリアリストでくにのことをつねひごろかんがえているこくおうさまのかんがえはかわりません。
「諸君らの意見は解る、だがここ数年はナカーノ王国との強固な同盟関係と呼べるものがないのも
また事実。情勢からしていつ向こうが我が国に攻め入れるともわからん!
国や民の事を考えるのならばそれがベストだとは思わぬか? 幸い翔王子は有能で国民に慕われ
人徳もあると聞く・・安心できないとは思わぬか?」
こくおうさまのこのいけんにかくだいじんはおしだまりました、そしてすべてのだいじんをまとめる
さいしょうがこうひとこといいます。
116 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:11:03.14 ID:vmv0zfvO0
「国王様の言う事は尤もです、確かにナカーノ王国には皇女がおられますがこちらの世継ぎが
産まれるかまだ解らぬところ・・それに引き換え聖皇女と翔王子が夫婦になれば我が帝国の
安泰は確実なものです」
「ですが、宰相閣下・・あの2人の性格は知っておられるはずです。果たしてうまく行くかどうか」
「う~む・・国王様はどうお考えで?」
「・・・時に任せるしかなかろう」
リアリストであるこくおうさまにはかんがえられないいけんでしたが、かくだいじんたちはこれいじょうの
いけんがいえずにこのあとのさいけつではぜんいんいっちのさんせいいけんでせいおうじょのこん
いんはしょうだくされました。
「えええっ!!! 俺があいつと・・ここここ、婚約だとッ!!!!!!!」
「そうよ、さっき国王様が各大臣を集めて会議してたけど承諾されたわ」
たんれんがおわったせいおうじょはにょたいかしてからつかえたさむらいじょであるツンからさきほど
のかいぎのないようをききましたが・・とうぜんはんぱつしました。おうじじだいにもだいだいじゅうしゃが
つかえておりましたが、どれもせいおうじょのせいかくにてをやきしんろうをわずわってみなやめて
しまいました・・こんかいのさむらいじょもたびたびそれがよそうされましたがせいおうじょとはあいしょうが
いいらしく、いいかんじでまわっておりました。
せいおうじょはこのこんいんばなしにとうぜんはんぱつをかくせません。
117 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:12:00.97 ID:vmv0zfvO0
「なんで俺があんな奴と結婚しなきゃいけねぇんだよ!!!」
「決まったものは仕方ないでしょ。それに悪い話じゃないと思うけど?」
「あのなぁ、あいつとは宿敵なんだよ!! 国の事情なんて知るか!!
あんな奴と結婚するぐらいなら死んだ方が数億倍マシだ!!!」
よそうどおりのせいおうじょのはんぱつにツンはすこしあたまをかかえましたが、まるめこめるてはずは
かんがえていました。
「あんた、女になってからは王子と会った事あるの?」
「んなもんねぇよ!!」
「だったら会うだけ会ってみなさいよ。女になってから会うと印象は案外違うものよ?」
「そんなことあるはずが・・」
「それに逃げたら女が廃るわよ」
「・・・」
せいおうじょのせいかくをよくしりつくしているからできるいいまわしです、ツンのひとことになんらはんろんが
できずせいおうじょはおとなしくまつほかはありませんでした。そしてこのこんいんのはなしはサガーラ
ていこくのししゃをとおしてナカーノおうこくにもつたわることとなります、おうおくかんけいしゃをまじえた
はなしにとうのナカーノかけるおうじもとうぜんのごとくはんぱつします。
118 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:13:28.56 ID:vmv0zfvO0
「だれがあんな奴と結婚するか!!!」
「しかし王子・・これは我が王国にとってチャンスとも言うべき物ですぞ!!」
「サガーラ帝国とはこちらからも何か考えていたが・・王子が婚約すると安心ですぞい!」
かなりなやんでいたサガーラていこくのだいじんたちとはちがってナカーノおうこくのだいじんたちは
このはなしにさんどうてきでした。そもそもナカーノおうこくのだいじんたちはサガーラていこくとの
ゆうこうてきなせいさくをかんがえているまっさいちゅうであったので、このこんいんばなしはねこに
かつおぶし・・いぬにドックフードといったかんじですぐにさんどうムードです。
「すぐにこちらも使者を送ってパーティの準備を・・」
「待て待て待て!!!!! 俺は賛同するとは誰も言ってないぞ、そんなもの断固として反対だ!!!」
