『 序章 』

これは15,16歳位までに道程を捨てなければ女体化する世界でのお話。

僕が女体化する。

男だった頃はそんな事、僕が本当に女の子になったらどなるのだろうか。
位にしか考えていなかった。
いや、それは違う。
僕は自分が女だったら──を想像してオナニーに明け暮れていた。

「女の子だったら、どれくらい気持ちいいんだろう」

「女の子だったら、どんな服着るんだろう」

「友達(男)との付き合いはどうなるんだろう」

「女の子になったら、僕は男を好きになれるんだろうか」

「学校での僕の立場は?」

「女の子になってもないのにこんな事考えるなんて、僕は真性の変態なんだ・・・」

「こんな僕は彼女なんてできやしないんだ」

「いっそ、このまま女の子に・・・」

そんな事を想像するだけだった。
想像だけの事が今、現実となった・・・。



翌日、僕は起きた。

「朝かぁ・・・」

時間を確認する。
まだ朝の6時らしい。7月ということもあって、もう外は明るい。

「よかった・・・まだ6じ──」
「!!」

僕はオナニーをしながら寝てしまい全身裸で寝てしまっていた。

「またやった!」

寝ぼけた頭で一瞬焦ったが、もう遅い。
自分の現状を把握すべくもう一度体を確認する。

「あれ?」
「ええーーーーーー!?」

大きな声を出してしまった、顔が見る見る熱くなっていくのを感じて大声を出してしまったことを後悔する。

「お、お、お、女の子!?」

ついに僕は女体化してしまった。

「どどどどどどどうしよう!」

寝起きの頭で現状を冷静に判断しようとするが、判断できない。
裸のまま、部屋の中をぐるぐると歩いて焦る僕。



「うぅ・・・。とりあえず服を着よう・・・」

歩いている間に少しは目が覚めたようだ。
裸だから体がスースーするのか、股間にあるはずのものがなくてスースーするのか分からなかったが。
とりあえず、下着からはいた。

「トランクス・・・はけないなぁ。大きすぎる・・・」

僕はこんなに小さくなってしまったのか。男物の下着はもう体が受け付けてくれないという現実が
僕が女体化したという事を教えてくれる。

「はぁ・・・ジャージだけでも着るか。」

ジャージも大きかった。すぐにずり落ちる。
幸い、ジャージについていた紐をぐっと閉めてなんとか履く事ができた。

「ダボダボだぁ・・・・」

最後に、ベッドの上に転がっていたTシャツを取った。

「・・・・・」

ここで少し冷静になった。
自分は女の子になった。そして、自分の胸についているものを確認したい衝動にかかれ、Tシャツを着るのをやめた。

「ある・・・胸が・・・おっぱいが・・・」



焦る僕。男の時の僕だったら、この瞬間に少しは喜んだんだろう。
触ってみたかったおっぱい。揉んでみたかったおっぱい。どんな感触だろうか。
そして今はそれが自分のモノとして目の前にある。
そう思うと、期待より焦りがこみ上げてきた。

「うああああぁぁぁどうしよう、どうしよう」

そのとき

「まーくん?起きてるの?」
「お母さん!?」

トントントンとゆっくり階段を上がっていく足音が聞こえる。
僕はとてつもなく焦った。
僕の部屋・・・というか、この家の扉という扉、トイレをのぞく扉には鍵というものがない。
みんな、扉を開けるける時はノックはするものの次の瞬間には空けてくる。
そう、僕の家は四人家族、お父さん、お母さん、弟、そして僕だ。
男の家庭だし、両親もあえて部屋の扉に鍵を付けるなんてこと、考えもしなかったんだろう。
トントン

「まーくん?起きたの?入るよ?」

返事ができない。正直焦っている。
ふ、ふ、服を着なきゃ!
僕は焦って

「ま、まって!」

女の子の声で返事をしてしまった。



女の子の声で返事をしてしまった。

「まーくん!?」

ガチャ、母が不意に入ってきた。それはそうだろう、女の子の声で返事をしたら、それは──

「あぁ・・・お母さん・・・」

お母さんにばれてしまった。いや、ばれるなんておかしい。
どのみち、いち早く相談して色々と処置をしてくれるのは家族しかいないんだから。

「まーくん。女の子になっちゃったの・・・」
「お母さん、複雑だけどなんだか嬉しい」

なんて事を言うんだ。冷静に。もっと驚くのが普通なんじゃ?
でも、僕は何もいえない。なんていっていいか、言葉が見つからない。
そして母が冷静に続ける

「とにかく、服を着なさい。女の子が上半身裸なんて・・・はしたない!」

一瞬顔が熱くなった。そして間髪入れず

「は、はい!」

お母さん子の僕はそう返事せざるおえなかった。

朝、食卓の場で家族会議が行われた。
こんなの初めての経験だ。やったことがない。すこし緊張する。
いや、少しじゃない、女の子になった体でむちゃくちゃ緊張している。



お父さんがこういった。

「けしからん!お前も男なら、14位までには女の一人や二人抱いておくものだ!
 それを・・・俺がお前くらいの時には・・・」

そして父の愚痴を鬱陶しくおもったのか弟が会話を切って

「アニキチョー奥手!いまどき童貞って、俺信じらんね。ヒャハハハ!」

笑うなよ、お前・・・。そりゃ、お前は男だった僕から見てもいい男だ。
イケメンだよ。部屋に色んな女の子を連れてきては
キャッキャと笑い声が聞こえてきてたのを羨ましく思ったよ!

