学校専属のカウンセラーなんて、引き受けるもんじゃない。
カウンセリングなんておどろおどろしい単語を耳にしてしまうと、身構えてしまう気持ちはまぁわかる。
けどね、君らが思っているほどいい役職じゃないよ?カウンセラーなんてさぁ、
『先生!全力でモテないんで慰めてください!女体化の実在する世界にあって尚モテないだなんて、何かの陰謀です!!」
こういうバカや、
『先生見てみて!俺、スカート似合ってるでしょ!?ほらほら~。やっべ、俺超可愛いじゃん!!』
こういうアホや、
『またアケミちゃんに振られた…死ぬ……俺もう死ぬ』
こういうグズとかの面倒を見るだけ。ただひたすらそれ。もうね、俺この仕事やめたい。
そもそもからして、俺にカウンセラーなんて仕事は向いてないんだよなぁ。いくら男と女の心情が両方とも理解できる
身だからって、やっぱり性格上の適正とかもあるわけじゃん?正直、他人の心の機微なんて知ったこっちゃないわけよ俺は。
「…先生?」
「あー、いやちょっと考え事してた。先生もいろいろ忙しくてな」
「……やっぱり、」
「ん?」
「やっぱり、悩んでる先生ってかっこいい。女の人なのに。俺、将来先生みたいなカウンセラーになりたい!」
…また地雷踏んだよ。ほんともうこの仕事やめたい。
最終更新:2009年02月10日 10:58