無題 2010 > 06 > 21(月)

―ジリリリリリリリリ!
「ふわぁ~」
朝起きて、ベッドから降り、そのままテレビをつける。
『…女体化による世界的な性別の割合は低下の一方で、政府は今後の対応について明…』
プチ
ため息をついてテレビを消した。
まあご存知の方もいるだろうが、この世界では《15,16歳まで童貞だと女体化する》
と言う何とも迷惑な病気がはやっている。正式名称は…
何でも原因は不明、対処法も分からず、政府もなすすべが無いらしい。
「優太!何やってるの早く起きなさい!」
俺の名前は小野優太。成績は結構いい方で、クラスではしょっちゅう解き方を俺に聞きに来たりする。
友達の健―こいつについては後述する―が言うことには、「顔はいいけど性格でモテない」らしい。
なにはともあれ今は学校に遅刻しないことが一番なので、足早に家を出た。

「なあお前もう卒業した?」
「まだだ…やばいよ俺」
「あいつかわいくなったな…」
など、教室では早速この話題で持ちきりだ。他のクラスでも2,3人発症したやつがいるらしい。
しかし、俺もそろそろやばいよな…そんなことを考えていたらこいつが早速は増しかけてきた。
「お前はもう卒業してんだろ、秀才君。」
こいつが先ほど言った友達の与田健。こいつとは小学校からの付き合いで、今もよく一緒に遊んでいる。
そしてこいつの今の発言どおり、俺は卒業済みだと思われている。それは女子も例外ではなく、俺がこうも焦っているのはこのせいだ。
「あ・ああ・・・。」
しかしここで見栄を張るのが俺の悪い癖だ。この癖のせいで、俺はいまだに童貞のままだ。

「でもお前が女体化した姿も見たかったような…。」
嫌味にも聞こえるつぶやきに苦笑いで返した俺は、チャイムを聞いて席に着いた。
この時点では誰も気付いていなかったんだ。その翌日にはもう、俺が「俺」ではなくなっていることに…
その日の夜は、やけに体がだるかったのだけ覚えている。はて、風邪でもひいたかな?そう思っていた。
親に体がだるいことを伝えると、いつもしている予習も少しにして寝た。
実質それが最後の「秀才君」だった。
-その夜は妙な夢を見た。
俺が俺じゃなくなるような感覚とともに、俺から何か大切なものが流れ出ていくような夢。
これは…?

―チュン、チュン
朝だ。それはもう恐ろしく晴れているだ。例えるならそうだな、卑弥呼を10人呼んで晴れさせたぐらいだ。
「んううぅ~ん。」
ん?なんだか声がおかしいな。これは本格的に風邪をこじらせたか?
そんな事を思いながら時計を見る。
5時28分
まだ母さんは起きてないな。そんなことを考えながらベッドから降りる…
「…うわわっ!」
ドシン!
大きな尻もちをつく。
「いてて…」
ダメだ、なんかやっぱり声が変だし、調子が悪い。くらくらする頭を抱えて洗面所へ向かう。
「ええっとコップは…っ!!」
コップを手にして、鏡の前に立った瞬間に俺の思考は停止した。
―目の前にいたのは美少女だった。

落ち着け!落ち着くんだ俺!
いろんな主人公たちが言ってたじゃないか、「素数を数えろ」って。
よし。素数、素数、そす…
「『素数』って何だっけ?」
そこにもう「秀才君」の姿はなかった。
「は!こんなことをしてる場合じゃない!まずは母さんを起こして…いたっ!」
勢いよく走ろうとして、裾を踏んで転んだ。
どうやら本格的に変わってきているらしい。
「まぁそんなに急がなくていいか。」
ほら、性格がゆっくりになってきた。でもまぁ、そんなに焦ることもないよね。
そんな風にして、しばらく俺は鏡の前で寝ていた。
寝ていた俺を見つけた母さんが何か言っていたが覚えていない。
…眠いな。

