1.今日寝るのが楽しみだ。
なぜなら、明日は僕の誕生日だから。去年はがっかりした。何事も無く朝を迎えたから。
今年こそはと思うと、なかなか寝付けなかった。
2.今日寝るのが楽しみだ。
なぜなら、明日は環の誕生日だからだ。去年はがっかりした。何事も無く一日が過ぎたから。
今年こそはと思うと、なかなか寝付けなかった。
3.健ちゃんの家に向かう。
健ちゃんはチャイムを鳴らすとすぐに出てきた。
「おはよう。」
「・・・、た、環か?」
「うん。おはよう、健ちゃん。」
「環ぃ!」
「ちょっ、いきなり抱きつかないで。」
「環、可愛いよ、環。」
「健ちゃん・・・。へへっありがとう、嬉しいよ。」
4.でも、忘れてたよ僕は。ずっと誕生日のことを考えてたから。
幼馴染で。ずっと格好良くて。ずっと好きで。去年が駄目で、今年をずっと待ってて。
5.でも、忘れてたよ俺は。ずっと環のことばっかり考えてたから。
幼馴染で。ずっと可愛くって。ずっと好きで。去年が駄目で、今年をずっと待ってて。
6.少し小さくなった環を見下ろす高さは変わらなかった。
「誕生日、おんなじ日だったね・・・。」
「ああ。そうだった。」
「せっかくだったのにね。」
「ああ、まったくだ。」
7.でも。それでも。
大好きだから。
15、6年待てば許される。それだけで今日まで来た。
もう、待つ必要も無い。変わることはもう、無いのだ。
つないだ手から伝わる鼓動が嬉しくって、
自分の鼓動も少し加速した。
おしまい。
最終更新:2008年12月05日 01:28