『おさんぽ』

31 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:21:36.26 ID:hudR4Nf60

仕事があれば当然それに見合う休暇も与えられる、休暇というと何もせずにのんびり過ごすのも悪くはないのだが
それだと私の柄に合わないのでここはベターにドライブと言うものもいいだろう。私達が産まれる昔はガソリンの
値段が高騰して社会問題となったのだが現在は原子力エネルギーを応用した技術で石油に代わる燃料を開発して
それが普及して今に至る。旦那は相変わらず病院で仕事をしているので家にはいない、やはり病院の責任者とも
いうとそれなりに休日も仕事まっしぐらなので中々休まる暇はないだろう。前も手術のプランとかなんやらで一人で
頭抱え込んでいたのでよほど毎日が大変なのかもしれない・・

「ま、グダグダ言ったって仕方ねぇか」

駐車場に止めてある車に乗りながらエンジンを掛けて、一応確認をするとアクセルを踏んで発進する。
目的地など大して決めていないのでブラブラと走るのが一番だ、タバコを吸いながらのんびりと運転して最初は
大通りを適当に走りながらのんびりと走行する。やっぱり都市部を走行すると車が多くて余り気分じゃないもので、
それに今日は休日ということも合って車の数が平日よりもかなり多い。渋滞に引っかからないようにすればいけないが・・
前の車が止まりはじめたとなると掴まってしまったようだ。

「はぁ~・・この様子だと当分は掛かりそうだな」

渋滞というものは余り好きになれないのんびりし過ぎたら前方の車の様子が疎かになってしまうし、かといって視線を
直視し続けるのは却って目が冴えてしまう。何とか抜け道を探してこのピンチから脱したいものだ・・

「やっぱり休日にここは走るもんじゃないな・・道変えるか」

ようやく信号が見えてきたところで私はウィンカーを出して進路を変更する、この道はずっと渋滞するのは目に見えて
いるしこのまま悪戯に時間を消費するのも嫌なので別の所を目指して行くのも悪くはない。

そもそも目的地すら決めていないので何処に向かっていようが関係ないものである。

32 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:25:32.87 ID:hudR4Nf60

渋滞を抜けて大通りからだんだんと遠ざかり、車も落ち着いてきたので通常どおりに走る事が出来る。
タバコを吸いながらのんびりと走行するのは気持ちいいもので景色を楽しめるのもドライブの醍醐味でいい休暇が
送れそうだ。

「ん・・タバコがなくなったな、コンビニ行って買ってくるか」

近くのコンビニを見つけるとそのまま駐車場に車を止めるとタバコを買いにコンビニへと入って行く、そのまま
レジの方へいつも吸っているタバコの絵柄を指定して買っていると・・突然後ろから声を掛けられる、誰だろうと思って
後ろを振り返るとそこには思わぬ人物が立っていた。

「あら? 奈保さん・・」

「どうも」

「こんなところで会うなんて意外ね」

突如として現れたのは旦那の病院の同僚である菊川 奈保(きくかわ なほ)さん、いつも冷静で物静かで口数は
決して多いとは言えない女性ではないのだが私とは同姓の好というか同じ女体化経験者と言うことも
あってか、へんてこな人間が多いあの病院の中では唯一まともに話せられる人だ。


それにしても奈保さんが何故こんなところにいるのかよく解らないものである。

33 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:26:05.61 ID:hudR4Nf60


「ところで奈保さんはどうしてここに?」

「家の近所。あなたは?」

「休暇の暇潰し・・旦那も仕事でいないしね」

「そう・・こっちも似た感じ」

普段の医療服の姿の奈保さんとは違って現在の奈保さんの姿はカジュアルな姿でいたので私は少し驚きながらも
奈保さんの女性らしいところを見れて少し微笑んでしまう。タバコを買って奈保さんの買い物を待つとそのまま会話を
楽しむ。

「奈保さんって旦那さんは確か・・会社員だったわね?」

「彼はタバコ関連の会社、今日は休日出勤・・だから今日は私が子供の面倒を見ている」

「へー、何だか意外ね。でも奈保さんも仕事があるわけだしそういった場合はどうするの?」

「彼の実家に預けている・・私の実家は彼との結婚を反対されていたからそれ以来は音沙汰なし」

「そうなの」

実家という概念がない私にとってはそう言った感覚が余りよく解らないのだが、それでも奈保さんも苦労をして
今の生活を手にしている事がよく解る。育児と仕事を両方こなしながらこうやって生活を続けている奈保さんは
本当に凄いと感心させられる、私のように好き放題しながら後から手痛いしっぺ返しを喰らっている私とは違って
奈保さんは自分の事をきちんとしている姿勢は尊敬物だ。