「・・お兄ちゃん、それじゃあ他に誰を選ぶの? 婚姻を遅らせてしまえばこの国で最も重要な
世継ぎの誕生がなくなるわよ」
「椿・・」
とつじょとしてくちをはさんだのはナカーノおうこくのおうじょであるつばきひめ、かのじょはこのこんいん
ばなしにかなりさんせいてきでした。しかしながらつばきひめはこのかけるおうじのふしょうじをもみけしを
やらされていたので、ひめでありながらひじょうにきゅうくつとしたせいかつをおくっておられました。
もっともふしょうじというのはかけるおうじがけんかをくりかえしていたものではありますが・・それを
ほとんどやらされていたつばきおうじょはじぶんのくろうがへるとおもいました。
119 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:14:22.59 ID:vmv0zfvO0
「だがこれは俺の男としての信念が許さん!!」
「お兄ちゃんが童貞卒業した相手は・・お父様の側室の人よね。
それに今までの喧嘩の数々、忘れたとは言わせないわよ」
「うっ、ううう・・・」
つばきおうじょのことをいうことはすべてじじつなのでかけるおうじははんろんできません、さらに
ナカーノおうこくのこくおうさまもそくしつのそんざいをさらけだされたのでこころなしかかおいろが
すこぶるわるいです。
ナカーノおうこくのじっけんをにぎっているのはこくおうさまでもかけるおうじでもなく、つばきおうじょのようです。
「国民にこれが曝け出されたら・・地位はガタ落ちね。素直に婚姻を承諾すれば名君として後世に残るわよ」
「だ、だが・・」
「それに聖皇女の写真を大切そうに持っているようね。どうなの?」
「・・・・・・」
「決まりね。日取りが楽しみね♪」
せいおうじょとどうようにだんまりするかけるおうじ・・つばきおうじょのどくだんじょうのもとでナカーノおうこく
でもこんいんがしょうだくされ、こうしてりょうこくのいしんをかけたこんいんはぶじにしょうだくをされ、まえ
いわいとしてパーティがひらかれることとなりました。
120 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:16:52.72 ID:vmv0zfvO0
そしてこんいんパーティの日・・しょうたいされたのはかっこくのしゅのうばかり、まさにりょうこくのかくごの
あらわれでしょう。ナカーノおうこくとサガーラていこくのこくおうさまやおうひさまはさいこうきゅうのワインを
くみかわしながら、ささやかなだんしょうをしていました。
しかしおやとははんたいにとうじしゃである2人はなかなかテンションがあがりません、せいおうじょはその
もちまえのうつくしさにけしょうとさいこうきゅうのドレスでまわり(男)のしせんをどくせんしていましたし、
かけるおうじもそのびだんしぶりではながありましたが・・きもちはすすみません、なりくずしてきにあいさつ
をくりかえしながらふあんでいっぱいでした。
りょうこくのかんけいしゃがきいたらそっとうもののことばではありますが、じじょうがじじょうなのでしかた
ありません。せいおうじょはこころなしかためいきがふえるなかでいっしょにさんかしていたツンはなんとかなだめます。
「皇女様、諸国の閣下たちの挨拶はこれで終わりです」
「ツン・・俺帰りてぇよ」
「いけませんよ、皇女様。本番はこれからです」
こうてきなばをわきまえているツンはなんとかせいおうじょをなだめます、さいわいにもせいおうじょはふだん
のあらあらしさがなくしょこくのだいひょうとのあいさつにももんだいはありませんでしたが、これがつづいて
しまえばあいてがわにしつれいですのですこしばかりまずいです。
121 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:18:21.16 ID:vmv0zfvO0
「なら、せめて敬語はやめてくれよ。いつものようにしてくれ・・」
「私は聖様にお仕えする一介の侍女でございます。さ、翔王子がお待ちかねですよ」
ツンもきもちはわかりますが、さほうがさほうですのでれいぎをくずすことはできません、せいおうじょも
わかってはいたのですがあたまでかんがえるとさらにきもちがおちてしまうものです。たいするかける
おうじがわもにたようなかんじでした・・
「めんどくせぇな・・」
「王子、それはなりませんぞ。この縁談は我がナカーノ王国だけのことではないのです!」
「ハァ・・わかっちゃいるけどな」
かけるおうじもせいおうじょとどうようになかなかきもちのせいりがつきません、じゅうしゃのほうも
