……ちなみにその条件は、今の彼氏様には何%ほど当てはまるでしょうか?
「100%……です」
結構です。
さて、長々とお付き合いいただきました今回のアンケートなんですが、その目的をお伝えしないといけないですね。
……突然ですが、あなたは夢というものは他人のそれと繋がってるもの、という説を信じておられますか?
「 」
ええまぁ、考え方は人それぞれで。
それでですね、その夢を他人と繋げる要因が存在するんですよ。
「 」
結論を急ぐようですので端的に言いますが、その要因というのは『私』です。
「 」
……そんな目をしないでください。
実はここ、ただの大通りのようですが、あなたの夢の中の場面の一つにすぎ――。
「 」
わかりました、証拠ですね。
今見せますからその目はやめてください。
「――――――――――!!!?」
ええ、まぁこの通り夢の中なので簡単に腕の一本や二本取り外せるわけで……いえマジックじゃありません。
それで、今回のアンケートを行ったワケなんですが……実はコレ、アンケートじゃないんです。
「 」
……まぁいたずらってとこですかね?
『私』は小悪魔や妖精の類なんでしょう。たまにこういったいたずらがしたくなるんですよ。
「 」
いえ、アンケート自体は目的じゃなく、ただの手段ですね。
今回の目的についてあえてヒントを二つ挙げるなら、私は人の夢と夢を繋ぐことができるということ。
そしてここはあなたの夢の中なのに、どうして私があなたの彼氏様が喜ぶようなものを用意することができるのか、ですね。
「………………――――っっっ!!!!??????」
ええ、はい、大正解でございます。
いやぁ、すばらしい赤面をありがとうございます。
「――――っ! ――――っっ!!」
いえ? 若干の誘導こそしましたが、あれはあなたが自分で仰ったことでしょう?
それに、もう全部手遅れでございます。
「~~~~~~~~~っっ」
ふふ……。それでは、御起床の後、彼氏様にどうぞよろしくお願いします。
酷く楽しそうな笑顔がパチンと指を鳴らした途端に、ベッドから飛び上がる少女が一人。
バクバクと鳴る胸を押さえつつ時計を見て、慌てて少女は支度を始めた。
ついさっき無防備な本音を晒してしまったかもしれない相手。
大切な彼氏との約束の時間まで、あと少し。
END
最終更新:2009年03月07日 00:35