34 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:27:47.06 ID:hudR4Nf60


「そういえば子供は今幾つになったの?」

「・・今年で上は高校1年生、下は中学2年生。下の方が女体化しないか心配」

「もうそんなになるのね、時が経つのは早いわ」

「それに上の子供が原付の免許を取って今もどこかへ走っている。彼は寛容的だけど私はどこか心配させられる」

「最近の女の子ってそんなものよ。私の学校だって原付はおろか単車で登校している生徒もいるわ」

私の勤めている学校は免許習得とかには結構緩く原付で登校している生徒も珍しくはない、私自身も過去に単車で
登校したりしていたのもで今考えると懐かしい思い出だ。それでもバイクは車と違って構造上の問題から常に
人身事故と隣り合わせなので奈保さんも母親として多分それを心配しているのだろう。

特に女の子は男と違って体のつくりが全然違うので心配はなお更だろう・・


35 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:28:41.29 ID:hudR4Nf60

「奈保さんが心配なのはわかるけど本人もそれはきちんと分かっているはずよ」

「・・・ありがとう。現役の教師はどこか違う」

「そんなに褒められる事はしてないわよ。
保健室だってあくまで生徒個人の自立を促すためのきっかけでしかないんだから・・」

「でもあなたは凄いと思う。子供は成長すると多感になって時としては恐れを抱く、それを和らげているのは簡単なようで
難しいもの・・それが出来るあなたは凄い」

「あんまり自分では大した仕事してないと思うんだけど・・そう言ってくれて嬉しいわ」

やっぱり奈保さんと話しているとどこか落ち着くものだ、思えば同姓の友人は撤兵ぐらいなものだったが全くタイプが
違う奈保さんは別の意味で刺激を貰えるのでいいものだ。

「じゃ、私は家に帰るからこれで・・また職場で」

「ええ・・子供さんにもヨロシクね」

そのまま奈保さんはコンビニの袋を持って私の元から立ち去る。私もそれを確認した後、車に乗って当てもない旅を
続ける・・

36 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:30:11.17 ID:hudR4Nf60



このままのんびりと走行するのはマンネリしてきたと感じた私はそのまま高速に乗るとそのままスピードを思いっきり
出して爆走を開始する。こう見えても暫くは大人しく運転した結果・・免許はゴールドなのだが、ゴールドになった
途端に過去にスピード違反で捕まった事が少しばかりある。やっぱり昔の癖と言うものは中々抜けないもので
撤兵とも前にそんな事を話した覚えがある。まぁ、撤兵が住んでいるアメリカはそういったところが緩いのかどうなのか
よく解らないものだが・・

「やっぱり車はこうでなきゃな」

エンジン音が響く中で私の車は爆走を続け地図上の道を駆け巡る、車はバイクとはまた違った爽快感があるので
癖になって中々やめられないものだ。

「あれ、そろそろガソリンが切れ掛かってるな・・サービスエリアで入れるか」

ガソリンの残量が半分を切ったのでサービスエリアを見つけるとスピードを落としてサービスエリアに入るとガソスタを
見つけて車を停める。一般的なセルフのスタンドとは違って高速道路に完備されているガソスタはなぜか店員がいる
のだが、自分で次ぐ手間も省けるのはいい物だ。

「ふぅ~・・結構走ったな。やっぱり遠出は気持ちいい物だ」

あてもなく走っていたのでその距離はかなりの物になるだろう。それに往復するのも考えるとぼちぼち帰った方が
いいだろう、明日も仕事なのでそれに触ってもいけない。

「どうせあいつは職場にいることだしいつものようになんか差し入れしてやるか・・」

ガソリンを次ぎ終わって清算を済ませるてそのまま車を走らせて適当なところで高速を降りるとそのまま旦那の
勤めている手土産を考えながら病院へ車を走らせる。

37 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:31:56.51 ID:hudR4Nf60


適当な手土産を買ってそのまま道なりに車を走らせる、本当なら高速で行ったほうがすごい楽なのだが手持ちの
予算が少し圧迫しているのと夜の方が昼とは違ってまた別の景色が味わえるのが大きな理由だ。それにこの時間だと
渋滞にも引っかからないし、景色を楽しみながらのんびりと走行できるので私としたら非常に好都合な
ものだ。車を走らせながら旦那のいる病院へと順調へと向かっていると途中、検問に捕まってしまう。

(チッ、検問かよ・・誰がなにやらかしたんだ!!)

