2011 > 06 > 08(水) ID:iiQXqDGzo

「弁当が食べたい」

「…どうしたんだ急に?」
唐突にそんなことを言い出すものだから、不審に思い聞き返した

「手作り弁当が食べたい」

なるほど、なんとなくこいつの言いたいことがわかったぞ
…しかし残念ながらその案はいただけないな

「ほか弁でも頼んだら?」
「女の子の手作り弁当が食べたい」

くっ…間髪いれずに返してくるな…
でもここは妥協するわけにはいかない
あ、そういえばこいつには…

「お姉さんいるんだし作って貰ったら?」
「俺は、お前の、手作り弁当が、食べたい」

ああ、やっぱりね…
「はぁ……あのな?」
「おお、作ってくれるのか!?」

そんな嬉しそうな顔されると言いにくいなぁ…
「あ~…俺が不器用なの知ってるよな?」
「おう、お前の書く絵とかやばいもんな」

うん、とりあえず殴っとこう
「すまんすまん」
くっ…ケロッっとしてやがる…

「…あのね、期待してるとこ悪いんだけど、俺料理苦手なんだよ…」
「そうか?前に作ってくれたチョコは美味かったけど」
そりゃ元々は市販のチョコだしね…

「一応お母さんに鍛えられてるんだけどね、中々上達しないの…」
自分で言ってて段々悲しくなってきた…うう、なんかウルウルしてきたぞ…

「っ!?あ、その、だっ、大丈夫だって!お前なら絶対上達するって!」
慌ててフォローするくらいなら最初から言わないでよ全く…

「…ほんとに?」
「あ、ああ…勿論」
拗ねたように見上げて尋ねたら今度はなぜか目を反らしやがった
くそう、なんだか腑に落ちないけど…
「一応ありがと…でも、せめて上手になるまでお弁当は待ってて欲しいな」
まあ、美味しいって…喜んでもらいたいし

「う、わかった…悪かったな、無理言っちまって」
「ううん、いいよ」

――その晩

「…妙に張り切っちゃって、一体どうしたの?」
「別にいいでしょ、お…私だっていつもより頑張りたくなるときぐらいあるよ」
「ふ~ん?それと!いい加減『俺』って言うの直しなさい、そんなんじゃ誰かさんに嫌われちゃうわよ?ww」
「~ッ!いいのっ!」

273 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2011/06/08(水) 15:33:10.35 ID:iiQXqDGzo [2/2]
という保守

長めでキュンとなるSSを書こうと思ったけどどうしても話が続かない・・・
もといスレに活気が戻ってきてくれたおかげでキュンキュンしっぱなしで幸せなのでひっそりとROMってることにします
そして職人様&まとめの方々GJ乙でございます

だが覚えておくがいい!スレが再び止まったとき・・・私は短編保守しに戻ってくると!


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最終更新:2011年06月15日 18:30
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