安価『かしまし』

「なぁ、金返してくれねぇか?」
「すまん、もう少しでバイト代入るから、もう少しだけ待って」
 両手を合わせ、必死に懇願する男。毎度のことだと思いながらも、友人は渋々待ってしまう。
「お前金使い荒いよなぁ。 それ直した方がいいぜ?」
「分かってる。 分かってるって」
 真剣に諭す友人に対し、尖った口調で返す。
親からも同じことを口うるさく言われているのに、何で学校に来てまで同じようなことを言われなくちゃならないのかと思うと、ややしかめっ面になる。
 男の名前は長岡。どこにでもいる、一般的な男子高校生だ。
ただ、他の人よりもゲームセンターが好き。超がつくほど好きだ。
お陰さまで、バイトをしているにも関わらず、周りの友達からお金を借りまくっている。
 そんなある日、俺は女体化してしまった。
力仕事だったバイトも、この体になってしまったせいで、辞めざるを得ない状況。
まだまだ借金は残っているのに、収入がゼロになってしまった。

「お前、どうやって金払うんだ?」
 女体化してから数日後、体育倉庫裏に呼ばれる。
長岡に金を貸している人が全員集まっている。何だか物々しい雰囲気。
「どうやってって・・・ どうにかするしかないよね・・・」
「どうにかって、俺は今すぐに返して欲しいんだけどね?」
 一人の男が言う。腕を組みながら、長岡のことを睨みつけている。
「すぐに返すって言ってたよな? なのに返せないってのは、どんな事情でも許せんなぁ」
「そんなぁ・・・」
 瞳に涙を浮かべながら、その場にペタンとしゃがみ込んでしまう。それでも容赦をしない男たち。
「とりあえず、利子分だけ返してもらおうか?」
「利子って・・・ 今一銭も持ってないんだよ・・・?」
「お前はな・・・ いいものがあるじゃねぇかよ」
 そう言うと、長岡の制服を無理やり剥ぎ取る。必死に抵抗するものの、人数や力が圧倒的不利。すぐに力を緩め、流れるままに従う。
口を押さえられ、手を縛られ、何も抵抗できない状態。
 長岡が借りたお金の利子分は、自分の体と引き換えに支払われることになった。
しかし、これはまだ利子分。大本の分は、まだまだ支払われそうにもない・・・。


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最終更新:2008年10月24日 22:30
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