警察と聞くと昔の血が騒いでしまうものだが、今はもうそんな歳でもないのでいつものようにするのだが検問という
ことになると何かしらの事件があったのかもしれない・・警察に車を停められるといつものように免許証の提示を
求められる。

「すみません、免許証の提示お願いできますか」

「はい」

「・・はい、結構です。ついでにアルコールの検査もお願いします」

(今更酒気帯び運転する奴なんていないだろうに・・めんどくせぇな)

こんなに時間の掛かる検問はあまりいい物ではない、だけども法律は法律なので仕方なく警察から差し出された
アルコールの検査のものを手渡され、向こうの説明を受けつつ検査をする。結果は勿論アルコールなど検出されず。
そもそも酒飲んだ後に車など乗るはずもなく、ましてや現在は昔と比べて飲酒運転に関してはかなりの厳罰化されて
おり、発覚すれば運転したもの、その車に乗っている同乗者・・更には提供した物まで裁判なしで即免取り&2000万
以下の罰金で最低3年は刑務所にぶち込まれる、それにもし万が一事故を起こしても医療技術の発達によって
アルコールの検出は容易に可能となっているので飲酒運転など誰もする奴などいないだろう。

タバコに関しては税収の関係もあってか一昔よりも値段がかなり下がってきているので私としては一安心と言った
ところだろう。

38 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:32:24.49 ID:hudR4Nf60

「ご協力ありがとうございました」

「検問敷いているってことは何かあったの?」

「ええ、手配中の犯人がこの界隈を逃走しているとの情報があったので・・」

「なるほど。お仕事大変ね」

「そう言って頂けるとこちらとしても有難いです」

末端の人間と言うものは色々と大変なようだ、こっちも軽く会釈をすると再び車を爆走させる。
余計な事で時間をロスしてしまったがこのまま進めば何とか間に合うだろう、それにこの辺は車や警察も少ないので
うまく行けば時間を取り戻すことが出来る。


そう確信した私はアクセルを踏み込みひたすら車を進めるのであった。

39 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:34:02.73 ID:hudR4Nf60


数時間後、何とか幾多の障害をくぐり抜け旦那の病院へとたどり着く。多分旦那はまだ勤務しているので絶対に
病院内のどこかにいるだろう、いつもは平日にたまに顔を見せる程度なので休日に私が来ればそれなりに驚くに
違いない。そう判断した私は病院へ入って行くといつものように受付の人達に差し入れを渡す。

「どうも、いつもご苦労様」

「あっ、いつもすみません」

「あら? 今日は1人なの」

「ええ、彼女が産休を取ったから夜間は私1人ね」

そういえばもう1人の人が妊娠して出産に備えるために産休を取ると聞いた事があった、それに妊娠と聞くと少し
ばかり複雑な感じだ。

「そういえば他の職員の人は?」

「ああ、そこら辺にウロウロしてると思いますよ」

「そう・・ありがとう。ちゃんと休んだ方がいいわよ」

「はい。ありがとうございました」

いつものように世間話を済ませるとそのまま旦那のいる方へと向かう、やっぱり日曜だから人も少ないものかと思って
いたのだがそれにしては平日並の感じだ。様々な部屋を通り過ぎそのママ旦那のいる部屋へと目指す、その途中に
職員専用の部屋に通りがかったのだがそのままスルーして旦那のいる方へと足を向けるのと・・職員用の部屋から
私を呼び止める声が聞こえる。本来ならガン無視してもいいのだけどもこれも礼儀なので付き合うのも一興だろう。

40 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:34:51.00 ID:hudR4Nf60


「・・何? 多田さん」

「やぁ、礼子さん。付き合いなんて寂しいこと言うなぁ」

相変わらず私の心を見透かしたような感じだ、この人は選ぶ学科を間違えているな。

「おいおい、そりゃないぞ。俺はこう見えても子供好きでついでにあそこを学んだんだけどな・・」

「・・小僧どうした? 勝負はまだまだだぞ」

「ああ、悪い悪い」

突然私達の会話を遮る野太い声、それに反応した多田さんは部屋に戻り席に座る。そして多田さんの席の向かいに
座っている老人、この病院で老人は沢山いるが努めている医者と来れば私の知る限りこの人物しかいない。

「あら? 野田さん・・お久しぶり」

「・・あんたか、見ての通り今取り込んでるんでな。行くぞ小僧、これで互角の勝負も決まる」

「ハハハッ・・お手柔らかにお願いしますよ」

典型的な白衣を羽織り老人特有の背の低さを見せるこの人物は私の中で多田さんと双璧を誇るこの病院の変人は
野田 誠一郎(のだ せいいちろう)先生。この人が担当しているのは麻酔科と整形外科で経歴は昔旦那が師事して
いたジジィ並の持ち主で現場ならその道のプロらしい。

普段なら何ら変哲もない老人なのだがこの人が変人なのは理由がある、それは・・

41 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:36:23.63 ID:hudR4Nf60


「そうじゃ、折角の決勝だ。小僧、何か賭けないか? やはりただのゲームだとつまらん」

「そうですね・・院長に睨まれても困るのでやめておきますよ」

「つまらん奴だな」

そう、この人は医者の癖にギャンブルやゲームとかに目がないのだ。現に患者達との娯楽には必ず参戦するし
プライベートではパチンコや雀荘などは当たり前で連戦連勝の負け知らず、賭けという賭けには本当に目がない
人なのだ。2人が現在しているゲームは何ら変哲もないポーカー、野田さんが得意なゲームの部類が入る。