「なんて事を言うの!まーくんが困ってるでしょ!」

母は僕をかばってくれた。長男ということもあって、可愛がられて育ったからだ。

「おかんはいつもいつも、まーくん、まーくん。あぁマザコンキメェ」

と弟が言った。
お母さんが僕にこういうのがマザコンとは言わない。
と思ったが、現に僕はマザコンだったのかも知れない。言い返せない。
弟の明は、僕がこうして母に可愛がられていたのを、心の中でずっとねたんでいたのかも知れない。
可愛がられるのが長男の特権であり、その弟はそのお零れしかもらえないのが弟の常なのだろうか。



「まったく・・・うちの男どもは・・・もういいわ。私がこの子の面倒をみます。」
「あんた達は、早くご飯食べて仕事と学校へ行ってきなさい!」
「ちっ・・・」
「いや、俺は言わせてもらうぞ、何が為の家族会議だ!俺はだなぁ・・・」
「ちっ・・・ウゼェ、まじぃ飯が更にまじぃ!うぜぇんだよ。」
「明!この場を借りて、今度こそ言わせてもらうぞ。俺はお前をそんな風に育てたおぼえ──」

僕はしばらくみんなの会話を聞きながら呆然としていた。
これが当然の反応なんだ。

「ごちそうさま・・・」

僕はそういうと、そのまま部屋に戻っていった。
現実に女体化したら、僕が男の時に想像していた"女になった僕"の妄想の遥か先を行っていた。
そうなんだろう。現実というものは厳しかった。
僕はしばらく部屋に引き篭った。
明は、学校で僕のことを話題にするんだろう。
そうだ・・・アイツはどういうんだろう。
やっぱりか。
と言うんだろうか。
アイツ、章吾は僕の唯一信用できる友達だ。彼は13で童貞を捨てた。
もう女体化することはない。
僕は・・・自信が無い自分のせいで、どの女の子ともセックスすることができなかった。
それが、公認風俗でさえ。

「考えるの辛いな・・・。もう、いいや。学校も行きたくない・・・」

男として生まれた体裁すら守れなかった僕は、これから女の子として生きなければならない。
そう思うと。冷静ではいられなかった。



気がつけばお昼前、僕は少しベッドで寝ていたみたいだ。
お母さんが僕の部屋に上がってくる気配もない。おそらく、学校への連絡、手続き等で忙しいのだろう。

「女の子か・・・僕が・・・体も・・・」

心が置いてけぼりで、今ひとつ馴染めない体。
胸や股間を触ってみる。
ある、ない。本来ある出っ張りが入れ替わっていて、何か変だった。
ふと我に返った。

「コレ・・・オナニーしたら・・・どうなるんだろう?」

どうもこうもない。自分の体だ。
今の今までこれからのことで鬱になっていて、自分の体になんの興味もしめしていなかった。
ふと、僕の心にわきあがる熱いもの。
触らずには居られない。
そして、思うが侭にジャージの紐を緩め、股間に指を伸ばす。
無い。それはそうだ。僕は女の子になったんだ。
割れ目に触れる。
なんだか、プニプニしていて変な感触だ。
そのまま、割れ目を探る。突起をさがしてみた。
発見。

「ぃっ!!」

痛かった。初めて触る女体が自分、その触り方も分からなかったのも相乗して痛みしか感じられなかった。

「どうして?」



女の子の一番敏感な部分を触れば気持ちよくなる。そう考えていた僕は複雑な気持ちになる。
所詮はにわか知識だったのか。
昔、皮をむいたナニを直に触ってみたことを思い出した。あれは痛かった。

「やっぱり、急には無理なのか・・・・?」

急に気が乗らなくなった。

「もうやめよう・・・」

それが、男としての失望感なのか、女としての嫌悪感なのかその時は良く分からなかった。

「まーくん?居るの?あけるわよ?」

イキナリでビックリした。焦って僕は股間に這わせた手をどける。



「あれ、もうまーくんなんて変よね。真(マコト)だから、女の子でも違和感はないわ!
 そう、そうしましょう!マコトちゃーん!いるのー?あけるわよー?」

そんなお母さんの独り言が体制を整えるまでの時間を与えてくれた。
ノックもせず入ってくる母。
そんなお母さんと目が合わせられない僕。

「どうしたの?不安なの?大丈夫!お母さんが力になってあげるから。ね?」

やさしい声につられて、僕は布団から顔を出す。

「このままじゃだめでしょ?ほら起きて。ね?お母さんだけはマコトの味方だから。ね?」

僕は布団から飛び出して泣き出してしまった。お母さんの胸の中で。
男の時の僕だったら、恥ずかしくて泣き顔なんて見せられなかった。
いや、違うのかもしれない。でも、今はコレでよかった。


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最終更新:2008年10月03日 17:17
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