0日目
朝起きたら女体化していた。
まぁ、童貞卒業はあきらめていたから女体化自体にはそれほど驚きはなかった。
ともかく、これからの事を考えるのが先決かつ重要だ。
まずは容姿の確認。
これは・・・・髪の毛が伸び放題だ。
前髪を掻き上げて軽く後ろへ流す。
悪くない。
元々二重だった目元はそのまま、元々小顔だったのが幸いし良いバランスに仕上がったようだ。
問題は伸び放題の髪の毛に、だらしない眉毛。
これは床屋・・・・いや、これからは美容院コースか。
そしてボディーチェック。
着ていたTシャツを脱ぎ捨てる。
目に前の鏡に小ぶりな乳房があらわになる。
これが生まれて初めてみる母親以外の生の女性のおっぱいだ。
そのまま視線を上げると、顔を赤く染めた少女が移っている。
いろんな意味で恥ずかしい。
生で女の体を見るのはこれが始めてだというのだから、赤くならない方がどうかしている。
だが、俺の口からはため息がこぼれた。
「ちょっとこれ・・・小さすぎるだろ・・・」
荒い口調には似つかないか細い声でつぶやく。
もういい、見なかったことにする。胸のサイズを気にする女性の気持ちが痛いほど分かった瞬間だった。
下の方は・・・スウェットパンツに手を突っ込んでそのまま股間をまさぐってみる。
自分のもののようでそうでないような奇妙な感覚を味わいながらも、恐る恐る秘部へと指を伸ばす。
「ぎゃぅぅ!!」
どうやら、相当敏感なようだ。色々通り越して痛かっただけ。前戯なしではお触り禁物らしい。
まあいいさ、こっちのほうが焦らなくても逃げも隠れもしないんだから。後でゆっくり味わうとする。
さて、重要なのはこれからだ。
人間関係の再構築が今後の課題ともいえるが、友人を作る上ではさほど問題はないだろう。
問題は恋人だ。相手に自分が"元男"である事を認識してもらった上で理解ある男を捕まえる必要がある。
女体化後における人生設計とも言えるだろうか。
相手に関してはもうターゲットを絞っている。
まぁ、もとより絞れるほどの人間関係が多いほうではない。
だが、俺にはたった一人だけ古くからの友人がいる。
幼稚園時代からの付き合いで、彼の事は誰よりも知っている。
知らないことを探すほうが難しいくらいに。
容姿や性格云々は問題ないのだが、如何せん奥手なのだ。
ある意味ここまで"生き残ってくれた"と、言うべきか。
腹黒いのはここまでとしよう。
彼を自分の物にしたい理由はこれだけではない。
彼は優しすぎるのだ。こんな彼を何も知らない女共は彼をもてあそぶに違いない。
俺ならば・・・彼に辛い思いをさせる事はしないだろう。
よし、どうする・・・・?
最終更新:2010年09月04日 22:11