安価『高校に入って1ヶ月、同じクラスの男子が4月生まれの童貞ばっかで、オレ以外は全員女体化…何このハーレムWWW』

「なぁ、いつから学校は楽園になったんだ?」
「お前だけだろ、このクソったれめ。」
「オイオイ、乙女が汚い言葉を使うもんじゃねーぞぅ?」
「誰が乙女だ、誰が。」
「お前だ、お前。女になってから見事にツインテールの美少女になっちまいやがって。」
「バッ、バカ言うな。周りを見てみろっつの。見飽きるくらい居るだろうが、この位。」
「いやまぁ…そうなんだけどな。」

高校に入って1ヶ月、共学のくせに男子クラスなんぞが存在する学校だったので、入学した時は落胆したもんだ。
なにせオレはその男子クラス、通称男クラの一員になってしまっていたからだ。
でもって、今はゴールデンウィーク開けの気だるい五月病にでも襲われそうな憂鬱な朝。
……の、はずだった。
"だった。"というのは、4月中旬から所謂"異性化疾患"とやらにかかるクラスメイトが続出したせいだ。
そして今日、オレ以外の最後の男子が女体化して登校してきた様子を眺めている。

「しっかし、まさかお前以外全員女になっちまうとはなぁ…これじゃ男クラじゃなくて女クラだな。
誕生日被りすぎだろう…このクラス。大体どいつもこいつも童貞ってありえねぇよ。」
「真っ先に女になったお前が言える言葉か?」
「ぐ…うっせぇ!なりたくてなったわけじゃねぇっつの!」

小学校からの男友達だった美少女から胸倉を掴まれる。男としてはある意味至福のひとときだ。

「ハハ…ッ!フハハハハッ」
「どうした、GWボケか。いや、脳でもやられたのか。…そうか!お前も女体化の兆候が出たんだな!そうだろう?!」
「見たまえ!このクラスを!オレ以外は全員美少女!おまけに幼馴染と喧嘩しているこの状況!」
「フハハハハッ!我が世の春がきたぁあああああああッッ!!はグわッ?!」

高説な説法中に、オレの脳天に電撃が走った。

「君らが仲が良いのはこの1ヶ月で十二分に解っているのだから、朝くらい静かにしてくれないかね。」

後ろを振り向くと、学級委員長が英語の辞書片手に突っ立っていた。
もう片方の手には鞄が握られている。どうやら今しがた登校してきたらしい。

「どこ見て言ってんだよ!誰がこんなヤツとッ!?」
「はいはい、ツンデレツンデレ。夫婦喧嘩もそこまでにしてほしいよ、全く。」
「な…なッ?!」

メガネをかけている事に加えて髪型がおさげ。
左右に分けて編んで下げるものではなく、頭上にまとめて後ろへ垂れる形のヤツだ。

22 名前:21の続き[sage] 投稿日:2011/05/02(月) 04:54:01.16 ID:7gda4kSQo [4/4]
「イテテ……朝っぱらから激しいラブコールありがとう委員長。髪型も委員長らしくなったなぁ」
「マゾか君は。……それにこの髪型は母さんが勝手に編んだんだ。僕の趣味じゃない。」
「へぇ、委員長の親御さんは委員長ってものを解ってるなぁ。うんうん。」
「勝手に頷かないでくれないか。気持ちが悪い。」
「いやぁ…いいなぁ、こういうクールっ娘ってのも。」
「……君も考え直した方がいいぞ。こんな男を好きになるなんてどうかしてる。」
「違う!俺とこいつはそんなんじゃないの!只の腐れ縁だって!」
「ハイハイ、そうですか。今日もバカップルご馳走様。」

オレの幼馴染が激しく委員長に抗議しているが、彼女は意にも介さずオレの後ろの席に座る。
ちなみに彼女もこのクラスで初めて女性化してしまった1人だ。
同じ日に男クラに2人も女子が入ってきた時はびびったもんだ。

「ああ、そうだ。君たち、イチャつくなら今の内に。」
「「どういう意味だ?」」

オレと幼馴染が同時に尋ねる。
委員長はメガネをクイっと上げ直し、深刻そうな顔をして机に両肘をつき、手を組む。

「どうやら、1年生のクラスの再編成が行われる話が持ち上がっている。」
「考えてもみたまえ、男女比 1:39って不自然にも程があるだろう。」
「幸い、男子クラスがもう1つ存在するしな。そこと混ぜて通常の混合クラスを2つ作るのではないかな。」
「そうなってしまえば、離れ離れになる事もあるだろう、という事さ。」

どうやらオレの天国もといハーレムクラスは風前の灯火らしい。そんな馬鹿な?!
どこで選択肢を間違えたんだッ?!有り得ないだろう、何1つ間違えていない完璧な行動だったはずだッ?!
これからハーレムルートに入る計画が台無しじゃないかッ!

「君、思考がダダ漏れだぞ。何1つ間違えていないどころか、何1つ正しい行動を取っていたようには思えんよ。」
「な…なん…だと……?!」
「勝手に驚愕すんなよ。どこの死神だ、お前は。ったく、そのままお前の霊圧も消してやろうか?」

冷静に突っ込んでいるように聞こえるが、この幼馴染は青筋を立て、鬼の形相でオレに迫ってくる。
何がこいつの神経を逆撫でたのか、理解に苦しまざるを得ない。

「ま、待て、早まるな!オレはチャドじゃないッ!殴るな!蹴るなッ!消すなァァァァッ!アッー?!」
「この2人は今日も通常運転だね。全く…。だからこそ、救われてるのかもしれないけれど。」


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最終更新:2011年05月16日 21:54
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