安価『これは…』

「これは…」
夢を、見た。顔の黒く塗りつぶされた男に、少女が犯され続ける夢。
淫夢と言うべき内容だったにも関わらず、不思議とそう言う気分にはならなかった。
それどころか奇妙な既視感さえ覚え、肌が粟立った。一体なんだったんだろう。
当然少女の顔は見覚えすらなく、体型からして男は俺ではない。
ただ、場所にだけは見覚えがあった。そこは、俺の毎日通う教室。
俯瞰するような、天井付近から与えられる目は、夢、と言う媒体も与えられてか質の悪い冗談のように写る。
ただ、見知った場所での激しい情事は現実感のない夢の一場面に奇妙な艶かしさを与えていた。
何かをしなければいけない気がする。しかし、その何かがわからない。原因不明の焦燥感だけが募っていった。

数日後。その全てはあっけなく氷解することになるのだ。
俺は、その情事を目撃することになる。ただし、夢とは違い第三者的な視点ではなく。
そこで俺は思うのだ。『これは…』

予知夢だったのか、と。


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最終更新:2008年10月03日 16:31
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