それからが大変だった。
まずは無理やり親に起こされた後にいろいろ聞かれた。
「優太!あなた童貞だったの?なんかもう卒業しました見たいな感じだったじゃない!」
よくそんなことサラっと言えますねあなたは。
そもそもこんな時期に女体化すること自体が珍しいことで、大丈夫だと思っていた息子がこのタイミングでは驚くのも無理はない。
俺の誕生日は冬なので、夏に女体化など想像したこともなかった。
「すみませ「まぁいいわ。」へ?」
「よく見れば結構かわいいじゃない。胸なんかは私より大きいかもしれないわ。後、服もたくさん買わないといけないしそれに…」
あ~母さん変なスイッチ入っちゃってるよ…
でもかわいい服も見てみたい気もするし、とりあえず良いか。
―余談だが、やはり母さんより俺の方が胸がでかかったらしい。



その後母さんにフリルのついたスカートやら何やら散々(俺の意思関係なし!)買わされた後に、
最後にたどり着いたのがこの女体化した奴ら(以下にょた)最大の敵!
《下着売り場》
いやね、確かに当たり前といえば当たり前なんですよ。
女になった→服買う→残りは?→下着
これのどこに間違いがある?そう言われれば仕方がない。
現に今の性別を聞かれたら女と答えるだろう。女湯だって法律上問題なく入れる。

しかし、なぜか今まで入りたくてしょうがなかったのに、今は入りたくないんだよこれが。
何というかこう、「純」女性をだまして入っている気がするというかなんというかその
「何一人でぶつぶつ言ってんの。早く行くわよ。」
「いぃやぁぁぁぁぁ~(泣)」
はたから見れば駄々をこねてる高校生だったと思う。
「今日はどうなされました?」
「いえ、息子が女体化しちゃって下着買いたいのよ。」
ああ出たよ店員さんの「あ~なるほどね」みたいな視線!
なんかいろいろふっきれたのでサイズ測って買って帰った。
なに?サイズが何だったかって?うるさいこの変態!

592 :ぽん ◆0hSLdgVuAc [sage]:2010/06/23(水) 19:35:28.13 ID:XJz.LCk0
ここで安価。
・主人公の新名前
・この先の大まかな流れ↓
1,クラスのみんなに変化なし→また安価
2,友達の健もにょた化→名前も安価→終わり
3,クラスの女子(名前安価)が友達になり、健とも友達に、そして三角関係へ→続く
4,その他
ごめんなんかネタがない。

593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/06/23(水) 19:57:16.41 ID:ep/xYcDO
書かない 
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/06/23(水) 20:22:46.00 ID:.z55EAso
>>593
外道すぎるwwwwww 
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/06/23(水) 22:42:48.72 ID:QfTZ.fI0
>>593
続きwktkしてるのにその安価… 
596 :ぽん ◆0hSLdgVuAc [sage]:2010/06/23(水) 23:18:15.31 ID:XJz.LCk0
お願いです書かせてください。orz
もう一度安価

・主人公の新名前
・この先の大まかな流れ↓
1,クラスのみんなに変化なし→また安価
2,友達の健もにょた化→名前も安価→終わり
3,クラスの女子(名前安価)が友達になり、健とも友達に、そして三角関係へ→続く
4,その他
書かない・最終回・終了系はなしでよろしく。 



その翌日。
「早く起きなさい!遅刻するわよ!」
「ん~?まだ眠い…zzz」
いつもなら普通に朝ごはんを食べている時間だ。
女になってからというもの、どうも朝が弱い。
しかし、いくら眠くても時間が時間だ。急いで朝ごはんを食べる。
「今日が初登校だから、職員室によって行きなさい。」
そうだった。そういえばそのあとはクラスのみんなに自己紹介だったな。
考えただけで休みたくなってきた。第一恥ずかしい。
「あら、恥ずかしくなんてないわよ。制服もにあってるし。」
そういうことじゃなくてさ。
と、出かかった一言を飲み込んで家を出ようとして、
「ふぎゃっ!!」
転んだ。