ヒヤヒヤとしながらさとします。
「同舟相救うという言葉もあります。先の事など誰も解りますまい」
「チッ、しゃあねぇな」
なっとくはいまひとつできないののかけるおうじはこうてきのばとわりきりながらついにせいおうじょと
たいめんすることをけついし、たいするせいおうじょのほうもつんにうながされつつ、いをけっして
かけるおうじとたいめんをこころみます。こうしてたがいのしねんをのこしつつもせいきのたいめんははじまりました・・
122 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:19:33.21 ID:vmv0zfvO0
「「あっ・・」」
2りはたがいのかおをみあわせたあと、おどろきをかくすことはできませんでした。せいおうじょはおとこの
ころとはどこかちがうみりょくをはなつかけるおうじにとまどうばかり・・かけるおうじもしゃしんよりもより
うつくしいせいおうじょのすがたについついおとことしてのさがをかくしきれません。ひさびさにあうちがった
あいてのすがたにことばがでず、しばらくだんまりとしながらたたずんでいた2りでしたがツンのきてんに
よって2りはしろにあるテラスにいどうすることとなりました。
テラスにいどうしたあと、ツンとじゅうしゃはくうきをよんではなれたところでかげから2りをみまもることと
なりました。せいじゃくがばをしはいするなかでことばがでなかった2りですが・・すうふんのときをへて
かけるがようやくくちびをきります。
「お、お前・・本当にあの聖王子か?」
「ああ。俺様がこんなアマに成り下がって悪かったな!!! 糞王子!!!!」
「何だと!!!」
おやくそくともいうべきくちげんかのおうしゅう・・かげからみまもっているツンとじゅうしゃにとっては
こっかにかかわるいちだいじになりますのでヒヤヒヤものです。
123 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:20:49.20 ID:vmv0zfvO0
「チッ、こんな婚約・・糞くらえだ!!!」
「俺だって同じだ!!」
「うるせぇ!!!」
せいおうじょはじまんのこぶしをつきだしますが、かけるおうじはなんなくうけとめます。
しかしせいおうじょからはなたれるちからはおんなのそれをこえていますからうけとめたみぎては
ヒリヒリとします。そのしゅんかんにかけるおうじはせいおうじょをからだごとじぶんのからだに
あずけますが、まじかでみるせいじょうのうつくしさとみりょくにかけるおうじのしんねんは、はやくも
ゆらいでしまいます、たいするせいおうじょもていこうをこころみますがかけるおうじのあたたかさを
かんじてからだがしぜんとおとなしくなってしまいうごくことすらできません。
いわゆるひとめぼれというやつですね・・
「な、何すんだ!!!」
「こんなに体が柔らかいとは・・本当に変わったな」
「だだっ、だからなんだって言うんだよ!!!」
「い、いや・・素直に綺麗だと」
「!!!!!」
かけるおうじのこのひとことにせいおうじょのかおはまっかになりもうことばがでません、それに
せいおうじょもかけるおうじにいわれるとなんだかわるいきがしません、たいするかけるおうじのほうも
あつくなるじぶんのからだをおさえるのにひっしです。このままキスをしようとおもいましたが、かける
おうじのりせいとほんのうがたたかいをくりひろげるなかでわずかなりせいがしょうりし、せいおうじょをはなしました。
124 名前: ◆Zsc8I5zA3U (広島県) 投稿日: 2008/09/15(月) 14:21:23.62 ID:vmv0zfvO0
「お、おい・・」
「な、なんだよ。男ならズバッと言いやがれ!!!」
「何も言わず俺と結婚しろ!!!!」
「――ッ!!! なななな、何言いだすんだてめぇは!!!!!」
かけるおうじのいっせいいちだいのだいこくはくです、しかしとうのかけるおうじはじぶんのいいはなった
ことばにないしんはおどろきでへいせいをよそおうのはむつかしいものです。たいするせいおうじょも
とつぜんのだいこくはくにとまどいをかくせずどうようをくりかえしてスッパリとことわることができませんでした。
「どうなんだ!!」
「は、はん! 俺はお高いぜ!!! いいいっ、一応は頭の片隅に入れといてやるよ!!!」
ペースをうばわれてことばがなかなかでないもののまんざらでもないせいおうじょ・・こうしてくにをも
こえ、いっしょうをかけた2りのつきあいははじまるのでした。
最終更新:2008年09月22日 23:33