「やぁっ………んぅ…」
薄暗い室内に、甘い嬌声が響く。
「…んあぁっ…くぅ………」
声の主とおぼしき少女は、恍惚とした表情で自らの秘所をまさぐっていた。
その表情には、何故か寂寥感が見てとれた。
淫靡に奏でられるぐちゅぐちゅという水音が、少女に対する嗜虐心を一層駆り立てる。
肉壷からとめどなく湧き出る透明の蜜に、少女の指はすっかりベトベトに濡れていた。
尤も、彼女の肉壷はそれ以上の熱と愛液に塗れていたのだが。
「んはっ……あっんっ………やっ、らめぇ…」
少女は、かつては男としてこの世に生を受けた身であった。
そして、少女には血の繋がった実の兄がいた。
「んやあっ……お兄ちゃ、ん…っ………」
少女は、兄を愛していた。赦される愛で無いことは、勿論理解していた。
しかし、そんなことはかつての『彼』にとって問題では無かった。
『彼』にしてみれば、兄が自分を愛してくれるか否か。
それだけが全てにおいて重視されるべき要素だったのだ。
故に。
「…あああっ、んぅ………」
―――15、16歳までに童貞を捨てなかったら女体するという現象を知った時。
『彼』は、迷わず男を棄て『少女』となった。
血縁や性別がそうであったように、手段もまた彼女にとっては問題の範疇には無かった。
「…はぁ……ぁんっ………」
しかし、少女の選択は間違っていた。
女としての悦びを貪る彼女に、彼女の兄は興味を示さなかったのだ。
自棄になった少女が快楽に溺れ果てるまで、そう長い時間は要さなかった。
「――――んんんっ……はぁ…はぁ……………」
やがて、一際大きな快感が押し寄せたかと思うと、
「『―――少女は体を大きく仰け反らせ』……こんな感じのエロゲを考えたんだが、どうだろう」
「死ね、死んでしまえ!」
「ちなみに、タイトルは『15、16歳までに童貞を捨てなかったら女体化する世界だったら』で」
「まんまじゃねーかバカ!!」
最終更新:2008年10月09日 04:06