「濃が昔に見てやった患者の方がもっと度胸があったぞ」

「さすが野田さんだ、患者とギャンブルするなんて俺には出来ませんよ。・・さて俺はこの手で勝負させてもらいますよ」

「カードを一回変えただけか・・粋がるなよ小僧」

「おおっ、怖い怖い。野田さんだって全然カード変えてませんよ」

この変人2人を一度に相手にするのは骨が折れる、ゲーム好きもここまで来たら誰も止める事は出来ないだろう。
本来ならこっから立ち去りたい所なのだが野田さんに差し入れもしていないのでなかなか立ち去る事は出来ない
ものだ。


42 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:37:19.37 ID:hudR4Nf60


「行くぞ、小僧・・」

“多田先生、多田先生。至急診察室へお願いします”

「てなわけで、すみませんがここで仕事ですから失礼します」

「フンッ、うまい事逃げおって・・」

そう言って多田さんはカードを伏せたまま置くと必要な書類を整えるとそのまま立ち上がり私が持ってきた差し
入れの袋に腕を突っ込んで適当に取り出す、全くこの人は遠慮と言うものがわっているのかわかってないのか・・

「誰も上げるって言ってないわよ」

「まぁまぁ、そう怒りなさんなって。それでは失礼します」

全くマイペースな人だ、あそこまで来ると呆れを通り越して感心すらしてしまう。
多田さんが去った後、先ほどの静かな盛り上がりは熱を冷め野田さんは沸かしたお茶を一口飲みながらぼやく。

「全く、底の知れん小僧じゃ」

「手は見なくて良いの?」

「なぁにどうせ濃(わし)の手と同じだよ。あの小僧、終始引き分けになるように仕組んでたな」

そう言われると確認したくなるのが人間の心情と言うもので2人の手を確認すると・・全く同じの手で4カード、野田さん
は懐からタバコを取り出すとそのまま吸い初めると少し視線をそらして語り始める。


43 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:37:53.35 ID:hudR4Nf60


「あの小僧も何考えてるのか解らんが・・もっと解せんのはお前の旦那だ。全くあ奴も変な弟子を育てたものだ」

「別にいいんじゃない? それに弟子のもう片方は今や異国の地で女体化専門の主任チーフよ。
それにあなたもあの人の病院で働いているんだから似たようなものじゃない」

「そうだな・・歳を取るのはあんまいいもんじゃねぇな」

こっちもタバコを吸いながらじっと聞き耳を立てながらだんまりを決め込む、本当に老人といるのは疲れるものだ。

「さて暇だな・・花札あるからオイチョでもしないか? 勿論、何か賭けて・・」

「(やべ・・)あっ、ああ・・また今度お願いするわ。ハイ、差し入れここに置いておくから」


私はそのまま差し入れをテーブルに置くと逃げるようにそのまま職員専用の部屋を後にした。


44 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:38:58.05 ID:hudR4Nf60


「ふぅ~、野田さんには悪いが無用なギャンブルには巻き込まれたくねぇな」

重い足取りを残しつつ、何とか旦那のいる部屋へと辿りつくことが出来た。
それにしてもこの病院は魔窟そのものだ、ここにいる医師全員は腕は良いのだが性格面では多いに問題が
あるようで特に多田さんと野田さんはその代表格と言っても過言ではないだろう。そういったオリンピックみたい
なのが開催されたら文句ナシに他の代表を押しのけて金メダルは独占する事が出来るだろう。

そんなことを考えつついつものように旦那の入る院長室へと入って行く・・


45 名前: ◆Zsc8I5zA3U 投稿日: 2008/07/25(金) 01:39:50.35 ID:hudR4Nf60


「・・やぁ、早かったね」

「気にいらねぇな。まるで俺が来る事をわかってたみたいじゃねぇか」

「礼子さんとの付き合いは長いからね」

全く・・とんだ奴と結婚してしまったものだ。それにつかれた素振りは見せてなさそうだし昨日から考え込んでいた
手術は成功したのだろう、本当に仕事がよく似合う旦那である。

「さて、雑務も終わったし・・久々にご飯でも食べに行こうか?」

「ほぅ・・お前にしては気が利いているな」

「ここ最近は仕事の都合で一緒にご飯も食べる暇すらなかったからね」

「・・お前の奢りな。後俺は運転するのに疲れたからお前が運転しろ」

「はいはい」

そのまま車の鍵を旦那に放り投げると久々の夫婦水入らずにどこか充実感を覚える私であった・・



―fin―

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年11月10日 20:30
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。