にょた化後初めてのナニ

「おぉぉ、なっつかしー! やっぱこの感覚だよなー」
「おま、ちょ、あんまり強く握るな!」

 俺の目の前には、可愛い長髪黒髪の少女が背を向けて座っていた。否、単に座っているなどという生易しい状態ではない。少女は仰向けになった俺の上で、俺のナニを太ももと柔らかいアソコの夢の三角地帯で挟むように俺の上で女の子座りをしている。その上俺のナニを嬉々として握っているのであった。うぁっ、布が、パンツの布が擦れる! 俺の息子は元気いっぱいだ。本能には逆らえないらしい。

「前の俺のよりでけぇ! なに友、こんなに立派なものもってんのになんで彼女のひとりも居ないの勿体無い」
「恥ずかしい! んなことその声で言うなバカにょた!」
「いいじゃないか誇るべきことだようんうん」
「こんな状態でナニも誇れねぇよ!」

 どうしてこんな状態になったかというと、話は一週間前に遡るのだった。


「おはよー! ほらほら女になったよ俺、女女! 胸こんななって!」

 教室のドアをガラリと開けて飛び込んできたのは腰下まである黒髪をまとめるでもなくさらりと流した、見慣れない女子だった。しかしなぜそいつが俺の席に向かって歩いてきつつ開襟して豊満な胸の谷間を見せつけてくるのか理解できない。

「は、はぁ!? お前だれだよ俺こんな痴女に知り合いいねぇよ」
「いや俺、にょただよにょた! いやはや、こんなにせくすぃに生まれ変わるなんて自分でも思わなかったね!」
「あ、あー、そういえばお前もう15だっけ。ってか、胸をしまえ胸を!」
「えぇー、いいじゃん別に、たいして見えてないし、熱いんだ、蒸すんだよぉ」

 そう言いつつ俺の机にあった下敷きをひょいと拾い胸元を仰ぎ始める。ああいかん、昨日まで親友だったのに劣情を抱きそうだ。

「ふっふっふ、ほら見てるじゃないか! 見たいなら見たいとはっきり言ってくれれば……」
「うるせぇ!」

 そんなこんなで俺はそれから事あるごとににょたにからかわれ続けた。
 その1、昼休憩。

「えいやっ!」
「おい何すんだよ!」

 俺の弁当のメインディッシュとも言える唐翌揚げを一つかすめ取ったにょたは、それをウマそうにもぐもぐごっくんと食べ終えにっこりと笑って。

「んーやっぱお前の母ちゃんの鶏唐うまいなぁ」
「わかってるだろうが、おかずはトレードだぞ?」

 俺はにょたの前より小さくなった弁当箱を覗き込むと、もう既に空っぽだった。このやろう、昼弁鉄の掟を破りやがった! と憤っていると。

「お前、覚悟はできているんだろうな!」
「いやいや、“おかず”のトレードだろ、わかってるって、ほら!」

 いきなり俺の両腕を掴んだにょたは、それを自分の方に引っ張って。俺はふにゅりと柔らかいものに触れさせられた。

「じゅー、きゅー、はち」

 カウントを始めるにょた。本能のままにその双丘を揉みしだかんとする両手を必死に自制しながら(手を引っ張るという考えが浮かばないあたり男ってものはバカな生き物だった)俺はカウントを続けるにょたを見た。

「お前、なにやって!」
「ななー、ろくー、ごー、よん」
「おい、無視すんな!」
「さん、にー、いち。ゼロ!」

 カウントが終わるとにょたはにかっと笑い、俺の腕を離した。俺はすぐさま手を引っ込める。

「おかず交換。これでいいよね? 帰ったらしっかり励みなさい!」
「励むかっ!!」

 辛うじて、それはおかず交換となることはなかった。そう、辛うじて。

 その2、体育の時間

「ほら友ペア組むぞ!」
「ぇぇっ、女子と組めよお前……」
「いや、あれそう簡単に馴染めないって」
「そうか? しょうがないなぁ……」

 体育の時間、準備体操のペアであぶれたらしいにょたは俺のところに来た。まあ仕方ないと思いつつ、屈伸運動なりをだらだら消化していた時のことだった。

「うわぁっ!」

 ちょうど背中合わせで体を伸ばす準備運動をやっていた時、いきなりにょたが暴れて、バランスを取ろうといろいろとまずい部分に触れてしまったような気がした。案の定触っていたようでにょたが小声でつぶやいた。

「えっち」
「るせぇっ 文句あるなら女子としろよ」
「ふふ、ウブだね」
「おまっ! わざとか!?」
「なんのこと?」

 そしてその3、放課後

 いつもの調子で放課後俺の家ににょたは上がりこみ、いつものようにテレビ台からゲームをごそごそとあさる。無防備に頭を突っ込むように四つん這いになっているにょたは、スカートがまくれ上がって非常に危険な状態になっているのに気づいているのだろうか。いや
、どうせわざとだろう。俺は顔を背けて適当に飲み物を用意する。

「これもやったし、あれもやったし……んー」
「あんまり散らかすなよ?」

「なんか新しいのないの?」
「んな金ねぇよ、適当に選べ」
「あ、じゃ、これ」

 と、にょたが差し出したのは一昔前の格闘ゲーム。俺とにょたの対戦成績はにょたが9割勝ちだ。持ち主なのに情けない。
 嬉々としてにょたがゲームをセッティングし、座布団を持ってきて片方にぽふんと座った。以前と違って、座り方だけは女の子座りになっている。なんでもあぐらは座りにくいらしい。骨格の問題だろうか。

