梅雨時の夕方、空を見上げるとどんよりとした灰色の雲が広がっている。
夕方から夜にかけて雨が降りますよ、と朝見た天気予報でも言っていたっけな。
濡れないうちに帰ろうと、ペダルを踏む足の力が心なしか強くなる。
ふと土手の上を見ると、ランニング中の女子高生が複数人。
何の部活かは分からないが、全員赤いブルマーに白い体操着というド真ん中ドストライクな格好。
その中に一人、たわわに実ったおっぱいを装備した巨乳ちゃんが目に付く。
「このおっぱい……只者じゃない……!」
おっぱいマイスターと名高い俺の目が光る。
えいおーえいおーと黄色い掛け声が開始の号令。
自転車を180度回転させ、来た道を戻る。
全く、少しだけ、少しだけだぞと、鼻の下を伸ばし、口元を緩ませながら後を追いかける。
傍目から見ればかなり怪しい学生だが、そんなの気にならないぐらい性欲が頑張っていた。
―――と、五分も経たないうちに雨粒が一つ、二つと、数えていられるのもほんの数秒。
降ってきたかと思った瞬間には、バケツをひっくり返したかのような土砂降りとなる。
俺が濡れればもちろんその子達もずぶ濡れ。
真っ白な体操着は肌にぴっちりと密着し、赤白黄色と綺麗な花が咲く。
あたふたしている様子をにやにやと眺めていると、巨乳ちゃんだけ何か様子がヘンなことに気が付く。
スケスケだけれども、あるはずのそれが浮き出てこない。
俺の見間違いなのだろうと思い、その子を正面から見られる位置に移動。
見間違いだろうとぶつぶつ呟きながらも、心の中ではガッツポーズ。
次の瞬間、うひひっと変な声が漏れる。
漫画に出てきそうなぐらい綺麗な形をしたおっぱいがががががが。
ヤッパ釣鐘型ヤナ!
それだけで十分なのに、突起したモノが二つ。綺麗な色だ、うひょひょーい。
今晩のおかずにしようと、記憶に留める作業に入り、ジーっと眺めていると、ふと気が付く。
胸のところに書いてある名前、見たことがある気がする。
「大豆生田……」
雨で少し滲んでいるが、こんな苗字はそう居ない。
でもあいつは……いや、可能性は……無くも無いのか。
色々考えていると、巨乳ちゃんがジトっとした目で俺のことを見てきている。
この変態が、何見てるんだよと言わんばかりの冷たい目線、あの何を考えているのか分からない表情、もう俺は確信した。
「……いつから気付いてた?」
「すれ違った時から」
「まあ、その、なんだ、いいおっぱいだな」
「久しぶりに会ってそれかよ、まあお前らしいからいいけど」
ケラケラ二人で笑いながら、俺は挨拶する代わりに乳首をつねってあげた。
最終更新:2011年06月16日 00:19