安価『俺は女の子が好きなんだっ!』

最近周りの奴等がまじでウザイ。
一つ言っておくと、俺はあんまり人のことを嫌ったりするのは好きじゃない。だって嫌いな人がいるだなんて嫌だろ?
そいつと話してるだけで腹が立つみたいなのを身近につくっちまったら、人生が楽しくなくなりそうじゃん。
てなわけで少しくらい嫌なことされても気にしない、大人な人間に俺はなろうとしてた訳だ。
それのお陰か、俺は男女問わずにそこそこ友達が多い。ただ、彼女が出来たことはない。
まあ顔が酷い出来だったからな。
うん。だった、なんだ。
今の顔の出来は酷くない。むしろすごくいい。正直言って、辺り一体の人の中でも最高クラスだとおもう。
けど、俺には未だに彼女が出来たことはない。何故って? そりゃあ簡単。俺が今女だからだ。
ここまで聞けば気付いただろうが、俺はつい最近女体化した。
そう。これが原因だ。出来る限りの人のことを嫌いにならないでいようとしてた俺が、周りの男子のほとんどを嫌うようになった事の。
だって仕方がないだろ? 俺は心は男なんだぜ? なのにちょっとあり得ない位可愛くなったし、出来る限り人に優しくしている俺には、男ばかりが群がってくるようになった。
少し前まで俺の顔の出来を馬鹿にして笑っていたような輩が、今は俺の顔の出来を誉めてきやがるんだ。なってみりゃわかるが気持ち悪いことうけあいだ。
というわけで最近の俺は人を嫌ってばかりいる。一組の野村や吉田、二組の田中や高橋、三組の鈴木や佐藤、四組の池田、五組の大河原に勅使河原。その他一杯だ。数え上げればきりがない。
なので俺は、今放送室にいる。鍵は放送委員の大原に少し色目を使ったら貸してくれた
なんでこんなとこにいるかって?
簡単だ、放送室で俺の偽らざる本心を放送してやるからだ。
と、言うわけで、放送のスイッチをオンにして、マイクに口を近づける。
「あー、てす。てす」
俺の綺麗な声が校内に響き渡る。
「よし大丈夫そうだな……」
俺は大きく息を吸って、あらんかぎりの力で声を張り上げた。
「俺はっ! 女がすきなんだあぁあぁぁぁぁあぁぁぁっっ!!! 男と付き合うなんざ、くそ食らえだっっっつぅーーの!!!!!」
学校中に轟いた俺の怒声。ふむ、中々大声がでるな。この体。
——次の日から俺のアダ名がユリちゃんになった。うん。甘んじて受け入れようじゃないか。



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最終更新:2008年12月14日 00:01
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