「よっし、今回は負けないぞ」

 と俺は隣に座り込みながらにょたに言ってやる。するとにょたはぐるりとすごい勢いで俺の方を振向いて。

「ほほぉ、言ったな? よし、俺が負けたら何でも……」
「いらねぇよ。どうせ俺からかうつもりだろ」
「む、バレたか」
「はぁー」

 と、いざ始めて見ると、今日は俺が妙に強かった。

「あれ、なんだよくそ…おまっ…」
「おお、今日は調子いいなぁ」

 いや、違った、俺が強くなったわけではなく。どうやらにょたが弱くなっているらしかった。

「なんか画面についていけねー。くっそー」
「女になったからか?」
「たぶんそう」

 かくして、俺が勝利し、しかし賭けなんてしてないので何もなく、ただくやしがるにょたと勝ち誇る俺がいた。

「しっかし、にょた、お前可愛くなったよなぁ」
「だろだろ? なのにお前と来たらせっかくのチャンスをいろいろ勿体無い」
「いや、お前親友だったし、嫌われたくねーし、そういう目で見れねーよ」

 揺さぶられはするけど。

「なんだよ、別にお前が俺でオナニーしようが別にいいんだぞ?」
「いや、頼むからその顔でオナニーとか言うな」
「じゃあ自家発電」
「もういいよ……」

 もともとの性格も下品だったが、女体化してからはより一層積極的な気がする。俺は近づいてくるにょたを、肩を掴んで引き離した。
 すると、にょたはうつむいて、何かを決心したようにうんと頷くと、開口一番とんでもないことを言い出した。

「お前のナニ見せてくれ」
「はぁ!?」
「お願いだよ」
「バカかお前、そんなことできるわけ……ってうわ!」

 否定の言葉を口にしていると、いつのまにかにょたは俺のズボンのベルトを外し、ジッパーを下ろすところだった。さすがに見た目美少女にそんなことをされれば俺の息子だって反応しないわけにはいかない。するとすぐさまにょたはそれに気づいて言葉を続ける。

「なんだ、お前もまんざらでもないんじゃないか」
「うるせ……って脱がすなぁ!」

 気づけば俺のナニは御開帳していた。さすが元男、手際がいい。怖い。

「おぉー、やっぱこれぞ男だよな」
「まじまじと見ながら感想を述べるなっ!」
「ふっふっふ、もう逃げられないよ」

 と不敵な笑みを浮かべながら、俺は押し倒され、冒頭のような状態に持ってこられたわけである。

「えいっ! ほりゃ!」
「ちょ、俺のナニはオモチャじゃねぇ」
「俺にとっちゃなつかしいオモチャだよ」
「んぁ! やめろ、擦るなぁ!」

 元男だけあってにょたは心得ていた、普段とは違う柔っこい指で俺の息子は縦横無尽に撫で回され、時に締められ時に緩められ、俺は情けなく息を漏らすだけだ。悔しいが抵抗できず、早くも限界が近づいてきた。

「それ以上すると……っ!」
「あ、出る? じゃ、ストップ」

 いきなりにょたは手を離し、いたずらっぽい笑みを浮かべたままこちらを振り返った。

「はぁ……はぁ……危な。出る所だったじゃねぇか」
「出すなら顔射がいい?」
「そんなマニアックなことは言ってない!」
「じゃ、このまま出しちゃう?」

 ゆっくりとまた指の腹を俺の息子の裏筋あたりにジグザグに這わせ始めた。どんどん俺の脳内はエロいことで埋まっていって。

「にょた……お前、落ち着いて……っ」
「俺は、落ち着いてるよ」

 ピタリと、にょたは手を止めた。そして女体化してから始めてではないだろうか、落ち着いたトーンで真剣な口調になる。

「にょた……?」
「……俺は友に、女になった実感を、もらいたいんだよ」
「……え?」

 にょたは、振り向いていた顔を戻した。にょたの声は心なしか震えている…のか?

「気づかないのか? 俺、女になってから、お前意外とほとんど話せてない」
「それは……」
「みんな避けるんだ、男も、女も。それは俺が男を捨て切れてなくて、女にもなりきれない宙ぶらりんな存在だから……」
「にょた、それは……」

「時間が解決してくれる? 俺は耐えられないんだ、クラスの男子と馬鹿騒ぎしてた昔に戻りたいとは言わないけど、わがままだからお前だけで十分なんて言えない」

 ここからではにょたの顔は見えない、見えないが、小さく丸まっていく背中が全てを物語っていた。

「だから、俺は。お前をからかって、けしかけて。それでもお前は“いつも通り”で」

 俺は、悔しかった。あんなからかってるだけに見えたにょたの行動は、全部俺へのSOSだったのだと。まったく気づかなかったなんて。悔しくて、でも、やっぱり親友を親友以上に見ることに抵抗は残っていた。

「俺を……“俺”を、“私”にするきっかけ……ちょうだい?」
「……俺で、いいなら」

 俺が答えられたのはそれだけだった。でも、その言葉を返した時に振り向いて見せた彼女の表情を、俺は一生忘れないだろう。

「ん、友がいい!」

<了>


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最終更新:2010年09月04日 23:10
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