―キーンコーンカーンコーン
HR開始の鐘が鳴る。
いよいよだ。
『みんなおはよう。』
『おはようございます先生』
『前向けよ~』
『それでこいつがさ…』
『昨日のラブリー桃萌見た?』
クラスのやつらのくだらない話が聞こえる。
しかし今はそれすら緊張のもとだ。
『え~最近小野(優の名字)が休んでいるのは周知の事実だな?』
『そうそう秀才君何してんだろうね~』
『え~その「秀才君」だが女体化した。』
え~!マジで~あいつが?
クラスがざわつく。緊張が一層高まる。
『よし、入ってこい。』
ついにこの時が来た。俺はある種の覚悟を決めて教室に入った。

それと桃萌は、この世界の萌アニメにしました。



先生の居る所まで歩く。
その間も俺の顔は真っ赤だったろう。
「ど、どうも…」
多少どもりながら挨拶をする。
「ええと、先日女になりました小野優太改め小野優です。これからもよろしくお願いします。」
よしこれでだいたいいいはずだ。下げた頭を上げる。すると。
―シーーーーーーーーーーン
クラスの奴らはおとなしい奴はおろか、普段なら間違いなく騒ぎ出している奴らまで黙り込んでいた。俺は何か間違えただろうか?
「え、えと…あの。「「「かわいい!」」」ふぇ?」
「ありえね~よ!なんであいつがこんなになるんだ!?」
「なんかこう、もっとおかたい感じを想像していたのにこのふわっと感!」
「今の不安げなとことか最高!」

少なくとも、大きな失敗はしてないみたいだ。
―昼休み
クラスの奴らの質問攻めをかいくぐり、うまいことトイレに逃げ込んだ。
長いことトイレで飯食うのはいじめられてる奴だけだと思ったが、こんな理由で来ることもあるんだな。



全く、人のことを何だと思っているんだか。
確かに前までと雰囲気が変わったと自分でも何となく思うし、
      • まあ自分で言うのも何だが可愛くなったから質問したくなるのもわかる。
しかし何だあの男子の対応の急変ぶり!
いきなり「胸のサイズは?」から始まり「どんな感じ?」「○○○したことある?」「好きな食べ物は?」などきわどい質問からバカなものまで勢ぞろい。おい、思い出せ。俺は転校生じゃない。
そんなこんなで逃げ出す方法を考えて実行してみた。かわいこぶって
「一番にグランドを百週した人にご褒美をあげます。」ニコリ♪
と言ったら。予想通りクラスの半分以上が一斉に走り出した。
そしてバカが走り去り、見えなくなるのを確認してから逃げてきた訳だ。

「しっかしそろそろトイレからでないとまずいか「でさー」っ!」
な、何で男子が!?そう思って思い直すと、俺は男子トイレに入ってしまったという結論に至った。
つまり今の状況は、
<女である俺が男子トイレに入り、勝手に個室に入っていて、そこにリアル男子が来た。>
何いってるかわかんねーと思うが、我慢してくれ。俺自身軽いパニック状態だから。

男1「あれ?人入ってる?」
男2「腹でも壊してんじゃね?」
ここで気づかれたらまずいので、自分の今出せる最低音で応答した。
優「腹壊したからほっといてくれ・・・」
男1「そうか、じゃあお大事に~」
そういって、用を足した男子二名はトイレから出た。
優「危なかったぁ~・・・」
ほっとして体の力が抜ける。ほんと気づかれなくてよかった。
ちなみにその後出るタイミングを失い、そのまま15分経過したのを教えておこう。俺の二の舞だけは踏むんじゃないぞ。



その後はいつもと何ら変わらない日常だった。
なにやら落ち込んでいる女子と、目が怖い(前は俺もこんなんだったのか?)男子を除けば順調だった。
順調という割にはやたらと問題があるが、そこに突っ込むのは無粋というものだ。
そして放課後
サドルが下がった自転車にまたがり、あくまでいつも通り家に帰ろうとした。
自分でもなぜいつも通りを目指しているのかは分からなかったが、大きな変化が生まれる予感……
ー嫌な予感がしていた。
元々部活には入っていなかったから、退部とかそういうたぐいではないと思っていた。
確かにその推測は当たっていた。退部ではなく入部なのだから……
「そこの貴女止まりなさい!」


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最終更新:2010年09月04日 23:59
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