安価『過疎+落ちるぞおまいら』

いやこの学校。
過疎化が進んでいるとは言ってもさすがにひどいだろう。
何せこの町に住んでいる全員が通っているというのに、我が中学校、全校生徒三人だ。
なめんな。
マジありえねえ。
それも相方二人とも男だよ? せめて女の子いたなら、まだ少人数の学校ならではの期待が持てたかも知れないのに。
とはいっても相方はそんな悪い奴じゃないし、先生たちもなかなかおもしろくて授業も楽しめているから、そこまでの不満があるわけじゃない。
いうなら、平凡でない環境なのに日々に慣れすぎてしまって、つまらなく思えてきてしまっている。という感じなのだ。
それと出会いがないことも、ひどいと感じる原因の一つだろう。
一番近い世代の女の子は、小学校に通う九歳だ。
いや、ほんとひどすぎるだろ。
というわけで俺は当然童貞なんです。
……何でいきなり話が飛んだかって?
そりゃあもちろん明日が、俺の十五の誕生日だからだ。
うん。恐いね。何せ女になるかも知れないんだから。
それにおそらく、俺が女になったら間違いなく相方──一個下の男子である高崎と大城に、アプローチを仕掛けられることがわかりきっているから。
うわあ、想像しただけできめえ。
神様頼むよ。さすがにそんなんきついっすよ。
つっても何か考えたところでどうにもならんし、なるようになるだろう。嫌な予感しかしないけれど、寝てしまえばどちらに転ぶにしろ怯えなくてすむのだ
とっとと眠ってしまえ、俺。
まあこんな行き当たりばったりなことを考えていたせいか、俺は結局女体化した。
当然のごとく二人は俺にそういう絡み方をしてきて、俺は心底気分が悪いまま中学最後の二か月を過ごしたわけだ。
そんで一年後。
相変わらず高崎と大城は俺にべったりだ。今日も試験が近いというのに俺の家にやってきていて、勉強なんてするそぶりも見せない。
そんなんじゃ高校落ちるぞお前ら。と、促しはするのだけど、従うそぶりも見せずに二人とも俺と戯れている。いや、うれしくないこたないけど。
ん? 二人の性別?
そりゃあ男のままだよ、二人とも。
終わり



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最終更新:2009年02月08日 23:41
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